2022-11-14 (Mon)

こちらは、以下の 『ZeroHedge』 さん記事の翻訳となります。
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☆US Stocks Remain At Risk While China Holds Tech Back
ブルームバーグ・マーケッツ・ライブ・ブログのマクロ・ストラテジスト、サイモン・ホワイト氏による
中国の景気減速がハイテク・セクターの力強い回復を阻む限り、米国株はベア・マーケットに留まるだろう。
今世紀に入ってから、ほとんどなかったマクロ主導の相場が、ボラティリティとともに戻ってきた。それを理解するためには、世界を包括的に俯瞰することがかつてないほど重要になっている。蝶はいたるところで羽ばたき、その影響は多様で複雑、かつ絶えず変化するように感じられている。
マクロ的に最も大きな蝶の一頭が中国である。この国の経済に作用する力学を理解することは、株式市場のベア・マーケットがいつ終わるかを理解する上で重要な鍵となる。
中国は3つの面で経済的痛手に直面している - Covid 撲滅を目指す政策、不動産セクターの崩壊、そしてデット・デフレーション (負債デフレーション) によるリスクの増幅である。
中国の 「ゼロ ・ Covid 」 政策の明確な終結に対する期待は相変わらず打ち砕かれているが、中国の不動産市場の低迷は間違いなく、より深刻な問題である。住宅販売は激減し、家賃は下がり、住宅建設活動は縮小し、不動産関連のハイ・イールド債はピーク時から 80 %も暴落している。
中国の地方政府は、発行する債券の担保として土地を利用することが多い。このような債務の残高は 8 兆ドルにものぼり、地価の下落は - それが回復しない限り - 1980 年代後半に不動産バブルが崩壊した日本が経験したようなデット・デフレーション (負債デフレーション) と経済停滞が何年も続くことになる恐れがある。
中国の経済成長の鈍化は深刻な問題であり、それは資本流出の増加に最も顕著に表れている。貿易収支が大幅な黒字であることを考えると、これは直感に反しているように思われるかもしれない。しかし、家計部門が輸出向けの国有企業部門を助けるような国内政策は、こうした黒字が全体的な成長にとって負担となることを意味する。
資本は、たとえ名目上、資本勘定が閉ざされている国であっても、自ら行動するものである。輸出による莫大な資金流入にもかかわらず外貨準備高が増加しないことから、資本が中国からどんどん流出していることが推測できる。

資本流出に伴う国内のクレジット機能の崩壊をある程度軽減するため、人民元安が進んでいる。しかし、それだけでは十分ではない。特に政策立案者は、シャドー・バンキング・セクターの再膨張を避けるために、いわゆる 「洪水のような」 景気刺激策に踏み切ることをまだ渋っているため、中国の流動性状況はせいぜい微々たるものでしかないのである。
ここで、米国のハイテク業界に話を戻そう。実質 M 1 成長率 - 中国の経済成長を示す最も広範で優れた指標の一つである - は、米国のハイテク企業の収益を 1 年先取りする傾向がある。従って、現在、M 1 が適切に回復していないことは、米国ハイテク株の好転にとって大きな逆風となる。

米国のハイテク企業が中国に依存しすぎるべきでないという主張をするのは簡単だ。何しろ、アマゾン、アルファベット、メタの 3 大ハイテク企業は、中国国内で大きな存在感を発揮していないのだから。しかし、テスラ、エヌビディア、アップルなど、中国から相当量の収益を得ている米国のハイテク企業は他にもたくさんある。
実際、S&P 500 種指数を構成するハイテク企業の収益の約 8 分の 1 (= 12.5 %) が中国からのものであり、これは他のどのセクターよりもはるかに高い数字である。ハイテク企業の中国からの収益だけで、S&P 500 の全収益 15 兆 7,000 億ドルの約 1.5 %を占めている。

米国が中国へのテクノロジー輸出を厳しく制限しており、特に最近では半導体の材料やノウハウの輸出を禁止しているため、こうした売上高へのリスクは今後数カ月から数年にわたって高まりそうである。それでも、米国のハイテク企業の業績にとって中国が重要でなくなるほどの変化が短期間に起こるとは考えにくい。
さらに、資本規制は、経済成長、つまり収益が低迷しているときに、外国企業が中国から資本を引き出すことを難しくしている。その資金は 「滞留資金」 とみなされ、自国での収益を押し上げることはできない(たとえ、巨大な市場で売上を上げることで株価にプレミアムを付与することが、リスクをとる価値があるとみなされるとしても)。
したがって、S&P 500 の時価総額の 4 分の 1 を占めるハイテク企業が復活するまで、株価はベア・マーケットから抜け出せないと思われる。そして、中国がパンデミックによる経済成長の行き詰まりから脱し、デット・デフレーション (負債デフレーション) を回避するまでは、その可能性はないだろう。マクロ投資は復活するかもしれないが、誰もそれが簡単だとは言っていない。
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