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    親子チョコ💗(500冊以上の良質な書籍のご紹介)

    子どもたちの教育のため、また、その親である私たち自身が学ぶための、読まれるべき良質な書籍のみをご紹介させていただきます。

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    米フェミニスト運動家の恐るべき予言 ~ これは陰謀論なのかしら?

    A storm is coming 466



    本日のキーワード : ウクライナ、ネオナチ、シュトラウス派、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教、アメリカ、NATO



    The New World Order that is being prepared under the pretext of war in Ukraine
    ウクライナ紛争を口実に整えられつつある新世界秩序 ⑤

    The conflict in Ukraine was not opened by Russia on February 24, but by Ukraine a week before. The OSCE is a witness to this. This peripheral conflict had been planned by Washington to impose a New World Order from which Russia, then China, were to be excluded. Don’t be fooled!
    ウクライナ紛争は2 月 24 日にロシアが仕掛けたのではなくその 1 週間前にウクライナが仕掛けたものである。OSCE (Organization for Security and Co-operation in Europe / 欧州安全保障協力機構) がその証言者である。この周辺紛争はロシアそして中国が排除される新世界秩序を押し進めるためにワシントンによって計画されていたものだった騙されてはいけない!



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    The Ukrainian delegation to the International Court of Justice succeeded in obtaining not a judgment on the merits, but an order for a provisional measure against Russia.
    ウクライナ側の国際司法裁判所への代表団は、本案に関する判決ではなく、ロシアに対する暫定措置の命令を得ることに成功した。

    …China, for example, rejects President Biden’s proposal for trade competition. Instead, it has the opposite tradition of "win-win". In doing so, it is not referring to mutually beneficial trade contracts, but to its history. The "Middle Kingdom" has an extremely large population. The emperor was forced to delegate his authority to the maximum. Even today China is the most decentralized country in the world. When he issued a decree, it had practical consequences in some provinces, but not in all. The emperor therefore had to make sure that each local governor would not consider his decree irrelevant and forget his authority. He then offered compensation to those who were not affected by the decree so that they would still feel subject to his authority.
    例えば、中国はバイデン大統領の提案する貿易競争を拒否している。その代わり、「ウィン・ウィン」 という相反する伝統を持っている。その際、互恵的な貿易契約に言及するのではなく、その歴史に言及するのである。「中原の国」 は人口が非常に多い。皇帝はその権限を最大限に委譲することを余儀なくされた。現在でも中国は世界で最も地方分権が進んでいる国だ。皇帝が勅令を出すと、ある地方では現実的な結果が出るが、すべての地方ではそうではない。そこで皇帝は、各地方の知事が自分の勅令を無意味なものと考え、自分の権威を忘れてしまわないようにしなければならなかった。そこで、勅令の影響を受けていない人たちには報酬を与え、自分の権威に服従していることを実感してもらうようにした。

    Since the beginning of the Ukrainian crisis, China has not only taken a non-aligned position, but has protected its Russian ally in the UN Security Council. The United States has wrongly feared that Beijing would send weapons to Moscow. This has never been the case, although there is logistical assistance in the form of prepared meals for the soldiers, for example. China is watching how things are going and deducing how they will go when it tries to get the rebel province of Taiwan back. Beijing has kindly declined Washington’s offers. It is thinking in the long term and knows from experience that if it allows Russia to be destroyed, it will once again be plundered by the West. Its salvation is only possible with Russia, even if it must one day challenge it in Siberia.
    ウクライナ危機が始まって以来、中国は非同盟の立場をとるだけでなく、国連安保理でロシアという味方を守ってきた。米国は、北京がモスクワに武器を送るのではないかと誤解して恐れている。兵士のための食糧を用意するなどの後方支援はあるが、そのようなことは一度もない。中国は、事態の推移を見ながら、反乱分子である台湾を取り戻そうとするときにどうなるかを推し量ろうとしている北京は、ワシントンからの申し出を丁重に断っているそれは長期的な視野で考えており、もしロシアを崩壊させれば、再び西側から略奪されることを経験的に知っているのである例え、シベリアでロシアと対決することになったとしても、ロシアと共にでしか助かる道はないのだ



    Let’s go back to Thucydides’ trap. Russia knows that the United States wants to erase it from the scene. It anticipates a possible invasion/destruction. But its territory is immense and its population insufficiently large. It cannot defend its overly large borders. Since the 19th century, it has imagined defending itself by hiding from its adversaries. When Napoleon, then Hitler, attacked her, she moved her population further and further east. And it burned its own cities before the invader arrived. The latter found himself unable to supply his troops. He had to face the winter without means and, finally, retreat. This "scorched earth" strategy only worked because neither Napoleon nor Hitler had logistical bases nearby. Modern Russia knows that it cannot survive if US weapons are stored in Central and Eastern Europe. That is why, at the end of the Soviet Union, Russia demanded that NATO never expand eastward. French President François Mitterrand and German Chancellor Helmut Köhl, who knew history, demanded that the West make this commitment. At the time of German reunification, they drafted and signed a treaty guaranteeing that Nato would never cross the Oder-Neisse line, the German-Polish border.
    トゥキディデスの罠に戻ろう。ロシアは、米国が自国を世界から抹殺しようとしていることを知っている攻め込まれること・破壊されることを想定しているしかし、ロシアの領土は広大であり、人口もそれほど多くはないそのあまりにも広範な国境を守ることはできない19 世紀以来、敵から身を隠すことで自らを守ることを念頭に置いてきたナポレオン、そしてヒトラーが攻めてきたとき、自国の住民たちをどんどん東に移動させたのであるそして、侵略者が到着する前に、自国の都市を焼き払った。ヒトラーは、自分の軍隊に補給することができないことに気がついた。そして、成す術もなく冬を迎え、ついに撤退を余儀なくされたのである。この 「焦土作戦」 は、ナポレオンもヒトラーも近くに兵站基地がなかったからこそ、成功したのである現代のロシアは、米国の兵器が中欧や東欧に保管されていたら生き延びられないことを承知しているだからこそ、ソ連が崩壊したとき、ロシアは NATO の東方への拡大を絶対に許さないことを要求したのである。歴史を知るフランスのフランソワ・ミッテラン大統領や ドイツのヘルムート・コール首相は、西側にこの約束を守るように要求した。ドイツ再統一の際、彼らは NATO がドイツとポーランドの国境線であるオーデル・ナイセ線を決して越えないことを保証する条約を起草し、署名したのである。



    Russia set this commitment in stone in 1999 and in 2010 with the OSCE declarations in Istanbul and Astana. But the United States violated it in 1999 (accession of the Czech Republic, Hungary and Poland to Nato), in 2004 (Bulgaria, Estonia, Latvia, Lithuania, Romania, Slovakia and Slovenia), in 2009 (Albania and Croatia), in 2017 (Montenegro), and again in 2020 (Northern Macedonia). The problem is not that all these states have allied themselves with Washington, but that they have stored U.S. weapons at home. No one is criticizing these states for choosing their allies, but Moscow is blaming them for serving as a rear base for the Pentagon in preparation for an attack by Russia.
    ロシアは 1999 年に、そして 2010 年にはイスタンブールとアスタナ (現ヌルスルタン) での OSCE (欧州安全保障協力機構) 宣言によって、この公約を実現させたしかし米国は 1999 年 (チェコ、ハンガリー、ポーランドの NATO 加盟)、2004 年 (ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア)、2009 年 (アルバニア、クロアチア)、2017 年 (モンテネグロ)、2020 年 (北マケドニア) にそれを破っているのである問題はこれらの国家がすべてワシントンと同盟を結んでいることではなく自国内に米国の兵器を備蓄していることである。これらの国家がどのように友好国を選んだかを批判する者はいないが、モスクワはこれらの国家がロシアによる攻撃に備えてペンタゴンの後方基地として機能することを非難しているのである



    Is Zelensky a Cousin of George Soros?

    Hitler.jpg 習近平思想の着想者であり、中国的特徴を持つ社会主義の提唱者である習近平総書記

    岸田内閣



    The New World Order that is being prepared under the pretext of war in Ukraine



    本日の書物 : 『アメリカの崩壊 分断の進行でこれから何が起きるのか』 山中 泉 方丈社



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 ナオミ・ウルフの恐るべき予言 ①

     2022 年初頭アメリカの分断は進行し危険な領域に入っている

     バイデン大統領が前年 9 月に発した大統領令 「ワクチン強制義務化 (マンデート) 」 分断の理由だ。

     連邦職員だけでなく、多くの民間企業の社員たちもこれに縛られている。すでに、ニューヨークでは、ワクチン・パスポートを持たない人は、レストランや映画館にも入れない。

     しかし、2020 年末にワクチンが開発された時「ワクチン・パスポートの強制など、まさかこの国で起きるはずがない」 「そんなことを言うのは陰謀論者だ」 ほとんどのアメリカ人はまともに考えすらしなかった

     しかしアメリカでこの動きをいち早く予言していた女性がいる彼女の名前はナオミ・ウルフ。かつて民主党の大統領ビル・クリントンの選挙コンサルタントを務めたこともあるフェミニスト運動家で、ベストセラー作家だ。

    ナオミ・ウルフ
    ナオミ・ウルフ

     彼女は、2020 年に新型コロナ感染が拡大を始めた春先から、ワクチン開発後に起こることとして、「ワクチン義務化」 が起きる、それによってワクチン非接種者は社会的に差別され、ワクチン・パスポートを持っていない人は、レストランや映画館、美術館やカフェにも入れず、列車や飛行機にも乗れない社会が到来するだろうと予測していた。

    Biden V for Vendetta



     そして、彼女は当時のニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ「ワクチン接種所などで混乱を避けるために州兵を動員する」 と発表したのを見て、「クーデターが始まった」 と発言した。この場合のクーデターは、通常理解されているような、反政府分子による国家転覆行為という意味ではない。過去のナチス・ドイツのように「警察国家」 が国民を監視し合衆国憲法の保障する言論や行動移動などの自由と権利を制限していくことを意味する。』

    日の丸

    ルカ文書のユダヤ的特徴と黙示的性格を考察する上でのポイント


    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、実際に永くアメリカに住み実業を営んでいる日本人の著者が現在のアメリカで一体何が起こっているのかを客観的な事実をもとに伝えてくださる良書で、もはや大半の日本国民の常識となっている 「能無しメディア (テレビ・新聞・ラジオ・似非保守系YouTube番組) 」 がそのスポンサーの圧力で伝えない伝えることができないあるいはまったくデタラメに “アメリカの現状” として伝えるのではなく著者自らが体験するリアルなアメリカの姿を知ることができる当ブログお薦めの書物になります。

    読書 4-75

    それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。

    (死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)

    ※(  )内は前回の数値

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    Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

    アメリカ : 1,047,497(1,047,478)÷94,742,293(94,732,814)=0.0110・・・(0.0110) 「1.10%(1.10%)」
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    イタリア : 175,802(175,754)÷21,925,073(21,907,413)=0.0080・・・(0.0080) 「0.80%(0.80%)」
    wsaplgcd2_202209061559306ce.jpg

    日本 : 40,879(40,591)÷19,352,819(19,229,782)=0.0021・・・(0.0021) 「0.21%(0.21%)」
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    さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓

    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)

    そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。

    世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである詳しくはこちらから💓

    そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    イマヌエル・カント
    イマヌエル・カント

    たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない詳しくはこちらから💓

    また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

    世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる詳しくはこちらから💓

    で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

    カール・マルクス
    カール・マルクス

    私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

    ウラジーミル・イリイチ・レーニン 1
    ウラジーミル・イリイチ・レーニン

    われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう詳しくはこちらから💓

    このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中はその影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていないという状況にあるということです。

    Hunter Biden Soros Linked to Biolabs in Ukraine





    その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア詳しくはこちらから💓) やウクライナ詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

    A storm is coming 245





    さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓

    ウーマニ

    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために様々な論文を見ているところとなります。

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    『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香

    それでは早速、続きを見て参りましょう。

    『 3 章 原始キリスト教団
     2 章では初期ユダヤ教において当時の神殿体制に異議を唱えるセクトが誕生したこと、神殿から離れたそれらセクトの中で神殿での犠牲儀礼に代わって内面の悔い改めを重視する 「聖化」 儀礼としての洗礼が発達したこと、それに伴ってセクトメンバーには 「聖霊」 が与えられ天使たちと共にあるとの認識があったことを、彼らが トーラーの重要性を前提としつつ多様な解釈を展開したことを示す資料を通して確認した。原始キリスト教団もまたこれらの初期ユダヤ教のセクト運動の中から生まれたことが想定される本章では原始キリスト教団が初期ユダヤ教の中の一セクトとしてユダヤ教の解釈を 「継承」 しつつ同時にいかにユニークな解釈を行ってユダヤ教から独自の宗教への 「転換」 を行っていったのかを考察する

    3 - 2 ルカ

     原始キリスト教団の文書として次にルカ文書 (ルカ福音書・使徒言行録) を検討する伝統的な理解では、ルカは異邦人キリスト者のために著作した異邦人の著者であることは議論のないこととされてきたのであるが近年の見解ではルカ文書のユダヤ人性を指摘する研究が多く提出されており、事実、ルカ文書には多くの 「ユダヤ的」 特徴を見ることができるのである。本研究の関心において最も関係のあるその特徴とはルカ文書が 「聖霊」 と 「天使」 を非常に重視している文書であるという点であるまた従来 「文学者」 としての側面が指摘されてきたルカであるがその文学的技法を見る時にそれがトーラーを下地として浮かび上がらせながら自らの解釈の 「新しい世界」 を出現させるという2 - 4 で確認した初期ユダヤ教における allusion の技法であるのを見ることができるだろう。ルカがこの技法によって描き出す新しい解釈の世界がどのようなものであるのかを、特に彼が 「聖霊」 をどのような意味で用いているのかに焦点を当てつつ、初期ユダヤ教の聖書解釈からのルカの 「継承」 と 「転換」点について考察する

    3 - 2 - 4 ルカが受容した世界

     (2) ルカ文書の 「人の子」 の用法 ‐ 高挙のキリスト ‐

     上述のように、ルカ文書のユダヤ的特徴や黙示的性格が強く窺われる時この文書が 「人の子」 をどのようなイメージにおいて用いているのかということが検討されなければならいだろう。これはかなり難解なテーマである。 というのも、ルカの 「人の子」 の用法については従来、「ルカは彼の資料に忠実である。彼の福音書の中に何らかの特別なルカの人の子キリスト論を見出すことはできない」 (378) と言われてきており、ルカの特徴を述べることは容易ではないからである。 この Colpe のコメントは Conzelmann (379) に基づいており、Tuckett も Conzelmann (380) の 「ルカは自身のキリスト論を発展させているが 『人の子』 などの称号の元来の特性にはもはや気づいていない。彼はそれらを伝統から借用し、自身の概念によってそれらを解釈している…福音書と使徒言行録の主要部分において最も頻繁に見られる称号は 『主』 と 『キリスト』 である」 とのコメントに言及しつつ、ルカが 「人の子」 の元来の意味に気付いていなかったという部分の誤りを指摘する (381)。
     ルカ文書における 26 回の 「人の子」 の用例 (382) について、Q 資料またはマルコ (M) 資料に基づくもの関しては、ルカがそれにどのような変更を加えているのかを見ることによって、またルカの編集 (LkR) によるものに関しては、それ自体がルカの概念を表すものとしてルカ自身の 「人の子」 についての概念を明らかにすることができるはずである。Tuckett の報告によると、まず Q 資料に関しては、一般にルカは Q 資料の 「人の子」 の用例のすべてを保存していると思われ (383)、マタイよりも忠実に Q 資料の順序を保存していると想定されておりQ 資料に関して 「ルカは忠実で信頼できる人の子言葉の伝達者のようであると言われる (34)。
     マルコ資料に関しては、ほとんどの基本構造は保持しながらも、時々いくつかの重大な書き換えが行われていることが指摘される (385)。重要な例として、ルカ 22:69 でルカはマコ 14:62 の人の子の 「到来」 に言及するフレーズ全体を削除し、マルコでは恐らくパルーシアに言及している言葉がルカでは栄光において神の右手にいる人の子としてのイエスの現在 「高挙」 の立場についての叙述になっていること (386)、ルカ 21:27 では、マコ 13:26 の雲 (複数) が 単数形の雲 ( έν νεΦέλη )に変えられ、使 1:9 で昇天するイエスを運ぶ雲に関連付けられ、それと 「同じ有り様で」 彼が戻ってくる (使 1:11 ) というルカ自身の終末論的視点と物語に関連させられていることが挙げられる (387)。 


    (378) Carsten Colpe, TDNT vol.8 , p.

    (379) Hans Conzelmann, Die Mitte der Zeit Zeit.

    (380) Hans Conzelmann, The Theology of St. Luke Luke, (tr. Geo Buswell), New York: Harper & Row Publishers, 1961(1960), pp.170 - 1. (Die Mitte der Zeit の英訳)。

    (381) Tuckett, op.cit., pp.198 - 217.

    (382) ルカ 5:24 (M); 6:5 (M), 6: 22 (Q); 7:34 (Q); 9:22 (M), 9: 26 (M); 9:44(M), 9:58 (Q), 11:30 (Q); 12:8 (Q), 12:10 (Q), 12: 40 (Q); 17:22 (LkR), 17: 24 (Q), 17: 26 (Q), 17: 30 (Q); 18:8 (LkR), 18: 31 (M); 19:10 (LkR); 21:27 (M), 21: 36 (LkR); 22:22 (M), 22:48 (LkR), 22: 69 (M); 24:7 (LkR)、使 7:56 (LkR) 。M はマルコ資料、Q は Q 資料に基づくもの、LkR はルカの編集によると考えられる箇所である (ibid) 。

    (383) 22:30 においてのみ、ルカが人の子としてのイエスへの言及を削除したと考えられる (並行マタ 19:28) (ibid., p.201 )。

    (384) ibid., p.206.

    (385) ibid., pp.206 - 8.

    (386) パルーシアの遅延に関するルカの視点が背後にあると指摘される。

    (387) ibid. 』


    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。









    続きは次回に♥




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