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     >  ユダヤ >  東と西からのヨーロッパ東部へのユダヤ人の移住 ~ ハザールと民衆十字軍

    東と西からのヨーロッパ東部へのユダヤ人の移住 ~ ハザールと民衆十字軍

    A storm is coming 408

    本日のキーワード : ガリツィア、ウクライナ、ポーランド、ハザール、十字軍、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教、フリーメイソン   



    Introduction to Two Treatises on Jews and Freemasonry: Édouard Drumont and Nicolae Paulescu
    ユダヤ人とフリーメイソンに関する二つの論考の紹介:エドゥアール・ドリュモンとニコラエ・パウレスク ④

    Jewish Freemasonry Cover

    Jewish Freemasonry: Two Treatises by Éduard Frumont & Nicholae Paulescu
    ユダヤ人フリーメイソン:エドゥアール・ドリュモン&ニコラエ・パウレスクによる二つの論考

    with an Introduction by Alexander Jacob
    アレクサンダー・ジェイコブによる序文付き

    Contents
    目次

    Introduction — Alexander Jacob
    序文 - アレクサンダー・ジェイコブ

    I. “The Freemasons” (Jewish France, Book VI, Chapter 1) — Édouard Drumont
    I. “フリーメイソン” ( 『ユダヤ系フランス人』 第六巻第一章 ) - エドゥアール・ドリュモン

    II. “Freemasonry,” from The Hospital, the Qur’an, the Talmud, the Kahal, and Freemasonry, Ch. V – Nicolae Paulescu
    II. “フリーメイソン” ホスピタル、コーラン、タルムード、カハルから 第五章より - ニコラエ・パウレスク


    Nicolae Paulescu: Freemasonry
    ニコラエ・パウレスク : フリーメイソン

    The Jewish nature of Freemasonry and its hatred of Christianity are reinforced in the work of Nicolae Paulescu (1869–1931). His chapter on Masonry in his work Philosophic Physiology: The Hospital, the Koran, the Talmud, the Kahal and Freemasonry pivots on the same contrast between the Christian concept of charity — exemplified in Paulescu’s own medical profession by ‘the hospital’ included in the title — and the sheer avarice for material possession and political domination of the Jews who conduct the Masonic organizations.
    フリーメイソンのユダヤ教的性質とキリスト教に対する憎悪は、ニコラエ・パウレスク (1869 - 1931) の著作でより一層強調されている。彼の著作 『哲学的生理学』 の中のメイソンに関する章では、以下のように述べられている。ホスピタル、コーラン、タルムード、カハル、そしてフリーメイソンは、パウレスク自身の医療専門家にとして、タイトルに含まれる 「ホスピタル」 に代表されるキリスト教の慈善の概念と、そして物質的所有と政治的支配を求めるユダヤ人の貪欲さ、との間にある同様の対比に軸足を置いている。

    Paulescu was a Romanian physiologist and professor of medicine, as well as a political activist. In 1897 Paulescu graduated with a Doctor of Medicine degree from a medical school in Paris. He was appointed assistant surgeon at the Notre-Dame du Perpetuel-Secours Hospital but in 1900 he returned to Romania, where he remained until his death as Head of the Physiology Department of the University of Bucharest Medical School, as well as Professor of Clinical Medicine at the St Vincent de Paul Hospital in Bucharest. He is well-known for his work in extracting insulin for the treatment of diabetes and petitioned the Nobel Prize committee to object to the award given to two Canadian scientists. From Wikipedia:
    パウレスクはルーマニアの生理学者であり、医学部の教授であり、政治活動家でもあった。1897 年、パリの医学部を卒業し、医学博士の学位を取得した。彼はノートルダム・デュ・ペルペチュエル・セクール病院の外科医助手に任命されたが、1900 年にルーマニアに戻り、ブカレスト大学医学部の生理学部長、ブカレストの聖ビンセント・ド・ポール病院の臨床医学教授として亡くなるまで在籍した。彼は糖尿病治療のためにインスリンを抽出した業績でよく知られており、ノーベル賞委員会に陳情し、カナダの科学者 2人 に与えられた賞に異議を唱えた。Wikipediaより引用 :

    Professor Ian Murray was particularly active in working to correct “the historical wrong” against Paulescu. Murray was a professor of physiology at the Anderson College of Medicine in Glasgow, Scotland, the head of the department of Metabolic Diseases at a leading Glasgow hospital, vice-president of the British Association of Diabetes, and a founding member of the International Diabetes Federation. In an article for a 1971 issue of the Journal of the History of Medicine and Allied Sciences, Murray wrote:
    イアン・マーレー教授は、パウレスクに対する 「歴史的な誤り」 を正すために、特に積極的に活動した。マーレー教授は、スコットランドのグラスゴーにあるアンダーソン医科大学の生理学教授で、グラスゴーを代表する病院の代謝疾患科長、英国糖尿病学会の副会長、国際糖尿病連盟の創立メンバーであった。1971 年に発行された「医学と関連科学の歴史」誌に寄せた論文で、マーレー教授は次のように書いている。

    “Insufficient recognition has been given to Paulesco, the distinguished Roumanian scientist, who at the time when the Toronto team were commencing their research had already succeeded in extracting the antidiabetic hormone of the pancreas and proving its efficacy in reducing the hyperglycaemia in diabetic dogs.“
    「トロントの研究チームが研究を始めた当時、すでに膵臓の抗糖尿病ホルモンの抽出に成功し、糖尿病犬の高血糖を抑える効果を証明していたルーマニアの優れた科学者、パウレスクに対する評価は十分とはいえなかった。」

    “In a recent private communication Professor Tiselius, head of the Nobel Institute [and a recipient of the Nobel Prize for Chemistry in 1948], has expressed his personal opinion that Paulesco was equally worthy of the award in 1923.“
    「ノーベル研究所所長のティセリウス教授 (1948 年ノーベル化学賞受賞者) は、最近の私信で、パウレスクは 1923 年の受賞に等しい価値があると個人的な見解を述べている。」

    Is Zelensky a Cousin of George Soros?

    Hitler.jpg 習近平思想の着想者であり、中国的特徴を持つ社会主義の提唱者である習近平総書記

    『Introduction to Two Treatises on Jews and Freemasonry: Édouard Drumont and Nicolae Paulescu』 The Unz Review • An Alternative Media Selection



    本日の書物 : 『ガリツィアのユダヤ人 (新装版) : ポーランド人とウクライナ人のはざまで』 野村 真理 人文書院



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 【ヨーロッパ東部へのユダヤ人の移住】には、【東西二つの流れがあった】とされる。

     【東からの流れ】とは、【ハザル人の国家に出発点を求めるもの】である。この国家は七世紀から一〇世紀のあいだ、東はアラル海から西は黒海の北部まで、ヴォルガ川、ドン川、ドニエプル川の下流域を支配下におき、【国家が盛期を迎えたハ世紀の終わりか九世紀の初め頃、カガン (ハザル人の首長の称号) をはじめとする支配者層がユダヤ教に改宗した】。しかし、支配者によるユダヤ教の受容がハザル国の住民の全体ないしは多数者のユダヤ教化を促進した形跡はなく、東からの流れは、存在したとしても、少数で散発的なものであっただろう。

    こちらもご参照💓

    自民党 “岸田派” が大好きな 「特権的保障」 の 「分配」 政策 = “新しい資本主義 (という全体主義) ”

    150年前に始まったロシア対アメリカの「灯油戦争」

    本当の侵略者が誰なのか? それを知らない日本人

    「大化の改新」は、何のために必要だったのでしょうか? なぜならば、・・・

    本物のシルクロードは、中国人とは無関係だった!!

     【定説では、東欧ユダヤ人の母体は、西のドイツ語圏のユダヤ人であったと考えられている】。そのさい【最初に彼らの移動を促すことになったのが、一〇九六年に始まる十字軍遠征であった】

     【教皇ウルバヌス二世】が一〇九五年のクレルモン教会会議で発した呼びかけは、後の世で【第一回十字軍招集演説】として知られる。教皇演説から数年あるいは十数年を経て記された複数の年代記が伝えるところによれば、【教皇は、トルコ人の侵入によって苦難に陥った東方のキリスト教徒救援の必要を説き、キリスト教徒同士の内戦を停止して、トルコ人に対する正義の戦いを行うべきことを訴えた】という。呼びかけには、ユダヤ人に対する攻撃は含まれていなかった】しかし、これもまた十字軍時代のユダヤ人迫害を記した年代記によれば、【名指しされたトルコ人ムスリムというはるか彼方の敵は、民衆の眼をユダヤ人というごく身近な敵にも向かわせることになる】東方にいる神の敵を攻撃する前にわれわれにはなすべきことがあるというのであるとりわけ隠者ピエールの影響によって起こったと考えられる一〇九六年の【ドイツのいわゆる民衆十字軍は、聖地に向かうよりはむしろ、チェコやブラハや、シュパイアー、ヴォルムス、マインツ等のライン川流域の都市でユダヤ人を殺戮することに熱中した】

     十字軍時代は、神聖ローマ帝国以西のヨーロッパでキリスト教信仰が民衆の末端にまで浸透した時期にあたり、やがて儀式殺人や聖体冒瀆など、【キリスト教に屈服しないユダヤ人に対する迫害を正当化】する浮説も成立する。【定説では、こうして十字軍時代を境にユダヤ人に対する迫害や都市からの追放が頻発するなかで、ユダヤ人の西から東への逃走が始まった】。このことは文献史料でも確認され、最も早くは第一回十字軍時代の一〇九七年あるいは一〇九八年に、チェコのプラハで迫害されたユダヤ人がシロンスク (シュレージエン) に到着したことが知られている。断片的に残されたさまざまな記述によれば、ユダヤ人は、まずはドイツやチェコに隣接するシロンスク地方に逃避先を求めた後、そこから徐々にプウォツク (一二三七年)、カリシュ (一二八七年)、クラクフ (一三〇四年) など、ポーランド内部に居住地域を広げていった】。』

    日の丸

    クムラン共同体のセクト祭司の主張


    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、ユダヤ人オリガルヒの手によって戦争を引き起こし国内が荒廃する一方のウクライナで、その南西部を中心 (ポーランド南部も含む) とした 「ガリツィア」 という地域におけるポーランド人・ユダヤ人・ウクライナ人の非常に複雑な関係を、歴史的事実に基づいて解説がなされている良書で、本書を御覧になれば、「なぜ、ユダヤ人が嫌われるのか」 が理解でき、現在のウクライナにおける戦争をもたらしたユダヤ人オリガルヒらの戦争目的も正しく推測することができるようになる当ブログお薦めの書物となります。少なくとも、「ユダヤ人は一方的な被害者である」 とか、「ウクライナがかわいそう」 という的外れな考え方が、本書一冊だけで消し去れること間違いなしで、ユダヤ・キリスト教的善悪二元論でしか物事を思考できなくなっている多くの日本国民広く読まれるべきだと考えます。

    読書 女性 4-26

    それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。

    (死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)

    ※(  )内は前回の数値

    cxplackd.jpg
    Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

    アメリカ : 1,027,846(1,027,037)÷90,723,363(90,455,005)=0.0113・・・(0.0113) 「1.13%(1.13%)」
    cxplackd1.jpg

    イタリア : 171,232(170,979)÷20,772,833(20,684,182)=0.0082・・・(0.0082) 「0.82%(0.82%)」
    cxplackd2.jpg

    日本 : 32,061(31,946)÷11,695,380(11,499,018)=0.0027・・・(0.0027) 「0.27%(0.27%)」
    cxplackd3.jpg









    さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓

    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)

    そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。

    世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである詳しくはこちらから💓

    そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    イマヌエル・カント
    イマヌエル・カント

    たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない詳しくはこちらから💓

    また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

    世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる詳しくはこちらから💓

    で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

    カール・マルクス
    カール・マルクス

    私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

    ウラジーミル・イリイチ・レーニン 1
    ウラジーミル・イリイチ・レーニン

    われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう詳しくはこちらから💓

    このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中はその影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていないという状況にあるということです。

    Hunter Biden Soros Linked to Biolabs in Ukraine





    その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア詳しくはこちらから💓) やウクライナ詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

    A storm is coming 245





    さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓

    ウーマニ

    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために様々な論文を見ているところとなります。

    fhdeusid.jpg
    『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香

    それでは早速、続きを見て参りましょう。

    『 2 章 初期ユダヤ教
     「初期ユダヤ教」 という時代区分は、狭くは前 2 ~ 後 2 世紀広くは前 6 ~ 後 1、2 世紀など研究者によって様々に定義されるが (69)、ここでは捕囚後の第二神殿時代に再建した神殿とモーセ五書 (トーラー) を柱とする改革が行われトーラーの絶対的な重要性のもとに特徴的でしかし多様な聖書解釈がなされていった時期を指してこの用語を用いたい (70)。TovTov (71) は 「逆説的だがモーセ五書への関心の高まりが紀元前最後の数世紀間に多種多様な本文形式の創出に寄与した」 と指摘する (72)。本章では聖典としての聖書テキストの解釈が著しく発達した初期ユダヤ教の時代状況の中での具体的な読者・解釈者の視点に焦点を当てつつテキストと彼らとの間に成立した特徴的で多様な解釈を分析する。解釈者の視点を想定することによって、特にこの時期に発達した 「霊 (聖霊) 」 「天使」 の概念がいかに重要かつ特徴的な形象であったのかを示すことができるだろう。

    2 - 3 「天使」 概念の発達

     2 - 2 では初期ユダヤ教のコンテキストを確認しながら、当時のエルサレム神殿体制から離れたセクトグループの実践において神殿での犠牲礼拝に置き換わる内面の回心・悔い改めを重視する 「聖化」 儀礼としての洗礼が発達したこと、この聖化のしるしとしてセクトメンバーには 「聖霊」 が与えられているとの認識があったと考えられることを確認した。 次にここでは共同体と天使概念との関係の考察へと進む従来第二神殿時代における発達が指摘される 「天使 」 概念についてセクトメンバーがいかに独特の認識を持っていたのかを見ることで先のセクトにおける 「聖化」 概念の発達をより十分に理解することができであろう


    2 - 3 - 2 クムラン 共同体における 「天使」 の意義
     Elior はクムラン共同体におけるセクト的祭司と天使との関係を報告 している (161)。
     外典文書、ヘイハロット文学 (天の神殿)、死海文書においては天においてイスラエルの神の傍に住む天的存在への信仰が見られる。それらは 「聖なる者たちの中の聖なる者 (4Q400 f1 i:3 - 4 ) 」 「elim (162) (神のような存在の集まり (集会) 」 「elim の子ら」 「天の子ら」 「聖なる天使たち」 「君主長たち (chief princes) 」 「内なる聖所の祭司たち」 「御前の従者たち/天使たち (ヨベ 31 : 14) 」 「知識の霊たち」 「首長たち (lords) 」 「天使たちの案内者」 と呼ばれる (163)。
     以下に Elior の分析を要約しつつ、クムラン共同体の天使概念についての重要事項を 5 つにまとめながら報告する


    (3) セクト祭司の視点からの聖書解釈
     クムラン共同体のセクト祭司文学には聖書の記述とは対照的な解釈が見られるその最も顕著な例はクムラン共同体の解釈では祭司の家系の族長であるレビへの惜しみない称賛が述べられているという点である
     創 34 章には、シメオンとレビによるシケムでの大虐殺の出来事の記事がある。聖書 (創 49 : 5 - 7 ) ではその出来事 は 「ハマス (無法) 」、「怒り」、「憤り」 と言われているがヨベル書 ( 30 : 18 - 20、31 章) ではこの出来事はイサクによるレビの祝福と共に描かれているそこでは呪いの代わりに天使たちがレビに特別の祝福を与える (168)。「レビの遺訓」 もシケムでの行動を祭司としての約束を受けた後の 「義の実行」 として描いている (5 : 1 - 3 )。べテルでの祝福の後レビもまた夢を見その中で彼は天使たちによって祭司に高められる幻を見る (169)。
     このセクト祭司による解釈では 「永遠の祭司職の契約にあずかる (民 25 : 13 ) 」 レビの子孫の祭司としての神話的起源が高められ擁護されているそこには 「祭司制が先天的で世襲のものであり、その民族に生まれたものによってのみ得られるものであり、買われたり捨てられたりされるものではなく、天使たちが宇宙の秩序を保護するために永遠に専従であるよう、聖なる相続を保護するための専従である」 (170) とのセクト祭司の主張が窺われるこの主張は言うまでもなく当時のエルサレム神殿体制とその大祭司の聖性に異議を唱えたセクトの主張以外の何物でもない


    (4) 初期ユダヤ教における 「祭司制」 が辿った一つの道筋
     セクト祭司が上記のように聖書解釈によってレビから続く祭司制の先天性と世襲制を主張した背後には我々が 2 - 1 - 1 で確認した初期ユダヤ教でセクトが誕生する原因となった当時の神殿体制に関連する状況が想定される
     Elior は「安息日の犠牲の歌」 からは、祭司的な責務を果たすことを禁じられた、すなわち犠牲を捧げることやその他の実際の聖なる奉仕を行うことを禁じられた 「神殿を失った祭司たち」 が「この状況を埋め合わせるかのように、天使たちと共に歌い詠唱し」「天使たちによって啓示され祭司たちによって保存された暦を通して、天と地の間の隔たりに橋をかけることに熱心であった」 様子を窺うことができると述べる (171)。


    (168) レビの遺訓 3 章やヨベ 31 : 12 - 5。ヨベル書で天からの祝福を受けた後に、レビはべテルで祖父イサクからの祝福を、第 7 の月に受ける。シャブオットの日になされたアブラハムへの天使的な約束の成就としてイサクはシャブオットに生まれた (ヨベ 15 : 1、21、16 : 13 )。こうしてヨベル書はイサクの祝福を描くことで聖書におけるレビへのヤコブの呪いを退けていると指摘される (ibid., p.175 )。セクト祭司の文書の中での多様性はあるが聖書よりもレビの特権を拡大している点では一致している (ibid., p.176 )

    (169) ヨベ 32 : 1、1エノ 81 - 2、106 - 7、2エノ 68 - 73 。4Q213 f2 : 14 - 5 (f1ii_2 : 17 - 8 ) には祭司であり天使であるレビについて記されている (ibid., p.173 )。

    (170) ibid., p.176.

    (171) ibid., p.1 169. これらの詩の伝統は、第一神殿時代の神殿礼拝に伴っていたのかもしれない。言い換えると、それらの歌と内容は、理想的で神話的な過去についての神秘的な典礼の伝統に起源が遡り、祭司的な著者たちと彼らのサークルがエルサレムの神殿礼拝から分離した後に、ア・ポステリオリに目に見える形になったのかもしれないとも指摘される(ibid., p.170 )。 』


    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。











    続きは次回に♥




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