2022-07-15 (Fri)

本日のキーワード : 日本、国史、万世一系、男系男子、女性天皇、宇佐八幡宮神託事件、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教
Jews and Their Long History of Hysteria and Overreach
ユダヤ人とそのヒステリーおよび行き過ぎた行為の長い歴史 ④

(1) Jews have claimed that great atrocities were committed against them in both Russia and Poland simply because of their Jewish ethnicity or religion. These ‘pogroms’ were instituted by the Russian and Polish governments, and they targeted Jews in the most inhumane ways. The persecutions were also carried out by local villagers. As a result, Jews were driven from their homes and businesses, and it’s claimed they suffered greatly at the hands of Russian and Polish Christians.
( 1 ) ユダヤ人は、ロシアでもポーランドでも、ユダヤ人という民族や宗教を理由にして、自分たちに対して大きな残虐行為が行われたと主張している。これらの 「ポグロム」 はロシアとポーランドの政府によって制定され、最も非人道的な方法でユダヤ人を標的にしたものである。また、その迫害は地域の住民たちによっても行われた。その結果、ユダヤ人は自分の家や仕事場から追い出され、ロシアやポーランドのキリスト教徒の手によって大変な苦しみを味わったと主張している。
An article published in The Occidental Observer written by Andrew Joyce carefully examined such claims and found them in large part to be unfounded (“A Critical Look at the Polish ‘Pogroms’ of 1914–1920,’ May 1, 2022). Joyce cites the words of William Hagen (Anti-Jewish Violence in Poland, 1914–1920 [Cambridge University Press, 2018]) who assiduously investigated the matter: “Jewish reports tended toward exaggeration” (p.173).
アンドリュー・ジョイス氏が書いた 『オクシデンタル・オブザーバー』 誌に掲載された記事は、そうした主張を慎重に検討し、その大部分が根拠がないことを明らかにしている ( “A Critical Look at the Polish ‘Pogroms’ of 1914–1920”、2022 年 5 月 1 日)。ジョイス氏は、この問題を丹念に調査したウィリアム・ハーゲン氏 (Anti-Jewish Violence in Poland, 1914-1920 [ Cambridge University Press, 2018 ] )の言葉を引用している。「ユダヤ人の報告は大袈裟になる傾向があった」 (p.173)。
Joyce notes that “From the outset, Hagen is skeptical of contemporary Jewish accounts that alleged spontaneous mass shootings. He opens the book by making it clear the documentary record has “gaps or blindspots” and “doubtless exaggeration occurred. . . . I have sought out multiple accounts so as to minimize bias.” He later argues that “resentment-laden animosity colored many such [Jewish] reports, which tended, in an atmosphere heavy with collective paranoia and hysteria, to exaggerate Jewish losses.” He even cites one brief but telling remark from Henry Morgenthau himself, who, although promoting atrocity propaganda, once admitted that “there is also no question but that some of the Jewish leaders [in Poland] had exaggerated” (A Critical Look at the Polish ‘Pogroms’ of 1914–1920).
ジョイス氏は、「ハーゲン氏は最初から、自然発生的な大量殺戮を主張する現代のユダヤ人の記録に対して懐疑的である。彼はこの本の冒頭で、文書記録には 「空白部分や見落とし部分」 があり、「誇張されていることは間違いない」 と断言している。…私はバイアスを最小限にするために、複数の証言を探し求めた。」 と指摘している。 彼はその後、「恨みを帯びた敵意が、集団的パラノイア (偏執病、妄想症、被害妄想) とヒステリーに満ちた重苦しい雰囲気の中で、ユダヤ人の犠牲を大袈裟に表現しがちなこうした (ユダヤ人からの) 報告の多くを特徴づけている。」 と論じている。彼は、虐待プロパガンダを推進しながらも、「 (ポーランドの) ユダヤ人指導者の一部が誇張をしていたことも間違いない」 と認めたことがあるヘンリー・モーゲンソー自身の簡潔だが示唆に富む発言も引用している。(A Critical Look at the Polish ‘Pogroms’ of 1914–1920)

ヘンリー・モーゲンソウ
This is not merely Hagen’s investigative conclusions, but also that of several other authors who discovered that Jewish reports of intense sufferings and prolonged mistreatment by the Polish people against them to be largely inflated and embellished.
このことは、単にハーゲン氏の調査結論にとどまらず、ユダヤ人が自分たちに対するポーランド人の激しい苦痛と長期にわたる虐待について報告した内容は、大部分が誇張され、脚色されていることを発見した他の数人の研究者たちの結論でもあるのだ。
The common assumption is that persecution of Jews always stems from irrational hatred when, in fact, the evidence strongly suggests that most of it is due to tensions between competing ethnic groups. Usury, fraud, various forms of thievery, and the multiple financial schemes that Jews engage in invariably provokes a backlash, one that sometimes leads to violence. Jews like gypsies are parasitical, and both groups often get the boot when people are angered and fed up with their deceitful ways. There is nothing irrational about it.
ユダヤ人に対する迫害は、常に不合理な憎しみから生じているというのが一般的な仮説であるが、実際には、その大部分が対立する民族間の緊張によって引き起こされていることを強く裏付ける結果となっている。ユダヤ人が関与する高利貸し、詐欺、様々な形態の窃盗、複数の金融スキームは例外なく反感を買い、それは時に暴力につながる。ユダヤ人はジプシーと同じように寄生虫のようなもので、どちらの集団もその詐欺的なやり口に人々が怒り、うんざりしたときに、しばしば袋叩きにされるのである。それは決して不合理なことではない。
Andrew Joyce addressed the so-called Russian ‘pogroms’ in a series of articles also published in The Occidental Observer in May of 2012 (“Revisiting the 19th-century Russian Pogroms“). Joyce pulled his information from a wide variety of sources. One author stood out—the late John Doyle Klier and his monumental works: Pogroms: Anti-Jewish Violence in Modern Russian History [Cambridge University Press: 2004] and Russians, Jews, and the Pogroms of 1881–82 [Cambridge University Press: 2011]. Like the previously mentioned author, William Hagen, Klier is led to the same conclusions – namely, that Jews grossly exaggerated the events they declared to the world.
アンドリュー・ジョイス氏は、2012 年 5 月に 『オクシデンタル・オブザーバー』 誌に掲載された一連の記事で、いわゆるロシアの 「ポグロム」 を取り上げた ( “Revisiting the 19th-century Russian Pogroms”)。ジョイス氏は、さまざまな情報源から資料を取り寄せた。その中で特に目を引いたのが、故ジョン・ドイル・クリエ氏とその記念碑的著作である : 『ポグロム : ロシア現代史におけるユダヤ人排斥の暴力』 [ケンブリッジ大学出版 : 2004 年] 、『ロシア人、ユダヤ人、そして1881 - 82 年のポグロム』 [ケンブリッジ大学出版 : 2011 年]。前述の著者ウィリアム・ハーゲンと同じように、クリエ氏も同じ結論に達している - すなわち、ユダヤ人は自分たちが世界に告げた諸々の出来事を著しく誇張していたということである。



☆『Jews and Their Long History of Hysteria and Overreach』 The Unz Review • An Alternative Media Selection
本日の書物 : 『日本国史 (上) 』 田中 英道 扶桑社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 天平勝宝元 (七四九) 年、聖武天皇は光明皇后の間に生まれた娘である【孝謙 (こうけん) 天皇】に譲位をします。孝謙天皇は非常に深い教養を持っていました。【女性】ながら皇太子学を吉備真備 (きびのまきび) について学び、内裏 (だいり) で五節舞 (ごせちのまい) を自ら舞ったといわれるほどです。

孝謙天皇
【孝謙天皇】は紫微中台 (しびちゅうだい) を設けて藤原仲麻呂を紫微令 (しびれい) に任じ、【政治を執り行いました】。天平勝宝 (七五二) 年には大仏開眼供養会を催しています。【後に淳仁 (じゅんにん) 天皇に譲位をして上皇になり】ますが、このとき自らの病気を看病した法相宗 (ほっそうしゅう) の僧侶である【道鏡を寵愛します】。上皇はこれに反発し対立した仲麻呂らの反乱を鎮圧し、【淳仁天皇を廃位】したのち天平宝字八 (七六四) 年に【重祚 (ちょうそ) して称徳 (しょうとく) 天皇となりました】。

淳仁天皇
【称徳天皇】は宇佐神宮で【 「道鏡が皇位に就くべし」 との神託があったという報告】を受け、【道鏡に天皇の位を与えようとしました】。ところが、和気清麻呂 (わけのきよまろ) を勅使として派遣して調べさせたところ【神託が虚偽であることが判明】し、逆に【道鏡を天皇の位に就けると天下は大変なことになるという神託があった】ことがわかりました (【宇佐八幡宮神託事件】)。
結局、道鏡は天皇になることはなく、称徳天皇が宝亀元 (七七〇) 年に崩御すると下野国に流され、宝亀三 (七七二) 年にその地で亡くなり、一件落着となりました。
この時代の一連の動きは、【天皇が精神的な存在という立場を超えて実際に政治を執り行おうとすると必ず無理が出てくる】ことを教えています。【特にこれ以後、女性天皇はほとんど出なくなります】。【この事件】が【皇位継承の大きな教訓】として皇室に残ったということでしょう。
【女性が天皇になると伴侶の問題が当然生まれます】。【万世一系の天皇の血筋が途絶える危険性がある】わけです。しかし、たとえ道鏡が優れた人物であったとしても、【天皇が自ら政治をなさると有能な家臣が天皇の位に就くような事態が必ず起きる】のです。

この事件の後も皇位継承の混乱は続きましたが、【最終的に万世一系の血筋は続きました】。天武天皇系の血筋に代わって、【天智天皇系】の【光仁天皇】が六十歳前後という高齢でありながら【即位】することになったのです。【光仁天皇の皇太子が桓武 (かんむ) 天皇です】。

桓武天皇像(延暦寺蔵)
【桓武天皇が即位すると世の中は大きく変わることになっていきます】。』

ユダヤ教シンパサイザーの異邦人
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、現在、その勝手気まま・我儘な振舞いで、すでに大多数の日本国民が憤慨する中、NYゲーム三昧生活を “優雅に” ご堪能されているところの “某ご夫妻” が、私たち日本人の根幹を揺るがす事態を引き起こしていますが、ユダヤ・キリスト教に毒された “某ご夫妻とその宮家” に微かな望みをかけて変化を期待する暇がある (時間の無駄です!) のであれば、まず早急にご覧頂きたい書物で、ユダヤ・キリスト教的史観 (←つまりは、マルクス主義史観。これが理解できない方が非常に多いのは困りものですがw) の学校教育で “暗記させられた”、役に立たず且つ虚構のものである 「偽歴史」で はない、「本当の歴史」、そして、私たち日本人が世界に誇る、その国家の歴史 <国史> に対する理解を深めるために必読の、お薦めの良書になります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 1,020,862(1,020,852)÷88,589,403(88,566,529)=0.0115・・・(0.0115) 「1.15%(1.15%)」

イタリア : 169,106(169,062)÷19,439,501(19,357,938)=0.0086・・・(0.0087) 「0.86%(0.87%)」

日本 : 31,428(31,416)÷9,693,879(9,639,819)=0.0032・・・(0.0032) 「0.32%(0.32%)」

さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」・「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓)

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである (詳しくはこちらから💓)
そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない (詳しくはこちらから💓)
また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる (詳しくはこちらから💓)
で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

ウラジーミル・イリイチ・レーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう (詳しくはこちらから💓)
このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中は、その影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で、人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在、私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていない、という状況にあるということです。

その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓)

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア (詳しくはこちらから💓) やウクライナ (詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」 (こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓)

そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、様々な論文を見ているところとなります。

☆『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 2 章 初期ユダヤ教
「初期ユダヤ教」 という時代区分は、狭くは前 2 ~ 後 2 世紀、広くは前 6 ~ 後 1、2 世紀など研究者によって様々に定義されるが (69)、ここでは捕囚後の第二神殿時代に再建した神殿とモーセ五書 (トーラー) を柱とする改革が行われ、トーラーの絶対的な重要性のもとに特徴的でしかし多様な聖書解釈がなされていった時期を指してこの用語を用いたい (70)。TovTov (71) は 「逆説的だがモーセ五書への関心の高まりが紀元前最後の数世紀間に多種多様な本文形式の創出に寄与した」 と指摘する (72)。本章では聖典としての聖書テキストの解釈が著しく発達した初期ユダヤ教の時代状況の中での具体的な読者・解釈者の視点に焦点を当てつつ、テキストと彼らとの間に成立した特徴的で多様な解釈を分析する。解釈者の視点を想定することによって、特にこの時期に発達した 「霊 (聖霊) 」 「天使」 の概念がいかに重要かつ特徴的な形象であったのかを示すことができるだろう。
2 - 1 - 4 異邦人との関係 - 「神を畏れる者」 -
新約聖書ではルカ文書にのみ 「神を畏れる者」 ( Φοβούμενοι τόν θεόν ) と呼ばれる人々が登場する。この 「神を畏れる者」 とは、従来 「ユダヤ人の信仰を理解しその掟や慣習の一部を守っているが完全には改宗していない (割礼を受けていない) 異邦人」 であるとされ、ディアスポラのユダヤ人シナゴーグには 「改宗者」 と 「神を畏れる者」 が多く存在し、彼らへの宣教が初期のキリスト教宣教の足場となったと言われてきた (95)。この 「神を畏れる者」 に関してはこれまでに多くの議論が重ねられてきた。これらの議論の中で焦点となるのは以下の点である。
① ユダヤ教シンパサイザーとしての半改宗者である異邦人は実際に存在したのか。
② 「神を畏れる者」 は、半改宗者を指すテクニカルタームなのか。
① については研究者によって大きく意見が分かれる (96)。② についてはルカのみがテクニカルタームとして用いたのか、実際に使われていた用語であったのかという点で更に意見が分かれる (97)。① ② 両方を肯定する意見が多数派である (98)。
後述するようにルカがモーセ五書との重なりを示しながら説得 しようとしている相手として考えられるのは、モーセ五書をよく知りその重要性を認識しているところのユダヤ人、改宗者、そして (存在したのであれば) ユダヤ教シンパサイザーの異邦人である。ユダヤ教シンパサイザーの異邦人が歴史的には存在しなかった場合には、異邦人宣教をも視野に入れるルカがその正当性を説得する相手はユダヤ人 (改宗者を含む) ということになる。ユダヤ教シンパサイザーの異邦人が実際に存在していた場合には 、説得する相手の中に彼らも含まれることになる (99)。ここでは 「神を畏れる異邦人」 が読者に含まれていた場合も、あるいはまたそれがルカによる異邦人宣教正当化のための物語内的表象であった場合にも、ルカが 「説得」 しようとしている読者にはモーセ五書に自らの基盤を置くユダヤ人が含まれている可能性が高いことを確認して以下の議論を進めてゆく (100)。
(95) 『総説新約聖書』、日本基督教団出版局、 1981 年、34 頁等。
(96) MacLennan と Kraabel は、「神を畏れる異邦人」 は完全にルカによる創作であるとして、ユダヤ教による異邦人宣教も、ユダヤ教シンパサイザーの異邦人の歴史的存在も否定する ( Robert S. MacLennan, A Thomas. Kraabel, “The God God-Fearers – A Literary and Theological Invention Invention,” Biblical Archaeology Reciew, vol.12, no.5 S-O, 1986, pp.46 - 53 )。一方 Feldman は MacLennan と Kraabel も言及してい るアフロデシアス出土の碑文を根拠の一つとして、ユダヤ教シンパサイザーとしての 「神を畏れる者」 の存在を肯定する ( Louis H. Feldman, “The Omnipresence of the God-Fearers,” Biblical Archaeology Reciew, vol.12, no.5 S-O, 1986, pp.58 - 69 )。 荒井献はルカ時代のディアスポラ・ユダヤ教の周縁に 「神を畏れる者 」 「神を敬う者」 が実在したことは、当時のユダヤ教内外の数多くの文献資料や碑文によって確実視されている、としている ( 『荒井献著作集第 4 巻』、岩波書店、2001 年、191 - 2 頁)。保坂高殿は、「少なくともルカが活動した時代および地域において神畏れ人は社会的に認知された集団を形成していたと考えられる」 と述べる ( 『ローマ帝政初期のユダヤ・キリスト教迫害』 、教文館 2003 年、202 頁)。
(97) Martinus C. de Boer Boer, “God God-fearers in Luke Luke-Acts”, Luke’s Literary Achievement, Collected Essays Essays, C. M. Tuckett (eds), Sheffield : Sheffield Academic 1995, pp. 51 - 71 参照。 ヘブライ語聖書においては 「神を畏れる者」 は異邦人にではなく、イスラエルに関して使われる用語である。またこの語は、捕囚後には 「律法 (トーラー) を守る者」 の意味に変わっていったとの指摘がある (TDNT vol. 9, p.203 )。死海文書においても用例が見られ、「敬虔なユダヤ人」 への言及として使われている (1 QSb 1 : 1 には 「 (神) をおそれる人々」 が御心を行う人々、(神の) 戒めを守る人々、(神の) 聖なる契約を堅持する人々、(真理の全ての道を) 完全に歩む人々と共に記されている。 CD10 : 2 も参照)。これらの語を異邦人に関して用いたルカの意図、また使 13 章以前で 「神を畏れる者」、以後で 「神を賛美する者 ( σεβόνμενοι τόν θεόν )」 の 2 つの表現をルカが用いていることについては今後更に検討する。
(98) 注 (96) 参照。
(99) この問題は、著者ルカ自身が 「神を畏れる異邦人」 であったのかどうかという問題にも関わってくる ( 『総 説新約聖書』、212 頁)。この点に関しては 3 - 2 で改めて詳細に扱う。
(100) ルカ文書が 「神を畏れる者」 に向けて書かれていると想定する場合でも、「神を畏れる者」 のすぐ近くには、ディアスポラのユダヤ人共同体の存在があったことを確認しておきたい。』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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