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    親子チョコ💗(500冊以上の良質な書籍のご紹介)

    子どもたちの教育のため、また、その親である私たち自身が学ぶための、読まれるべき良質な書籍のみをご紹介させていただきます。

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    シリコンバレーの日本打倒戦略と南朝鮮のサムスン

    A storm is coming 616

    本日のキーワード : ウクライナ、ネオナチ、インテグラル・ナショナリスト、ウォロディミル・ゼレンスキー、ユダヤ人、レオ・シュトラウス、シュトラウス派、歴史修正主義、ロシア、中国



    Capable of the worst, the union of certain rulers makes World War possible
    最悪の状況を生み出せる、特定の権力者の結合が世界大戦を可能にする ④

    While we react with fear to the resurgence of fascist, Nazi or Japanese imperial groups, we fail to see that it was not these ideologies that provoked World War, but the alliance of rulers ready for the worst. The same configuration is about to be repeated with other groups. In a few months, if we do not react now, a Third World War may be possible.
    私たちがファシストやナチス、あるいは大日本帝国の勢力が復活することに恐怖を感じている一方で、世界大戦を引き起こしたのは、こうしたイデオロギーではなく、最悪の状況を生み出せる立場にあった権力者たちの結合であったということを、私たちは見過ごしている。同じ構図が今度は他のグループによって繰り返されようとしている。数ヶ月のうちに、もし私たちが今対応しなければ第三次世界大戦が起こりうるかもしれない

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    Professor Leo Strauss (1899-1973). Although he wrote extensively on natural law and Jewish philosophy, he left nothing about his political conceptions, which he reserved for certain of his students. Numerous testimonies have made his "oral" thought known to us.
    レオ・シュトラウス教授 ( 1899 - 1973 )。自然法やユダヤ哲学について多くの著作を残したが、政治的な構想についてはほとんど何も残さず、むしろ一部の弟子たちのためだけに残していた。その 「口伝」 の教えは数々の証言によって広く知られるようになった

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    The poet Dmytro Dontsov (1883-1973). He created a mythology that inspired millions of Ukrainians to fight the Russians. A secret agent of the Second and Third German Reichs, he participated in the supervision of the extermination of Jews and Gypsies in Europe as administrator of the Reinhard Heydrich Institute, before being whitewashed by the Anglo-Saxon secret services.
    詩人ドミトロ・ドンツォフ ( 1883 ~ 1973 年)。数百万人のウクライナ人をロシア人との戦いに駆り立てるような神話を創作した。第二及び第三ドイツ帝国の秘密工作員で、ラインハルト・ハイドリヒ研究所の責任者としてヨーロッパでのユダヤ人及びジプシーの絶滅の監督業務に携わったが、その後アングロサクソンの諜報機関によって白日の下にさらされた。

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    Vladimir Jabotinsky (1880-1940), founder of the Jewish Legion, then of the Irgun. He called for Israel to extend over the entire British Mandate territory, i.e. over the current State of Israel, the Palestinian Territories and the Kingdom of Jordan.
    ウラディーミル・ジャボチンスキー ( 1880 - 1940 ) ユダヤ人軍団の創設者で、その後イルグン (エツェル、ユダヤ民族軍事機構) の創設者イギリス委任統治領の全域すなわち現在のイスラエル国パレスチナ自治区ヨルダン王国の全域にイスラエルを拡張することを要求した

    ISRAELI "REVISIONIST ZIONISTS”
    イスラエルの 「修正主義シオニスト」

    The "revisionist Zionists" represent about 2 million Israelis. They have managed to form a parliamentary majority by uniting several political parties behind Benjamin Netanyahu.They claim to be inspired by the Ukrainian Vladimir Jabotinsky, the man who claimed that Palestine is "a land without a people, for a people without a land". In other words, Palestinian Arabs do not exist. They have no rights and must be expelled from their homes.
    「修正主義シオニスト」 は、約 200 万人のイスラエル人を代表している。彼らはベンヤミン・ネタニヤフを中心にいくつかの政党を束ね議会の過半数を形成することに成功した彼らはパレスチナは 「土地なき民のための、民なき土地」 であると主張したウクライナ人ウラディーミル・ジャボチンスキーに影響を受けていると自称している言い換えればパレスチナ・アラブ人というのは存在しない彼らは何の権利もなく彼らの故郷から追放されなければならないというのである

    ベンヤミン・ネタニヤフ
    ベンヤミン・ネタニヤフ

    In September 1921, Jabotinsky formed a secret alliance with the Ukrainian "integral nationalist" anti-Semites, the first link in the developing Axis. This union aroused the indignation of the entire Jewish diaspora and Jabotinsky was expelled from the World Zionist Organization. In October 1937, Jabotinsky formed a new alliance with the anti-Semites of Marshal Rydz-Smigly, number 2 in Poland behind Józef Piłsudski. He was again rejected by the Jewish diaspora.
    1921 年 9 月ジャボチンスキーはウクライナの 「インテグラル・ナショナリスト (integral nationalists / 統合主義者 / 統合民族主義者)」 の反ユダヤ主義者と秘密同盟を結びこれが発端となって「枢軸」 が形成されたこの同盟はユダヤ人ディアスポラ全体の怒りを買いジャボチンスキーは世界シオニスト機構から除名された1937 年 10 月ジャボチンスキーはポーランドでヨゼフ・ピウスツキに次ぐナンバー 2 のエドヴァルト・リッツ=シミグウィ元帥の反ユダヤ主義者と新たな同盟を結ぶことになったユダヤ人ディアスポラから再び拒絶された

    ユゼフ・クレメンス・ピウスツキ
    ユゼフ・クレメンス・ピウスツキ

    エドヴァルト・リッツ=シミグウィ
    エドヴァルト・リッツ=シミグウィ

    At the very beginning of World War II, Jabotinsky chose Bension Netanyahu, Benjamin’s father, as his private secretary.
    第二次世界大戦の開戦当初、ジャボチンスキーはベンジャミンの父であるベンシオン・ネタニヤフを私設秘書として選んだ

    ベンシオン・ネタニヤフ
    ベンシオン・ネタニヤフ

    It is appalling that, 75 years after the establishment of the State of Israel, most people continue to lump together different, and often opposing, views solely on the basis of the religion of those who profess them.
    スラエル建国から 75 年たった今でも多くの人々が異なるそしてしばしば対立する意見をそれら人々の信奉する宗教 (ユダヤ教) に基づいてのみ一括りにしていることに愕然とさせられます

    Revisionist Zionism" is the opposite of the Zionism of Nahum Goldman and the World Jewish Congress. It has no concern for the Jewish people and has therefore not hesitated to form alliances with anti-Semitic armed forces.
    「修正主義シオニズム」ナフーム・ゴルトマン (Nahum Goldman) と世界ユダヤ人会議のシオニズムとは対極にあるものであるユダヤ人への関心はなくそれゆえ反ユダヤ主義的な武装勢力と同盟を結ぶことを躊躇しない

    ナフーム・ゴルトマン
    ナフーム・ゴルトマン

    The "revisionist Zionists", including Menahem Beguin and Ariel Sharon, have shown what they are capable of with the Nakba; the forced expulsion of the majority of the Arab population of Palestine in 1948. It is this crime, whose memory haunts both Arabs and Israelis, that makes peace in Palestine impossible to this day.
    メナヘム・ベギンやアリエル・シャロンなどの 「修正主義シオニスト」 は、ナクバでその実力を見せつけた ; 1948 年、パレスチナのアラブ系住民の大半を強制的に追放した出来事である。この犯罪は、その記憶がアラブ人とイスラエル人の双方に深く刻まれており、今日までパレスチナの平和を不可能にしているのである。

    メナヘム・ベギン
    メナヘム・ベギン

    アリエル・シャロン
    アリエル・シャロン

    Benjamin Netanyahu formed an alliance with the Straussians in 2003 at a large closed-door congress in Jerusalem. Since the election of Volodymyr Zelensky, of whom he has become a personal friend, Netanyahu has also renewed Jabotinsky’s alliance with the "integral nationalists".
    ンヤミン・ネタニヤフは 2003 年エルサレムで開かれた大規模な非公開の会議でシュトラウス派と同盟を結んだ個人的な友人となったウォロディミル・ゼレンスキーの選挙以来ネタニヤフはまたジャボティンスキーと 「インテグラル・ナショナリスト」 との同盟を更新している

    Is Zelensky a Cousin of George Soros?

    Hitler.jpg 習近平思想の着想者であり、中国的特徴を持つ社会主義の提唱者である習近平総書記

    岸田内閣


    Capable of the worst, the union of certain rulers makes World War possible



    本日の書物 : 『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』 クリス・ミラー ダイヤモンド社



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 李秉喆 (り へいてつ) は、どんなものでも売り物にしてしまう商魂たくましい男だった。ジャック・R・シンプロットのわずか 1 年後、1910 年に生まれた彼は、1938 年 3 月に母国の韓国で事業を始めた当時の韓国といえば、中国と交戦中ですぐにアメリカとも交戦することになる大日本帝国の一部であった彼の最初の商品である韓国産の干物や野菜は、中国北部へと出荷され、日本軍の腹を満たした当時の韓国はこれといった産業も技術もない貧しい辺境の地だったが、彼はそのころから 「強大で末永く続く」 企業をつくりたいと夢見ていた。

     彼はのちにアメリカの半導体産業と韓国国家というふたつの有力な仲間を得てサムスンを半導体帝国へと変貌させることになるシリコンバレーの日本打倒戦略の鍵を握っていたのがアジアで安価な供給源を見つけることだった彼はサムスンならその役割を果たせると考えた

     韓国は自国より強力なライバル国のあいだを渡り歩くのに慣れていた。李がサムスンを創設してから 7 年後、日本がアメリカに敗戦した 1945 年に、サムスンはつぶされていたとしてもおかしくはなかった。

     しかし、彼は巧みに方向転換を行ない、干物を売り歩いていたときと同じくらい手際よく政治的なパトロンを取り替えた。彼は戦後、朝鮮半島の南半分を占領したアメリカ人たちと関係を築き、サムスンのような巨大企業グループを解体したがっていた韓国の政治家たちを払いのけた。

     北朝鮮の共産主義政府が韓国に侵攻してきたときでさえ、彼は資産を守りきった。ただ、北朝鮮が一時的にソウルを占領した際には、共産党の高官が彼のシボレーを押収し、占領下にある首都を走り回ったそうだ。』

    日の丸

    再び 「暴力死の恐怖」 をもたらしているのがシュトラウス派

    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、ウクライナ紛争と同時進行で実行されている、現代社会で最も重要な戦略物資の一つである 「半導体」 をめぐる 「経済戦争」 の理解を深めるための初歩的・一般的な書物で、「これまでの半導体の歴史」 をざっくりと把握するのにお薦めの良書になります。残念ながら、ほぼ 「前工程」 に関する記述しかされておらず急激に変化すると考えられている 「これからの半導体の歴史」 を予測するうえで必要な 「後工程」 に関する記述が欲しかったところですが、アメリカ目線で書かれた書物ですので致し方ないというところでしょうか。内容的には中学生レベルでも読めるものとなっていますので、まずは手始めにご覧になってみてはいかがでしょうか?

    読書 女の子 木の上 1





    さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓

    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)

    そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。

    世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである詳しくはこちらから💓

    そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    イマヌエル・カント
    イマヌエル・カント

    たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない詳しくはこちらから💓

    また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

    世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる詳しくはこちらから💓

    で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

    カール・マルクス
    カール・マルクス

    私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

    ウラジーミル・イリイチ・レーニン 1
    ウラジーミル・イリイチ・レーニン

    われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう詳しくはこちらから💓

    このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中はその影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていないという状況にあるということです。

    Hunter Biden Soros Linked to Biolabs in Ukraine





    その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア詳しくはこちらから💓) やウクライナ詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

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    さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓

    ウーマニ

    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために様々な論文を見ているところとなります。

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    『現代アメリカ政治とレオ・シュトラウス政治哲学』石崎 嘉彦

    それでは早速、続きを見て参りましょう。

    『 10. 哲学者たちはエロスを手懐けうるか?―― 結びに代えて

     哲学のない世界の住人は 「末人」 (※超人の対極にあり、最低の軽蔑すべき者のことである。 社会において生きる大多数の中流市民ということ) と呼ばれうるシュトラウスの政治的実践はこの 「末人」 に代わることのできる人々を世に送り出すことあるいは 「たったひとりで立ち、たったひとりで戦う覚悟のできた人々」「たくましい個人主義者」 を育て上げることであった。シュトラウスは、コジェーヴに反対して、人々を 「スポーツ、エロティシズム、芸術」 に満足する自動機械にすることも、「精神を病んで癲狂院に入ること」 も、また送り入れることをも拒否し、さらには、僭主的行政官たること、あるいは、人々をそういった者となすことをも拒否した。彼自身は、シカゴの大学の哲学的探究者として、学生たちとともに古典を味読しながら教育する一人の教師として、ニーチェ的 「超人」 の高みから 「末人」 たちを覚醒し、政治哲学のロゴス的世界へ誘うとともに、彼らのエロスを哲学的愛求としてのエロスに替えようとしたにすぎなかったが、それは彼の政治的実践としての意義を有していた。
     

    レオ・シュトラウス
    レオ・シュトラウス

     非人間となった 「自動機械」 たる 「末人」 たちの管理人となることを自称したコジェーヴに対して、シュトラウスは真理探究の 「自立的生」、つまり 「哲学」 を選択した。コジェーヴは、自らもまた 「末人」 としてその世界に居合わせ、市民すなわち 「幸福なるものを考案した」 存在者として、「隣人を愛し」 「温熱を求めて」 わが身を隣人にすり寄せる存在者として、そこに居合わせているはずである。これに対して、シュトラウスは自らの教育的実践をとおして育て上げた 「地の塩」 たちを世に送り出した。そのかぎりにおいて、彼の手法は、もっぱら使徒たちとともに布教したイエスよりも、ソクラテスのそれに似ていた。しかしそのソクラテスも、自らの対話者をえり好みしなかったわけではなかったが、学派までは形成しなかった。これに対して、エソテリシズムを実践して学派を形成したシュトラウスは、大衆の面前で 「哲学」 を 「弁明」 するという危険は回避できた。彼の政治的実践は、あくまで学派の内に限られていたことによって、彼の真の教説には、大衆とその教説を拒む者に対して防御がかかっていたことになる。しかし、彼のロゴスの営みへの通路は、それを理解しようとする人々や真の哲学的精神の持ち主たちには、常に開かれていた。彼の通路は 「地の塩」 たちによって確保されていたのである。それによって彼は 「強制的対話」 によって自らの生命を危険に曝すことなく哲学することのできる場所、つまり最善の生の場所を確保することができたのである。
     ソクラテスがそうであったように、哲学的対話は、つねに自発的に行われるものではない。そして、アゴラが常に自発的に対話が行われた場所でなかったのと同様、ワシントンもまたそういった場所ではなかった。そういった意味からすれば、シュトラウスやシュトラウシアンの誰かがワシントン出ていったとしても、彼らが自発的にそうしたということは決してできない。彼らはおそらく強制的にワシントンに引き摺り出されねばならなかったという方が正鵠を射ているであろう。善き生のための法律、その世界での生命・医療・福祉の政策、あるいはその世界を維持するための教育や外交政策はもとより、今日のグローバル化はしたものの再び 「暴力死の恐怖」 を内包することになったこの平板化した世界が、哲学者たちをワシントンに引き摺り出す必要性を感じているのである。したがって、「シュトラウス氏ワシントンに行く」 は、ちょうどヒエロンが自らの許に詩人シモニデスを招かざるを得なかったのと同じように、哲学的知を必要としているワシントンの願望を表す言葉であったのかもしれない。』


    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。







    続きは次回に♥




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