2022-05-11 (Wed)

本日のキーワード : 隷従への道、ハイエク、不可避論、予定説
American Pravda: Vaxxing, Anthony Fauci, and AIDS
アメリカン・プラウダ ワクチン接種、アンソニー・ファウチ、そしてエイズ 2021年12月6日 ⑧
The HIV/AIDS Crisis as a Medical Media Hoax?
HIV/AIDSの危機は医療メディアのデマ?

…In 1985 AZT, an existing drug, was found to kill the HIV virus in laboratory tests. Fauci then made tremendous efforts to speed it through clinical trials as an appropriate treatment for healthy, HIV-positive individuals, with FDA approval finally coming in 1987, producing Fauci’s first moment of triumph. Priced at $10,000/year per patient, AZT was one of the most expensive drugs in history, and with the cost covered by health insurance and government subsidies, it produced an unprecedented financial windfall for its manufacturer.
1985 年、既存の薬である AZT が実験室で HIV ウイルスを殺すことが確認された。その後、健康な HIV 陽性者の治療薬として臨床試験を進めるために多大な努力を重ね、1987 年にようやく FDA (アメリカ食品医薬品局) から承認され、ファウチの最初の勝利の瞬間が訪れた。AZT は、1 人当たり年間 1 万ドルという史上最も高価な薬であり、その費用は健康保険と政府の補助金で賄われ、メーカーにとっては前代未聞の大金を手にすることができた。
Kennedy devotes an entire chapter to the story of AZT, and the tale he tells is something out of Kafka or perhaps Monty Python. Apparently, Fauci had been under enormous pressure to produce medical breakthroughs justifying his large budget, so he manipulated the AZT trials to conceal the extremely toxic nature of the drug, which rapidly killed many of the patients who received it, with their symptoms being ascribed to AIDS. So following FDA approval in 1987, hundreds of thousands of perfectly healthy individuals found to be infected with HIV were placed on a regimen of AZT, and the large number of resulting deaths was misattributed to the virus rather than to the anti-viral drug. According to the scientific experts cited in the book, the vast majority of post-1987 “AIDS deaths” were actually due to AZT.
ケネディはまるまる一章を割いて AZT の話を書いているが、その話はまるでカフカかモンティ・パイソンのような話である。 どうやら、ファウチは多額の予算を正当化する医学上のブレークスルーを達成しなければならないという大きなプレッシャーにさらされていたようで、そのため、彼は AZT の臨床試験を操作して、この薬の極めて毒性の強い性質を隠蔽し、この薬を投与された患者の多くが急速に死亡したため、その症状がエイズであるとされた、というのである。そのため、1987 年の FDA の承認後、HIV に感染していることが判明した何十万人もの健康な人々に AZT の投与が行われ、その結果、多数の死者が出たが、これは抗ウイルス剤のせいではなく、ウイルスのせいだと誤認されたのである。この本の中で引用されている科学的専門家によれば、1987 年以降の 「エイズによる死亡」 の大部分は、実は AZT によるものであったというのである。

One of the major scientific heroes in Kennedy’s account is Prof. Peter H. Duesberg of Berkeley. During the 1970s and 1980s, Duesberg had been widely regarded as among the world’s foremost virologists, elected to the prestigious National Academy of Sciences at age 50, making him one of its youngest members in history. As early as 1987 he began raising serious doubts about the HIV/AIDS hypothesis and highlighting the dangers of AZT, eventually publishing a series of journal articles on the subject that gradually won over many others, including Montagnier. In 1996 he published Inventing the AIDS Virus, a massive 712 page volume setting forth his case, with the Foreword provided by Nobel Laureate Kary Mullis, the renowned inventor of PCR technology and himself another leading public critic of the HIV/AIDS hypothesis. Duesberg even underscored the confidence of his HIV skepticism by offering to be injected with HIV-tainted blood.
ケネディの記述に登場する科学的英雄の一人は、バークレー校のピーター・H・デュースバーグ教授である。デュースバーグは、1970 年代から 1980 年代にかけて、世界でも有数のウイルス学者として広く知られており、50 歳で権威ある全米科学アカデミーに選出され、史上最年少のメンバーの一人となった。1987 年には早くも、HIV/AIDS の仮説に重大な疑問を投げかけ、AZT の危険性を強調し、最終的にはこのテーマで一連の学術論文を発表し、モンタニエを含む多くの人々を徐々に魅了するようになった。1996 年には、PCR 法の発明者でノーベル賞受賞者のキャリー・マリスが序文を寄せた 712 ページの大著 『Inventing the AIDS Virus』 を出版し、HIV/AIDS 仮説を公に批判している。デュースバーグは、HIVに汚染された血液を注射することを申し出て、自分の HIV 懐疑論への誇示さえしている。

ピーター・H・デュースバーグ

リュック・アントワーヌ・モンタニエ

キャリー・バンクス・マリス

But rather than openly debate such a strong scientific opponent, Fauci and his allies blacklisted Duesberg from receiving any government funding, thereby wrecking his research career, while also vilifying him and pressuring others to do the same. According to fellow researchers quoted by Kennedy, Duesberg was destroyed as a warning and an example to others. Meanwhile, Fauci deployed his influence to have his critics banned from the major national media, ensuring that few outside a narrow segment of the scientific community ever even became aware of the continuing controversy.
しかし、ファウチとその関係者は、このような科学的な強敵に対して公然と議論する代わりに、デュースバーグを政府の資金援助を受けられないようにブラックリストに載せて、彼の研究キャリアを台無しにし、同時に彼を中傷して、他の研究者に同じように圧力をかけたのである。ケネディが引用した同僚の研究者によると、デュースバーグは警告と見せしめとして潰されたのだという。一方、ファウチは、自分の影響力を行使して、自分の批判者を主要な国内メディアから追放し、科学界のごく一部の人間以外には、この論争が続いていることさえ知られることがないようにしたのである。
These elements merely scrape the surface of Kennedy’s remarkable story and I would urge those interested to buy and read the book, then decide for themselves, an inexpensive option since the Kindle version sells for just $2.99. For further information, they can also consult the lengthy review we published a week ago by French writer Laurent Guyénot, which focuses on exactly the HIV/AIDS chapters that are the most explosive but under-reported elements:
これらの内容は、ケネディの驚くべき物語の表面をわずかになぞったものに過ぎない。興味のある人は、この本を買って読み、自分で判断することをお勧めする。さらに詳しい情報は、1 週間前に掲載したフランス人作家 Laurent Guyénot による長文の書評を参照していただきたい。この書評では、最も衝撃的だがあまり報道されていない HIV/AIDS の章にまさに焦点を当てている。
Fauci and the Great AIDS Swindle





☆『American Pravda: Vaxxing, Anthony Fauci, and AIDS』 The Unz Review • An Alternative Media Selection
☆投資家サーベイ結果発表 「岸田政権、支持しますか?」
本日の書物 : 『隷従への道』 フリードリヒ・ハイエク 日経BP
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 「 … 『隷従への道』 を読んだことのある人なら、初版から一貫して冒頭に次のように書かれていることを、誠意をもって証言してくれるでしょう … 『また、【今後の展望が不可避だと言うつもりもない】。【もし不可避なら、この本を書く意味はなかろう】。手遅れにならないうちにいまの取り組みの行く先に気づけば回避できるからこそ、書くのである』 … 」

フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク
この【 「不可避論」 的な解釈】はハイエクの敵味方双方に広まっていたし、ハイエク自身が何度もそれに抗議したことを考慮すると、なぜこのような【行き違い】が起きたのか、ここで解明しておくべきだろう。
サミュエルソンに宛てたハイエクの手紙から、【 「不可避」 という言葉に関する一つの解釈を除外する】ことができる。それは、イギリスにせよアメリカにせよ、【今後何をしようとももはや後戻りはできない、社会主義の未来は全体主義しかない、といった歴史の不可逆性を表すために 「不可避」 を使ったのでは “ない” 】ということだ。そもそも【ハイエク】は 「社会主義と社会の研究」 と題する論文の中でまさに【この種の不可避論を批判】しており、【歴史の法則に基づけば将来予測は可能だとする歴史主義を攻撃している】のである。
こちらもご参照💓
↓
☆“グレート・リセット” ~ ユダヤ的 『予定説』 に従って、ロシア・ウクライナ紛争を考えてみると・・・
☆ユダヤ史観、マルクス史観、予定説史観

カール・マルクス
【ハイエクが使った 「不可避」 という言葉】は、【軌道修正しないと隷従への道を進んでしまうという警告の意味で解釈すべき】である。ハイエクが 『隷従への道』 を書いた目的の一つが警鐘を鳴らすことだったのはまちがいない。【隷従へと向かう危険性に気づかずにこの道を歩み始めてしまうことをハイエクは何よりも恐れていた】。そのことは、デトロイト・エコノミック・クラブでの講演からも読み取ることができる。「議論の末に総意でもってまちがった道を選ぶのではなく、【何の警戒もなくそこに迷い込んでしまうからこそ危険は大きい】のです」。
こちらもご参照💓
↓
☆「閉ざされた社会」 の人間と “ゼロサムゲーム” 的発想 ~ 現代マルクス主義者が繰り返しているもの
☆人類全体の平和的な協力を可能にしたのが 『資本主義』

ハイエクの批判者は、第 4 章のタイトルが明確に示しているとして、計画は 「不可避」 なのだと主張した。そして 「自由のための計画」 を支持しない限り、全体主義に突き進むことになるとハイエクが述べたとしている。だが【ハイエクが力の限り訴えようとしたのは、全体主義に対抗する手段を示すことではなくて、計画それ自体が全体主義国家へ向かう重要な一歩となるのだと警告を発することだった】。』

ナチ・ドイツの社会経済に生じた変化
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、資本主義を研究する学問である経済学において、偉大なる経済学者の一人であるフリードリヒ・ハイエクが、ナチズム (あるいはファシズム) と社会主義・共産主義の類似性を明らかにしつつ、 それらの集産主義体制が必然的に全体主義へと至ってしまう危険性について警鐘を鳴らした、非常に有名な書物で、本書を通じて、『 「法の支配」 に基づく自由民主主義』 がいかに大切なものであるのかを改めて理解することができ、財務官僚如きにコントロールされ、「法の支配」 を無視した勝手な決定を次々と行っている (例 : ウクライナへの軍事物資支援 = 戦争行為)、トコトン無能な “岸田政権” も、実は、ハイエクが警鐘を鳴らしたものに、まさしく繋がっているという現状が良く分かるようになる、当ブログお薦めの良書になります。無能で危険極まりない岸田一派は、政権のみならず、政界そのものから抹消することが、私たち日本国民の喫緊の課題となりますので、是非広く日本国民の皆様にお読みいただきたいと思います。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 994,349(993,771)÷81,491,549(81,387,568)=0.0122・・・(0.0122) 「1.22%(1.22%)」

イタリア : 163,889(163,612)÷16,586,268(16,504,791)=0.0098・・・(0.0099) 「0.98%(0.99%)」

日本 : 29,686(29,631)÷7,947,818(7,917,391)=0.0037・・・(0.0037) 「0.37%(0.37%)」







さて、これまで、ドイツで生まれた「キリスト教神智学(Christian theosophy)」・「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想を経て、ソ連崩壊とともに死滅したかに思われたものの、現在に至るまで一貫して受け継がれていく “信仰” が存在していて、その根底にある、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の意識により、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することによって、「贖罪」の対象物として “罪” を創り出し、自らの罪に対する償(つぐな)い・贖(あがな)いを果たそうと躍起になっている、そんな 「極左おパヨク」 に繋がる一連の系譜について確認して参りました。

ここで御理解頂きたいのは、そんなおバカな 「極左おパヨク」 は、飽くまでも、ある連中が果たそうとしている、ある目的の達成のための道具でしかないということです。
その目的とは、さまざまな “アイデンティティ” を意図的に粗製濫造することで、社会分断を行い、到底達成不可能な目標である “平等 (equality)” を強要(←全人類の均一化・同質化などは不可能であることは自明です!)し、多くの人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し(←これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて権威主義的な統制社会の再構築を目指す、というものです。
では、なぜ、それを目指そうとするのでしょうか?
それは、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」のもとで、ある連中にとって非常にコントロールしやすい社会が構築できるからです。

その「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」については、これまたドイツ出身の社会学者・歴史学者であり、マルクス主義者で、エリート理論の信奉者で、ファシズム(全体主義者)でもあったロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy)について確認をしてきましたが、そこにもやはり「キリスト教神智学(Christian theosophy)」・「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」の影響を見ることができました。

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」と同根の言葉である「オリガルヒ(oligarch)」につきましても、ロシアやウクライナの事例を参照して、それがいまから数十年前に、マルクス主義が生み出した “社会主義・共産主義の幻想” が瓦解・崩壊する過程で作り出されたものであることを確認し、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 (=ユダヤ教徒)」 が存在していることも判明いたしました。さらには、ウクライナとユダヤ人 (=ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認することができました。

そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、、次の論文を見ているところとなります。

☆『ナチ・ドイツにおける経済の脱ユダヤ化 ― 1938年十一月ポグロムの社会経済的背景 ―』 山本達夫
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 第 9 章 十一月ポグロムと経済の脱ユダヤ化政策の収束
2. 十一月ポグロムの原因
・・・オープストは,小都市や周辺の村落への破壊命令が,翌日 ( 11 月 10 日) になって初めて伝達されたことを明らかにしている。ゲッベルスが 10 日の午後からラジオで,これ以上のデモ行動と報復行動を中止する命令を出した後でも,これは収まらなかった。オープストは,地方の突撃隊指導者たちが 「他の地域ではジナゴーグが燃やされているのに,なぜここでは何も起こらないのか」 とか 「事を先に進めて,後れを取らないようにしよう」 などと言って,破壊活動を煽ったという証言を引き出している。こうした言動は先の日和見主義的なポグロム参加者の消極性とは異なる。オープストはこの原因を,ナチ・ドイツにおいて多くの機関が重複する管轄権をもっており,指揮命令系統が複雑であったことにみる。
公務員の動向,住民の反応の叙述において,オープストは,十一月ポグロムに広範な社会諸集団が積極的に,あるいは消極的に参加していたことを明らかにしている。そして,さまざまな集団と個人のあいだに明確なかたちのない多くの行為と反応を引き起こしていたので,これらをひとつの枠組みに入れるのは困難であるとする。しかしまた,状況に規定された事件の経過のダイナミズムと政治的・社会的な十一月ポグロム参加諸集団の決定性との相互作用こそが,巨大な暴力の噴出に決定的に作用したと分析している。
つぎにオープストは市長,郡長,警察官,消防士といった公務員をあつかい,彼らがなぜ,安全と秩序を維持するという法律で定められた公務を果たさなかったのかが論じられている。その理由としてオープストがあげるのは,親衛隊保安部長官ハイドリヒが 10 日の深夜に各地の警察署を通じて各自治体の長に出した電報である。電報には,破壊活動とジナゴーグの放火を妨げるなとあり,ゲッベルスの破壊中止命令が出たあとも,それにしたがった例は希であったという。
オープストのこの研究はもともと 1989 年に学位取得論文として書かれたものである。その基調は,指導にあたった 「機能派」 の代表格モムゼン Mommsen, Hans の主張と似たものになっている。すなわち,反ユダヤ主義以外のナチス支配の要素が十一月ポグロムの発動・遂行に対してもった責任が明らかにされることで,ナチス支配の個々の要素のみならず,その構造ゆえに建設的な政策の遂行が不可能であったナチス支配体制の責任が問われるというものである。このテーゼはどの程度,新史料の利用によって実証されたのか。この点を,本書の問題点を検討することで,オープストの研究の批判的分析としたい。
第一に指摘すべき問題は,オープストが十一月ポグロムの事件史的なダイナミズム,ポグロム参加者の行動と反応との多様性を通して社会史を事件史的な形で叙述しようとしたことである。しかし,十一月ポグロム参加者の足取りを追うこと (事件史) は,ポグロム発生のメカニズムの解明 (社会史) にはつながらない。事件はあくまでも事件である。十一月ポグロム参加者たちが暗殺事件を口実として行動に出たことはたしかである。しかし,参加者の分刻みの行動を追っても,歴史的事象としての十一月ポグロムを理解することにはつながらないのである。
事件史の追究によって社会史が解明されると考えたオープストは,反ユダヤ主義を十一月ポグロム参加者の行動の前提として独立させた。その結果,第二の問題が生じた。すなわち破壊活動の原因として十一月ポグロム参加者の集団心理が重視されることになったのである。近代反ユダヤ主義の始まりはユダヤ人の存在が解決されるべき問題として意識されるようになったことであるといわれる。 **826 ) しかし,こうした意識が生じたのは一定の歴史的・社会的な条件のもとにおいてである。社会現象としての反ユダヤ主義が具体的にどのような形態で,いかなる現れ方をするのかは,歴史的な制約を受けており,それ自体が歴史的な過程である。反ユダヤ主義は各時代に特有なものであり,時代の特殊な要請の中から生じるものである。個々の十一月ポグロム参加者の反ユダヤ主義的感情は,行動に駆り立てた客観的な諸条件のもとで分析されなければならないのである。
三番目に指摘すべきは,ナチズム体制の構造的要因だけで十一月ポグロムの勃発を説明できないという点である。先述したフランクフルター事件 ( 1936 年 2 月,スイスのダヴォスでフランクフルターというユダヤ人学生がナチス党国外組織指導者グストロフを暗殺) が大規模な反ユダヤ暴動を誘発しなかった原因は,全国規模の十一月ポグロムを可能にする客観的な諸条件が整っていなかったことに求められる。問われるべきはむしろ,フランクフルター事件とグリューンスパン事件のあいだにナチ・ドイツの社会経済に生じた変化なのである。
オープストの研究書には,現時点でのナチ・ユダヤ人政策研究からみた場合,たしかに物足りない部分もある。しかしこれは十一月ポグロム参加者の尋問記録を史料とした本書の価値を減じるものではないと考える。破壊命令を受けてユダヤ人の住宅に侵入した突撃隊員が,机上の花瓶を割って 「命令を遂行しました」 と上官に報告した事実などは,顔をつきあわせた一対一の尋問記録からしか明らかにできないものである。参加者の行動を跡づけることで,十一月ポグロムの発生から拡大までの過程を詳細に論じた本書の功績は大きいといえる。
*826 ) 下村由一 「反ユダヤ主義とシオニズム」 江口朴郎編 『民族の世界史 15 ― 現代世界と民族』 (山川出版社,1987 年) 所収,146 頁。』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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