2022-09-11 (Sun)

本日のキーワード : ウクライナ、ネオナチ、バンデライト、シュトラウス派、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教、グローバリスト、ディープステート、日本経済新聞
The New World Order that is being prepared under the pretext of war in Ukraine
ウクライナ紛争を口実に整えられつつある新世界秩序 ③
The conflict in Ukraine was not opened by Russia on February 24, but by Ukraine a week before. The OSCE is a witness to this. This peripheral conflict had been planned by Washington to impose a New World Order from which Russia, then China, were to be excluded. Don’t be fooled!
ウクライナ紛争は、2 月 24 日にロシアが仕掛けたのではなく、その 1 週間前にウクライナが仕掛けたものである。OSCE (Organization for Security and Co-operation in Europe / 欧州安全保障協力機構) がその証言者である。この周辺紛争は、ロシア、そして中国が排除される新世界秩序を押し進めるために、ワシントンによって計画されていたものだった。騙されてはいけない!

President Zelensky declared war on Russia by ordering the Banderist troops incorporated into his army to attack Russian citizens in the Donbass from February 17. Then he waved the red rag in front of the political leaders of NATO member countries and declared that he was going to acquire the atomic bomb in violation of international treaties.
ゼレンスキー大統領は、自軍に編入したバンデライト (ネオナチ・極右) 軍に、2 月 17 日からドンバスでロシア市民を攻撃するよう命じ、ロシアに宣戦布告した。そして、NATO 加盟国の政治指導者の前で赤い布を振り回し (ロシアを挑発し)、国際条約に違反して原子爆弾を手に入れることを宣言した。
In 2014 and 2015, when a civil war had pitted Kiev against Donestk and Lugansk, the material and human damage was only a matter of Ukraine’s internal affairs. However, in the course of time, almost the entire Ukrainian population of Donbass considered emigrating and acquired dual Russian citizenship. Therefore, Kiev’s attack on the population of Donbass on February 17 was an attack on Ukrainian-Russian citizens. Moscow came to their rescue, in an emergency, from February 24.
内戦でキエフとドネスク、ルガンスクが対峙していた 2014 年、2015 年は、物的・人的被害はウクライナの内政問題でしかなかった。しかし、時間の経過とともに、ドンバスのウクライナ人のほぼ全員が移住を検討し、ロシアの二重国籍を取得した。したがって、2 月 17 日のキエフによるドンバス住民への攻撃は、ウクライナ・ロシア系市民への攻撃であった。モスクワは 2 月 24 日から急遽、彼らの救援に乗り出した。
The chronology is indisputable. It was not Moscow that wanted this war, but Kiev, despite the predictable price it would have to pay. President Zelensky deliberately put his people in danger and bears sole responsibility for what they are enduring today.
この時系列は議論の余地がない。この戦争を望んだのはモスクワではなく、キエフであり、その代償は予想できたにもかかわらず。ゼレンスキー大統領は意図的に国民を危険にさらし、現在彼らが耐え忍んでいることに全責任を負っている。

とあるユダヤ芸人

戦時下の、とあるユダヤ芸人とその嫁の暮らしぶり
Why did he do this? Since the beginning of his term, Volodymyr Zelensky has continued the support of the Ukrainian state, which began with his predecessor Petro Poroshenko, for the embezzlement of funds by his American sponsors and for the extremists in his country, the Banderists. President Putin called the former "a bunch of drug addicts" and the latter "a bunch of neo-Nazis" [1]. Not only did Volodymyr Zelensky publicly declare that he did not want to solve the conflict in Donbass by implementing the Minsk Agreements, but he banned his fellow citizens from speaking Russian in schools and administrations and, worse, signed a racial law on July 1, 2021, de facto excluding Ukrainians claiming their Slavic origin from the enjoyment of Human Rights and Fundamental Freedoms.
なぜ、彼はこんなことをしたのか? ウォロディミル・ゼレンスキーは就任以来、前任のペトロ・ポロシェンコから始まったアメリカ人スポンサーの資金横領や 自国の過激派であるバンデライトに対するウクライナ国家の支援を継続してきた。プーチン大統領は、前者を 「麻薬常習者の一味」、後者を 「ネオナチの一味」 と呼んだ。

ペトロ・ポロシェンコ

麻薬常習者

ステパーン・バンデーラ

バンデライト(バンデーラ派極右)
ウォロディミル・ゼレンスキーは、ドンバスの紛争をミンスク合意の履行によって解決したくないと公言しただけでなく、同じ国民が学校や行政でロシア語を話すことを禁じ、さらに最悪なことに 2021 年 7 月 1 日、スラブ系出身と主張するウクライナ人を人権と基本的自由の享受から事実上排除する人種法に署名してしまったのだ。
The Russian army first invaded Ukrainian territory, not from the Donbass, but from Belarus and Crimea. It destroyed all Ukrainian military installations used by Nato for years and fought the Banderist regiments. It is now dedicated to annihilating them in the east of the country. The propagandists in London and their almost 150 communication agencies around the world assure us that, pushed back by the glorious Ukrainian Resistance, the defeated Russian army has given up its initial goal of taking Kiev. However, never, absolutely never, did President Putin say that Russia would take Kiev, overthrow the elected President Zelensky and occupy his country. On the contrary, he has always said that his war aims were to denazify Ukraine and eliminate foreign (NATO) weapons stockpiles. This is exactly what he is doing.
ロシア軍はまず、ドンバスからではなく、ベラルーシとクリミアからウクライナ領土に侵攻した。長年にわたり NATO が使用するすべてのウクライナの軍事施設を破壊し、バンデライト連隊と戦った。現在、東部で彼らを全滅させることに専念している。ロンドンのプロパガンダ担当者とその世界中の約 150 の通信社は、輝かしいウクライナのレジスタンスに押し戻され、敗北したロシア軍はキエフを奪うという当初の目標をあきらめたと我々に伝えている。
しかし、プーチン大統領は決して、いや全く、ロシアがキエフを占領し、選挙で選ばれたゼレンスキー大統領を転覆させ、国を占領すると発言したことはないのである。それどころか、彼は常に、自分の戦争の目的はウクライナを非ナチ化し、外国 (NATO) の軍事兵器の備蓄を一掃することだ、と言ってきた。これはまさに彼がやっていることだ。
The Ukrainian population is suffering. We are discovering that war is cruel, that it always kills innocent people. Today we are overwhelmed by our emotions and, as we ignore the Ukrainian attack of February 17, we blame the Russians, whom we wrongly call "aggressors". We do not feel the same compassion for the victims of the simultaneous war in Yemen, its 200,000 dead, including 85,000 children, who died of hunger. But it is true that the Yemenis are, in the eyes of the West, "only Arabs".
ウクライナの人々は苦しんでいる。私たちは、戦争が残酷であること、戦争は常に罪のない人々の命を奪うことを理解している。今日、私たちは感情に押し流され、2 月 17 日のウクライナの攻撃を無視するようにして、間違って 「侵略者」 と呼ばれているロシアを非難しているのだ。 同時多発的に発生したイエメン戦争の犠牲者、その 20 万人の死者、そのうち 8 万 5 千人の子どもたちの飢え死にに対して、私たちは同じような同情を抱くことはない。しかし、イエメン人は欧米から見れば 「ただのアラブ人」 であることは事実である。
The fact of suffering should not be interpreted a priori as proof that one is right. Criminals suffer like the innocent.
苦しんでいるという事実を、自分の考えが正しいことの証明としてアプリオリに解釈すべきではない。犯罪者は罪のない人間のように苦しむものなのだ。




☆The New World Order that is being prepared under the pretext of war in Ukraine
本日の書物 : 『アメリカの崩壊 分断の進行でこれから何が起きるのか』 山中 泉 方丈社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 バイデン政権の背後にいる “グローバリスト” 勢力とは?
では、バイデン個人はパペットだとするなら、いったい誰が、バイデン・システムの意思決定をしているのか。
判断する上で最も重要な要素は、やはり資金の流れということになるだろう。
アメリカの民主党と共和党に対して、長年資金提供してきた勢力がある。
分かりやすく表面に出ているのは、ウォール街の巨大投資銀行、グローバル多国籍大企業、大手ユニオン、主要メディア、シリコンバレーのビッグテック企業、軍需産業、そして巨大製薬産業などが中心だ。
こうした勢力のファンドや大株主たちが占める頂点は、「世界経済フォーラム」 や 「ダボス会議」 の顔ぶれと重なっている。
毎年 2,500 人の 「選ばれた世界の政治家、メディア、経済人、社会運動家」 たちが集い、世界の経済、社会、環境といったテーマに対する政策などの提言を行い、各国政府に対して、彼らが打ち出した方向性に従わせるだけの力を蓄えた勢力であるとされる。
トランプは、これを頻繁に 「グローバリスト」 と呼んだが、「ディープステート」 と称するひとたちもいる。
私は陰謀論の類には全く興味はないが、このような勢力は長く欧米に存在しているし、隠れているわけでもない。「いるかもしれない」 ではなく、厳然といつでも存在するのだ。歴史的には 14 世紀くらいからの活動の延長であるともいう。
無論、表でも裏でも凄まじいカネと権力を使い、政治や経済にも関与してきている。
2021 年に日本に滞在していた時期、驚いたことの一つは、日本経済新聞の第 1 面でほぼ毎日といっていいほど、「脱炭素社会」 関連の記事が扱われていたことだった。
重要なのは、「誰が日経新聞にこの主題を頻繁に掲載させているのか」 ということだ。無論、会社と編集部の方針だからという答えはあるが、肝心なのは、背後にこれを書かせている勢力が存在するということだ。
同時期、私はアメリカの各メディアも毎日追っていて、普通に比較しながら見ることになったからよくわかるのだが、日経新聞は、グローバリスト勢力の忠実なプロパガンダ機関としか思えない編集内容だった。
別に陰謀論でも何でもなく、少しモノゴトをまっすぐ見れば誰にでもわかる話だ。』

「低い」 キリスト論 or 「高い」 キリスト論
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、実際に永くアメリカに住み、実業を営んでいる日本人の著者が、現在のアメリカで一体何が起こっているのかを客観的な事実をもとに伝えてくださる良書で、もはや大半の日本国民の常識となっている 「能無しメディア (テレビ・新聞・ラジオ・似非保守系YouTube番組) 」 がそのスポンサーの圧力で伝えない、伝えることができない、あるいはまったくデタラメに “アメリカの現状” として伝えるのではなく、著者自らが体験するリアルなアメリカの姿を知ることができる、当ブログお薦めの書物になります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 1,046,986(1,046,176)÷94,646,652(94,523,461)=0.0110・・・(0.0110) 「1.10%(1.10%)」

イタリア : 175,663(175,595)÷21,888,255(21,867,757)=0.0080・・・(0.0080) 「0.80%(0.80%)」

日本 : 40,241(39,938)÷19,099,600(18,949,793)=0.0021・・・(0.0021) 「0.21%(0.21%)」

さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」・「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓)

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである (詳しくはこちらから💓)
そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない (詳しくはこちらから💓)
また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる (詳しくはこちらから💓)
で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

ウラジーミル・イリイチ・レーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう (詳しくはこちらから💓)
このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中は、その影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で、人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在、私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていない、という状況にあるということです。

その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓)

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア (詳しくはこちらから💓) やウクライナ (詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」 (こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓)

そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、様々な論文を見ているところとなります。

☆『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 3 章 原始キリスト教団
2 章では初期ユダヤ教において当時の神殿体制に異議を唱えるセクトが誕生したこと、神殿から離れたそれらセクトの中で、神殿での犠牲儀礼に代わって内面の悔い改めを重視する 「聖化」 儀礼としての洗礼が発達したこと、それに伴ってセクトメンバーには 「聖霊」 が与えられ、天使たちと共にあるとの認識があったことを、彼らが トーラーの重要性を前提としつつ多様な解釈を展開したことを示す資料を通して確認した。原始キリスト教団もまた、これらの初期ユダヤ教のセクト運動の中から生まれたことが想定される。本章では、原始キリスト教団が初期ユダヤ教の中の一セクトとしてユダヤ教の解釈を 「継承」 しつつ、 同時にいかにユニークな解釈を行ってユダヤ教から独自の宗教への 「転換」 を行っていったのかを考察する。
3 - 2 ルカ
原始キリスト教団の文書として次にルカ文書 (ルカ福音書・使徒言行録) を検討する。伝統的な理解では、ルカは異邦人キリスト者のために著作した異邦人の著者であることは議論のないこととされてきたのであるが、近年の見解ではルカ文書のユダヤ人性を指摘する研究が多く提出されており、事実、ルカ文書には多くの 「ユダヤ的」 特徴を見ることができるのである。本研究の関心において最も関係のあるその特徴とは、ルカ文書が 「聖霊」 と 「天使」 を非常に重視している文書であるという点である。また、従来 「文学者」 としての側面が指摘されてきたルカであるが、その文学的技法を見る時に、それがトーラーを下地として浮かび上がらせながら自らの解釈の 「新しい世界」 を出現させるという、2 - 4 で確認した初期ユダヤ教における allusion の技法であるのを見ることができるだろう。ルカがこの技法によって描き出す新しい解釈の世界がどのようなものであるのかを、特に彼が 「聖霊」 をどのような意味で用いているのかに焦点を当てつつ、初期ユダヤ教の聖書解釈からのルカの 「継承」 と 「転換」点について考察する。
3 - 2 - 4 ルカが受容した世界
…ルカ福音書がイエスの人間性を強調しており (363)、ルカがイエスを拒絶という宿命を受けるところの預言者として描く ことに特別の関心を持っていることが従来指摘されてきた 。このことがルカが 「低いキリスト論的視点」 を持っている根拠として強調されてきた (364)。つまり他の新約文書と比較してルカにはイエスの 「神性」 への示唆が欠如しており、ルカは 「下からの」 従属的なキリスト論を持っていると考えられてきたのである (365)。
しかし従来のこの構図に関して Fletcher-Louis は 「多くの観点において厳密に価値判断されなければならない」 と述べ (366)、イエスが地上での期間どのように見られようとも、イエスの復活後にルカは著しく 「高い」 キリスト論を使用していることは疑いないと指摘する (367)。更に、復活の瞬間以降ルカの描くイエスが 「礼拝と祈り」 を受け取っていることが決定的に重要なこととして指摘され (368)、「高挙のイエス」 についてのこの高い視点は地上のイエスの理解 にとっても直接関係があると指摘される (369)。福音書の期間に既にイエスの 「単なる」 人間以上のアイデンティティを示唆するものとして、「人の子」 の表象、洗礼と変容 におけるイエスの (神の) 息子性の天的な啓示 (3:22 と 9:35 ) が挙げられる (370)。ここでは、ルカ文書において、地上のイエスの神性への示唆としての 「人の子」、黙示的世界観、天使のイメージがルカの受容を通して、どのような意味世界を創り出しているのかを考察する。
(363) イエスはアダムへとさかのぼる系図と共にユダヤの家庭へと生まれ (ルカ 3:23 - 38 )、彼の宣教の初めから終わりまで、イスラエルの義なる者としての人間的試練を経験する。ルカ的イエスは、社会的正義と周辺に追いやられた人々 「貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人 (ルカ 14:13 ) 」、サマリア人、女性たちを重視する ( ibid., p.20 )
(364) ibid., p.21. Fletcher-Louis はルカ文書がこれまで 「天使形態」 のテーマの考察対象とされることが少なかった理由について以下の点を挙げ、これらの三つの批判は全て基準を満たさないものであると述べる (ibid., p.18 )。
① ルカ文書はその言語と思考パターンとヘレニズム的ユダヤ教の神学的根拠から、伝統的に異邦人のための福音と見なされてきた。
② 全福音書の中でルカ福音書はしばしば特に低級のキリスト論と考えられてきたのであり、イエスの人間性へのルカの強調から、ルカ文書は天使形態的キリスト論に関心を持っているとは思われない。
③ ルカ文書が終末論的と理解されるに値するのかどうかが問われてきた。
(365) ibid., p.21.
(366) ibid.
(367) このことはイエスへの κύριος の称号の使用において著しく顕著である。 旧約では神聖四文字と解釈される称号がイエスに適用されており (ヨエ 2:32 を引用する使 2:21 )、使徒言行録全体を通じて、イエスについて使われている κύριος と神について使われている κύριος との間には明らかな重なりが存在することが指摘され、「この称号の使用において、そして彼の名前への関心において、イエスとヤハウェとの同一性を見る定着した研究の伝統がある」 ( ibid )。
「旧約・ユダヤ教の他のどの箇所においても、神以外のいかなるものもこの役割を行使することはない」 として、使 2:33 で霊を分配するイエスの描写が強く神的キリスト論を示唆していると述べる Max Turner (1982, の報告を紹介しつつ、Turner はギリシャ語版スザ 44 - 5 章で 「主の天使」 がダニエルに 「理解する霊」 を与える箇所を見逃していると指摘する ( ibid., p.22 )。「霊」 と 「理解」 との関係については、 (4) で考察する。
(368) ibid., p.22. 「マルコが行き当たりばったりに προσκνειν の語を用いているのに対し、ルカは首尾一貫して…ルカ 4:8 における神の礼拝と 24 :52 におけるイエスへの弟子たちの礼拝に関してのみこの語を保持して」 (Plevnik, 1991 ) おり、 この礼拝が使徒言行録で教会の活動と首尾一貫していることが指摘される (ibid )。
「イエスの名」 は洗礼において (使 2:38、10:48、19:4、22:16 )、またその他の時に (使 2:21、7:59、9:14、 21、特にロ マ 10:13 参照) 引き合いに出され (祈られ) た。使 19:17 ではイエスの名が あがめられた (έμεγαύνετο )。 Fletcher-Louis は、 ルカ 4:8、10:27、18:19 の shema (申 6:4 - 9 参照) への頻繁な allusion から明らかなように、ルカは他の箇所でユダヤ人の宗教の基本的な唯一神教的表現の厳守を想定しており、これは明らかにヘレニズム的な神礼拝ではないことを指摘し、今までのところユダヤ的ルカ文書の範疇でのイエス礼拝の厳密な説明は提示されていないと述べる (ibid., p.23 )。
(369) ルカは 、福音書全体を 通して κύριος の称号 を神に対してのみでなくイエスに対しても用い、福音書 -使徒 言行録の 2 巻の間で イエスのアイデンティティにおいて一本の連続性を描くことに特に関心を払っている (ibid., p.23 )
(370) ibid., p.24. イエスの神の息子性は、旧約聖書の王制文書において既に存在している神的な息子性 (詩 2、サム下 7 章など) を背景としている と指摘される ( ibid )。
他に、10:22 における子としてのイエスと父 (なる神) との関係、人の子のように義なる者のような 5:17 - 26 における罪をゆるすイエスの役割、 8:22 - 25 において嵐を静める神的あるいは神顕現的な主張を強く示唆するエピソード、18:18 - 23 における金持ちの男とのイエスの議論において 「善いお方」 としての神性へのほのめかしが言及される。 』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
ランキング参加中で~す^^ ポチっとお願いします♥
↓↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村

人気ブログランキング


- 関連記事
-
- かつての中国共産党日本支部 = 日本共産党 ~ そして、現代の中国共産党日本支部 = 自民党ハニトラ岸田派と官能ポルノ&カルト政党・公明党 (2022/09/18)
- レオ・シュトラウスの教えを継承するユダヤ人の手によるユダヤ人のための “寡頭体制” = 『新世界秩序 (New World Order)』 (2022/09/17)
- ホワイトハウスのコロナ対策アドバイザーに、科学者や先端的な医学的研究をしてきた人は 1 人もいない (2022/09/16)
- レオ・シュトラウス : 「二度とユダヤの悲劇を繰り返さないためには・・・」 (2022/09/15)
- 間もなくお迎えが来るのかな~♫ 某メディアグループのトップは共産主義者の “老害” (2022/09/14)
- 米フェミニスト運動家の恐るべき予言 ~ これは陰謀論なのかしら? (2022/09/13)
- ちょっと考えればわかること ~ 世界中のインフレを引き起こした、その根源こそ、アメリカのニセモノ大統領なのです! (2022/09/12)
- 日経新聞、読んだらバカになる!!! ~ 「グローバリスト」 「ディープステート」 の忠実なポチ (2022/09/11)
- 日本のマスコミからは、永遠に 「現実」 は伝わらない ~ 決して報じられない “ウクライナ” による対ロシア先制攻撃&宣戦布告 (2022/09/10)
- バイデン民主党 ≒ アメリカ共産党 ~ ラディカル (過激な) な左派に支配されている民主党 (2022/09/08)
- ロシアのウクライナ侵攻と買弁首長・ゼレンスキーを “教材” にして、「アメリカは、何のために戦うのか」 を考えてみましょう! (2022/04/27)
- アメリカ & ウクライナによる 『無名の師』 (2022/04/26)
- 国際政治を何も学んでこなかった日本人 ~ 湾岸戦争のフセインの戦争目的とは “真逆” の 「お笑い芸人」 ゼレンスキーの戦争目的 (2022/04/25)
- 国際法で大切なのが 『相互性 (reciprocity) 』 ~ 一方を善、他方を悪としてしまう “外交音痴” な日本人 (2022/04/24)
- ヤルタ会談と国連と列強政治 (2022/04/23)