2022-09-12 (Mon)

本日のキーワード : ウクライナ、ネオナチ、シュトラウス派、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教、ジェノサイド、トゥキディデスの罠
The New World Order that is being prepared under the pretext of war in Ukraine
ウクライナ紛争を口実に整えられつつある新世界秩序 ④
The conflict in Ukraine was not opened by Russia on February 24, but by Ukraine a week before. The OSCE is a witness to this. This peripheral conflict had been planned by Washington to impose a New World Order from which Russia, then China, were to be excluded. Don’t be fooled!
ウクライナ紛争は、2 月 24 日にロシアが仕掛けたのではなく、その 1 週間前にウクライナが仕掛けたものである。OSCE (Organization for Security and Co-operation in Europe / 欧州安全保障協力機構) がその証言者である。この周辺紛争は、ロシア、そして中国が排除される新世界秩序を押し進めるために、ワシントンによって計画されていたものだった。騙されてはいけない!

The Ukrainian delegation to the International Court of Justice succeeded in obtaining not a judgment on the merits, but an order for a provisional measure against Russia.
ウクライナ側の国際司法裁判所への代表団は、本案に関する判決ではなく、ロシアに対する暫定措置の命令を得ることに成功した。
How is such manipulation of the court possible? Ukraine referred to the fact that President Putin, during his speech on the Russian military operation, said that the people of Donbass were victims of "genocide". She therefore denied this "genocide" and accused Russia of having used this argument improperly. In international law, the word "genocide" no longer refers to the eradication of an ethnic group, but to a massacre ordered by a government. Over the past eight years, between 13,000 and 22,000 civilians have been killed in the Donbass, depending on whether one refers to Ukrainian or Russian government statistics. Russia, which had sent its plea in writing, argues that it is not relying on the Convention on the Prevention and Punishment of the Crime of Genocide, but on Article 51 of the UN Charter, which authorizes war in self-defence, as President Putin had explicitly stated in his speech. The Tribunal did not attempt to verify anything. It stuck to the Ukrainian denial. It therefore concluded that Russia had improperly used the Convention as an argument. Moreover, as Russia did not consider it necessary to be physically represented at the Court, the Court used its absence to impose an aberrant provisional measure. Russia, sure of its good right, refused to comply and is demanding a judgment on the merits, which will not be given before the end of September.
どのようにすれば、このような法廷操作が可能なのか? ウクライナは、プーチン大統領がロシアの軍事作戦に関する演説の中で、ドンバスの人々は 「ジェノサイド」 の犠牲者であると発言したことに触れた。そこで彼女はこの 「ジェノサイド」 を否定し、ロシアがこの主張を不当に利用したと非難した。国際法上、「ジェノサイド」 という言葉は、もはや民族の根絶を意味するものではなく、政府が命じた大虐殺を意味するものとなっている。ドンバスでは過去 8 年間で、ウクライナ政府の統計かロシア政府の統計かによっても異なるが、1 万 3,000 人から 2 万 2,000 人の民間人が殺害されたのである。書面で嘆願書を送ってきたロシアは、ジェノサイドの罪の防止及び処罰に関する条約ではなく、プーチン大統領が演説で明言していたように、自衛のための戦争を認めた国連憲章第 51 条に依拠していると主張していた。法廷は何も検証しようとしなかった。それはウクライナの罪状否認に終始した。その結果、ロシアが条約を論拠にするのは不適切であったと結論づけた。さらに、ロシアは法廷に物理的に代理人を立てる必要がないと考えていたため、法廷はその不在を利用して異常な仮処分を課したのである。ロシアは自らの正当な権利を確信して、これに従うことを拒否し、本案に関する判決を要求しているが、この判決は 9 月末までに下されることはないだろう。
All this being said, we can only understand the duplicity of the West if we put the events in their context. For a decade, American political scientists have been telling us that the rise of Russia and China will lead to an inevitable war. The political scientist Graham Allison created the concept of the "Thucydides trap". He was referring to the Peloponnesian wars that opposed Sparta and Athens in the fourth century BC.. The strategist and historian Thucydides analyzed that the wars had become inevitable when Sparta, which dominated Greece, realized that Athens was conquering an empire and could replace its hegemony. The analogy is telling, but false: while Sparta and Athens were close Greek cities, the United States, Russia and China do not have the same culture.
このように、今回の出来事をその文脈に即して考えることで、初めて西側の二枚舌が理解できるようになる。この 10 年間、アメリカの政治学者は、ロシアと中国の台頭は不可避の戦争につながると説いてきた。政治学者のグレアム・アリソンは、「トゥキディデスの罠」 という概念を作り出した。彼は、紀元前 4 世紀にスパルタとアテネが対立したペロポネソス戦争に言及している。戦略家であり歴史家であるトゥキディデスは、ギリシャを支配していたスパルタが、アテネが帝国を征服しつつあり、その覇権に取って代わることができると気づいたとき、この戦争は必然的なものになったと分析している。この例えは説得力があるが、間違っている。スパルタとアテネは近いギリシャの都市であるが、アメリカ、ロシア、中国は同じ文化を持っていない。




☆The New World Order that is being prepared under the pretext of war in Ukraine
本日の書物 : 『アメリカの崩壊 分断の進行でこれから何が起きるのか』 山中 泉 方丈社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 バイデンが就任当日、大統領令にサインした瞬間に同時インフレは始まった
2021 年 1 月 20 日、バイデン新大統領は、その就任当日に 17 本もの大統領令に一気にサインをしたのだが、その内容についてご存じだろうか? 実は、このサインの瞬間に、現在の過酷なインフレは約束されていたと私は考えている。

バイデンがサインした大統領令の中の 1 本に、「アラスカからのキーストン・パイプライン建設の凍結令」 があった。これは、民主党左派が推進する、幻想に近い環境保護策である 「グリーン・ニューディール政策」 の主張に沿う目玉政策だった。
だが、この新エネルギー政策によって、政権成立からわずか 9 ヵ月後に、自分たちの毎日使うガソリン価格が 6 割も急上昇し、アッという間に急激なインフレーションに陥ると予想した国民はほとんどいなかっただろう。私の周りにいる、バイデンに投票した民主党支持者ですら、今は大きな怒りの声を挙げている。』

「人の子」 ~ 人間の姿をした天的存在
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、実際に永くアメリカに住み、実業を営んでいる日本人の著者が、現在のアメリカで一体何が起こっているのかを客観的な事実をもとに伝えてくださる良書で、もはや大半の日本国民の常識となっている 「能無しメディア (テレビ・新聞・ラジオ・似非保守系YouTube番組) 」 がそのスポンサーの圧力で伝えない、伝えることができない、あるいはまったくデタラメに “アメリカの現状” として伝えるのではなく、著者自らが体験するリアルなアメリカの姿を知ることができる、当ブログお薦めの書物になります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 1,047,478(1,046,986)÷94,732,814(94,646,652)=0.0110・・・(0.0110) 「1.10%(1.10%)」

イタリア : 175,754(175,663)÷21,907,413(21,888,255)=0.0080・・・(0.0080) 「0.80%(0.80%)」

日本 : 40,591(40,241)÷19,229,782(19,099,600)=0.0021・・・(0.0021) 「0.21%(0.21%)」

さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」・「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓)

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである (詳しくはこちらから💓)
そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない (詳しくはこちらから💓)
また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる (詳しくはこちらから💓)
で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

ウラジーミル・イリイチ・レーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう (詳しくはこちらから💓)
このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中は、その影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で、人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在、私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていない、という状況にあるということです。

その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓)

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア (詳しくはこちらから💓) やウクライナ (詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」 (こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓)

そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、様々な論文を見ているところとなります。

☆『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 3 章 原始キリスト教団
2 章では初期ユダヤ教において当時の神殿体制に異議を唱えるセクトが誕生したこと、神殿から離れたそれらセクトの中で、神殿での犠牲儀礼に代わって内面の悔い改めを重視する 「聖化」 儀礼としての洗礼が発達したこと、それに伴ってセクトメンバーには 「聖霊」 が与えられ、天使たちと共にあるとの認識があったことを、彼らが トーラーの重要性を前提としつつ多様な解釈を展開したことを示す資料を通して確認した。原始キリスト教団もまた、これらの初期ユダヤ教のセクト運動の中から生まれたことが想定される。本章では、原始キリスト教団が初期ユダヤ教の中の一セクトとしてユダヤ教の解釈を 「継承」 しつつ、 同時にいかにユニークな解釈を行ってユダヤ教から独自の宗教への 「転換」 を行っていったのかを考察する。
3 - 2 ルカ
原始キリスト教団の文書として次にルカ文書 (ルカ福音書・使徒言行録) を検討する。伝統的な理解では、ルカは異邦人キリスト者のために著作した異邦人の著者であることは議論のないこととされてきたのであるが、近年の見解ではルカ文書のユダヤ人性を指摘する研究が多く提出されており、事実、ルカ文書には多くの 「ユダヤ的」 特徴を見ることができるのである。本研究の関心において最も関係のあるその特徴とは、ルカ文書が 「聖霊」 と 「天使」 を非常に重視している文書であるという点である。また、従来 「文学者」 としての側面が指摘されてきたルカであるが、その文学的技法を見る時に、それがトーラーを下地として浮かび上がらせながら自らの解釈の 「新しい世界」 を出現させるという、2 - 4 で確認した初期ユダヤ教における allusion の技法であるのを見ることができるだろう。ルカがこの技法によって描き出す新しい解釈の世界がどのようなものであるのかを、特に彼が 「聖霊」 をどのような意味で用いているのかに焦点を当てつつ、初期ユダヤ教の聖書解釈からのルカの 「継承」 と 「転換」点について考察する。
3 - 2 - 4 ルカが受容した世界
(1) 「人の子」 ‐ 人間の姿をした天的存在 ‐
聖書における 「人の子」 についての議論は錯綜している。ヘブライ語聖書では、この語は 109 回登場し、内 93 回がエゼキエル書での預言者エゼキエルに対する神からの呼び掛け、他 16 回は一般に 「人間」 の意味 (371) であり、死海文書でも同様であるため (372)、この語の元来の意味は一般に 「人間」 を意味して使われていたことが考えられる。
このような 「人の子」 の用法を超える意味を持つ唯一のヘブライ語聖書の用例としてダニ 7:13 - 4 が挙げられる (373)。ここでは幻視者が、天の雲と共にやってきて神から永遠の支配が手渡されるところの 「人の子のような」 存在を見る。この 「人の子」 はそこで先立って述べられている獣の幻と対照的な存在として記されている。 ここでの 「人の子」 という言葉自体は 「人間」 を意味するが、「のような者」 をつけることで、「人間の姿をした天的存在」 が表現されている (374)。このことからこの箇所の 「人の子」 はメシア的表象として受容される可能性を持つ (375)。このダニエル書の 「人の子のような者」 が 1 エノ 37 - 71 章の 『たとえの書』 で、集合的なものでなく 「個人的なメシア」 と解釈され 、4 エズ 13 章もこの解釈を受け継ぎ、ダニ 7:13 からユダヤ教黙示文学において継承されたこの 「人の子」 解釈が、新約聖書でのイエスのメシア的称号としての 「人の子」 につながっていることに関しては、研究者間での一定の了解が見られる (376)。
つまり、ダニ 7 章、1 エノ 、4 エズの 「人の子」 には、ヘブライ語聖書の 「人間」 の意味での 「人の子」 とは異なる、「天的存在 (としてのメシア) 」 につながる意味が窺えるというこである (377)。
(371) 上村静 「イエスと人の子 ‐ メシア称号としての 『人の子』 の起源 ‐ 」 『宗教研究』 第 68 巻第 3 輯、日本宗教学会、1994 年、109 - 35 頁、参照。
内 14 回 בןיארם (民 23:19、ヨブ 16:21、25:6、35:8、詩 8:5、80:18 (一般の人間ではなく 「イスラエルの民」 )、146:3、イザ 51:12、56:2、エレ 49:18、33、50:40、51:43、ダニ 8:17 ) 内 1 回 בןיאנוש (詩 144:3 ) 内 1 回 בראנש (ダニ 7:13 )。この 16 か所の内 13 か所がパラレリスムスで、全て二番目が 「人の子」 と表現される (同上)。
(372) 1QS11:20、1QH4:30、10:28 。意味はやはり、「女から生まれた者」 「土くれで造られた者」 「人間」 (同上)。
(373) Die Religion in Geschichte und Gegenwart; Handwörterbuch für Theologie und Religionswissenschaft (RGG), Dritte, Vierter Band (Kop Kop-O), Tübingen: J. C. B. Mohr (Paul Siebeck), 19 60, p.874.
(374) 上村、前掲論文、111 - 2 頁。
(375) 上村は、ここでの 「人の子」 はメシア称号ではないが、メシア的表象として受容されてゆく傾向をもっていると指摘する (同上、112 頁)。一方 7:15 以下で 「人の子のような者」 は 「至高者の聖者たち」 と集合名詞の表現で解釈されており、それは 「終末時に支配が手渡される天使たち (二次的にイスラエル民族) 」 である (RGG, op.cit., 874 - 5)
(376) RGG , op. cit.; Chrys C. Caragounis, The Son of Man ; Vision and Interpretation, WUNT38, Tübingen: J. C. B. Mohr (Paul Siebeck) , 1986; 上村 、前掲論文 。Caragounis は、イエスの思考における 「人の子」 概念の発展は疑いなくダニエル書から来ていると述べ、ダビデの子孫という地上の生まれを持つ地上的メシアという伝統的なユダヤ人のメシア期待に対して、ダニエル書は神的介入による救いとして天的起源を持つメシアを描き、ダニエル書以降、異なるメシア論 がユダヤ人の宗教的サークルにおいて競合していたと指摘する (Caragounis, op. cit., p.249 249)。RGG もまた、第二イザヤの主の僕からの影響をも指摘しつつ、預言者のメシア期待との著しい違いとして第一 エノク書の 「人の子」 が先在の天的な存在であることを指摘する。 こ の 「人の子」 は終末において義人にのみ明らかにされる秘儀的形象である( RGG, op. cit., p.875 ) (1 エノ 48:6 - 7 ; 霊魂の主、人の子の名について言及されている)。上村は、新約聖書のメシア的 「人の子」 の起源として、ダニ 7:1 13 → 1 エノ 、4 エズの流れを確認しつつ、言語学的考察から、「メシア称号」 としての人の子の起源は、「来臨の人の子」 言葉を原始教会において説教者がイエスを指しつつ (アラム語の本来の意味である) 「あの方」 の意味で語ったものが、アラム語を理解しないキリスト教徒によって 「メシア称号」 と理解されたことにあると分析する (上村、前掲論文)。なお 上村はその後の論文においてメシア称号としての 「人の子」 へのダニエル書からの影響を否定するに至っている (上村静 「ユダヤ教における 『人の子』 ‐ 言語学的考察 ‐ 」 『新約学研究』 31 号、日本新約学会、2003 年、5 - 26 頁) 。史的イエスに関する詳細な考察は本研究の範囲ではないため、これ以上は言及しない。
(377) ヘブライ語聖書 109 回中 93 回の用例がある預言者エゼキエルを指す 「人の子」 は、預言者の 「人間的低さ」 の強調と言われる ( RGG , op. cit., p.874.; 上村 [ 1994 ]、111 頁; [ 2003 ]、8 頁) が、同時に預言者エゼキエルは天使を通して神的秘儀の啓示を受ける人物であり (ダニ 8:17 でのダニエルも同様)、ヘブライ語聖書の他の用例での単なる 「人間」 の意味に、更に別の要素が加わってき ている可能性があるのではないだろうか? 少なくともそのイメージは、第一 エノク書によって、天に上げられ神の秘儀の啓示を受けるエノク (更にメシア的 「人の子」 と同定される) という人物において、「人間」 と 「天的存在」 との境界が接合されていることが指摘できるだろう。 』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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