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     >  ZeroHedge >  市場のポジショニングとドライバー : 年末に 「すべてが上昇」 するのか、それとも 「リスクオフ」 するのか?

    市場のポジショニングとドライバー : 年末に 「すべてが上昇」 するのか、それとも 「リスクオフ」 するのか?

    VIX back to 20


    こちらは、以下の 『ZeroHedge』 さん記事の翻訳となります。

    Market Positioning And Drivers: Will There Be An "Everything Rally" Or Will Stocks "Risk-Off" Into Year-End?


    アカデミー証券 ピーター・チアー氏

    ポジショニングと主要ドライバー

    理論的には市場の閑散期となるべき時期に入り ( 2018 年 12 月はそうではなかったが)、ポジショニング (うまく読み取るのが非常に難しい) と、今後数週間のドライバーが何であるかを取り上げてみる。

    ポジショニングについて

    誰もが弱気になっているというレポートが出回っています。それらのレポートは、言葉 (弱気派に多くの時間が与えられている) と株式のプット/コール比のようなものに焦点を当てているようです。プット/コールレシオを見ることに対する反論は、それらが行ったり来たり (ほとんど乱高下している) しており、週次および日次の期限付きオプション市場をうまく捉えていないかもしれないというものです。日計りオプションの台頭が意味するものを見る(そして理解する)のは、実に興味深いことです。日計りオプションや週計りオプションほど、レバレッジの効いた賭けはないと思います。大半は(驚くには値しないが)期限切れとなるが、宝くじ的な性質が (どちらかの方向に) 大きく振れることをさらに助長しているようだ ( 「 0 DTE (ゼロデイズ) オプション取引急増の背景とは?」 参照)。

    market vol_0

    これは、すでに流動性の低い市場にガンマを追加したもので、大きな動きを生むレシピと言えます。

    CNN Fear & Greed Index などの指標は、依然として 「強欲」 の領域にある。確かに 「極端な強欲」 ではないが、「誰もが」 弱気であることを示しているわけではない。AAII (American Association of Individual Investors) では、先週の強気な数値から後退しましたが、まだ中立的な数値が多くなっています。

    AAII bulls less bears

    QQQ ( NASDAQ 100 に連動する ETF) の RSI (相対力指数) を見ても、中立的な位置づけを示す中間の数値にとどまっている。私が見ている 「テクニカルチャート」 (私の専門分野ではありませんが、完全に無視するものではありません) では、VIX を除いて強気、弱気と言った突出したものは何もありませんでした。

    VIX は20 強まで反落しており、今年に入ってから株式にとって問題視されている。

    VIX back to 20

    果たしてVIX、QT、弱含みの経済データ、そして忌まわしい流動性は、2018 年 12 月型のシナリオを設定するのだろうか?

    自社株買い (企業のポジショニングと大雑把に解釈してもよい) は市場に影響を与え、それは決算期に息を止め、決算が終わると安堵のため息をつき、自社株買いの恩恵を覆すことができないパターンが出来上がっているように思えます。残念ながら、これは 3 ヶ月周期で、12 月下旬には再び息を止める状態に戻ってしまうのです。

    ファンドのフローを見ると、ARKK は 2 週間前に発行済み株式数の記録を更新し、その後若干の後退が見られます。TQQQ (NASDAQ 100 指数に 3 倍連動する ETF) は 3 週間前に記録を更新しましたが、こちらも小規模ながら着実な資金流出が見られました。この 2 つの ETF は、その時々の時流を捉えており、市場が実際に強気になり、現在はより中立的になっていることを裏付けているように見えるので、私はこの 2 つのETFを活用しています。

    私は、「誰もが弱気」 という見方を裏付ける証拠はほとんどないと考えています (少なくとも株式については)。むしろ、「 FRB が利上げを減速する」 というストーリーはほぼ織り込み済みであり、年末に向けて売り圧力がかかる可能性があります。さらに、「季節性 (シーズナリティ) を追う必要がある」 というトレードが行われ、量的引き締めは (時間をかけて) 投資家が同様の期待リターンを得るためにリスクを減らす機会を提供することになるのでしょう。

    債券に関しては、人々はまだ弱気になりすぎている (と私は信じたいので)、と私を納得させることができ、それは今も真実かもしれません。しかし、最近の動きで多くのショートポジションが解消されたため、債券はより中立的なポジションになっているのではないかと思います。

    主要なドライバー

    ポジションが中立である可能性が高いため、市場はデータと重要なシナリオに影響されることになるでしょう。今後数週間から数ヶ月の間、これらの要因に注視していく必要があります。経済や市場に関する意見や見通しを調整する必要があるかどうかを確認するために、これらの要因を注意深く観察する必要があります。

    ・資産効果。資産効果は、それ相応の注目を浴びていません。
    ◦住宅価格は下がっています。ほとんどの人にとって、住宅価値は数年前より現在の方が高いのですが、住宅価値が (住宅ローン金利の大幅な上昇に対応して) 低下していることの心理的影響が問題になっているのです。
    ◦債券は大きな打撃を受けています。株式が下落したときに債券が上昇することを期待していた人は、今年は大変な目に遭っています。いわゆる 60/40 ファンド (株式と債券に投資するファンドで、一般的に負の相関があることを利用している) は、過去最悪の年のひとつとなりました。
    ◦株式は大きな打撃を受けています。S&P 500 は今年 15 %しか下がっていませんが、ナスダックは28%下がり、「ディスラプティブ (破壊的) 」 企業 (ここでは ARKK ETF をその代用とします) は 62 %も下がっています。問題なのは一般投資家の資産効果だけでなく、これらの企業の多くの従業員にとって 「ペーパー」 資産であったものが破壊されたことでもあるのです。
    ◦クリプト (暗号資産) は大きな打撃を被りました。多くの人はクリプトを無視しているようですが、1 年ちょっとの間にクリプトの価値は 3 兆ドルから 0.7 兆ドルくらいになったのではないでしょうか。この領域に関わる事業体も、評価額が急落しています。
    ◦グロース企業の 「資産効果」。もし 2021 年初頭まで戻ることができれば、至る所でグロース (成長) が見られました。大幅なバリュエーションであっても、株式 (公募・私募) の調達は比較的容易でした。その資金は、成長を示すことが重要な目的であったため、調達され、使われることになりました。現在、バリュエーションが低いため (そしてキャッシュフローがより重視されるため)、こうした成長を牽引してきた企業は、支出をより慎重に行うことになるでしょう。


    ・在庫、需要、サプライチェーン。これらの要因は、インフレを簡単に引き下げる可能性があります。
    ◦需要は高いように見えるが、それは持続可能なのでしょうか? 消費者は富を持っており (上記参照)、景気刺激策が講じられ、昨年は必要以上に購入することで潜在的な供給力不足に応じ、需要を効果的に前倒ししました。企業がこれを見抜けなかったという証拠 (在庫データ) があります。
    ◦サプライチェーンの過剰補填。企業はサプライチェーンのリスクに対して、より多くの注文をすることで対応しました。需要が堅調に思え、また、在庫が少ないよりも多い方が 「安全」 に思えたからです。サプライチェーンが正常化するにつれ (中国が依然として COVID ゼロ政策を実施しているにもかかわらず、これが起きていることを示す多くの証拠があります)、在庫がさらに積み上がることが予想されます。


    ・ロシア、ウクライナ、エネルギー価格。基本的なケースは現状維持で、エネルギーと商品価格には上昇圧力がかかりますが、その多くはすでに織り込み済みで、世界のサプライチェーンはこの新しい世界に適応するために変化しています。
    ◦どちらかといえば、「サプライズ」 はある種の停戦ではないかと思われます。軍事装備の出費は多くの NATO 諸国に重くのしかかっています。ウクライナは本当に 「勝つ」 ことができず、ロシアは負けるわけにはいかないので、さらなるインフラ被害 (と市民の永久避難) を回避しようとするのは妥当な目標であると言えます。制裁はロシアと同じくらい私たちを苦しめるようで、これがテーブルに着こうとするもう一つの理由になっています。制裁の結果の一つは、「誰が誰に石油を売買できるか」 を調整するために航路が長距離化し、タンカーによる石油の移動が困難で高価になっていることです。


    ・中国は共産党の新たな確約を続け、その「お得意様」国家との関係を広げています。私は、世界経済における中国の協力はあまり期待していません。
    ◦習近平氏は共産党の権威を再表明しています。常に主導権を握っていましたが、内部でも (一例として) 成功したビジネスパーソンと相対する党の権力という認識がクローズアップされつつあるのです。
    ◦中国が我々の望む通りに動いてくれることを期待するのは、これまでも、そしてこれからも、欠陥だらけの戦略であり続けるでしょう。中国が本当に我々のようになりたいと思っていて、そのような考え方に至るだろうという 「希望」 が残っています。これは実現する可能性がきわめて低いでしょう。
    ◦経済的な結びつきの変化。中国とロシアは、多くの点で米国とロシアよりも優れた貿易パートナーになることができます (ロシアは中国からハイテクを欲しがり、日用品を売って貿易黒字を得ているのです)。この関係は多くの国、特に世界の独裁国家・資源保有国との間に存在するものです。一帯一路構想は、中国が資源やアクセスなどを欲している国との関係を強固にする、(中国から見て) 極めて効果的な方法だと言えるでしょう。
    ◦台湾。米軍は、軍事侵攻の可能性は低いと見ているようですが、威圧的な軍事的プレゼンスを維持しながら、政治的・経済的圧力を強めていくことになりそうです。


    ・雇用。雇用統計は好調で、今後も力強さを示す指標のひとつとなる可能性があり、その市場については悲観的でないため、当社の金利見通しにとって脅威となる可能性があります。
    ◦雇用は (常に遅行指標ですが) 今回はさらに遅行することになりそうです。雇用が極めて困難な状況が 1 年以上続いたため、企業はすぐには人を解雇しないでしょう! 解雇は最後の手段です (いつも以上に)。まず利用するサービス (法務、コンサルティング、クラウド、広告など) が削減されるでしょうし、そのような兆候が見られるのも事実です。
    ◦どのような雇用が失われるのでしょうか? 今回、(少なくともレイオフの初期段階では) 多くの雇用が削減されるのは、より高給の仕事だと思われます。高収入の仕事が例年以上に打撃を受けるため、低所得者に厳しい雇用市場とはならないでしょう。このことは、景気を悪化させるために失われる雇用の数が少なくなることを意味するでしょう。
    ◦雇用データのすべてが 「嗅覚」 テストをクリアしている訳ではありません。家計調査では雇用創出数が事業所調査より 200 万人少なくなっています。JOLTs (米求人労働異動調査) のデータは、オンライン検索が普及して以来、求人数に対して雇用数がより多く表示されるようになりました。また、雇用データの様々な指標について、いくつかの 「不可解な」、しかし現実的な疑問が存在するのも事実です。


    ・サービスセクター。この分野もそこそこ持ちこたえており、これは将来的に良い兆候かもしれません。しかし、在庫 (サプライチェーンの懸念が需要を過剰に押し上げた) と同様、サービス分野でも同様の現象が起こる可能性があるというリスクがあります。旅行や家族に会うのが難しい期間が長く続いた後では、「キャッチアップ」 効果があり、今年のホリデーシーズンを乗り切ると、それほど堅調でなくなるかもしれないというのがその主張です。

    ・インフレーション。来年はインフレと同じくらい デフレーションが話題になると思います。

    長期的なファクター。これらのドライバーは、今後数週間で市場に大きな動きをもたらすことはないでしょうが、来年を形作るものであり、これらを正しく理解することが 2023 年をうまく乗り切るための重要な鍵となりますので、その動向に注目することが重要です。

    サプライチェーン・マネジメント。企業は、よりシンプルで「安全」な、あるいはより 「安心」 なサプライチェーンを構築するようになるでしょう。その結果、国内、メキシコ、その他の地域で雇用が創出されるでしょう。それは機会を創出し、多少のインフレをもたらすでしょう。製造業だけでなく、こうした新しいサプライチェーンに関わる物流にも、より多くの 「中間」 層の雇用が創出されるでしょう。これはアメリカの雇用にとって良いことですが、インフレにはあまり良いことではありません。

    持続可能なエネルギーと伝統的なエネルギーの双方を拡大する。私たちは、これまで考えられていたよりも早く、より積極的に持続可能なエネルギーを整備していく必要があります。そのためには、エネルギーシステムのバックボーンを十分な大きさ (十分時間をかけて) にして、その転換を円滑に行う必要があります。これは最終的にはデフレになりますが、私たちが目指す世界を実現するために必要な資材や人材に莫大な資金が必要となるため、短期的にはインフレになるでしょう。

    インド。これは私の 「外れ値」 であり、十分に注目されていません。インドは、人口構成がはるかに優れており、総人口で中国を追い越すと予想されています! また、インドはサプライチェーン面でも中国の 「損失」 を獲得することになるでしょう。インドは Covid 以前から急成長しており、その軌道に戻りつつあるようです。多くの障害がありますが (そのうちのいくつかは彼ら自身が作り出したものです)、もし私が期待する外れ値があるとすれば、それは 「 2000 年代初頭のような」 中国コモディティブームでしょう! インドがロシアの商品を買っていることを忘れてはなりません。なぜなら、インドにとって安価な資源は重要だからです。ベネズエラとも協力し、多くの点で中国の資源蓄積のやり方を真似ているようです。インドが話題に上ることはめったにありませんが、これは私たちが準備していない世界システムに対する衝撃になるかもしれません。

    結論

    数週間前よりは見劣りするものの、私はまだ債券が気に入っています! このところの上昇は激しく、さらに悪いデータが出なければ正当化するのが難しいと思われる水準に近づいています。本稿の主要ドライバーのセクションでは、データはコンセンサスよりも弱いと予想していますが、債券の弱気ポジションが減少している場合、債券の利回りを大幅に低下させるためには、さらに多くのことが必要となります。

    2 年から 5 年のレンジにポジションを置くことで、FRB が早期に利上げを停止し、より低いターミナル・レートを市場に織り込ませるようなデータが出た場合に、最も恩恵を受けることになります。現時点では、今後さらに多くのデータが発表されるとはいえ、12 月に 50 bpsの利上げが予想され、それだけで終わる可能性もあります(そして、それはやり過ぎかもしれません)。市場は 5 月のターミナル・レートを 5 %と見ているようです。しかし、私の考えでは、4.5 %未満です。

    エネルギー価格を筆頭に、コモディティは、ここに来て苦戦が続くかもしれません。最近の価格下落は株価に大きな影響を与えていませんが、その商品安は商品株安につながる可能性があります ( XLE と XLM は回復力があり、XLEの場合は高値付近となっていますが、市場が 2023 年の成長を見出そうと苦労しているため、これらの銘柄には利益確定が重くのしかかることを予想します)。

    私はクリプトには一切手を出しません。もしかすると、さまざまな 「取引所」 や 「カストディ」 の事業体や企業がヘッドラインで疑惑の問題を解決し、市場が反発するのを見るかもしれませんが、私はそんなことは起こらないだろうと考えています。ビットコインは下降を続け、1 万ドル以下が私の目標です (起きていることすべてと機関投資家が直面している多くの疑問を考慮すると)。

    残る問題は、年末に 「すべてが上昇」 するのか、それとも 「リスクオフ」 するのか? ということに尽きます。

    1 週間ほど前なら、私は年末に向けて 「すべてが上昇」 すると予想していたでしょう。しかしながら :
    ・国債の利回りはかなり低下し、株価はあまり上昇しませんでした。S&P 500 は 9 月中旬の終値ベースの高値 (4,110) に近く、これが抵抗線として機能するはずです。
    ・議事録は、本来ならもっと株価に貢献するはずでした。水曜日の S&P 500 の上昇は 0.5 %に満たず、ナスダック 100 は水曜日の価格よりも火曜日の終値に近づいています (年末に向けて持続的に上昇することを示唆するような値動きとは言えません)。
    ・PMI (購買担当者景気指数) データはひどいものでした。単に悪いというだけでなく、酷いものでした。経済、成長、インフレの主要な要素であるサービス業は 46.1 ( 48.2 より低下) でした。これは不穏な動きです。
    ・QT は助けになるものではなく、もし 「季節性 (ソーズナリティ) 」 トレードが実際に受け入れられているなら、それが巻き戻される可能性があります。


    というわけで、あらゆる証拠を吟味して、私は今のところ株式にはやや弱気です。奇妙なことに、この弱気は FRB が事態を収拾しようとしていること (市場はそれ以上に動いているため) とはあまり関係がありません。リスク資産にとって 「悪い知らせは良い知らせ」 の世界から 「悪い知らせは悪い知らせ」 の世界へと移行しているためです。

    クレジットは株式をアウトパフォームし、株式が上昇しなくてもさらなるスプレッド引き締めへの道筋はあります。銀行がハイ・イールド市場で抱えている 「たなざらし」 の案件が解消される兆しもあり、ハイ・イールド市場やレバレッジド・ローン市場の過剰要因となり続けることはないでしょう。もしかすると、皮肉にも、突然の上昇は投資適格債よりもそちらで発生する可能性が高いかもしれません。

    いずれにせよ、総合利回りベースで見れば、クレジットは良さそうですが、スプレッドベースでは、たとえ薄商いの時期であっても、臨機応変にリスクを減らすべき時でしょう。素晴らしい感謝祭をお過ごしくださいませ!


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