FC2ブログ

    親子チョコ💗(500冊以上の良質な書籍のご紹介)

    子どもたちの教育のため、また、その親である私たち自身が学ぶための、読まれるべき良質な書籍のみをご紹介させていただきます。

     >  世界史 >  金融覇権がロンドン・シティからニューヨーク・ウォール街に移る大きなファクター

    金融覇権がロンドン・シティからニューヨーク・ウォール街に移る大きなファクター

    8475720801198489445.jpg

    本日のキーワード : ウィンストン・チャーチル、ユダヤ人、ウォール街



    中国共産党

    Wolf warrior diplomacy
    戦狼外交

    The Chinese Communist regime reacted to the international crisis it created with "Wolf Warrior" style diplomacy, named after the 2015 Chinese action film and its 2017 sequel. Wolf Warrior is named for a fearsome screen hero, Wu Jing, a kind of Chinese Rambo. The CCP stoked anger in Australia, Canada, Germany, the Netherlands, Sweden and many others.
    中国共産党政権は、2015 年の中国のアクション映画と 2017 年のその続編にちなんだ 「ウルフ・ウォリアー (狼戦士) 」 的な外交で、自らが引き起こした国際危機に対応した。ウルフ・ウォリアーは、中国のランボーのような恐るべきスクリーンヒーロー、呉京 (ごきょう) にちなんで命名された。中国共産党はオーストラリア、カナダ、ドイツ、オランダ、スウェーデン、その他多くの国の怒りを煽った。

    The CCP demands that the outside world treat Taiwan as a pariah. It wants it to be known only as “Chinese Taipei” or “Taiwan, Province of China” in public documents. It insists that the island state be denied observer status in the World Health Assembly, the deliberative body for the UN's health watchdog, the World Health Organisation.
    中国共産党は外の世界に対して、台湾を除け者として扱うように要求しています。公的な文書では 「中華台北」 または 「中華民国台湾」 とだけ表記することを要求しています。また、国連の健康監視機関である世界保健機関 (WHO) の審議機関である世界保健総会でのオブザーバー資格の拒否を主張している。

    CCP's English language mouthpiece, Global Times justifies the CCP's bellicose reaction to international requests for an independent inquiry into the origins of the CCP virus outbreak:
    中国共産党の英語の広報誌 「グローバル・タイムズ」 は、中国共産党の好戦的な反応を正当化し、中国共産党ウイルス発生の起源に関する独立調査を国際的に要求しています。

    what's behind China's perceived "Wolf Warrior" style diplomacy is the changing strengths of China and the West. When the West falls short of its ability to uphold its interests, it can only resort to a hysterical hooligan style diplomacy in an attempt to maintain its waning dignity. As Western diplomats fall into disgrace, they are getting a taste of China's "Wolf Warrior" diplomacy.... Some claim that China is abandoning its principle of "hiding its ability and biding its time" which it stuck to over the past 30 years. The "Wolf Warrior" style of diplomacy doesn't contradict this principle, it's just less subtle. The reasoning behind this principle was to dilute ideological conflicts and concentrate on development, and China's national policy has always prioritized economic development. China embraces globalization and multilateral cooperation. The growing influence of China worldwide can be largely attributed to internationalization and the force of markets.
    中国の 「ウルフ・ウォリアー (狼戦士) 」 スタイルの外交の背後にあるものは、中国と西洋の強さの変化である。欧米は自国の利益を守る能力が低下すると、ヒステリックなフーリガン的外交に頼るしかなく、衰退しつつある自国の尊厳を保とうとする。西側の外交官が不名誉に陥ったとき、彼らは中国の 「ウルフ・ウォリアー (狼戦士) 」 外交を味わうことになる…中国が過去 30 年間貫いてきた 「実力を隠し、時を待つ」 という原則を捨てつつあるとの指摘もある。 「ウルフ・ウォリアー (狼戦士) 」 スタイルの外交は、この原則に反しないが、微妙に違うだけだ。この原則の背景には、イデオロギーの対立を薄め、発展に集中するという理由があり、中国の国策は常に経済発展を優先してきた。中国はグローバリゼーションと多国間協力を受け入れている。中国の影響力が世界的に高まっているのは、国際化と市場の力によるところが大きい。

    南シナ海の領有権をめぐる紛争
    南シナ海の領有権をめぐる紛争

    On April 3, 2020, a Chinese coast-guard ship intentionally rammed and sank a Vietnamese fishing vessel. The two countries are in conflict over jurisdiction of the Paracel Islands and fishing rights in the waters around the archipelago. On April 18, China unilaterally announced the establishment of the Nansha and Xisha administrative districts in the Paracels and the Spratly Islands, drawing a protest from the Philippines, which has a presence of its own on at least nine Spratly islands and islets, including Fiery Cross Reef. The Asia Maritime Transparency Initiative, which monitors territorial conflicts, says Fiery Cross has been transformed into a Chinese missile base. In an earlier move, in mid-February 2020, a Chinese naval ship locked its radar on a Philippines naval vessel near the Commodore Reef in the Spratlys, signaling a strike as an act of intimidation. China in recent months has also provoked conflicts with Malaysia, Brunei, and Taiwan. The National Review reports:
    2020 年 4 月 3 日、中国の沿岸警備船がベトナムの漁船に故意に突っ込み、沈没させる事件が発生した。両国はパラセル諸島の管轄権と同諸島周辺海域の漁業権をめぐって対立している。中国は 4 月 18 日、パラセル諸島とスプラトリー諸島に南沙・西沙行政区の設置を一方的に発表し、ファイアリー・クロス礁など少なくともスプラトリー諸島 9 島に自国を有するフィリピンから抗議を受けることになった。領土紛争を監視する Asia Maritime Transparency Initiative は、フィアリー・クロス礁が中国のミサイル基地に変貌していると指摘する。それ以前の動きとして、2020 年 2 月中旬、中国海軍の艦艇がスプラトリー諸島のコモドール礁付近でフィリピン海軍の艦艇にレーダーをロックし、威嚇行為としての攻撃を示唆した。ここ数ヶ月の中国は、マレーシア、ブルネイ、台湾との衝突も引き起こしている。ナショナル・レビュー紙が報じている。

    China appears to be exploiting the coronavirus pandemic to advance its South China Sea expansion project by “brute force … using its increasingly powerful navy to assert its dominance by harassing the shipping of rival states, even at times, in their own territorial waters.”
    中国はコロナウイルスの流行を利用して、南シナ海の拡張計画を進めているようだ。「力まかせに…ますます強力になる海軍を使って、時には自国の領海でも、ライバル国の船に嫌がらせをして支配権を主張している」。

    But just as China’s failure to stop a local epidemic from becoming a global catastrophe has brought it precisely the bad PR it was hoping to avoid, its South China Sea bullying has resulted in intensified anti-Chinese reactions in Southeast Asia and around the world. Beijing’s efforts to staunch the country’s hemorrhaging international reputation have had the opposite effect....
    しかし、中国が局地的な疫病が世界的な大惨事になるのを阻止できなかったことが、まさに避けたいと思っていた悪評をもたらしたように、南シナ海でのいじめは、東南アジアや世界中の反中国的な反応を強める結果となったのである。国際的な評価が低下するのを食い止めようとする北京の努力は逆効果であった。

    China’s illegal assertiveness in the South China Sea — its wolf-warrior diplomacy — is damaging the state’s and Chinese people’s reputations. But it is also perhaps the greatest threat to international peace and security in the world today. Understanding the sources of China’s behavior is thus a matter of paramount concern.
    南シナ海における中国の違法な主張、つまり戦狼外交は、国家と中国人の評判を落としている。しかし、それはまた、今日の世界における国際平和と安全に対する最大の脅威でもある。したがって、中国の行動の源泉を理解することは、最も重要な関心事である。

    ...Economic growth had faltered before the onset of the coronavirus, but now the country faces food shortages, unemployment, inflation, a debt crisis, and, given the inflexibility of centralized and often corrupt management, even the specter of financial collapse. The CCP has relied merely on two factors to legitimize its rule in China despite its notorious record of human-rights violations and corruption: economic performance and nationalism. As the economy suffers, nationalism intensifies.
    コロナウイルスが発生する以前から経済成長は停滞していたが、いまや食糧不足、失業、インフレ、債務危機、そして中央集権的でしばしば腐敗した経営の柔軟性のなさから、財政破綻の危機さえも抱えている。中国共産党は、人権侵害と腐敗の悪名高い記録にもかかわらず、中国での支配を正当化するために、経済パフォーマンスとナショナリズムという二つの要因に依存してきたに過ぎない。経済が悪化すると、ナショナリズムが強まる。

    The kind of nationalism that has emerged in China is, like that of Nazi Germany, intrinsically aggressive toward nonconforming individuals, groups, and other societies.
    中国で生まれたナショナリズムは、ナチス・ドイツのそれと同様に、不適合な個人、集団、他の社会に対して本質的に攻撃的である。

    Hitler.jpg 習近平思想の着想者であり、中国的特徴を持つ社会主義の提唱者である習近平総書記

    パペット岸田・林

    “Chinese Communist Party” Conservapedia

    投資家サーベイ結果発表 「岸田政権、支持しますか?」



    本日の書物 : 『教科書に書けないグローバリストの近現代史』 渡辺 惣樹、茂木 誠 ビジネス社



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 ウォール街の代理人だったチャーチル

    ウィンストン・チャーチル
    ウィンストン・チャーチル

     茂木先生がおっしゃるように、【重要なことは、FRB (連邦準備理事会) がアメリカ連邦政府の組織ではないということ】です。【株主はすべて銀行、つまり金融資本が握っている】【アメリカでは通貨発行権を持っているのが、ウォール街なのです】

     もう一つ触れておきたいのが【ウィンストン・チャーチルとユダヤの関係】です。チャーチルの父は保守党の政治家で、大蔵大臣も務めています。チャーチルは早い段階で、父親から【イギリス・ロスチャイルドの総帥ナサニエル・ロスチャイルド】を紹介されています。彼は出張の度に、そして結婚の時も御祝儀を渡されています。

    ナサニエル・メイヤー・ロスチャイルド
    ナサニエル・メイヤー・ロスチャイルド

     すでに述べたように【チャーチルは、第一次世界大戦の時、閣論をひっくり返して対独戦への参戦を決めます】。海軍大臣だったチャーチルは、1915 年にオスマン帝国の首都イスタンブール占領を目指し、ガリポリ作戦を立てます。ダーダネス海峡を制圧しようと、嫌がる陸軍を強引に説得しガリポリ上陸作戦を決行しました。これが大失敗してチャーチルは失脚します。

     ところが彼の盟友だった【ロイド・ジョージ】が 1916 年に首相になると、チャーチルを軍需大臣に引き上げます。軍需大臣になった【チャーチルは、アメリカに武器を発注するに際して、JPモルガンを一括窓口にします】

    デビッド・ロイド・ジョージ
    デビッド・ロイド・ジョージ

     【この時JPモルガンは、受注額の 1 %を利益として受け取ることを保証されています】これがある意味【覇権がシティからウォール街に移る、大きなファクターになる】のです。

    バーナード・バルーク(1920年)
    バーナード・バルーク

    こちらもご参照💗

    「米ソ冷戦」が日本の歴史学界で無視されている理由 ~ 日本の自称・知識人らのルーツとは?

    「普遍的」価値観に立脚して世界を経済的・政治的に支配しようとしているのは誰?

     チャーチルは、1929 年から始まる大恐慌で資産運用に大失敗したことがあります。彼の損失を補填したのは【JPモルガン系のバーナード・バルーク (ユダヤ系金融資本家) 】です。やはり【チャーチルとユダヤ系の関係は、政治と金融資本を考えるうえで、避けては通れない】と思います。ある意味【チャーチルは、ウォール街の代理人】と言って間違いありません。』

    日の丸

    ユダヤ教徒ドイツ人と繊維・衣料産業


    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる新聞・テレビ等のマスコミの “トンデモ解説” でも明白になったように、世の中に出回っている 「おバカ」 & 「お花畑」 な言説に惑わされることなく現在世界で起こっている出来事を多面的な視点で見据えるめに必要な近現代史に関する基本的な知識が分かりやすい対談形式で解説がなされている良書で、本書で得られた知識をもとに特に 「国際金融資本」 の動きに着目すると新聞・テレビ等のマスコミの 「アタマの悪さ」 がさらに一層明白になること間違いなしの当ブログお薦めの書物になります。

    読書7-08

    それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。

    (死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)

    ※(  )内は前回の数値

    zdreksslky.jpg
    Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

    アメリカ : 968,245(967,158)÷79,542,496(79,508,508)=0.0121・・・(0.0121) 「1.21%(1.21%)」
    zdreksslky1.jpg

    イタリア : 156,868(156,782)÷13,373,207(13,323,179)=0.0117・・・(0.0117) 「1.17%(1.17%)」
    zdreksslky2.jpg

    日本 : 26,274(26,068)÷5,805,074(5,721,856)=0.0045・・・(0.0045) 「0.45%(0.45%)」
    zdreksslky3.jpg



















    さて、これまで、ドイツで生まれた「キリスト教神智学(Christian theosophy)」「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」出発点として、その後人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想を経て、ソ連崩壊とともに死滅したかに思われたものの現在に至るまで一貫して受け継がれていく “信仰” が存在していて、その根底にあるユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の意識により、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することによって、「贖罪」の対象物として “罪” を創り出し自らの罪に対する償(つぐな)い・贖(あがな)いを果たそうと躍起になっているそんな 「極左おパヨク」 に繋がる一連の系譜について確認して参りました。



    ここで御理解頂きたいのは、そんなおバカな 「極左おパヨク」 は、飽くまでも、ある連中が果たそうとしている、ある目的の達成のための道具でしかないということです。

    その目的とは、さまざまな “アイデンティティ” を意図的に粗製濫造することで、社会分断を行い到底達成不可能な目標である “平等 (equality)” を強要(←全人類の均一化・同質化などは不可能であることは自明です!)し、多くの人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し(←これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて権威主義的な統制社会の再構築を目指す、というものです。

    では、なぜそれを目指そうとするのでしょうか?

    それは、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」のもとである連中にとって非常にコントロールしやすい社会が構築できるからです。

    ポイント 女性

    その「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」については、これまたドイツ出身の社会学者・歴史学者であり、マルクス主義者で、エリート理論の信奉者で、ファシズム(全体主義者)でもあったロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy)について確認をしてきましたが、そこにもやはり「キリスト教神智学(Christian theosophy)」「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」の影響を見ることができました。

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」同根の言葉である「オリガルヒ(oligarch)」につきましても、ロシアやウクライナの事例を参照して、それがいまから数十年前にマルクス主義が生み出した “社会主義・共産主義の幻想” が瓦解・崩壊する過程で作り出されたものであることを確認し、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 (=ユダヤ教徒)」 が存在していることも判明いたしました。さらにはウクライナとユダヤ人 (=ユダヤ教徒) と特異な関係をウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認することができました。



    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、次の論文を見ているところとなります。

    egdhsied.jpg
    『ナチ・ドイツにおける経済の脱ユダヤ化 ― 1938年十一月ポグロムの社会経済的背景 ―』 山本達夫

    それでは早速、続きを見て参りましょう。

    『 第6章 営業経済組織秩序への挑戦 ― Adefa と ADEBE ―

    1. ユダヤ人と近代ドイツ繊維・衣料産業
     ドイツの繊維・衣料産業においてユダヤ人 (ユダヤ営業経営) が確固たる地位を占めたのにはそれなりの歴史がある19 世紀初頭の 「ユダヤ人 (教徒) 解放 Judenemanzipation 」 (プロイセン,1812 年) ののち,ドイツ・ユダヤ人はゲットーに象徴される周囲から隔離されたマイノリティー集団であることをやめたそして同世紀末までにユダヤ教徒ドイツ人 Deutsche jüdischen Glaubens としてドイツ社会へ入っていった。この過程においては,たしかに個々のユダヤ教徒のドイツ市民社会への同化・吸収を目指した国家の側からの社会統合政策の影響力があった。とはいえドイツに積極的に参入しようとするユダヤ教徒の側の努力も大きかったと考えるべきである。これは長田が指摘する 「他文化との主観的な,つまり情緒的ないし知的な自己同一化の達成」,他文化の価値体系の受容である。 *455 )
     少数のシオニストを別にすれば圧倒的多数のユダヤ教徒は多数派であるドイツ人との共存の道を選択した。じっさいバルフォア宣言 ( 1917 年 11 月) 以降,「ユダヤ人国家」 実現の可能性が高まったにもかかわらずパレスティナへの大量移住は生じず,むしろ愛国的組織が成立した。 *456 ) そして法的に平等な市民として彼らは多数派との恒常的な共存関係を作り出しこの関係を維持しようとしたのだった。多数派に取り囲まれた社会に生き,これに積極的に働きかけていこうとする少数派集団にとって,この選択は現実的であると同時に不可避的なものでもあった。
     ゲットーから解放されたユダヤ教徒たちが足を踏み入れたのは前近代的な世界であった。そこには社会のすみずみに残る封建遺制とともに,ユダヤ人に対する伝統的な根づよい偏見と差別も残っていた。だがドイツ社会への突破口を開き,新たな生活基盤を確立しようとするユダヤ教徒たちにとって,有利にはたらく状況も存在した。それはユダヤ教徒がドイツ社会の束縛から自由であったことである。資本主義が古典的な形態から現代的な形態へと転化しつつあったこの時期,ドイツの経済活動においては 「生業 Gewerbe」 の理念にもとづく伝統的な経済秩序がなお支配的だった。ところが久しくキリスト教社会の外側にいたユダヤ教徒は,こうした規則に縛られなかったのである。ユダヤ教徒たちはたしかに顧客の獲得から出発しなければならなかった。しかし彼らがその過程でよりどころとした競争原理と経済合理主義は,近代への脱皮をとげつつあったドイツの資本主義的経済秩序にまったく適合的であったのである。 *457 )
     資本主義の発展にともなって営業と移動の自由の原則が確立されるとユダヤ系ドイツ市民たちは開かれた職業活動の可能性を最大限に利用した。彼らは総じて環境への適応能力があり,新技術の取り入れにも積極的であった。ユダヤ系ドイツ市民の関与する割合は将来的展望のある経済部門と職業分野において上昇していく彼らがとくに関心を示したのは組織と生産様式が比較的近代化された形態の産業部門すなわち初期工業化時代の繊維・衣料産業であった。 *458 ) そしてこの分野におけるユダヤ系手工業者や卸売業者工場経営者がやがてドイツ衣料産業において中心的な役割を演じるまでになるのである
     以下の 〔表 12 〕 は 1925 年時点でのプロイセンにおける衣料産業の数字である。

    表12

     また下の 〔表 13 〕 はドイツの主要都市における衣料卸売業とユダヤ企業を,〔表 14 〕 は 1930 年のベルリンの既製服製造におけるユダヤ人と非ユダヤ人の割合を示したものである。

    表13

    表12

    既製服の大量生産および大量販売に先鞭を付けたこともあって,1930 年の時点では,繊維・衣料部門の製造業の 23 %,卸売業の 40 %,小売業では 62 %がユダヤ人の経営であったといわれる。 *462 )


    *455 ) 長田浩彰 『われらユダヤ系ドイツ人 ― マイノリティからみたドイツ現代史 1893 - 1951 ―』 (広島大学出版会,2011 年),5-6 頁。

    *456 ) 長田,前掲書,5 頁。

    *457 ) Genschel, op. cit., pp. 17-19.

    *458 ) Berding, Moderner Antisemitismus in Deutschland, op. cit., pp. 36-37.

    *459 ) Westphal, Uwe, Berliner Konfektion und Mode 1836-1939. Die Zerstörung einer Tradition (Berlin, 1992, 2. Afl.), p. 91 から作成。

    *460 ) Ibid., p. 94.

    *461 ) Ibid.

    *462 ) Genschel, op. cit., pp.17-19.同様の傾向は製靴産業においても見られた。新鋭機械の導入や製品の規格化などの技術革新により,短期間に世界的企業へ成長したザラマンダー社 Salamander などはその代表といえる。Bräutigam, op. cit., pp.52-64. 』


    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。











    続きは次回に♥




    ランキング参加中で~す^^ ポチっとお願いします♥
    ↓↓↓↓↓↓↓

    にほんブログ村 本ブログへ
    にほんブログ村


    人気ブログランキング



    PVアクセスランキング にほんブログ村

    関連記事

    コメント






    管理者にだけ表示を許可する