2023-04-30 (Sun)

こちらは、以下の 『ZeroHedge』 さん記事の翻訳となります。
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☆Leaks Spell The End For Ukraine (And Expose Western Disinformation)
執筆者 : ジョー・ローリア氏、ConsortiumNews,com より
リークされた米国の諜報文書により、ウクライナが戦争に勝利したという欧米の偽情報が暴露された。今、激しい戦いはワシントンに移る…

先週のワシントン・ポストの見出しは、ウクライナ戦争についてワシントン・ポストをはじめとする欧米メディアでしか読んでこなかった人間にとって、非常に衝撃的なものだった : 「米国はウクライナの反撃が大きな成果を生むか疑問視、リーク文書が明かす」
この記事は、欧米メディアの視聴者が戦争の経過について誤解していること、つまり基本的に主流メディアがウクライナについて報道してきたことは嘘の塊であったことを認めている : すなわち、ウクライナは戦争に勝っており、最終的な勝利につながる攻撃を開始する用意がある、というものだ。
それどころか、この記事の第 2 パラグラフでは、リークされた文書が、長い間計画されていたウクライナの攻勢が惨敗することを明らかにしている ―― 「ウクライナ軍の持続力に関するバイデン政権の公言とは著しく異なる」 のである。
言い換えれば、米政府関係者は、国民や、彼らの一言一句を何の疑いもなく忠実に報じてきた記者たちに対して、戦争の状況について嘘をついてきたということである。
ワシントン・ポスト紙は、あたかも悪いことであるかのように、このリークによって 「米国と NATO は、紛争の交渉による解決を促すためにもっと努力すべきだと考える批判者たちを奮い立たせるだろう。」 と指摘した。
それはもう始まっている。超エスタブリッシュメントの 『フォーリン・アフェアーズ』 に寄稿したリチャード・ハース元国務省職員とチャールズ・カプチャン外交問題評議会上級研究員は、「戦争の行方を楽観視することは難しい」 と書いている。
『欧米はウクライナで新戦略を必要としている : 戦場から交渉のテーブルに着くための計画 』 において、彼らはこう言っている :
最善の策は、まずウクライナの軍事力を強化し、その後、今年後半に戦闘シーズンが終わったときに、モスクワとキエフを戦場から交渉のテーブルに導くことを目的とした、順序立てた 2 本立ての戦略である。
この記事はリーク情報には触れていないが、ロシアのクリミア向け陸橋を突破することを目的としたウクライナの攻勢が失敗することが明らかになった後に発表されたものである。
ウクライナの方がロシアより 「作戦能力」 が高く、戦争は 「膠着状態」 で終わるとするいつもの話で埋め尽くされたこの記事は、欧米諸国の新たな作戦を示している : すなわち、交渉の前にウクライナが攻勢に出て領土を取り戻し、「ロシアに大きな損失を与え、モスクワの軍事的選択肢を封じ、外交的解決への関心を高める」 ことが必要だというのだ。
しかし、それは無理な注文だ。特にこの記事では、「ロシア軍の圧倒的な数的優位」 と 「ウクライナが自国のマンパワーと海外からの支援の両方でますます制約を受けている」 ことを認めていることから、モスクワはウクライナの攻勢が終わった時点で交渉することはないだろうと思われるからである。
モスクワは、ロシアの介入から 1 ヶ月後にキエフと取引する準備ができていたが、ロシアを弱体化させるために戦争を長引かせるという戦略をとる欧米諸国が、それを潰したのだ。ウクライナが最弱の状態にあり、ロシアが戦場で大きな成果を上げようとしている今、なぜモスクワが取引に応じるのだろうか?
フォーリン・アフェアーズの記事は認めている。「この外交的駆け引きは失敗する可能性が高い。ロシアとウクライナが大きな損失を出し続けても、どちらか、あるいは両方が戦いを続けることを望むかもしれない。」
「この戦いの季節が終われば、米国と欧州も、ジョー・バイデン米国大統領が言うように、『必要な限り』 ウクライナを支援するという公約を放棄する十分な理由ができるだろう。」 とこの記事は書いている。
そして、次に来るのは? 「 NATO の同盟国は、軍備管理やより広範なヨーロッパの安全保障構造について、ロシアとの戦略的対話を開始するだろう。」
信じられないことに、これはロシアが 2022 年 2 月の介入前に求めていたもので、NATO と米国に拒絶されたものである。それなのに今、フォーリン・アフェアーズの記事はそれを推奨しているのである。
ウクライナがこの戦争に負けたことを示すこれ以上の兆候はないだろう。
とにかく攻勢に転じる
ウクライナが、ほとんど成果がないとわかっていながら攻勢に出るという戦略は、キエフの最後の足搔(あが)きである ―― 妄想的なネオコンがワシントンの現実主義者を引き続き出し抜かない限り、である。
欧米諸国にとって最も重要なことは、この最後の一手の試みが失敗すれば、自らが作り出した災難から逃れることができるということである : すなわち、対ロシア経済戦争が裏目に出るということ ; 非欧米諸国での情報戦の失敗、そして最終的には代理戦争での戦場での敗北、である。
すでに 2 月には、この戦略を推し進めるフランスのマクロン大統領とドイツのオラフ・ショルツ首相が、ウクライナのウォロディミル・ゼレンクシー大統領に 「ゲームオーバー」 を告げた。 このニュースは、エスタブリッシュメントのウォール・ストリート・ジャーナルが伝えてくれたものだ。
そしてその 10 日後、米国の諜報機関はニューヨーク・タイムズ紙に、ノルドストリーム・パイプラインの破壊の背後に親ウクライナの 「グループ」、そしておそらくウクライナ政府そのものがいるというストーリーを掲載し、出口が見えてくるにつれて、キエフから米国を遠ざけるための手段として、このニュースを伝えたのである。
なぜ主要メディアはリークを公表したのか?
ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、その他の有力紙が、自分たちの信頼性を著しく損なうリーク情報を掲載したのはなぜか。3 つの可能性がある。
1 つ目は、単純に競争だ。 タイムズ紙やポスト紙は、ライバルがリーク情報を手に入れたという情報を入手し、負けまいとしたのだろう。編集者や記者にとって、競合他社の記事に 「合わせなければならない」 ことは、(ジャーナリズムの卑小な世界では) ほとんど最悪の事態である。
2 つ目の理由は、体裁を保つためである。これらのリークはいずれどこかで出てくるものであり、簡単に無視することはできなかったかもしれない。もし、大新聞が最初に報道しなかったら、どのような印象を与えただろうか?
さらに重要なことは、企業ジャーナリズムは、実際にジャーナリズムを行っているというフリをし続ける必要があるということだ。つまり、自国の政府、そしてこの場合は自分たち自身をも悪く見せるような資料を時折掲載するということである。生き残るためには、彼らがまだ敵と戦うジャーナリズムを完全に諦めていない、という印象を世間に与える必要があるわけだ。
2010 年にウィキリークスと提携し、米国の戦争犯罪を暴くリーク情報を公開したときもそうだった。しかし、やがてメディアはアサンジとウィキリークスを敵視し、国家と歩調を合わせるようになったのである。
メディアはなぜリーク者を追ったのか
そしてそれは、実際に今起こっていることだ。リークについての派手な記事の後、タイムズ紙とポスト紙は、欧米の諜報機関が支援するベリングキャット(Bellingcat)と組んで、リーク者を見つけることに焦点を当てた。コンソーシアム・ニュースの今日の記事で、エリザベス・ヴォス氏は、企業メディアは反ウィキリークスであると論じている。
彼らは、国民にとって重要なリーク元を保護するよりも、リーク者とされる 21 歳の空軍州兵ジャック・テイシェイラを追い詰めようとし、彼はマサチューセッツの自宅前で軍服を着たFBI捜査官に逮捕された。
では、大手メディアがリークを公表した 3 つ目の理由は何だろうか?
その理由は、マクロン大統領や ショルツ首相がゼレンスキーに戦争に負けたと告げ、ウクライナ政府がノルドストリームを破壊した可能性があるという記事を掲載したのと同じ理由である可能性が非常に高い: それは、米国とその同盟国がウクライナの負けを認めることで、ウクライナでの戦いを中止する下地を作るためである。
そのために、テイシェイラは、報道されているように、Discord チャットフォーラムで 10 代のフォロワーの注目を集めるという動機だけで、単独で行動したのではないとの憶測もあるようだ。
元 CIA のアナリストであるラリー・ジョンソン氏は、テイシェイラは、おそらく上級士官によって嵌められたと考えている。 ジョンソン氏がそう考えるのは、テイシェイラが流出させたとされる文書の中に、ジョンソン氏がかつて勤務していた中央情報局オペレーションズ・センターの文書が含まれていたからだという。
「 CIA オペレーションズ・センターは、午前と午後の 2 回、日報を作成する。これは 『コミュニティ』 のプロダクトではない、つまり、他の諜報機関に配布されることはない。これは CIA の内部文書である (もちろん、国家情報長官には公開されている) 」 とジョンソン氏は自身のウェブサイト 『Son of the New American Revolution』 に書いている。
テイシェイラは CIA にいなかったので、オペレーション・センターの文書にアクセスできるはずがない、とジョンソン氏は書いている。では、どうやって手に入れたのだろうか?
つまり、テイシェイラは、何が何でも戦争を続けようとするネオコンに反対する米軍や諜報機関の現実主義者の誰かのカモにされた可能性があるということだ。
ネオコンは、戦わずして倒れることはない。前国家安全保障顧問でネオコンの重鎮であるジョン・ボルトンは、先週のウォール・ストリート・ジャーナル紙に 「ロシアと中国に対抗する新しいアメリカの大戦略」 と題する絶望的な内容の記事を寄稿している。
ボルトンは、世界が変化していること、しかもアメリカにとって好ましくない状態であることを理解している。だから、彼の対応は、失敗した米国の政策を覆すことではなく、米国が世界を支配しようとするのではなく、世界の一部となることであり、リバーボート・ギャンブラーのように倍賭けすることである。彼の解決策 : 軍事費をレーガン時代の水準まで引き上げ、地下核実験を再開し、「北大西洋条約機構をグローバルなものにし、日本、オーストラリア、イスラエル、その他 NATO の防衛費支出目標にコミットしている国を招待する」 ことである。
ボルトンは、米国はモスクワと北京を中東から 「排除」 しなければならないと笑って語るが、そこでは両首脳がこの数十年で最も劇的な外交的転換を図っているのである。
しかし、ボルトンは最高の笑いをウクライナのために取っておく :
「ウクライナがロシアとの戦争に勝利した後、我々はロシアと中国の連携を断ち切ることを目指さなければならない。モスクワの敗北は、プーチン大統領を失脚させる可能性がある。その次に来るのは、得体の知れない構成の政府である。新しいロシアの指導者たちは、北京よりも欧米に目を向けるかもしれないし、向けないかもしれないし、ロシア連邦の断片化、特にウラル以東が考えられないほど弱体化するかもしれない。」
たとえ馬鹿げたボルトンが退けられたとしても、現実主義者の行く手を阻む大きな障害がある : バイデンの再選キャンペーンである。彼は近々発表するつもりだと言っている。彼はすでにネオコンに身を任せている。
青と黄色の旗を振り回した挙句に、彼は選挙に負けることなく、ウクライナの敗戦を受け入れることができるだろうか?
バイデンチームの狙いはロシアを血祭りに上げることだった。しかし、出血しているのはウクライナである。ワシントンで、ついに現実が妄想に打ち勝つことができるだろうか?
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