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    親子チョコ💗(500冊以上の良質な書籍のご紹介)

    子どもたちの教育のため、また、その親である私たち自身が学ぶための、読まれるべき良質な書籍のみをご紹介させていただきます。

     >  支那 >  チャイナのバブルと 「ミンスキー・モーメント」

    チャイナのバブルと 「ミンスキー・モーメント」

    putin did it

    本日のキーワード : チャイナ、バブル、ミンスキー・モーメント、ユダヤ教、キリスト教



    Trump Said We Should "Get Along with Russia". He's Right
    トランプは 「ロシアと上手くやるべきだ」 と言った。彼は正しい ③

    dgeusidis.png

    Okay, but if these are the parameters of the Special Military Operation, then what are the chances of a wider war?
    なるほど、しかしこれが特別軍事作戦の必須要件だとしたら、戦争が拡大する可能性はどのくらいあるのでしょうか?

    That depends on Biden. If Washington continues on the path of escalation –by sending weapons systems that can strike targets in Russia– then Putin will respond. We should know that by now. Putin is not going to back down no matter what. If Washington wants to up-the-ante, then they should prepare for an equal response. That’s the way it’s going to work. For now, the “Special Military Operation” is just a “Special Military Operation”. But when it becomes a war, then all bets are off. Then we will see a full mobilisation, a complete rupture in US-Russo relations, and a halt to all hydrocarbon flows from east to west.
    それはバイデン次第です。 もしワシントンがエスカレーションの道を歩み続ければ (ロシアの標的を攻撃できる兵器システムを送り込むことで)プーチンはそれに応じるでしょう。私たちはもうそれを知っているはずです。プーチンは何があっても引き下がるつもりはないでしょう。もしワシントンがエスカレートさせたいのであれば、同等の対応を準備する必要があるはずです。そうすればうまくいくでしょう。今のところ、「特別軍事作戦」 は 「特別軍事作戦」 でしかありませんしかしそれが戦争になったらすべてが水の泡になりますそうなれば総動員米露関係の完全断絶東から西へのあらゆる石油資源の流れがストップすることになるでしょう。



    Do you think Europe and the United States are prepared for that? Do you think the EU can replace the 25% of the oil and 40% of all the natural gas it presently imports from Russia? Do you have a wind-powered car that will get you to work on time or a factory that will run on solar power? Do you have a plan for heating your house with hydrogen or perhaps a battery from an old Prius?
    欧州と米国にその覚悟があると思いますか? EUは、石油を25%、天然ガスを40%、現在ロシアから輸入していますが、これを代替できると思いますか?時間通りに通勤できる風力発電の車や、太陽光発電で稼働する工場はあるのでしょうか? 水素や古いプリウスのバッテリーで家を暖めようと考えているのでしょうか?



    No, you don’t, and neither does Europe. Europe runs on fossil fuels. America runs on fossil fuels And the more fossil fuel that is consumed, the more the economy grows. The less fossil fuel is consumed, the more the economy shrinks. Are you prepared for life in a shrinking economy with high unemployment, skyrocketing inflation, unending recession, and deepening social malaise brought on by your government’s misguided desire to “stick it to Putin”?
    いいえありません。欧州も同じです。 欧州は化石燃料で動いています。アメリカは化石燃料で動いています。そして、化石燃料が消費されればされるほど、経済が成長するのです。化石燃料が消費されなければ、経済は縮小していきます。高い失業率高騰するインフレ終わらない不況そして 「プーチンをやっつけたい」 という政府の的外れな動機によって引き起こされる深刻な社会不安など縮小する経済の中で生きていく覚悟はあるのでしょうか



    That’s a bad choice, isn’t it? Especially when a face-saving deal can be made at anytime. In fact, Biden could stop the fighting tomorrow if he extended the hand of friendship to Putin and declared that, yes, Ukraine will accept neutrality til the end of time and NATO expansion will stop ASAP.
    それは良くない選択ではないでしょうか?ましてや、面目を保つための取引ならいつでもできるはずです。実際バイデンがプーチンに友好の手を差し伸べ「そうだ、ウクライナは最後まで中立を受け入れ、NATO の拡張は早急に止める」 と宣言すれば明日にでも戦闘を止めることができるでしょう。



    That’s all it would take. Just extend the olive branch and Putin will ‘call off the dogs’. Guaranteed.
    それだけでいい和平を申し出るだけでプーチンは 「攻撃を止める」 でしょう。保証します。



    That’s what this guy would have done. Remember him? Remember how bad things were when Trump was in office and gas was 2 bucks a gallon, and everyone had a job, and there was no inflation, and violent crime was under control?
    この男ならそうするでしょう。彼を覚えているでしょうか? トランプ氏が大統領だった頃ガソリンが 1 ガロン 2 ドルで、誰もが仕事を持っていてインフレもなく凶悪犯罪も抑制されていた頃、状況がどれほど悪かったか思い出してみてください。

    Listen to what Trump had to say about Russia:
    トランプ氏がロシアについて語っていたことを聞いてください。



    “Well, I hope we do have good relations with Russia. I say it loud and clear and I’ve been saying it for years. I think it’s a good thing if we have a great relations with Russia. That’s very important. And, I believe, some day that will happen. It’s a big country, it’s a nuclear country, it’s a country we should get along with, and I think we will eventually get along with Russia.”
    まあ、ロシアとは良い関係を築きたいものです。私はロシアと良い関係を築きたいと願っている。ロシアと良い関係になるのは良いことだと思う。それはとても重要なことです。そして、いつの日かそれが実現すると信じています。大きな国だし、核を持つ国だし、仲良くすべき国だし、いずれはロシアと仲良くなれると思うんです。

    He’s right, isn’t he? We need to get along with Russia and put an end to the fighting before thesemorons drag us into World War 3.
    彼の言う通りですよね。ロシアと仲良くして、バカどもに第三次世界大戦に引きずり込まれる前に戦闘を終わらせる必要があるんです。



    Is Zelensky a Cousin of George Soros?

    Hitler.jpg 習近平思想の着想者であり、中国的特徴を持つ社会主義の提唱者である習近平総書記

    パペット岸田・林

    『Trump Said We Should "Get Along with Russia". He's Right』 The Unz Review • An Alternative Media Selection

    投資家サーベイ結果発表 「岸田政権、支持しますか?」



    本日の書物 : 『マネーモンスター 中華帝国の崩壊』 藤井 厳喜 ダイレクト出版



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 さて、チャイナが世界経済に入ってきて、そしてかつては完全にクローズドの鎖国、社会主義経済だったものが、世界の工場と言われるまでになって、それがバブル経済を生み、そして今不動産バブルの崩壊をもって【チャイナ経済が崩壊していく】という、このプロセス全体について、簡単に振り返ってみたいと思います。

     そうすると、なぜバブルの崩壊が起きてくるのか、そしてこれが【ヨーロッパのバブルの崩壊や日本のバブルの崩壊、アメリカのバブルの崩壊とは全然違う】のだということがお分かりいただけると思います。

     日本の場合でも、アメリカの場合でも、ヨーロッパの場合でも、【自由経済】ですから、【バブルが発生する時は発生します】。しかし、【それが収束すると、経済が悪くなる】のです。そこにおいては、【ミンスキー・モーメント】という非常に大事な瞬間があります。このミンスキー・モーメントについてもお話をいたします。【不動産価格が崩壊したから即経済が厳しくなる、株価が崩壊を始めたから、みんなの経済の金回りが苦しくなるわけではない】のです。

     それぞれのマーケットで見ますと、【不動産価格がピークになってからまた下がっても、不動産会社はなかなか倒産しない】のです。【本当の倒産が始まるのは、ミンスキー・モーメントから】なのです。【個人破産も始まるのは、ミンスキー・モーメントから】なのです。

     【ミンスキー・モーメント】というのは、銀行などの【金融機関が貸していたお金を 「さあ、返してください」 と言う時】なのです。その時がミンスキー・モーメントなのです。その時から、お金をたくさん借りて、商売を広げて、バブル経済に乗って、お金儲けをしていた人たちが、みんな逆転して苦しい立場に立ってくるということになります。

     これについては、後で詳しくお話しいたします。』

    日の丸

    ユダヤ教 イエス = キリスト派


    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、現在の支那の経済状況正しくかつタイムリーに解説している書物で、そこから生じてくると考えられる今後の国際情勢の変化をシミュレーションするのに最適なお薦めの良書になります。

    読書 10-056

    それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。

    (死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)

    ※(  )内は前回の数値

    loneasty.jpg
    Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

    アメリカ : 1,010,025(1,009,325)÷85,085,469(85,003,945)=0.0118・・・(0.0118) 「1.18%(1.18%)」
    loneasty1.jpg

    イタリア : 167,169(167,089)÷17,566,061(17,543,136)=0.0095・・・(0.0095) 「0.95%(0.95%)」
    loneasty2.jpg

    日本 : 30,820(30,799)÷8,978,571(8,960,177)=0.0034・・・(0.0034) 「0.34%(0.34%)」
    loneasty3.jpg











    さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓

    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)

    そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。

    世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである詳しくはこちらから💓

    そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    イマヌエル・カント
    イマヌエル・カント

    たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない詳しくはこちらから💓

    また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

    世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる詳しくはこちらから💓

    で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

    カール・マルクス
    カール・マルクス

    私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

    ウラジーミル・イリイチ・レーニン 1
    ウラジーミル・イリイチ・レーニン

    われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう詳しくはこちらから💓

    このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中はその影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていないという状況にあるということです。

    Hunter Biden Soros Linked to Biolabs in Ukraine





    その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア詳しくはこちらから💓) やウクライナ詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

    A storm is coming 245





    さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓

    ウーマニ

    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために様々な論文を見ているところとなります。

    それでは、本日からは、次の論文を確認してみたいと思います。

    fhdeusid.jpg
    『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香

    それでは早速、見て参りましょう。

    『 

    本研究の目的

     本研究 「初期ユダヤ教と原始キリスト教団 (1) における解釈と受容 ― 『霊』 と 『天使』 の概念の変遷を辿る― 」 はヘブライ語聖書の解釈史の一端を取扱う初期ユダヤ教の時代 (第二神殿時代) には、モーセ五書 (トーラー) の聖典としての権威が確立したことによって かえってトーラーの解釈が活発になった本研究は特にこの時代の解釈において発展したことが考えられる 「霊」 と 「天使」 の概念に焦点を当てるこの 「霊」 と 「天使」 の概念が原始キリスト教団の解釈 ( 「霊 [聖霊] 」 の概念、イエスのイメージ) に重大な影響を及ぼしている可能性を、初期ユダヤ教、原始キリスト教団それぞれの 「解釈」 の側面から明らかにする ことを本研究は試みる
     そもそも 「解釈」 とは何であろうか? その歴史は、テキストの 「受容」 の歴史とも言うことができるだろう。解釈および受容理論の原初的な誕生は原初テキストとの時代的隔たりが拡大しテキストの言葉を直接には理解することができなくなったために過去と現在すなわち 「テクストのカノン的意味と現代の <われわれにとって> の意味との間の橋渡しをする」 (2) 必要性が生じた時点に求めることができる。ヘレニズム時代の文献学に遡る、文字通りの意味 ( sensus litteralis ) を見出す文法的解釈と、寓意 ( sensus allegoricus ) を見出す寓意的解釈両者ともが「現在の理解」 を可能にするためのものであり、正典の 「受容」 の過程の二つの側面であると見ることができる (3)。
     ただしこれは未だ初期の段階の解釈・受容であり先に解釈と受容理論の 「原初的」 誕生と述べたのはこの理由による。と言うのも、この段階での解釈・受容はテキストの既に与えられている客観的な意味を見出し主観的な恣意を退けるものと認識された解釈であ って「受動的な受容」 (4) と言えるものである。文学史においてはそのような受動的な解釈・受容から、「解釈の可能性の差異と多様性が、もはや文書の意味の客観的な内容に基づくのではなく、理解の主観的な諸条件…に基づく」 (5) 能動的・生産的な解釈・受容へと変わったのが「近代解釈学への転換」 のはじまりとして指摘される (6)。
     読者論においても作者と比較的近いところにいる読み手 (第一次的読者) に対して「作者の予期もしない読み手、作者を全く知らない読み手 」 (7)、すなわち 「作者と決別した読者」 (第二次的読者) が 「近代読者」 である と言われる (8)。文学における近代読者の誕生は、活字印刷の普及発達によって、作者と読み手の親密な関係が崩れた時点に位置づけられるのであるが (9)、本研究の関心から見ると「作者の予期もしない読み手、作者を全く知らない読み手の出現」 とはまさにユダヤ人の書物として書かれたヘブライ語聖書がキリスト教徒にとっても聖典となっている事態と符合するだろう。
     よって、文学史の分野では、作者がほとんど意識されない口承文学時代、多少意識的な読み手が現われるがまだ作者に極めて近い読み手であるところの写本時代、そして作者と読者の決別が 起こり近代読者が生まれた活字本時代分類されるのであるが、聖書の解釈史の分野ではこの 「近代解釈学への転換」 「近代読者の誕生」 は「近代」 ではないにしてもその意味するところから 「ヘブライ語聖書が、キリスト教徒にとっても聖典となった」 時点と言うことができるかもしれないなぜなら第二神殿時代にテキストの聖典化によって 「解釈」 の必要性が生じた時代 (そこには初期ユダヤ教セクトによる多様な解釈が含まれるのである)しかしそこでの 「読み手」 はユダヤ人すなわち 「作者が予期している読み手」 であってユダヤ人でない読者 (異邦人でありつつ聖書を聖典として読む読者) の誕生の時点 (すなわち原始キリスト教団が異邦人をも対象とする宗教として自らを自覚した時点) こそが「作者の予期もしない読み手、作者を全く知らない読み手の出現」 の時点ということになるからである。
     本研究が 「解釈」 の視点から初期ユダヤ教における聖書の解釈・受容と初期ユダヤ教のセクトの一つとして誕生しやがて一つの宗教としてユダヤ教から分岐するに至った原始キリスト教団における聖書解釈・受容を扱う時そこでは初期ユダヤ教における解釈を 「継承」 しつつ生じた原始キリスト教 団における解釈が示されると共にそこにはある 「転換点」 があることも同時に示されるであろう。その 「転換」 とは「解釈・受容」 の側面から見た際の一次的 (受動的) 解釈・受容から二次的 (能動的・生産的・創造的) 解釈・受容への転換一次的読者 (作者に緊密な読者) から二次的読者 (作者が予期もしない読者) への転換に他ならないのである。
     本研究は特に 「霊」 と 「天使」 についての初期ユダヤ教の理解と原始キリスト教団の理解を扱うが、単なる影響関係として概念の変化を追うのではなくそれぞれの 「解釈」 を介した事柄として扱う 。と言うのもそれぞれの 「解釈」 の視点から見た時に初めて初期ユダヤ教の土壌から誕生した原始キリスト教団の側面のみでなく更にそこからの転換をも経験したキリスト教の特質をもより立体的・動的に捉えることができると考えるからである。よって本研究の目的は初期ユダヤ教と原始キリスト教団それぞれの聖書の解釈・受容の形態・特性を記述することによってユダヤ教の 「継承」 としてのキリスト教の側面とユダヤ教からの 「転換」 を遂げたキリスト教の側面とを 「解釈」 の視点から提示することにある。またそのことを通して、聖書学の分野で 現在に至るまで混迷を極めてきた方法論と解釈の問題を新しい角度から照らす視点をも提示することができると考える。


    (1) 「初期ユダヤ教」 の時代区分は学者によって異なり第二神殿時代のユダヤ教とほぼ同義で用いられることも少なくない。より厳密な意味での用語の初出は、英語では C. Grant によって (1934 年)、ドイツ語では O. Pl Plӧger によって (1954 年) 用いられた。日本での最初の用例は長窪専三 (1992 年) による。長窪によると、この用語は 「イスラエル宗教から古典ユダヤ教に変容する再編成の渦中にあった初期段階のユダヤ教を指すのに最適な用語」 であり、「聖書以後のユダヤ教」、「中間時代のユダヤ教」、「イエス時代のユダヤ教」 などの用語よりも正確であり、「後期ユダヤ教」 よりもはるかに客観的で中立的な用語である (長窪専三 『古典ユダヤ教事典』 、教文館 2008 年、247 - 8 頁参照)。最初期のキリスト教については、従来 「原始キリスト教」 (Primitive Christianity ) や 「初期キリスト教」 ( Early Christianity ) 「原始教会」 「初代教会」 などの用語が用いられてきたが、学者間でのコンセンサスはなく、用語の混在が見られる (『聖書学用語辞典』 、日本キリスト教団出版局、2008 年、107、175 頁)。本研究は初期ユダヤ教の時代にあってキリスト教独自のアイデンティティと神学が生まれつつあっても未だユダヤ教との明確な分離がなされていなかったであろう時期を対象とするため「ユダヤ教 イエス = キリスト派」 などの表現の方がより正確であると考えるが、表記上の煩雑さと混乱を避けるため、しかし一宗教としてのキリスト教確立以前であることへの注意を促すために、比較的手垢のついていない 「原始キリスト教団」 なる表現を採用した。

    (2) H. R. ヤウス 『挑発としての文学史』、轡田収訳、岩波書店、2001 年、144 頁。

    (3) 同書、145 頁

    (4) 同書、147 頁。

    (5) 同書、146 頁。

    (6) 同書、146 - 7 頁。

    (7) 外山滋比古 『近代読者論』、みすず書房、1969 年、19 頁。

    (8) 同上、7 - 25 頁。

    (9) 同上、19 頁 』


    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。









    続きは次回に♥




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