2023-06-14 (Wed)

本日のキーワード : ウクライナ、ネオナチ、インテグラル・ナショナリスト、ウォロディミル・ゼレンスキー、ユダヤ人、レオ・シュトラウス、シュトラウス派、歴史修正主義、ロシア、中国
Two perceptions of the war in Ukraine
ウクライナ戦争に対する 2 つの認識 ⑤
The military intervention in Ukraine is not at all interpreted in the same way in the West and in Russia. It is a school case. This difference of representation does not come from antagonistic material interests, but from different conceptions of what makes Man and what is Life. For some, the enemy is trying to restore the grandeur of the Tsarist Empire or the Soviet Union, while for others, he imagines himself to be the embodiment of Good.
ウクライナへの軍事介入は、欧米とロシアで全然違う解釈がされている。それは、学説的事例である。このような認識の違いは、対立する物質的利害から来るものではなく、何がヒトを創り、何が生命であるかについての異なった概念から来るものである。ある人にとっては、敵はツァーリ帝国やソビエト連邦の壮麗さを復興させようとしているのであり、ある人にとっては、自らを善の体現者であると思い描いているのである。

In all wars both sides suffer. This picture was taken in Ukraine, but it has a different meaning if it is in the West or in Novorossia. One cannot and should not judge who is right by seeing people suffering. During the Second World War, the suffering was the same among the victims of the bombing of Dresden, London, Tokyo or Le Havre. This does not tell us who was right, the Axis or the Allies.
どんな戦争でも、お互いに苦しむものです。この写真はウクライナで撮影されたものですが、それが欧米なのか、ノヴォロシアなのかで意味が違ってくるのです。苦しんでいる人を見て、どちらが正しいかを判断することはできないし、してはならない。第二次世界大戦中、ドレスデンやロンドン、東京、ルアーブルへの爆撃による犠牲者たちの苦しみは同じものでした。このことは、枢軸国と連合国のどちらが正しかったかを教えてはくれないのである。
This type of conflict is extremely rare. One thinks of the conflict between Rome and Carthage, which ended with the destruction of all vestiges of Carthaginian civilization. To the point that we ignore today almost everything of it. At most we know that it was built by people from Tyre (now Lebanon, the stronghold of Hezbollah) and that its leader, Hannibal, sought refuge in Damascus and other Syrian cities when his city was destroyed. We also know that it had developed in good understanding with its neighbors and partners, while Rome had conquered its empire by force. I had already made this connection with the war against Syria when Russia intervened. The parallel is becoming more and more obvious. The two blocs have nothing in common anymore.
このような対立は極めて稀である。ローマとカルタゴの対立を思い浮かべると、それはカルタゴ文明の名残をすべて破壊することで終わっている。今日、私たちはカルタゴ文明のほとんどを知らない。せいぜい、カルタゴがティール (現在のレバノン、ヒズボラの本拠地) の人々によって建設されたこと、その指導者ハンニバルが自分の都市が破壊されたとき、ダマスカスや他のシリアの都市に逃げ込んだことくらいである。また、ローマが武力で帝国を征服したのに対し、近隣諸国やパートナーと良好な理解のもとに発展していたこともわかっている。私は、ロシアが介入したときの対シリア戦争と、すでにこの関連性を見出していました。平行線はますます明白になってきている。この 2 つのブロックには、もはや共通するものは何もない。
In the West, the events in Ukraine are seen as a war between the United States and Russia, through Ukrainians. The "integral nationalists" are certain, not to resist the one they consider the invader, but to defeat him, today or in the "final battle". This is their destiny, they think. But leaving aside the mystical delusions of Dmytro Dontsov, how can one imagine that 40 million Ukrainians could defeat 140 million Russians, knowing that the latter have weapons that are twenty years more modern than those of the West?
欧米諸国では、ウクライナでの出来事は、ウクライナ人を介した米国とロシアの戦争と見なされている。「インテグラル・ナショナリスト (integral nationalists / 統合主義者 / 統合民族主義者)」 は、自分たちが侵略者とみなす相手に抵抗するのではなく、今、あるいは 「最終決戦」 において相手を倒すことを確信しているのだ。これが自分たちの運命だと考えているのだ。しかし、ドミトロ・ドンツォフの神秘的な妄想はさておき、ロシア人が欧米より 20 年も進んだ最新兵器を持っていることを知りながら、4,000 万人のウクライナ人が 1 億 4,000 万人のロシア人に勝てるとどうして想像できるだろうか?

ドミトロ・ドンツォフ

ステパーン・バンデーラ

バンデリスト (バンデーラ派極右)
The members of the Ramstein Group, i.e. in practice the United States and the European Union, have already spent more than 250 billion dollars on this war, i.e. as much in one year as for the ten years of war against Syria. If we are to compare the two conflicts, we should note that in international law, Russia is right in both cases, while the United States has assembled a larger coalition against Syria, but has considerably more involved its allies in Ukraine.
ラムシュタイン・グループのメンバー、つまり実際には米国と欧州連合 (EU) は、この戦争にすでに 2,500 億ドル以上、つまり 1 年間でシリアとの 10 年間の戦争に匹敵する額を費やしている。この 2 つの紛争を比較するならば、国際法上、ロシアはどちらのケースでも正しい。一方、米国はシリアに対してより大きな連合を組んだが、ウクライナでは同盟国をかなり巻き込んでいることに注意しなければならない。
Unlike Hannibal, President Putin has no intention of taking the capital of his adversaries, Washington. He is aware of his military superiority and will not alienate the people of the West by bringing the war home, except perhaps against their "elites" at the Foreign Office and the Pentagon.
ハンニバルとは異なり、プーチン大統領は敵対するワシントンの首都を奪おうとは考えていない。彼は自分の軍事的優位性を認識しており、外務省や国防総省の 「エリート」 に対するものを除けば、国内に戦争を持ち込んで欧米諸国民を敵視することはないだろう。




2000年世田谷一家惨殺事件の犯人の事言っちゃてるよ👀‼️大丈夫か
— 橘賀昌 (@KyO3wTachibana) November 7, 2022
ヤッパリね🤔 pic.twitter.com/CPJiPfXFYb
☆Two perceptions of the war in Ukraine
本日の書物 : 『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』 クリス・ミラー ダイヤモンド社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 最新のアーキテクチャの活用に加えて、中国は旧来のプロセス技術を用いたロジック・チップの開発にも着目している。スマートフォンやデータ・センターには最先端のチップが必要だが、自動車やその他の消費者向け機器には、十分に強力ながらはるかに安価な旧来のプロセス技術が使われることが多い。
SMIC などの企業を含めた中国の新工場への投資は、その大半が旧世代のノードの生産能力に対するものだ。SMIC は、中国に競争力のある旧世代のロジック・チップをつくるだけの労働力がある、ということをすでに証明している。アメリカの輸出規制が厳しくなっても、数十年前の製造装置の輸出が禁止されるとは考えづらい。
また、中国は炭化ケイ素や窒化ガリウムのような新しい半導体材料にも本格的な投資を行っている。炭化ケイ素や窒化ガリウムは、ほとんどのチップで高純度シリコンに代わることはないだろうが、電気自動車の電力系統の制御にいっそう大きな役割を果たすと考えられる。
この分野においても、中国はおそらく必要な技術をすでに有しているため、政府補助金が価格競争に勝つ助けになるかもしれない。』

マイノリティに、わざわざ光を当てる必要はあるの?
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、ウクライナ紛争と同時進行で実行されている、現代社会で最も重要な戦略物資の一つである 「半導体」 をめぐる 「経済戦争」 の理解を深めるための初歩的・一般的な書物で、「これまでの半導体の歴史」 をざっくりと把握するのにお薦めの良書になります。残念ながら、ほぼ 「前工程」 に関する記述しかされておらず、急激に変化すると考えられている 「これからの半導体の歴史」 を予測するうえで必要な 「後工程」 に関する記述が欲しかったところですが、アメリカ目線で書かれた書物ですので致し方ないというところでしょうか。内容的には中学生レベルでも読めるものとなっていますので、まずは手始めにご覧になってみてはいかがでしょうか?

さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」・「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓)

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである (詳しくはこちらから💓)
そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない (詳しくはこちらから💓)
また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる (詳しくはこちらから💓)
で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

ウラジーミル・イリイチ・レーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう (詳しくはこちらから💓)
このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中は、その影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で、人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在、私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていない、という状況にあるということです。

その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓)

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア (詳しくはこちらから💓) やウクライナ (詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」 (こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓)

そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、様々な論文を見ているところとなります。

☆『なぜロシア・シオニストは文化的自治を批判したのか : シオニズムの「想像の文脈」とオーストリア・マルクス主義民族理論』鶴見太郎
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 5. ロシア・シオニズムにおけるオーストリア民族理論と 「文化的自治」 批判
5-2. 文化的自治批判と領土観
このことは、『ラスヴェト』 の主要寄稿者の一人ジャボティンスキーの議論によっても裏付けられる。直接的なブンド批判ではないが、同様の観点 (例えば 「文化」 観などで) に立った論考として、ジャボティンスキーが、1913 年に発表した論文 「民族的マイノリティの民族自治」 が包括的である。この論文は、彼が前年にヤロスラヴリ大学に提出した学士論文を基礎にしたものであり、ロシアの自由主義系月刊誌 『ヴェスニク・エヴロプィ』 (ВестникЕвропы: ヨーロッパ通報) に 2 回にわたって掲載されたものである。

カール・カウツキー

カール・レンナー

オットー・バウアー
この論文で彼は、全体にわたってレンナーに頻繁に言及しており (バウアーへの言及はこの論文には見られない)、理論構造もレンナー理論に近い。彼はかねてよりレンナー理論に大いに注目しており、レンナーの 『国家と民族』 のロシア語訳 ( 1906 年) に序論を寄せている。以下、しばしこの論文の内容を概観していきたい。
まずジャボティンスキーは、民族問題を 「民族領土の問題」 と 「民族的マイノリティの問題」 の 2 点に分ける。前者はそれほど難しくない問題であり、19 世紀最後の四半世紀まで、民族問題は、ギリシアや、イタリア、ドイツの解放として、この問題だけが注目されていた。だが 「人間が諸民族ごとに分かれているように、地球も諸国家に分かれなければならない。すべての民族は国家を持ち、すべての国家は民族的全体でなければならない」 と、あるスイスの政治家かつて書いたことは、「根本的にヨーロッパの政治地図を改編すること」 を意味するのであり、今では 「幻想」 である ―― こうジャボティンスキーは 「一民族一国家」 あるいは 「民族性原理」 を一蹴している。これに対して、現在の民族問題とは、2 つ目のマイノリティ問題であり、「ほとんど例外なく、多民族国家内部における諸民族の権利状態に関する問題」 である。「マイノリティは多くの場合同化を望まず」、その固有性を維持発展させるべく、別個の権利を要求するということが明らかになったのである。そしてこのときの問題が、マイノリティには領域的な観点から権利を付与できないということであるという。
ブリュン綱領やレンナーの 『民族と国家』 に言及しつつ、ジャボティンスキーは次の原則を表明する。「実践上は、マイノリティに光を当てることが、マジョリティ民族の利益を後ろに追いやることになってはならない」。また、「領土は、根本的で自然な、民族生活のあらゆる機能の作戦基地 〔операционная база〕 である」。したがって、基本的な問題としての民族領土の問題が保障されたのちに、例外的なものとしての領域外に存在するマイノリティの権利保障の問題が取り組まれるべきだという。』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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