2022-08-06 (Sat)

本日のキーワード : ガリツィア、ウクライナ、ポーランド、ユダヤ人、アレンダ、マグナート、シュラフタ、ユダヤ教、キリスト教、フリーメイソン
Introduction to Two Treatises on Jews and Freemasonry: Édouard Drumont and Nicolae Paulescu
ユダヤ人とフリーメイソンに関する二つの論考の紹介:エドゥアール・ドリュモンとニコラエ・パウレスク ⑧

Jewish Freemasonry: Two Treatises by Éduard Frumont & Nicholae Paulescu
ユダヤ人フリーメイソン:エドゥアール・ドリュモン&ニコラエ・パウレスクによる二つの論考
with an Introduction by Alexander Jacob
アレクサンダー・ジェイコブによる序文付き
Contents
目次
Introduction — Alexander Jacob
序文 - アレクサンダー・ジェイコブ
I. “The Freemasons” (Jewish France, Book VI, Chapter 1) — Édouard Drumont
I. “フリーメイソン” ( 『ユダヤ系フランス人』 第六巻第一章 ) - エドゥアール・ドリュモン
II. “Freemasonry,” from The Hospital, the Qur’an, the Talmud, the Kahal, and Freemasonry, Ch. V – Nicolae Paulescu
II. “フリーメイソン” ホスピタル、コーラン、タルムード、カハルから 第五章より - ニコラエ・パウレスク
Nicolae Paulescu: Freemasonry
ニコラエ・パウレスク : フリーメイソン
…At the same time, Paulescu claims that “Jewish Socialism” works towards the dispossession of private property by a state that is essentially Jewish in its composition and interests. These false socialist movements were crystallized in the doctrines of the Jew Karl Marx. And they were bolstered in their subversive agenda by the Anarchists, who constituted the more murderous and iconoclastic elements of the several revolutions that sprang up in Europe from 1848 onwards.
同時にパウレスク氏は、「ユダヤ社会主義」 は、その構成と利権において実質的にユダヤ人国家による私有財産の収奪に向けて機能していると主張する。これらの虚構の社会主義運動は、ユダヤ人であるカール・マルクスの教義に集大成されたものである。そして、1848 年以降にヨーロッパで起こったいくつかの革命の中で、より殺人的で象徴的な役割を果たしたアナーキストたちによって、その破壊的なアジェンダが強化された。

ジョージ・ワシントン・メイソン国立記念碑の庭園
Paulescu then goes on to examine the subversive socialist role of Masonry in various European countries such as their support of the Templars in Romania and the Young Turks in Turkey. In France, they focused on the destruction of Christianity in the nation by eliminating it from public education and the military establishment. This anti-clericalism was especially strong in the regime of the Jew Léon Gambetta, President of the Council of Ministers[7] between 1881 and 1882, who declared “Le cléricalisme, voilà l’ennem” (Clericalism is the enemy). Thus the attacks on the clergy were regularized and Christian education was replaced by a secular education which was made free and compulsory in the nation. This in turn fostered atheistic doctrines, such as those of Darwin, and a general contempt for the Christian Church. Even the Latin language was deposed as a language of learning since it had been the language of the Church.
次にパウレスク氏は、ルーマニアのテンプル騎士団やトルコの青年トルコ人への支援など、ヨーロッパ各国におけるメイソンが担った破壊的な社会主義的役割について考察している。フランスでは、キリスト教を公教育や軍から排除することで、国家としてのキリスト教の破壊に力を注いだ。特に 1881 年から 1882 年にかけて閣僚会議議長だったユダヤ人のレオン・ガンベッタの政権では、このようなキリスト教排斥主義が強く、「 Le cléricalisme, voilà l'ennem (キリスト教主義は敵だ) 」 と断言した。こうして聖職者への攻撃が常態化し、キリスト教教育は (宗教色を持ち込まない) 公的教育に取って代わられ、国民に無償で義務教育が行われるようになった。その結果、ダーウィンのような無神論的な教義や、キリスト教会に対する全般的な蔑視が育まれた。ラテン語は教会の言語であったため、学問の言語としても退けられた。

ジョージ・ワシントン・メイソン国立記念碑 (バージニア州)
By positing a world constituted of matter and energy alone the Masonic-Marxist revolutions succeeded in repudiating the notions of the soul and of God on which Christian civilization had been based. As Drumont had already pointed out, whereas Christianity stresses love and charity, Masonry has a distinctive contempt for, and hatred of, poverty. Thus, Paulescu is arguing that by steadily obliterating the Christian doctrines of compassion and charity and enlarging the worldly possessions and power of the Jews, Masonry has finally accomplished in post-Revolutionary Europe what the Talmud has striven to achieve from the very first centuries of the Christian era.
メイソン・マルクス主義革命は、物質とエネルギーだけで構成される世界を前提とすることで、キリスト教文明が基づいてきた精神と神の観念を否定することに成功したのである。ドリュモン氏が指摘したように、キリスト教が愛と慈愛を強調するのに対し、メイソンは貧困を侮蔑し、憎悪する独特のものである。このように、パウレスク氏は、キリスト教の慈悲と慈善の教義を着実に抹殺し、ユダヤ人の俗世間での財産と権力を拡大することによって、メイソンは、タルムードがキリスト教時代の最初の数世紀から達成しようと努力してきたことを、革命後のヨーロッパでついに達成したと主張するのである。



☆『Introduction to Two Treatises on Jews and Freemasonry: Édouard Drumont and Nicolae Paulescu』 The Unz Review • An Alternative Media Selection
本日の書物 : 『ガリツィアのユダヤ人 (新装版) : ポーランド人とウクライナ人のはざまで』 野村 真理 人文書院
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 【ポーランドの貴族領主】が進出した当時、住人といえば【ルーシン人の農民】ばかりで、経済的にほとんど未開発であった【ウクライナ】は、【ユダヤ人にも豊富な経済的チャンスを提供】した。ポーランドではキリスト教徒の商人や職人が成長するにしたがい、この時期、古い歴史を持つ都市や、とりわけ王領都市では、彼らの圧力で、彼らと競争関係にあったユダヤ人の経済活動は著しく制限される方向に向かう。さまざまな抜け道があったとはいえ、一六世紀半ばには、二〇を超える都市がユダヤ人の居住を禁止する 「ユダヤ人不寛容特権」 を獲得した。これに対して、【貴族が新しくウクライナで建設した私領都市や市 (いち) の開催権を持つ市場町は、ユダヤ人の商人や職人を積極的に誘致し、彼らの経済活動にほとんど無制限の自由を与える】。都市にユダヤ人が集まれば、ユダヤ教の食餌規定にかなった食品を扱う業者やユダヤ人用の衣服の仕立屋など、ユダヤ人の需要を満たすための商業や職人業も栄える。ユダヤ人はさらにユダヤ人を呼び込んだ。【こうしてウクライナには、ポーランドの外からも内からも、多くのユダヤ人が移住することになった】のである。
さらに【貴族領主にとってユダヤ人は、領主の直営地や特権の有能な賃借人でもあった】。【一定の広さ以上の領地を持つシュラフタ】や、とりわけ【ポーランドのあちこちに広大な領地を持つマグナート】は、【みずからは直接、領主直営地の経営にあたらず、直営地を分割し、それぞれ、その経営権を賃借する方法をとった】。【領地をめぐるアレンダで、賃借人は、賃借した領地に対して賃借料を前払いするかわりに、その土地からあがる収益を自分のものにする】。マグナート、シェニアフスキ = チャルトリスキ一族の領地経営を対象としたM・J・ロスマンによる詳細な研究によれば、【アレンダにおいて、領地や対象の賃貸借期間は通例一年から三年】であった。賃借人の選択に関しては、ユダヤ人の場合、賃借人同士の過当競争を防止するため、原則的にはユダヤ人の共同体が認可した者のみが賃借人となる資格を持つとされたが、共同体の権威は、領主と賃借人の双方から無視されることが多かった。【領主は少しでも有利な契約を結ぼうとし、賃借人もまた、高い賃借料を申し出ることで競争者を出し抜こうとした】からである。【賃借料】は四半期ごとに分割して支払われたが、そのさい【領主のもとに現金が送られたわけではない】。一年分の賃借料の四分の一にあたる金額は、領主が三カ月間にその賃借人から引き出せる現金の限度額を示していた。すなわち【領主はある品物を購入すると、その品物に対する支払い命令書を賃借人のもとに送り、実際の支払いは、賃借人によって賃借料から差し引かれる形で行われた】。三カ月ごとに領主のもとに届くのは、領主が賃借人から引き出した金額を示す計算書のみである。【このシステムによって領主は、手元に大金を保管するリスクと、みずから帳簿をつけて金の出入りを記録する手間と時間を省くことができた】。さらに、【農産物の生産は天候不順や農産物価格の変動に影響され、賃借料に見合った収益をもたらさない場合もあった】が、【損失】は、賃借料の値引き交渉も行われたとはいえ、【原則的には賃借人が負う】。これによって領主は、帳簿の管理など、直営地を経営する煩わしさから解放されるのみならず、農産物生産にともなうリスクを最小限にとどめて確実な収入を確保することができ、【アレンダは、領主にとって利点の多い制度】であった。
【領主】はまた、【領地の農民に対して領主が所有する製粉所の使用を強制する権利】や、本章の第二節で詳述するように、【領地で酒の製造権と販売権を独占】し、【領主の酒以外の酒の消費を禁止する権利】 (プロピナツィアの権利) を持っていたが、これら【領主の持つ特権のすべてが賃貸の対象】となり、領主の養魚池や、領主が建設した橋の使用にかかる料金の徴収も賃貸の対象であった。そして、【ウクライナにおいてユダヤ人は、そのあらゆる場面で有能な賃借人として貴族領主の領地経営にかかわり、一六世紀のポーランドにおいて、貴族の天国と農民の地獄のはざまにユダヤ人の楽園ともいわれた状況が出現することになったのである】。』

共同体における 「一致の創造」
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、ユダヤ人オリガルヒの手によって、戦争を引き起こし、国内が荒廃する一方のウクライナで、その南西部を中心 (ポーランド南部も含む) とした 「ガリツィア」 という地域における、ポーランド人・ユダヤ人・ウクライナ人の非常に複雑な関係を、歴史的事実に基づいて解説がなされている良書で、本書を御覧になれば、「なぜ、ユダヤ人が嫌われるのか」 が理解でき、現在のウクライナにおける戦争をもたらしたユダヤ人オリガルヒらの戦争目的も正しく推測することができるようになる当ブログお薦めの書物となります。少なくとも、「ユダヤ人は一方的な被害者である」 とか、「ウクライナがかわいそう」 という的外れな考え方が、本書一冊だけで消し去れること間違いなしで、ユダヤ・キリスト教的善悪二元論でしか物事を思考できなくなっている多くの日本国民に広く読まれるべきだと考えます。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 1,029,913(1,029,435)÷91,303,572(91,183,916)=0.0112・・・(0.0112) 「1.12%(1.12%)」

イタリア : 172,003(171,882)÷21,002,773(20,952,476)=0.0081・・・(0.0082) 「0.81%(0.82%)」

日本 : 32,527(32,426)÷12,581,505(12,359,275)=0.0025・・・(0.0026) 「0.25%(0.26%)」

さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」・「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓)

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである (詳しくはこちらから💓)
そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない (詳しくはこちらから💓)
また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる (詳しくはこちらから💓)
で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

ウラジーミル・イリイチ・レーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう (詳しくはこちらから💓)
このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中は、その影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で、人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在、私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていない、という状況にあるということです。

その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓)

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア (詳しくはこちらから💓) やウクライナ (詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」 (こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓)

そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、様々な論文を見ているところとなります。

☆『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 2 章 初期ユダヤ教
「初期ユダヤ教」 という時代区分は、狭くは前 2 ~ 後 2 世紀、広くは前 6 ~ 後 1、2 世紀など研究者によって様々に定義されるが (69)、ここでは捕囚後の第二神殿時代に再建した神殿とモーセ五書 (トーラー) を柱とする改革が行われ、トーラーの絶対的な重要性のもとに特徴的でしかし多様な聖書解釈がなされていった時期を指してこの用語を用いたい (70)。TovTov (71) は 「逆説的だがモーセ五書への関心の高まりが紀元前最後の数世紀間に多種多様な本文形式の創出に寄与した」 と指摘する (72)。本章では聖典としての聖書テキストの解釈が著しく発達した初期ユダヤ教の時代状況の中での具体的な読者・解釈者の視点に焦点を当てつつ、テキストと彼らとの間に成立した特徴的で多様な解釈を分析する。解釈者の視点を想定することによって、特にこの時期に発達した 「霊 (聖霊) 」 「天使」 の概念がいかに重要かつ特徴的な形象であったのかを示すことができるだろう。
2 - 4 初期ユダヤ教における文学技法
ここでは初期ユダヤ教の時代に特徴的な文学技法を確認することで、この時代の聖書解釈の特徴を検討する。
2 - 4 - 1 死海文書における文学手法としての 「allusion」
…最後に allusion の機能 (読者への影響) が考察される (183)。
( a ) 聖書的な allusion の使用は作品に権威を与える。
( b ) 「一致の創造」。allusion の認識が、暗黙の内に特定の共同体への所属意識を強める (Stanley, 1997 )。クムランと関連するセクト共同体において、この種のテクスト間の allusion が “言葉の二重の響きに注意深くなるように” (Newson, 2004 ) “共同体の成員を訓練し”、熟達した読者にはますます彼が実際に知っている者であるという証拠を与えた可能性が考えられる (184)。
( c ) 借用されるテキストの選択と使用の方法に特有の他の機能 (Wheeler, 1979 ) :
・「格言的ほのめかし ( gnomic allusion ) 」 ; 概念やテーマの要約を適合させる。
・「略式の表記 ( shorthand notation ) 」 ; 借用されたテキストに見られる典型的なシナリオや、特徴や概念のセットなどに正確に言及する方法であり、ほのめかしの最大の用法で、そこでは典拠であるテキストの知識がしるしの理解に決定的である。筋やテーマへの 「指示するもの ( pointer ) 」 は、読者に、借用するテキストにおける特定の開示よりも、借用されたテキストの文脈に基づく何らかの発展を予期することに注意を喚起させる。
・「構造的ほのめかし」 ; 読者に、借用されたテキストの全体の構造やテーマと借用するテキストのそれとの間の主要な並行を描き出させる。
・「対話的ほのめかし ( Greene, 1982 ) 」 ; それぞれが互いの解釈に影響を与える解釈的対話において読者が借用されたテキストと借用するテキストを体験する。
allude するテキストが、そのテキスト内での独自の意味と下地となる allude されるテキスト (モーセ五書) との間に成立する allusive な意味の二重のパターンを作動させるこの allusion の技法は、モーセ五書 (トーラー) の権威を前提としてその多様な解釈が生み出されていった第二神殿時代の文学の解釈の営みの一端を、すなわちトーラーを allude しつつそこに新たな意味を生み出す解釈を展開していった文学的技法を示していると言えるであろう。 allusion の構造を図で表した <図 2 - ① > を改訂したものを再提示する。

また allusion の機能 (読者への影響) として、共同体における 「一致の創造」 が指摘されていることも大変重要であると考える。この指摘は、言葉の二重の響きの認識が共同体への所属意識の形成につながっていたということであり、allusion という 「洗練された文学的仕掛け」 が、共同体の熟練された 「読者」 の養成という役割を持っていたことを示している。ここには、訓練された読者自身が自分自身でテキストの 「意味」 に出会うとい 「読み (解釈) 」 の重要な方向性を窺うことができるであろう。
(183) ibid., pp.54 -5.
(184) 読者に 「読み」 の訓練をさせたということである。
』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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