2023-01-04 (Wed)

こちらは、以下の 『ZeroHedge』 さん記事の翻訳となります。
↓
☆The Race For Nuclear Fusion Is Going Private
著者 : Haley Zaremba、OilPrice.com より
・核融合は 「クリーンエネルギーの聖杯」 とみなされてきたが、その取り組みには莫大な費用がかかる。
・世界各国は核融合の実験に協力してきた。
・民間企業もこの競争に参入し、投資家はこの分野で最も優秀な研究者に巨額の資金を提供する準備を整えている。

過去 100 年間、商業的な核融合は、科学的実践というよりもサイエンス・フィクションに近い領域に存在していた。100 年前、イギリスの数学者で天文学者のアーサー・エディントン氏が、太陽や星が原子を結合させて大量のエネルギーと熱と光を生み出し、自らの力を生み出しているという仮説を立てたとき、彼はほとんどペテン師のように一蹴されたのだ。しかし、それ以来、核融合は飛躍的に進歩し、思考実験から実験室での実験、そしてここ数年の大きなブレークスルーにより、ついに核融合の実用化が目前に迫ってきたのである。
核融合は 「クリーンエネルギーの聖杯」 として注目されている。なぜなら、核融合反応の全パワーを人類が利用できれば、温室効果ガスをまったく排出することなく、無限のパワーを生み出す可能性を秘めた、完全にクリーンなエネルギー源だからである。
「核融合とは、簡単に言えば、2 つの軽い原子核が結合して 1 つの重い原子核を形成し、大量のエネルギーを放出するプロセスです。」 と国際原子力機関 (IAEA) は説明している。
「核融合反応は、プラズマ (※) と呼ばれる物質の状態で起こります。プラズマは、プラスのイオンと自由に動く電子でできた高温の荷電ガスで、固体、液体、気体とは異なるユニークな性質を持っています。」
「核融合反応は、プラズマ (※) と呼ばれる物質の状態で起こります。プラズマは、プラスのイオンと自由に動く電子でできた高温の荷電ガスで、固体、液体、気体とは異なるユニークな性質を持っています。」
※プラズマ (電離気体、plasma) は、固体・液体・気体に次ぐ物質の第 4 の状態である。狭義のプラズマとは、気体を構成する分子が電離し陽イオンと電子に分かれて運動している状態であり、電離した気体に相当する。狭義のプラズマは、プラズマの3要件をみたす。
核融合をスムーズに行うための環境を地球上に作り出すことが重要なのですが、太陽のコアに見られるような条件を再現することは、大変なことなのです。驚くべきことに、科学者たちはすでに制御された空間で人工的な核融合反応を起こすことが可能となっている。しかし、核融合反応を起こすには膨大なエネルギーが必要で、これまでのところ、制御された核融合実験では、消費したエネルギー以上のものを作り出すことはできていない。
核融合の実験には莫大な費用がかかる。商業的に成立する可能性のある核融合を実現するのに十分な大きさの原子炉は巨大で、膨大な量の高価な材料と、最も優れた科学者たちによる何年もの研究開発を必要とする。このような巨大な参入障壁があるため、巨大な政府プロジェクトが核融合への道を切り開いてきたのです。
南フランスにある政府間プロジェクト ITER (イーター) は、その巨大なトカマク型 (高温核融合炉の実現に向けた技術の 1 つで、超高温のプラズマを閉じこめる磁気閉じ込め方式の 1 つ) 原子炉で 2036 年までに純増エネルギー (エネルギー生産量が投入量を上回るもの) 獲得を見込んでおり、その費用はおよそ 220 億ドルであると発表している。中国にも 「人工太陽」 があり、この夏、持続的な核プラズマ反応の記録を打ち立てた。しかし今、核融合の歴史上初めて、民間企業が商業的な核融合への先陣を切る競争に参入しているのである。
核融合が実用化に近づいていることを示す明確なサインともいえるのが、民間の金融業者が研究開発プロセスに関与し、核融合の新興企業に資金を流し込んでいることだ。ちょうど今月、ワシントン州に拠点を置くヘリオン・エナジー社 (Helion Energy) が、民間の核融合企業としては史上最大の単独資金調達ラウンドの対象となったとされる。同社はこのラウンドだけで 5 億ドルを調達し、さらに 17 億ドルを、指定された性能のマイルストーンを達成することを条件として受け取ることになっている。ヘリオン社の核融合炉はすでに摂氏 1 億 ℃ という必要な温度を達成しており、同社は 2024 年までに純増エネルギーを実現するとしている。
「他の民間企業も同様の目標を掲げている : カリフォルニアの TAE テクノロジーズ社 (TAE Technologies) は、2030 年までに商業的に実現するとしており、MIT (マサチューセッツ工科大学 [からのスピンオフ] ) のコモンウェルス・フュージョン・システムズ社 (Commonwealth Fusion Systems) は、2025 年までにこの目標を達成するとしている。」 と Quartz は今週報じている。
「核融合エネルギーを最初に商業化する国になりたいと言う英国は、もう少し控えめな目標を掲げている。政府は 2 億ポンド ( 2 億 4,800 万ドル) の核融合炉に投資しており、2040 年までに実用化することを目標としています。」
「核融合エネルギーを最初に商業化する国になりたいと言う英国は、もう少し控えめな目標を掲げている。政府は 2 億ポンド ( 2 億 4,800 万ドル) の核融合炉に投資しており、2040 年までに実用化することを目標としています。」
因果関係や相関関係に関わらず、世界が気候変動対策に真剣に取り組んでいるのと同じ時期に、核融合産業が盛り上がりを見せている。パリ協定で定められた目標達成に向け、化石燃料からの脱却は急務であるが、技術的な進歩がなければ達成は極めて困難であろう。商業用核融合はまだ実証された技術ではないが、今世紀半ばまでに純増エネルギー生産を達成するという高い目標を持った新しい参入者が市場に現れていることは、確かに希望に満ちた展開といえるだろう。

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