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    親子チョコ💗(500冊以上の良質な書籍のご紹介)

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     >  世界史 >  2021 年に 『人種差別法』 を制定した国は? そして、その張本人である現役の大統領って誰?

    2021 年に 『人種差別法』 を制定した国は? そして、その張本人である現役の大統領って誰?

    A storm is coming 537

    本日のキーワード : ウクライナ、ステパーン・バンデーラ、バンデリスト、ネオナチ、ナチズム、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教、軍産複合体、歴史修正主義



    The ideology of the banderists
    バンデリストのイデオロギー ④

    If Stepan Bandera was an agent of the Gestapo and left only the memory (positive for some) of the massacres and tortures he organized, Dmytro Dontsov was -and still is- the reference thinker of Ukranian nationalists. It is he who invented Ukrainian racialism and imagined the fanaticism of Ukrainian nationalists as a weapon.
    ステパーン・バンデーラがゲシュタポの手先であり、彼が指揮した虐殺と拷問の記憶 (肯定的なものもある) だけが残っているとすれば、ドミトロ・ドンツォフは - そして今も - ウクライナ民族主義者の中心的思想家であった。ウクライナの人種差別主義を作り出し、ウクライナの民族主義者の狂信を武器として構想したのは彼である。

    ステパーン・バンデーラ
    ステパーン・バンデーラ

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    ドミトロ・ドンツォフ、「統合的ウクライナ・ナショナリズム」 の思想家。彼の著作を読むことは、民族主義者のウクライナ人兵士、特にアゾフ連隊の兵士には義務付けられている。

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    In Scandinavian mythology, the Valkyrie are servants of the god Odin. They ride on wolves. But the Germans represent them on horses. The "Ride of the Valkyries", set to music by Richard Wagner, announces both the death of the heroes and their glorious destiny in the coming battle at the end of time.
    スカンジナビアの神話では、ワルキューレはオーディン神の下僕である。彼らは狼に乗る。しかし、ドイツでは馬に乗ったワルキューレを表現する。リヒャルト・ワーグナーの音楽に合わせた 「ワルキューレの騎行」 は、英雄たちの死と、時の果てに訪れる戦いでの輝かしい運命を告げるものである。



    In 2015, President Petro Poroshenko and his Prime Minister Arseni Yatsenyuk passed a set of laws that on the one hand banned Communist and Nazi symbols and on the other rehabilitated Banderist symbols. In practice, since no one claimed to be a Nazi, the monuments to the victory of the Red Army over the Nazis were destroyed and replaced by others in honor of Stepan Bandera -who was responsible for the murder of 1.6 million of his compatriots- and his master thinker, Dmytro Dontsov.
    2015 年ペトロ・ポロシェンコ大統領とアルセニー・ヤツェニュク首相は、一方では共産主義とナチスのシンボルを禁止し、他方ではバンデリストのシンボルを復活させる一連の法律を成立させた実際のところ誰もナチスであると主張しないため赤軍がナチスに勝利したことを示す記念碑は破壊され160 万人の同胞を殺害したステパーン・バンデーラその思想家ドミトロ・ドンツォフを称える記念碑へと置き換えられたのである

    ペトロ・ポロシェンコ
    ペトロ・ポロシェンコ

    アルセニー・ヤツェニュク
    アルセニー・ヤツェニュク

    The Council of Europe criticized these "decommunization" laws, which cast aspersions on regimes in general without mentioning the acts they condemn.
    欧州評議会は、こうした 「脱共産主義化」 法について、彼らが非難する行為に言及することなく、政権一般を中傷するものであると批判した。

    It was as a result of these laws that the motto of the Banderists became part of the official discourse: "Glory to Ukraine". Of course, I have nothing against this slogan, any more than I have against the cry of the Muslims "Allah Akbar!", but after hearing it sung by the jihadists who wanted to cut my throat I can no longer think that "God is great!" and I am still haunted by what the jihadists mean by it.
    これらの法律の結果バンデリストの掲げる標語が公式な言説の一部となったのである「ウクライナに栄光あれ」 もちろん、私はこのスローガンに何の反対もしないし、イスラム教徒の 「アッラーフ・アクバル!」 という叫びにも反対しない。しかし、私の喉を切り裂こうとしたジハード主義者が歌うのを聞いた後では、もはや 「神は偉大なり!」 などとは思えず、ジハード主義者が何を意味しているのか、今も頭から離れないのである。

    バンデライト(バンデーラ派極右)
    バンデリスト (バンデーラ派極右)

    Similarly, it makes sense that Ukraine has a legal framework that legalizes a form of racial discrimination. On July 21, 2021, President Volodymyr Zelensky signed a law, introduced at his initiative, on the "indigenous peoples of Ukraine. It states that Tatars and Karaite Jews have "the right to full enjoyment of all human rights and fundamental freedoms" (sic). This text, which seems very generous, is not at all so, because it is interpreted by default. It completes the texts recognizing the rights of Ukrainians of Scandinavian or proto-Germanic origin. In fact, it is used by the Courts to deny the rights of Ukrainians who do not recognize themselves in the general definition, nor in one of these minorities, in other words in those who say they are Slavic of Slavic origin. The latter people are not allowed to bring before a court their "right to full enjoyment of all human rights and fundamental freedoms".
    同様にウクライナが人種差別の一種を合法化する法的枠組みを持っていることも意味がある2021 年 7 月 21 日ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は自らの主導で導入した 「ウクライナの先住民族」 に関する法律に署名したそこにはタタール人とカライ派ユダヤ人は 「すべての人権と基本的自由を完全に享受する権利」 (原文ママ) を有すると記されている。 非常に寛大に見えるこの文章は、デフォルトで解釈されているため、全くそうではない。それは、スカンジナビアや原ゲルマン系のウクライナ人の権利を認めるテキストを完成させるものである事実裁判所は一般的な定義にもこれらの少数民族にも属さないウクライナ人言い換えればスラブ人由来のスラブ人であると言う人々の権利を否定するためにこの文書を使用しているのである後者の人々は「すべての人権と基本的自由を完全に享受する権利」 を法廷に持ち込むことが認められていないのだ

    Is Zelensky a Cousin of George Soros?

    Hitler.jpg 習近平思想の着想者であり、中国的特徴を持つ社会主義の提唱者である習近平総書記

    岸田内閣







    Ukraine : misunderstandings and misunderstandings



    本日の書物 : 『戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実』 渡辺 惣樹 文藝春秋



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 先にイギリス政府の資金調達を一手に引き受け巨利を得たのがアメリカの JP モルガンだと書いた。イギリスの大戦期のアメリカからの買い付けは 「三十億ドルという天文学的数字に達し」、JP モルガンは買い付け額の一%を手数料とした。イギリス政府の御用調達機関としての機能は単に金銭的利益をもたらしただけではなかった。同社に 「政治的な結びつき企業との接触を深め」 させた。

     買い付け実務に辣腕を振るったのはエドワード・ステティニアス・シニアであった。後のフランクリン・ルーズベルト (FDR)、ハリー・トルーマン両政権で国務長官となったエドワード・ステティニアス・ジュニアの父である。

    エドワード・ステティニアス・シニア
    エドワード・ステティニアス・シニア

    エドワード・ステティニアス・ジュニア
    エドワード・ステティニアス・ジュニア

    フランクリン・デラノ・ルーズベルト (FDR)
    フランクリン・デラノ・ルーズベルト (FDR)
     
    ハリー・S・トルーマン原爆投下
    ハリー・S・トルーマン

    彼は一七五人の部下を文字通り酷使しイギリスの要請に応えた。彼の活躍がドイツを敗戦に導いた大きな要因であったとも言える。「合衆国がかくも急速に軍事生産に転換できようとは、ドイツ参謀本部が想像だにできなかったことだった (中略) この結果、大戦終結時の合衆国の軍事生産能力は、英・仏両国を合計したものを凌ぎ、ステティニアスはのちに有名になる軍産複合体制の父」 となったのである。

     ドイツ政府 (シュトレーゼマン) の仲介要請に米国は慎重だった。あくまでも関係各国からの強い要請があるまで動かないという態度だった。アメリカの重い腰をみてとった英国とドイツはそれぞれに手を打った。一九二三年一〇月には、英国が賠償委員会への米国の参加を正式に要請した。同年一一月には超インフレ政策をとっていたドイツ政府は新通貨 (レンテンマルク) を発行し通貨の安定を図った。レンテンマルクをドイツの国家財産 (金や土地) にリンクさせてその価値を担保させる建前をとった。それによって対ドルレートを固定させた。アメリカが仲介に入りやすい体制を用意した。

     賠償委員会がアメリカに改めてこの委員会の専門部会への参加を求めたのは同年一一月のことであった。関係国の積極的な姿勢を確認したアメリカはあらたな賠償スキームを検討する専門家を送ることに同意した。それでもなおアメリカ政府は慎重だった。・・・結局、官僚を派遣せず民間人の専門家を遣った

     一九二四年一月から作業を開始した専門部会に参加したのはチャールズ・ドーズ、オーウェン・ヤング、ヘンリー・ロビンソンの三人だった。ドーズはハーディング政権では予算局長であり、フランス好きの人物だった。ヤングは、GE (ゼネラル・エレクトリック) とRCA の会長であり、ロビンソンはカリフォルニアの銀行家だった。

    チャールズ・ドーズ
    チャールズ・ドーズ

    トーマス・W・ラモント(1929年)
    トーマス・W・ラモント (1929 年)

     ドーズが選ばれたのには訳があった英仏は彼に恩があった戦時中に英仏のために五憶ドルの債券販売を JP モルガンと共に成功させた実績があったのである。ドーズはJPモルガンの実力者トーマス・ラモントを筆頭とした銀行家の意見を聞きながら賠償スキームを練った一九二四年四月新案が固まった。』

    日の丸

    ユダヤ人の 「離散」、「贖罪」、「神権政治」


    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、米軍占領下の政策の流れをそのまま引き継いでいるわが国の “暗記するだけ” の歴史教育でお勉強をしてきた ( = したつもりになっている) だけのヒトには決して知り得ない実際に起きていたことそしてその流れが現代にも連なっているということ (例えば、アメリカ (とイギリス) が引き起こしたウクライナ紛争) を理解できるようになる 『学び』 のために必須の書物になります。具体的に申しますと、アメリカ (とイギリス、そしてその背後に隠れているユダヤ人) が捏造し流布してきた “通説的歴史” を、膨大な証拠や根拠を提示しながら非常に高度により論理的により科学的に解析を行うことで “通説的歴史” の誤り・嘘を糺し『正しい歴史認識』 を人びとに知らしめる学問的立場である 『歴史修正主義』 に基づく当ブログお薦めの良書になります。ちなみに・・・ですが、“通説的歴史” を主張し続けているような “自称専門家” 連中の知的能力では、『歴史修正主義』 の主張に反論することも論破することも不可能で、せいぜいトンチンカンな “レッテル貼り” をするのが精一杯だ、という現実は、世に知られるところでもあります。ということで、是非一度、お手に取ってご覧頂きますように🌸





    読書 10-118

    それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。

    (死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)

    ※(  )内は前回の数値

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    Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

    アメリカ : 1,084,865(1,084,526)÷99,490,261(99,441,308)=0.0109・・・(0.0109) 「1.09%(1.09%)」
    mpbongdsu1.jpg

    イタリア : 182,419(182,419)÷24,709,404(24,709,404)=0.0073・・・(0.0073) 「0.73%(0.73%)」
    mpbongdsu2.jpg

    日本 : 52,051(51,837)÷26,331,295(26,154,301)=0.0019・・・(0.0019) 「0.19%(0.19%)」
    mpbongdsu3.jpg









    さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓

    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)

    そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。

    世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである詳しくはこちらから💓

    そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    イマヌエル・カント
    イマヌエル・カント

    たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない詳しくはこちらから💓

    また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

    世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる詳しくはこちらから💓

    で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

    カール・マルクス
    カール・マルクス

    私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

    ウラジーミル・イリイチ・レーニン 1
    ウラジーミル・イリイチ・レーニン

    われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう詳しくはこちらから💓

    このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中はその影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていないという状況にあるということです。

    Hunter Biden Soros Linked to Biolabs in Ukraine





    その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア詳しくはこちらから💓) やウクライナ詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

    A storm is coming 245





    さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓

    ウーマニ

    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために様々な論文を見ているところとなります。

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    『現代ユダヤ思想における神権政治をめぐる論争 : ブーバー、ヴァイレル、ラヴィツキーの理解を中心に』 平岡 光太郎

    それでは早速、続きを見て参りましょう。

    『 第四章 アバルヴァネル理解

    第一節 はじめに


     ヴァイレルとラヴィツキーのアバルヴァネル理解をめぐる論争を論じるにあたり、予備的考察として、二人が前提としている諸概念である 「離散」 ( גלות )、「贖い」 ( גאולה )、そして 「神権政治」 ( תיאוקרטיה ) を概観する。伝統的ユダヤ教の理解では「離散」 は神によって与えられた状況でありその終わりとなる 「贖い」 が天から到来するまではユダヤ人は 「離散」 の状態にあるとされる。タルムードのケトゥボットには 「エルサレムのおとめたちよ、野のかもしか、雌鹿にかけて誓ってください。愛がそれを望むまでは愛を呼びさまさない」 ようにという雅歌 2 章 7 節の言葉の注解がある。ユダヤ賢者は、この箇所に、「イスラエルの人々が一度に 〔イスラエルの地へ〕 上らないこと」「イスラエルは諸国民に対して反乱を起こさないこと」「諸国民はイスラエルを過度に奴隷として使役しないこと」「終わりの時期を明かしてはいけないこと」「終わりの時期を遅らせてはいけないこと」「異邦人に秘密を明かしてはいけないこと」 という六つの誓いを読み取る。それらの誓いの意図は主として、ユダヤ人が自分達の贖いのために積極的なアプローチを取ることを禁じるところにある。
     ヴァイレルとラヴィツキーのアバルヴァネル理解において用いられる神権政治という概念はこうした贖いに関する見解と密接な関係を持つ。序章に示した通り、神権政治の起源は、紀元一世紀の歴史家ヨセフス・フラウィウスが 『アピオーンへの反論』 の中で用いたところに求められるこの言葉を用いてヨセフスはユダヤ人の特殊な政体を王政・寡頭政・民主政という三分法と区別した。ちなみに 「神権政治 (theokratia ) 」 の元となったギリシア語 θεοκρατία は、 θεος 「神」 と κρατία 「力/支配」 の合成語で、直訳すると 「神の支配」 という意味である。こうした語源的意味合いを字義どおりに理解することによって、神のみの支配つまり神が全てを行なうため人間の政治的営みは不必要であるという理解が次第に強調されるに至ったと思われる。ヴァイレルとラヴィツキーの議論では神による直接支配を意味する神権政治にさらに未来において天から一方的にやってくる 「贖い」 の時代すなわち 「離散」 の終わりという要素が加わりユダヤ神権政治概念の特殊性が浮き彫りになる。ただしアバルヴァネルのテクストにテオクラティア( תיאוקרטיה ) という術語が見られない。
     このユダヤ神権政治をめぐるヴァイレルとラヴィツキーの論争においてとりわけ重要になるのはイツハク・アバルヴァネルをめぐる議論である。アバルヴァネルはリスボンの名家に生まれ、イベリア半島やイタリアで 王制や共和制の諸国で政治に関わり、 15 世紀から 16 世紀にかけて生きた人物である。聖書注解では、ユダヤ教の伝統のみならずキリスト教の神学者たちによる聖書解釈やギリシア・ローマの哲学者たちの言葉、また当時のヨーロッパの政治状況などにも言及した。』

    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。









    続きは次回に♥




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