2022-06-24 (Fri)

本日のキーワード : 支那、チャイナ、バブル崩壊、ミンスキー・モーメント、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教
The Power of the Jewish Lobby
ユダヤ人ロビーのパワー ③
Israelis killing Americans is okay In Washington
ワシントンではイスラエル人がアメリカ人を殺しても平気なのだ

Indeed, the incredible courage and determination of the surviving crew was the only thing that kept the Liberty from sinking. The ship’s commanding officer Captain William McGonagle was awarded a Congressional Medal of Honor for his heroic role in keeping the ship afloat, though a cowardly and venal President Lyndon Baines Johnson, who may have connived with the Israelis to attack the ship, broke with tradition and refused to hold the medal ceremony in the White House, also declining to award it personally, delegating that task to the Secretary of the Navy in a closed to the public presentation held only reluctantly at the Washington Navy Yard. The additional medals given to other crew members in the aftermath of the attack made the USS Liberty the most decorated ship in the history of the United States Navy.
事実、リバティ号が沈没を免れたのは、生き残った乗組員の驚くべき勇気と決断力によるものであった。指揮官のウィリアム・マクゴナグル大尉は、船を沈ませないために果たした英雄的な役割に対して、議会名誉勲章を授与された。しかし、イスラエル軍と共謀してリバティ号を攻撃した可能性のある臆病で卑劣なリンドン・ベインズ・ジョンソン大統領は、伝統に反してホワイトハウスでのメダル授与式を拒否した。また、個人的に授与することも拒否し、その役目を海軍長官に委ね、ワシントン海軍基地で不本意ながら非公開の授与式が開かれた。この攻撃の後、他の乗組員にもメダルが授与されたため、USSリバティ号はアメリカ海軍史上最も多くの勲章を受けた艦となった。

リンドン・ベインズ・ジョンソン
The cover-up of the attack began immediately, to include concealing the White House’s actual recall of fighter planes launched by the Sixth Fleet to assist the under-attack Liberty. The Liberty crew was subsequently sworn to secrecy over the incident, as were the Naval dockyard workers in Malta and even the men of the USS Davis, which had assisted the badly damaged Liberty to port. A hastily convened and conducted court of inquiry headed by Admiral John McCain acted under orders from Washington to declare the attack a case of mistaken identity. The inquiry’s senior legal counsel Captain Ward Boston, who subsequently declared the attack to be a “deliberate effort to sink an American ship and murder its entire crew,” also described how “President Lyndon Johnson and Secretary of Defense Robert McNamara ordered him to conclude that the attack was a case of ‘mistaken identity’ despite overwhelming evidence to the contrary.” The court’s findings were rewritten and sections relating to Israeli war crimes, to include the machine gunning of life rafts, were excised. Following in his father’s footsteps, Senator John McCain of Arizona subsequently used his position on the Senate Armed Services Committee to effectively block any reconvening of a board of inquiry to reexamine the evidence. Most of the documents relating to the Liberty incident have never been released to the public in spite of the 55 years that have passed since the attack took place.
この攻撃の隠蔽工作は直ちに開始され、ホワイトハウスは、攻撃を受けているリバティ号を支援するために第 6 艦隊から戦闘機を発進させたことを隠蔽した。リバティ号の乗組員も、マルタの海軍造船所の従業員も、そして甚大な被害を受けたリバティ号を救援したUSSデイヴィス号の乗組員でさえも、この事件に関して秘密を守るよう誓わされたのである。ジョン・マケイン提督が率いる調査委員会が急遽招集され、ワシントンからの命令に従って、この攻撃は単なる間違いであると結論付けた。調査団の上級法律顧問であるウォード・ボストン大尉は、その後この攻撃を 「アメリカ船を沈め、その乗組員全員を殺害しようとする故意によるもの」 と主張したが、「リンドン・ジョンソン大統領とロバート・マクナマラ国防長官が、それに反する圧倒的な証拠があるにもかかわらず、攻撃を 『間違い』 であると結論づけるよう命じた」 ことも記述している。裁判所の所見は書き換えられ、救命いかだへの機銃掃射を含むイスラエルの戦争犯罪に関する部分は削除された。アリゾナ州のジョン・マケイン上院議員は、父親の跡を継いで、上院軍事委員会の委員という立場を利用して、証拠の再調査のための調査委員会の召集を事実上阻止した。リバティ号事件に関する資料の大半は、事件発生から 55 年経った今も公開されることはない。

ジョン・シドニー・マケイン3世


There has been one independent investigation into the Liberty affair headed by former Chairman of the Joint Chiefs of Staff Admiral Thomas Moorer, but it had no legal standing. Its report was headed “Findings of the Independent Commission of Inquiry into the Israeli Attack on the USS Liberty, the Recall of Military Rescue Support Aircraft while the Ship was Under Attack, and the Subsequent Cover-up by the United States Government, CAPITOL HILL, WASHINGTON, D.C., OCTOBER 22, 2003.” It concluded that “That there is compelling evidence that Israel’s attack was a deliberate attempt to destroy an American ship and kill her entire crew; evidence of such intent is supported by statements from Secretary of State Dean Rusk, Undersecretary of State George Ball, former CIA director Richard Helms, former NSA directors Lieutenant General William Odom, USA (Ret.), Admiral Bobby Ray Inman, USN (Ret.), and Marshal Carter; former NSA deputy directors Oliver Kirby and Major General John Morrison, USAF (Ret.); and former Ambassador Dwight Porter, U.S. Ambassador to Lebanon in 1967…”
リバティ号事件については、元統合参謀本部議長トーマス・ムーラー提督を団長とする独立調査が 1 度行われたが、法的根拠はない。その報告書は、「イスラエルによるUSSリバティ号への攻撃、攻撃中の軍用救助支援機の回収、およびその後の米国政府による隠蔽に関する独立調査委員会の所見、キャピトルヒル、ワシントンDC、2003 年 10 月 22 日」 と題するものであった。その結論はこうだ。「イスラエルの攻撃は、アメリカの船を破壊し、その乗組員全員を殺害する意図的な試みであったという有力な証拠がある。そのような意図の証拠は、ディーン・ラスク国務長官、ジョージ・ボール国務次官、元CIA長官のリチャード・ヘルムス、元NSA長官のウィリアム・オダム中将、アメリカ(退役軍人)の発言によって裏付けられている。 元NSA長官のウィリアム・オドム (米国退役)、ボビー・レイ・インマン(米国退役)、カーター元帥、元NSA副長官のオリバー・カービーとジョン・モリソン (米国退役) 少将、1967 年の駐レバノン米国大使のドワイト・ポーター元大使の証言がその証拠である…。」





☆『The Power of the Jewish Lobby』 The Unz Review • An Alternative Media Selection
☆投資家サーベイ結果発表 「岸田政権、支持しますか?」
本日の書物 : 『マネーモンスター 中華帝国の崩壊』 藤井 厳喜 ダイレクト出版
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 ハイマン・ミンスキーさんは 1919 年生まれで、1996 年にお亡くなりになっておりますけども、シカゴ大学やハーバード大学で勉強されて、アメリカの経済学者として活躍された方なのです。

ハイマン・フィリップ・ミンスキー
この人が面白いことを発見して、言い始めました。「金融市場には泡沫的投機、バブル経済崩壊による危うさが常に内在する」 という金融不安説というものの理論を唱えたわけですが、ここで彼が言った面白いことというのは、例えば、株価がピークに達したとします。
そしてそこからはバブルの崩壊が始まり、値段が下がり始めます。今のチャイナで言えば、恒大集団が 9 月 23 日にドル債の利払いができないということで、事実上経営破綻したわけです。不良債権を出してしまったわけですけれども、大体 2 兆円分ぐらい、195 億ドルのドル債があり、これはもう払えないだろうと推測されているわけです。
今のチャイナは、不動産バブルの崩壊がチャイナ・バブル崩壊の一番重要な要素ということになりますが、不動産価格がピークになり、下がり始めて、それからすぐに企業が倒産するわけではありません。
企業がいつ苦しくなって、いつ倒産を始めるかというと、「今まで借りていたお金を返してください」 という圧力を金融機関から受けた時なのです。ですから、株価が下がっても、不動産の問題でいえば不動産価格が下がっても、すぐに苦しくなるわけではないのです。そこに時差、タイムラグがあるのです。ですから、実際にそのタイムラグを見ておくことが大事なのです。』

キリスト教の聖書解釈のユダヤ教からの 「転換」 ~ ユダヤ教の分裂
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、現在の支那の経済状況を正しく、かつタイムリーに解説している書物で、そこから生じてくると考えられる今後の国際情勢の変化をシミュレーションするのに最適なお薦めの良書になります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 1,013,377(1,011,265)÷86,230,982(85,510,095)=0.0117・・・(0.0118) 「1.17%(1.18%)」

イタリア : 167,703(167,391)÷17,844,905(17,653,375)=0.0093・・・(0.0094) 「0.93%(0.94%)」

日本 : 31,019(30,888)÷9,124,454(9,039,662)=0.0033・・・(0.0034) 「0.33%(0.34%)」

さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」・「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓)

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである (詳しくはこちらから💓)
そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない (詳しくはこちらから💓)
また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる (詳しくはこちらから💓)
で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

ウラジーミル・イリイチ・レーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう (詳しくはこちらから💓)
このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中は、その影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で、人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在、私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていない、という状況にあるということです。

その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓)

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア (詳しくはこちらから💓) やウクライナ (詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」 (こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓)

そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、様々な論文を見ているところとなります。

☆『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 本編の構成
2 章 初期ユダヤ教
上記の指摘を受けて、2 章において、原始キリスト教団の聖書解釈が生み出される土壌となった、捕囚後の初期ユダヤ教において展開された解釈を分析する。まず 2 - 1 において、マカバイ記とヨセフスの記述に基づいて初期ユダヤ教の時代状況を確認する。この時代の記述すべき特徴として、ヘレニズム化の影響を受けた神殿体制の宗教的堕落が挙げられる。これに反対して起こったマカバイ戦争の結果ハスモン王朝が成立するが、ハスモン家が伝統的な大祭司の家系であるツァドク系でなかったために反対する者たちが現われ、神殿体制に異議を唱えるセクトの活動が起こっていった。

ハスモン朝
こちらもご参照💓
↓
☆イエス・キリストはキリスト教の創始者ではありません
2 - 1 - 2 では、神殿体制・セクト運動両者でその大前提としてあった 「トーラーの重要性」 について確認する。 ① トーラーの起源と先在、② 神による啓示としての 「天からのトー ラ」、③ 人格化されるトーラー、④ トーラーの普遍性 、⑤ トーラーの永遠性、が注目される性質として挙げられる。これらのユダヤ教における伝承は、原始キリスト教団の発生以前からのものであるのか、あるいはキリス ト教からの影響も関係しているのかについて判断を下すことは容易ではないが、天地創造の前からの先在、天からの授与、イスラエルを弁護する義務、70 の言語での啓示等の特徴が、新約聖書のキリストおよび聖霊の描写と重なっていることは興味深い。このこともあるいはまた新約聖書の背景としてトーラーのイメージとの関連の可能性を示唆しているのかもしれない。
初期ユダヤ教で前述のように神殿体制の宗教的堕落が問題視され、イスラエルの民の中での 「聖性」 の内実が問われたコンテキストと共に、異邦人でありながらもユダヤ人の信仰をよく理解し た人々との関係が問われる。特にこのことは、他民族の地で生活しなければならないディアスポラのユダヤ人にとって切実な問題であったと考えられ、この異邦人との関係および異邦人を宗教的 にどう理解するかという点が、キリスト教の聖書解釈のユダヤ教からの 「転換」 を導いた重要な要因であったと考えられる。まず 2 - 1 - 4 では、異邦人でありながらユダヤ教に理解を示した人々として、ルカ文書にのみ登場する 「神を畏れる者」 を巡る議論を取り上げる。この半改宗者である異邦人が実際に存在したのか、あるいはルカによる完全な創作なのかについては研究者によって意見が分かれるが、多数派は前者の見解を支持する。しかし実際に半改宗者の異邦人が存在したとしても、彼らを 「神を畏れる者」 として記述したところに、ルカの 「文学的」 意図も考えられるのである。なぜなら 「神を畏れる者」 は本来ヘブライ語聖書においては異邦人に関してではなく、イスラエルに関して使われた用語であり、捕囚後には 「律法 (トーラー) を守る者」 の意味に変わっていったとの指摘があるからである。この語は死海文書の用例においても 「敬虔なユダヤ人」 への言及として使われている。よってルカが著作した時代の 「神を畏れる者」 という語の読者が了解した意味 ( M2 ) は、「律法 (トーラー) を忠実に守る敬虔な (ユダヤ) 人」 であったことが考えられ、読者がそのような意味において理解する語を、自らのテキストにおいて、「 (トーラーを忠実に守る) 敬虔な異邦人」 に用いることで、「新たな意味 ( M3 ) 」 を創り出そうとしたルカの意図が考えられるのである。
初期ユダヤ教の聖書解釈の特徴として、本研究は 「聖霊」 と 「天使」 概念に着目するのであるが、その理由はヘブライ語聖書においては 3 度しか用例のない 「聖なる霊 (21) 」 が死海文書においては 48 回確認され、新約聖書における 91 回の 「聖霊」 の用例の重要な前段階であると考えられるからである。「天使」 概念は、第二神殿時代の文学において大いに発展したことが従来指摘されているが、特にクムラン共同体における 「天使」 の解釈を見ることによって、原始キリスト教団における解釈との重要な関連が見えてくる。
まず 2 - 2 では初期ユダヤ教における 「聖霊」 概念の発達を取り扱う。これは、「聖霊」 の発明・発展をキリスト教に帰す従来のキリスト教側の言説を是正するものであり、初期ユダヤ教内で重要な表象となっていた 「聖霊」 を、原始キリスト教団も自らの文脈において用い、その結果その意味を発展させた可能性として提示する。
2 - 2 - 2 では、クムラン文書における 「聖なる霊」 の用例を、① 「宗規要覧」 ② 「祝 福の言葉」 ③ 「感謝の詩編 ( Hodayot ) 」 ④ 「教訓 ( Instruction ) 」 ⑤ 「天の光言葉」 ⑥ 「ダマスコ文書」 ⑦ 「安息日の犠牲の歌 (天使の典礼) 」 ⑧ その他 、の各文書毎に検討する。これらの用例から窺うことのできる点として、モーセの律法 (トーラー) の研究・ 共同体の掟の遵守が、共同体の成員に求められる絶対条件であること、そのように掟を忠実守る共同体の成員は、共同体に与えられた聖なる霊によって罪から清められるとの認識、またそこから派生して、掟を退ける者はいくら儀礼としての 「清め」 を行ったとしても意味がないとの認識、共同体の全員が律法・掟に従うことは、燔祭の肉や犠牲の脂に勝る霊的な形態における献げ物であるとの認識をも窺うことができる。ここからは初期ユダヤ教において信仰の内実が問われたコンテキストで、神殿犠牲や儀礼の霊化 (内面の重視) が起こり、クムラン共同体での儀礼の内実とは律法・掟の遵守と結びついており、この儀礼の霊化に 「聖霊」 が関係していることが窺われる。また、「聖なる霊」 と対照的な表現として 「肉なる霊」 という表現が登場し、③ の用例からは、「塵から作られた肉に過ぎない人間」 の意味で用いられ、その人間が神の 「聖なる霊」 によって清められるとの認識、④ の用例からは、「聖なる霊」 が与えられている共同体メンバーと対照的な 「邪悪な者たち」 を指して 「肉なる霊」 と言っていることが窺える。ここには、「肉」 について、(共同体メンバーをも含む) 神の前で完全にはなり得ない人間一般と、信仰共同体外の人間を指す二つの用法が見られ、この用法は、パウロの 「肉」 の概念と重なる。また 、用例からは神の 「聖なる霊」 によって神の秘儀を理解することができるようになるとの認識と、天使的変容への希望が重ねて語られていることが窺われ、共同体メンバーの天使的変容による天的秘儀の享受と、聖なる霊の授与とが、概念的に重なっていると考えられる(このことは 3 . 2 . 4 のルカの解釈に影響を与えていると考えられる)。また ⑥ の用例からは、レビ 20 : 25 では動物の浄・不浄と重ねながらイスラエルの民が神によって区別された 「聖なる者」 であるとの文脈が、クムラン共同体では宗教的内実を問う視点から、堕落した人々との区別として解 釈されている。これらの用例から、 少なくとも前 2 世紀以降の自分たちを 「敬虔なユダヤ人」 と理解するセクトメンバーの間で、 「聖霊」 は 神によってその真の民に与えられる 「指標」 のように認識され重視されていたことが考えられる。
(21) ヘブライ語聖書での 「聖 (קֹדֶשׁ)」 は全て名詞である 。それに対して新約聖書ではロマ 1 : 4 以外 「聖」 は形容詞である。死海文書では名詞と形容詞両方の用例が見られる。死海文書における両者の区別の検討は本研究の考察の範囲を超えるため、本研究においてはヘブライ語聖書と死海文書の用例は 「聖なる霊」、新約聖書の用例は 「聖霊」 と訳す。』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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