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     >  世界史 >  無神論と共産主義とナチ・ドイツが創造した “ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)”

    無神論と共産主義とナチ・ドイツが創造した “ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)”

    A storm is coming 163

    本日のキーワード : 無神論、共産主義、ユダヤ人



    Atheism and communism
    無神論と共産主義

    Karl Marx said "Religion is the opium of the people". Marx also stated: "Communism begins from the outset (Owen) with atheism; but atheism is at first far from being communism; indeed, that atheism is still mostly an abstraction."
    カール・マルクスは 「宗教は人民のアヘンである」 と言った。また、マルクスはこうも言っている。「共産主義は最初から (オウエン)無神論で始まる。しかし、無神論は最初、共産主義とはほど遠く、実際、その無神論はまだほとんど抽象的である」。

    習近平 マルクス

    ロバート・オウエン
    ロバート・オウエン

    Vladimir Lenin similarly wrote regarding atheism and Communism: "A Marxist must be a materialist, i. e., an enemy of religion, but a dialectical materialist, i. e., one who treats the struggle against religion not in an abstract way, not on the basis of remote, purely theoretical, never varying preaching, but in a concrete way, on the basis of the class struggle which is going on in practice and is educating the masses more and better than anything else could."
    ウラジーミル・レーニンも同様に、無神論と共産主義に関して次のように書いている。「マルクス主義者は、唯物論者、すなわち宗教の敵でなければならないが、弁証法的唯物論者、すなわち、宗教との闘いを抽象的な方法ではなく、現実から離れた、純粋に理論的な、決して変化しない説法に基づいてではなく、実際のところ進行していて、他の何にもまして大衆をよく教育する階級闘争に基づいて扱うものでなければならない」。

    Friedrich Engels wrote of atheistic evolutionism and Communism: "Just as Darwin discovered the law of development of organic nature, so Marx discovered law of development of human history."
    フリードリヒ・エンゲルスは無神論的進化論と共産主義について、「ダーウィンが有機的自然の発展法則を発見したように、マルクスは人類史の発展法則を発見した」 と書いている。

    In 1955, Chinese Communist leader Zhou Enlai declared, "We Communists are atheists". In 2014, the Communist Party of China reaffirmed that members of their party must be atheists.
    1955 年、中国共産党の指導者である周恩来は「我々共産主義者は無神論者である」 と宣言した。2014 年、中国共産党は、党員は無神論者でなければならないと再確認している。

    In 2016, the International Business Times reported: A senior Chinese advisor on religious affairs has said the country should promote atheism throughout society, in remarks that appear to reflect a deepening campaign to reinforce traditional Marxist values in China — and could add to concern about official attitudes among believers in the country’s five officially recognized religions.
    2016年、International Business Timesが報じた。「中国の宗教問題担当の上級顧問が、国は社会全体で無神論を推進すべきであると述べた。中国における伝統的なマルクス主義の価値観を強化するためのキャンペーンの深化を反映していると思われる。また、同国の公認 5 宗教の信者の間で、公式な態度に対する懸念が強まる可能性があります」。

    In 2014, the New American website indicated: "The Communist Party of China (CPC) is letting its members know that the party’s official adherence to militant atheism has not changed; Party members are not allowed to be Christians, or to hold any other religious beliefs. That is the clear message sent by a top Party official in an editorial published on November 14 in the Global Times, the international version of People’s Daily, the official newspaper and mouthpiece of the CPC."
    2014 年、New Americanのウェブサイトが示した。「中国共産党 (CPC) は、過激な無神論への党の公式な固執は変わっていないことを党員に知らせている。党員はキリスト教徒であることも、他のいかなる宗教的信念を持つことも許されない。これは、中共の機関紙・人民日報の国際版である環球時報が11月14日に発表した社説で、党幹部が発した明確なメッセージである。」

    There is growing persecution of Christians by the Chinese government.
    中国政府によるキリスト教徒への迫害が拡大している。

    “Atheism and communism” Conservapedia



    本日の書物 : 『米国共産党調書 外務省アメリカ局第一課作成』 江崎 道朗 扶桑社



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 1927 年ルーゼンバーグの死後書記長に選ばれたラブストーン (Jay Lovestone) はルーゼンバーグの妥協的政策を踏襲し当時極端な革命論を唱えていたトロツキー派を党内から追放した。さらに同年 6 月、彼は 「米国の資本主義は興隆の過程にあり」 と言明したが、当時のモスクワはこれを信じていた。

    ジェイ・ラブストーン
    ジェイ・ラブストーン

     しかし1928年【労働組合赤色インターナショナル (Red International of Labor's Unions) (編者註・ソ連主導の国際労働組合ネットワーク) 会長のロソブスキー (Losovsky) が米国に派遣】され、実情検討の結果、【米国共産党がアメリカ労働総同盟の内部穿孔工作に失敗し、却って組合から追い出された事実を発見】し、【これを攻撃した】【フォスターは、ロソブスキーが米国共産党に対し革命的労働運動の組織を要求しているものと解釈】したのに反し【ラブストーンはフォスターの見解が誤っている旨を主張】した。

    ソロモン・ロゾフスキー
    ソロモン・ロゾフスキー (ユダヤ系)

    ウィリアム・Z・フォスター
    ウィリアム・Z・フォスター

     1929 年【ラブストーンは 92 票対 8 票にてフォスターを破り、書記長に当選】したが【ロソブスキーの報告によって米国共産党の実情を知ったモスクワは、ラブストーンを異端者であるとして、フォスターを当選させるよう電訓した】

     こうして【フォスターは書記長に選ばれ、翌 1930 年にはモスクワの命により新たに設立された全国会長に推され、また当時その片腕であったブラウダーが書記長となった】

    アール・ブラウダー
    アール・ブラウダー

     その結果【ラブストーン支持者の大部分はモスクワの激怒を恐れて彼を見捨て、コミンテルンの寵愛深きビッテルマン・ブラウダー・ダン・フォスター派に忠誠を誓った】が、【これらの党員中の主要な者】はJack Stachel、William Weinstone、Robert Minor、Max Bedacht等でありいずれも【コミンテルンに地位を保証され、現在ビッテルマン、ブラウダー、ダン、フォスター等に伍して党の支配的地位を占めている】。…

     前記ラブストーン分裂を転機として、共産党はひたすら統一と拡大を目的として前進したが、以来指導者には重要な変化はなく、唯数名の有力者を増加したに過ぎなかった。』

    日の丸

    ナチ・ドイツが創造した 「ユダヤ人」


    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、かつての我が国が保持していたインテリジェンス能力の高さが示されている良書で、大東亜戦争突入前にすでにアメリカ合衆国内において世界中の共産党の親玉・ソ連を護るべくアメリカ共産党が様々な浸透工作を行っていてその結果本来であれば全人類の敵である 「共産主義」・「社会主義」・「全体主義」・「独裁主義」の国家であるソ連 から目を逸らさせソ連にとって脅威以外の何ものでもなかった大日本帝国やドイツに攻撃の目を向けさせることに成功し悲惨な大戦が引き起こされたつまり 「共産主義者」 が引き起こした戦争であったという歴史的事実を認識することができるお薦めの書物になります。その卑劣な 「共産主義者」 たちの系譜が今なお続いていることは現在のアメリカの惨状をみれば明々白々で、今こそ人類にとっての敵である 「共産主義」・「社会主義」・「全体主義」・「独裁主義」 といった危険な思想 (その亜流も含めて) を地球上から葬り去らなければならないその必要性を認識しなければならない、と当ブログでは考えております。

    読書 10-163

    それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。

    (死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)

    ※(  )内は前回の数値

    zstvchdzm.jpg
    Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

    アメリカ : 852,788(851,226)÷66,969,390(66,198,486)=0.0127・・・(0.0128) 「1.27%(1.28%)」
    zstvchdzm1.jpg

    イタリア : 141,825(141,391)÷9,018,425(8,790,302)=0.0157・・・(0.0160) 「1.57%(1.60%)」
    zstvchdzm2.jpg

    日本 : 18,443(18,433)÷1,934,391(1,902,304)=0.0095・・・(0.0096) 「0.95%(0.96%)」
    zstvchdzm3.jpg















    さて、これまで、ドイツで生まれた「キリスト教神智学(Christian theosophy)」「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」出発点として、その後人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想を経て、ソ連崩壊とともに死滅したかに思われたものの現在に至るまで一貫して受け継がれていく “信仰” が存在していて、その根底にあるユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の意識により、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することによって、「贖罪」の対象物として “罪” を創り出し自らの罪に対する償(つぐな)い・贖(あがな)いを果たそうと躍起になっているそんな 「極左おパヨク」 に繋がる一連の系譜について確認して参りました。



    ここで御理解頂きたいのは、そんなおバカな 「極左おパヨク」 は、飽くまでも、ある連中が果たそうとしている、ある目的の達成のための道具でしかないということです。

    その目的とは、さまざまな “アイデンティティ” を意図的に粗製濫造することで、社会分断を行い到底達成不可能な目標である “平等 (equality)” を強要(←全人類の均一化・同質化などは不可能であることは自明です!)し、多くの人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し(←これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて権威主義的な統制社会の再構築を目指す、というものです。

    では、なぜそれを目指そうとするのでしょうか?

    それは、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」のもとである連中にとって非常にコントロールしやすい社会が構築できるからです。

    ポイント 女性

    その「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」については、これまたドイツ出身の社会学者・歴史学者であり、マルクス主義者で、エリート理論の信奉者で、ファシズム(全体主義者)でもあったロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy)について確認をしてきましたが、そこにもやはり「キリスト教神智学(Christian theosophy)」「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」の影響を見ることができました。

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」同根の言葉である「オリガルヒ(oligarch)」につきましても、ロシアやウクライナの事例を参照して、それがいまから数十年前にマルクス主義が生み出した “社会主義・共産主義の幻想” が瓦解・崩壊する過程で作り出されたものであることを確認し、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 (=ユダヤ教徒)」 が存在していることも判明いたしました。さらにはウクライナとユダヤ人 (=ユダヤ教徒) と特異な関係をウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認することができました。



    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために、次の論文を見ているところとなります。

    egdhsied.jpg
    『ナチ・ドイツにおける経済の脱ユダヤ化 ― 1938年十一月ポグロムの社会経済的背景 ―』 山本達夫

    それでは早速、続きを見て参りましょう。

    『 序章 第三帝国の社会史と経済の脱ユダヤ化

    3. 研究史の検討
     ・・・最後に両者の論争に共通する問題を考えてみたい論争において暗黙の了解とされたことがあったそれは反ユダヤ主義がホロコーストの潜在的・決定的な原因であるとの前提であるつまりホロコーストに帰着せざるをえない反ユダヤ主義が議論の出発点におかれたのである。論争が 「歴史的な出来事の内容とその本質的な意義を探求することから,文書の日付や署名,片言隻語をめぐるうんざりするような言い争いに転じてしまった」 とクルカは指摘している。 *50 )
     問題点と重なるかたちで論争の限界もみえてくるつぎの 3 点が関係していた。すなわち,論争の参加者たちが① 時空を越えた反ユダヤ主義を想定したこと② ホロコーストを非現実的・非合理的なものと考えたこと③ 反ユダヤ主義を反ユダヤ政策の唯一かつ直接の原因と考えたこと ( 「反ユダヤ主義一元論」 *51 ) ) である。このため反ユダヤ政策は他の政策から切り離して考察されたのであった。フリードレンダーはこれを,「イデオロギー的あるいは政治的行政的諸決定が,あたかも社会的な真空状態のなかで下されたかのように議論されてしまった」 *52 ) と評している。
     以上の反省に立ってナチ・ドイツのユダヤ人政策研究に対する新たな視点を提示したいそれは「ユダヤ人問題」・「ユダヤ人政策」 が「ドイツ人問題」・「ドイツ人政策」 であったという視点である「ドイツ人問題」 とはナチ経済社会体制が生み出したさまざまな矛盾と軋轢の表出を意味する「ドイツ人政策」 とはナチ体制の矛盾と負担をいかなる集団が担うのかをめぐってさまざまな利益集団や組織がせめぎあった展開過程のことであるこの視点はユダヤ人政策についての政策決定史的な見方とくにその段階設定を否定する第三帝国のユダヤ人政策はたしかに過激化の過程をたどったように見えるけれどもこの過程を政策の段階として理解するのではなくそれぞれの局面における社会構造の変化がユダヤ人政策の上に投影されたものととらえるのである
     この関連で,シュロイネスの先駆的な試みに触れておきたい。彼は 1970 年に 『アウシュヴィッツへの紆余曲折の道』 を著し,第三帝国のユダヤ人政策の展開過程を単線的にとらえることを批判した。シュロイネスが提示したのは,ナチのユダヤ人政策が決して単線的に移行しなかったこと,ひとつの政策が行き詰まると,そのつど弁証法的に新たな段階へ移行していったという図式である。 *53 ) シュロイネスの試みは注目に値するものであった。ただ残念なのは,シュロイネスが当時の研究史の理解,つまり政策の段階設定を当然視していたことである。このためシュロイネスは,反ユダヤ主義が多くの場合,同時にさまざまな行動や政策となって現れた事実を矛盾なく説明できなかった。
     私はシュロイネスの研究を一歩進めて,ユダヤ人迫害の変遷を社会構造の変化がユダヤ人政策の上に投影されたものとみなすことを提唱したいつまり「民族共同体の敵」 に対する攻撃という社会現象がさまざまな局面における矛盾への社会的反応もしくは政策的対応として表出したものととらえるのである。商店の略奪が 「ユダヤ営業経営」 のボイコットや標識付けよりもいっそう過激であると考えるのではなく,社会的反応や政策的対応が,あるときはボイコット,あるときは商店の破壊活動という形態をとったと考えるのである。そうすれば迫害の表面的な過激さに惑わされることはなくなり具体的な反ユダヤ行動の背後に潜むものが分析の対象にされることなる。こうした理解のほうが,歴史解釈の手法として柔軟性に富み,かつ歴史的事実にもうまく対応できるのである。 *54 )
     政策が結果として過激化していったことについては私はその原因は 「ヒトラーの狂信的な反ユダヤ主義」 にも「官僚機構の全体」 にも,「諸機関の競合による累積的急進化」 にも求められないと考えるその原因は新たな社会経済的緊張・矛盾が現れるたびにユダヤ人やユダヤ営業経営を標的とする社会的攻撃の回路が存在したことに求めるべきである歴史的に解明しなければならないのはこうした回路を形成し機能させたドイツの社会構造であるユダヤ人に対する社会的攻撃の回路がなぜ存在したかという問題はドイツにとどまらずヨーロッパ史全体を視野に入れた長期的スパンでの考察が必要となる。ここではそれを行う余裕はないが,少なくともナチ・ドイツが 「ユダヤ人」 を創造反ユダヤ主義を国是としユダヤ人政策を国策として遂行しようとした事実をおさえておくことは重要である。第三帝国のユダヤ人政策の研究は,従来の研究が対象とした 「ユダヤ人問題」 または 「ユダヤ人政策」 自体の研究から離れれば離れるほど,その意味をいっそう広い文脈のなかで深く理解することができるのである。 *55 )
     以上の理由により,本研究は第三帝国における経済の脱ユダヤ化政策の実態解明と分析を目的とする。そのさい以下の理由から考察の中心を繊維・衣料産業におく。ひとつは,後述 (第 6 章 1 ) するように第三帝国において同部門にユダヤ人が関与する割合がとくに高かったことである。もうひとつの理由は,同産業部門から経済の脱ユダヤ化が始まったと推定できるからである。ナチ党南ヴェストファーレン大管区のGWB (大管区経済顧問) パオル・プライガー Pleiger, Paul は 1937 年 8 月 11 日付で 「ドイツ国民同胞によるユダヤ企業の引継ぎの遂行に関する指針」 〔史料編 7 ) 〕 *56 ) という回覧通達を出している。この回覧通達は 「部数限定」 「秘!職務上の使用に限る」 と外部への公開を禁じたものであった。プライガーは 「商店引継ぎのための審査が他の経済部門にも拡大されるべきこと,すなわち繊維・衣料品店に限定しないことが得策であることが判明した」 と記していた。このことから,プライガーらナチ党幹部が当時,経済の脱ユダヤ化の一形態であるアーリア化 (営業経営の引き継ぎ) が繊維・衣料産業から始まりつつあったことを認識していたことがわかる。「ユダヤ営業経営」 の定義問題の分析,「クリスタルナハト」 の原因究明も,この考察と並行して行う。
     考察に先だって,ユダヤ人政策の基本的な法的枠組みが形成された経緯をのべておきたい。この法的枠組みが,政策としての経済の脱ユダヤ化の前提となり,その方向性も規定したからである。ただし法的枠組みといっても,法令が 1933 年 3 月 24 日付け 「民族およびライヒの困難を除去するための法律」 *57 ) をより所としている以上,すべて非合法的・擬似的なもだったことは注意しなければならない。「全権委任法」 または 「授権法」 と称されるこの法律は,1933 年 2 月 27 日の国会議事堂放火事件後,ヴァイマル憲法第 48 条第 2 項にもとづいて発令された 「民族および国家の保護のための大統領緊急令」 を基礎としている。大統領緊急令は憲法上の例外状態とはいえ,たしかに主導権は形式上,大統領の手にあった。ところがヒトラーは大統領緊急令を濫用し,ヴァイマル憲法そのものを覆しうる包括的な授権法の制定,すなわち,大統領の権限にも権威にも依存せず,かつ例外的でもない完全な権力の掌握を目指したのである。 *58 ) そしてナチ党は大統領緊急令を口実として,あらかじめ国会から反対勢力を排除 (保護拘禁または 「自発的」 欠席) した上で議決を強行した。これによって 「民族およびライヒの困難を除去するための法律」 が制定,布告されたのである。
     全権委任法第 1 条は,「ドイツ国の法律は,憲法に規定されている手続き以外に,ドイツ政府によっても制定され得る」 と定めていた。これは,立法権を国会に代わって政府 (ヒトラー内閣) に与えたもので,「民族と国家の指導者アドルフ・ヒトラー」 の承認,ならびに彼への 「信仰告白」 を行うものであった。南が適切にのべるように,憲法の制約を受けない立法権の授与が,授権の根拠である憲法そのものを覆し,まったく新たな憲法体制の樹立に道を開く可能性を持つものであったことを考えれば,むしろ,それは新たなドイツの 「暫定憲法」 と呼ぶべきものであった。 *59 )
     全権委任法の制定後,「ライヒ政府は次の法律を議決し,ここにそれを公布する」 という前置きが付いただけの法律が次つぎと布告されることになった。1933 年 4 月の 「職業官吏制度再建法」 もそのひとつである。同法は,「アーリア条項」 を初めて条文に盛り込んだ法律としてきわめて重要である。もう一つ重要なのは,1935 年 9 月の 「国家公民法」 (ニュルンベルク法) である。「国家公民法」 は,一般には 「ユダヤ人」 の定義をした法律として知られている。しかし,この法律の重要性は,のちに 「ユダヤ営業経営」 の定義を 「国家公民法」 についての「政令」で制定する法的根拠 (第 3 項) を与えたことにもあった。
     以下の 2 章で 「職業官吏制度再建法」 と 「国家公民法」 の制定過程を検討し,これをふまえて経済の脱ユダヤ化の分析に進むことにする。


    *50 ) Kulka, Die deutsche Geschichtsschreibung, op. cit., p. 630

    *51 ) 栗原優 「ヒトラーとユダヤ人絶滅政策」 『文化学年報(神戸大学)』 第 8 号 ( 1989 年 3 月) 236頁。

    *52 ) Friedländer, Saul, Von Antisemitismus zur Judenverfolgung: Eine historische Studie zur nationalsozialistischen Judenpolitik und Versuch einer Interpretation. in: Jäckel, Rohwer (ed.), op. cit.の後でなされたコメント。

    *53 ) Schleuness, Karl A., The Twisted Road to Auschwitz. Nazi Policy toward German Jews 1933-1939 (Urbana, 1970).

    *54 ) 拙稿 「四カ年計画下の第三帝国のユダヤ人政策 ― 『偽装アーリア化』 と 『 六月行動』 ― 」 『千葉史学』 19 ( 1991 年 12 月) 82 頁。

    *55 ) 換言すれば,ヒトラーも含めた第三帝国の種々の政策担当者・機関のユダヤ人政策を逐一調べ上げても 「第三帝国のユダヤ人政策」 の理解にはつながらないということである。

    *56 ) Richtlinien für die Durchführung der Übernahme jüdischer Unternehmen durch deutsche Volksgenossen vom 11. August 1937. in: Staatsarchiv Münster, Gauleitung Westfalen-Süd, Gauwirtschaftsberater (GWB) 648.

    *57 ) Gesetz zur Behebung der Not von Volk und Reich (Ermächtigungsgesetz) vom 24. März 1933. RGBl., I, p. 41.

    *58 ) 南利明 『ナチス・ドイツの社会と国家 ― 民族共同体の形成と展開 ― 』 (勁草書房,1998 年),15-16頁。

    *59 ) 南,前掲書,24,31 頁。 』


    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。













    続きは次回に♥




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