2022-12-21 (Wed)

こちらは、以下の 『ZeroHedge』 さん記事の翻訳となります。
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☆China Quietly Launches QE: Beijing Orders Large Insurers To Buy Bonds To Contain Selling Panic
レトリックやテクニカルな要素を取り除けば、FRB の QE は、いわゆる 「最後の貸し手 (兼買い手) 」 による大規模な債券買い入れオペレーションに過ぎず、市場を安定させ、秩序と価格の透明性を回復するためのオペレーションである ( 12 年間の QE がそうなることを FRB が身をもって知ったように)。この単純な定義に従えば、昨夜、中国は - 自国の巨大な債務バブルを悪化させるという懸念から、これまで FRB の市場介入のレパートリーを再現することに反対してきたが - 静かに QE を開始したことになる。
ブルームバーグによれば、中国の規制当局は国内最大の保険会社に対し、個人顧客が債券投資から資金を引き揚げる際に売却される債券を購入するよう要請したという。水曜日の会合で、中国の規制当局は保険会社に対し、市場をバックアップし、さらなる変動を防ぐために銀行の資産管理部門が販売する債券を購入するよう指示した。また、一部の銀行は自己勘定取引を利用して債券を買い上げることを示唆した、とある関係者は述べている。
もちろん、事実上すべての主要な金融機関が国営企業である中国では、「独立系大手保険会社」 などというものは存在しない:それらはすべて本質的に政府機関であり、(国家の特性を持つ) 民間市場の体裁を保つために、公的な国家機関から一歩距離を置いただけの存在である。しかし結局のところ、規制当局が今回指示したのはQEにほかならない。しかも、銀行が債券と準備金を交換するという、少なくとも資産スワップの見せかけがある米国とは異なり、中国では資金の流れははるかに単純である:誰かが、何者かが、市場を沈静化するために債券を買う。そして、これは通常、最後の手段として取られる措置であるため、中国資産の底入れを見た可能性が非常に高いと自信を持って言うことができる。
中国のトレーダーや個人投資家は、中国が厳格な COVID・ゼロ政策を縮小し、経済への楽観論が強まる中、債券資産を投げ売って株式に資金を注ぎ込んでいるため、大手 (国有) 銀行や金融機関も参加した会議で、この指導が下されたのだ。先月の混乱で、債券を担保にした資産運用商品から大量の資金が引き揚げられたこともあり、規制当局は銀行に流動性の状況について報告するよう求めている。
報告書によると、投資商品が短期的な解約の影響を受けにくい保険会社の中には、今回のガイダンス以前からすでにこの要請を受け、「市場の前向きな見通しに基づき債券を購入」 したところもあるという。最大手の保険会社には、中国人寿保険と中国平安保険集団が含まれる。この 2 社の資産運用部門だけで合計 8 兆 7,400 億元 ( 1 兆 3,000 億ドル) を運用している (両社のホームページより)。もちろん、両社とも大部分は国家所有であり、したがって、今起きていることは、中国国家が市場を安定させるために積極的に債券を買い上げていることにほかならない。
背景をもう少し : リスクの透明性を高め、中国の 29 兆元規模の資産運用市場に規律を浸透させるため (はい、笑ってはいけません)、当局は銀行に固定リターンモデルをやめさせ、時価評価に移行させる数年にわたる改革に着手してきた。しかし、この改革は、長年にわたって安定した保証されたリターンに慣れ親しんできた投資家を怯えさせ、大量の資金流出と資産運用会社による強制的な売却を引き起こした。
その結果、中国政府が COVID・ゼロ政策を緩和するとの兆候から、11 月 14 日に中国のベンチマーク債利回りは過去 6 年間で最も急上昇し、株式への急激なシフトが起こった。その後、利回りは上昇を続け、水曜日には非公式の QE に関するニュースが広まり、少し落ち着きを取り戻した。中国の 1 年物国債利回りは、11 月以来 50 ベーシスポイント以上急上昇した後、今年最高値に近い 2.25 %まで上昇した。
そして驚いたことに、中央銀行や国による債券の購入が始まると、いつものように市場はすぐに安定し、中国債券先物は木曜日に急騰し、2 週間で最大の上昇を記録したのである。10 年債の先物は 0.4 %も上昇して 99.855 となり、11 月 23 日以来の高値となった。10 年債と 1 年債の利回りは、レポ金利と同様に過去 1 カ月間に急上昇した後、ともに低下した。

一方、エバーブライト証券の推計によると、主に債券を担保とした資産運用商品の 1 日の解約額は、2,000 億元にも達する可能性があるとのことだ。

言い換えると、それらの保険大手は忙しくなるのだ。あるいは、そうでないかもしれない : 結局のところ、国債が大幅に下落した場合、国が国債を購入することを示唆するだけで、それ以上の売りを防ぐには十分なはずである。2020 年 3 月、私たちはまさにそれを目の当たりにし、9 月には、小型補正予算の大失敗の後、すべての債券資産が投げ売られ、債務重視の運用 (LDI) のクラッシュを受け、BOE (イングランド銀行) が QE 再開に奔走したときにもそれを目撃した。
それでもまだ不十分だと見るや、北京は市場の安定を保つためにさらなる措置を講じた : 銀行や資産運用会社も解約を制限する方向に動いている。四大国営銀行の一つである中国銀行 (Bank of China) は、12 月中旬から顧客の 1 日あたりの換金枠を 1 万元に設定した。Suyin Wealth Management と Bank of Guiyang も、最新の指令に従って、一部の商品のリアルタイムでの換金に 1 日 1 万元の上限を設定している。
6 月末時点の公式データによると、銀行や資産運用会社が販売する資産運用商品の残高の 95 %以上が時価評価されている。原資産のうち債券が占める割合は約 68 %となっている。

☆中国が保険会社に債券購入指示、個人投資家の売却分穴埋め-関係者
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