2018-09-18 (Tue)
【理性】(りせい) :
① 感情におぼれずに、筋道を立てて物事を考え判断する能力。 「 -をはたらかせる」
② 〘哲〙 感覚的能力に対して、概念的に思考する能力。
理性(あるいは高次の認知能力)は伝統的に、感覚(senses)、感情・情動(feelings、emotions)、情念(passions)等と対比的に用いられてきた。
近年、行動経済学と実験心理学は理性的な熟慮がかならずしも合理的な判断を引き起こさないことを示した(認知バイアス)。心理学の機能主義学派は情動をヒトの生存と結びついていると考えていたが、同様に進化心理学は認知バイアスや情動的直観が必ずしも不合理ではなく、特に我々の祖先の時代の環境では合理的な判断に結びついていた可能性を示した。これは理性と情動・感情が相互作用的または並列的に判断や意思決定に関わっていることを示唆する。これは二重過程理論あるいは二重プロセスモデルと呼ばれている。スタノヴィッチはこれまでに提案された二重プロセスモデルに類似したモデルを列挙している。それらは詳細は異なるが、次のような共通点を持つ。
情動システム(システム1)-即座に働き、短期的な利益(主に生存・繁殖)に関わり、主に大脳辺縁系に司られている。進化的な起源は古い。
理性的システム(システム2)-ゆっくりと働き、長期的な利益を勘案することができ、主に大脳新皮質に司られている。進化的な起源は比較的新しい。
二つのシステムがどのように相互作用するかには、これらのモデルの提唱者の間でも合意がない。状況や判断の内容によってもことなる可能性がある。
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 なお、【進歩史観を奉ずる理想家】が【血も涙もない殺人鬼と化す】るという逆説を指摘した哲学者がいる。【ベルジャーエフ】である。
ニコライ・ベルジャーエフ
彼は【進歩史観を厳しく戒めている】。
「 【進歩の論理】は、【過去と現在を犠牲にして未来を神化する】のであり、【科学的見地】からも【哲学的見地】からも【道徳的見地】からも【これを正当化することはできない】」(ベルジャーエフ『歴史の意味』白水社、229頁)
「 それ(【進歩の論理】)は、その他の部分に対しては情け容赦のない【吸血鬼】として登場する、というのは【それは過去を喰いつくし、過去を殺害する未来であるから】である。【進歩の理念はその期待を死の上に置く】」(前掲書、233頁)
いずれも忘れてはならぬ至言というべきであろう。
自白書に署名させられた【ルバショフ】は、死の直前に思索に耽(ふけ)る。
革命が目指していたのは、無意味な苦しみを廃絶することであった。しかし、無意味な苦しみを廃絶するためには、犠牲が必要だった。その犠牲の上に革命が成就し、理想が実現されるのだから、その苦しみは無意味な苦しみではない。意味のある苦しみというべきなのだ。しかし、そうした意味の有無は個人の生においてはいかなる意義ももっていない。死に直面させられた個人にとって、その死が理想の実現に寄与するか否かは意味を為さない。ただ、不条理な死があるだけだ。意味ある苦しみか否か、などという議論は、「人類」という抽象的な概念にとっての議論であり、現実に生きている一人ひとりとは関わりを持たない議論に過ぎない。
死の直前にルバショフは過去の信念を思い起こすことになる。かつてルバショフは日記に次のように綴(つづ)っていた。
「 われわれは全ての因習を捨て去った。われわれの唯一の指導原理は論理上の必然に従うことである。われわれは倫理という底荷は積まずに航海している」(『真昼の暗黒』389頁)
過去のこうした見解に対して、ルバショフは批判を加える。
「 おそらく、諸悪の根源はそこにあった。おそらく、底荷無しで航海に出るのは、人間には向かなかったのだ。おそらく、理性だけというのは欠陥のある羅針盤であり、それに従っていると、ひどく曲がりくねって、ねじくれた航路に迷い込んでしまい、最終的には、目的地を霧の中に見失ってしまうことになるのだ」(前掲書、389頁)
歴史の法則を掴んだと称する人々。彼らが恃(たの)んだのは自らの理性に他ならなかった。確かに、彼らは傑出した頭脳を持つ人々であったのかもしれない。万巻の書物を読み、議論を重ねた秀才たちであったのかもしれない。だが、人間の理性は限定的なものに過ぎなかった。理性のみを奉ずる人々は倫理を忘れ、人々を欺き、裏切り、そして殺したのである。
「知恵と節度とは分かちがたい」とは、古の格言だが、20世紀の共産主義者の過ちとは、節度を欠いた理性に身を委ねたところにあった。』
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、現代の日本において「リベラル」を自称する“奇妙な人々”の「奇怪な言説」を取り上げ、それらを徹底的に批判するところから始まる書物で、「東京新聞」や「朝日新聞」はもちろんのこと、「池上彰」、
池上彰
「加藤典洋」、
加藤典洋
「内田樹」、
内田樹
「白井聡」といった面々が、
白井聡
そのやり玉にあがっていて、非常に楽しく拝見できる良書になります。そして、後半3分の1にあたる部分から、今回ご紹介させて頂く本文となるのですが、非常に中身が濃く読みごたえがあってお勧めです。
さて、冒頭で、「進歩史観を奉ずる理想家が血も涙もない殺人鬼と化す」、「進歩の論理は、・・・科学的見地からも哲学的見地からも道徳的見地からもこれを正当化することはできない」と書かれていましたが、そんな奇妙な論理を盲信している「血も涙もない殺人鬼」が、例えば、この人(↓)で、
人類の社会は、資本主義で終わりではなく、もっと先に行ける(=進歩史観)って、“いい歳こいたおっさん”が本気で語っています(笑)
☆共産党の党名を変更しない3つの理由を志位和夫委員長が説明「ロマンチックな名前と理解して」
☆共産・志位氏「党名を変えるつもりはない」 #BLOGOS
『 フランス革命という言葉は知っていても、実際はどんな性質のものだったのか?ナポレオンという名前は知っていても何をした人だったのか?それを知らない人は意外と多いと思いますが、真実は知っておくべきです。知識や情報は力です。あやふやなままにしておいたり、嘘を教え込まれたままになっているより、本当のことを知ったほうが自分のためになります。知らないことを知るのはプラスです。自分自身で良し悪しを判断できるので、精神的にも余裕が生まれます。
最近は「マルクス主義がよくわからない」「ソ連は崩壊したのに、どうしていまだにマルクス主義という言葉が生き残っているのか?」といった声も学生たちから聞かされます。
そのたび、いろいろ説明していますが、マルクス主義はある意味、キリスト教の鬼っ子のような面があります。マルクス(1818~1883年)の言っていることは「新約聖書」にも近いことです。
キリスト教はユダヤ教から出てきたもので、ユダヤ人じゃなくても信者になれることで爆発的に世界に広がっていきました。信仰によって救われた人たちもいるはずですが、宗教戦争が繰り返されて、多くの犠牲者が生まれました。そんな中で登場してきたマルクスは、新たなイデオロギーを提示しました。
ドイツの地方生まれのユダヤ人であるマルクスは、市民革命が相次いだ時代にヨーロッパを転々として赤貧生活を送っていました。そして、わかりやすくいえば、「貧乏人は救われる」「虐げられている人たちに正義がある」「労働者は団結しろ」「既得権益者をやっつけろ」というようなことを説いていったのです。
「それならば、マルクス主義は宗教なのではないですか?」と質問する人もいますが、そう感じるのも当然です。
マルクスの主張の根本はかなり宗教に近いものだったといえるのです。あと2百年もすれば、宗派のひとつとして捉えられているのではないかと私は思います。
マルクス主義は、資本主義社会の矛盾を指摘し、社会主義社会へと移行する必然性を説いた思想体系です。
世の中は、原始共産制→古代奴隷制→中世封建制→近世資本主義→未来共産制と移り変わっていくという「発展段階論」がマルクス主義の軸となっています。そうした経済活動のあり方と変化が歴史を前進させる原動力となるという考え方が「唯物史観」です。
こうしたイデオロギーは宗教にも似ているうえに、現在の「進歩史観」に大きな影響を与えています。
進歩史観は歴史の見方を大別したときのひとつであり、人間社会は最終形態に向けて進歩を続けていると考える立場です。これをダーウィンの「進化論」と結びつけて考える人もいますが、ダーウィンが言っているのは「適者生存」です。マルクスの進歩史観は進化して適者になるということではないので、両者の立場は異なります。
古代から現代へ向けて社会が良くなっていく過程として中世を位置づけたマルクスは、それぞれの時代を経済の仕組みと重ねて語っています。その発展段階においても多くの疑問が持たれます。
「それならば日本の古代はどう考えればいいのか?」と、まず問いたいところです。
飛鳥時代に奴隷がいなかったわけではありませんが、マルクス主義者と呼ばれる人たちは皇帝がいるところには必ず奴隷がいるというような極端な見方をします。
そのため、天皇制がある日本を古代のままであるようにも解釈するのだから始末に負えません。天皇制がある限り、未来共産制が来ないので廃止しろ、といったことまでを言い出してしまうのがマルクス主義者です。
奴隷がいれば古代になるとするなら、「アメリカは南北戦争まで古代だったのか?」ということにもなります。南北戦争は1861年から1865年まで続いたので、日本でいえば、明治維新を目の前にしていた時期です。
封建制が中世の区切りになるなら、始皇帝が封建制の世を改めたシナでは、「秦の時代(秦による統一は紀元前221年)から現代だったのか?」ということにもなってきます。
カザフスタンやモンゴルは、ロシア革命のあと間もなく社会主義になっていますが、その過程に中世封建制があったかといえば、その点でも難しい問題が出てきます。マルクスのいう封建制つまりフューダリズムは、ドイツのエルベ河から西、フランスのロワール河から北のあいだにしかなかった現象で、騎士が自分の領地の一部を有力な君主に献上して、その見かえりに保護を受ける契約を結ぶことでした。そこでカギとなるのは土地所有をめぐる関係性です。
しかし、遊牧民にはもともと土地所有のという概念がないのです。
カザフやモンゴルでは遊牧民に封建制があったといえるのかという議論が長く続けられてきましたが、その結論は出ていません。
主人と家来の関係はあったことから中世封建制はあったと見ることはできますが、さすがに近世資本主義は経験していません。それでモンゴルでは『資本主義を飛び越えて』(B・シレンデブ大統領著)という本が書かれているくらいです。』
詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆マルクス主義は、キリスト教の鬼っ子
進歩史観に多大な影響を与えている唯物史観は、アリストテレスに始まる「ギリシャ論理学」から発展していった西欧の論理である「唯物論」の考え方に由来しています。それは、「いまここにある」という「もの」が「存在する」という考え方、つまり、実際に目の前に「もの」が「存在」しているから、その「もの」を見たり、掴んだり、といったことができる、という考え方です。「もの」が「存在」していることが先にあるところがポイントです。
詳しくはこちらをご参照💛
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☆ユクスキュルの「マダニの環世界」は、聖徳太子の「仏教」を理解する第一歩です
「唯物論」の考え方では、いま、目の前には「富士山」がある、
でも、それは目を閉じると見えなくなる、ということだけを説明することができます。
これは、「理性だけ」、「理性のみ」の考え方で、ものごとの「半面のみ」に囚われている考え方になります。
そこで、もう一度、目を開いてみますと、目の前に風景が広がっています。
そこには、様々な色が見えています。これは、「感覚」です。その「感覚」は人それぞれで違っています。そして、その見えている風景を、どのように受け止めるのかも、人それぞれで違っています。
その理由を「唯物論」の考え方、「理性だけ」、「理性のみ」の考え方では、どうしても説明することが出来ません。何故なら、「心」や「情緒」といった問題について、説明することができないからです。
ですので、本文中にも書かれていましたように、「諸悪の根源」は、理性だけという欠陥のある羅針盤にあり、「理性のみを奉ずる人々は倫理を忘れ、人々を欺き、裏切り、そして殺した」わけで、そんな20世紀の共産主義者の過ちが、「節度を欠いた理性に身を委ねたところにあった」ということが、すでに誰の目にも明らかになっているのですが、その過ちを繰り返そうとしているのが「日本共産党」であるということを、さきほどの“いい歳こいたおっさん”の例でご理解頂けたのではないかと思います。
続きは次回に♥
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