2021-11-25 (Thu)

本日のキーワード : 開かれた社会、閉ざされた社会、権威主義
開かれた社会(ひらかれたしゃかい)、オープン・ソサエティ (open society) とは、1932 年にフランス哲学者アンリ・ベルクソンから提唱されたコンセプトであり、その後第二次世界大戦中にイギリス哲学者カール・ポパーによって発達した。
ポパーは、開かれた社会を、自然的で部族的な閉ざされた社会 (クローズド・ソサエティ) からの歴史的連続体として捉える立場であり、対面コミュニケーションを欠いた抽象的で個性喪失した社会から、伝統に対しての批評的態度によって、開かれた社会に至ると主張した。
開かれた社会においては、政府は敏感で寛容深く、政治機構は透明で柔軟であるとされる。それは権威主義の反対であると支持者らは主張している。
本日の書物 : 『自由と成長の経済学 「人新世」 と 「脱成長コミュニズム」 の罠』 柿埜 真吾 PHP研究所
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 【人類】は、有史以前から長きにわたって、フランスの哲学者アンリ・ベルクソンやオーストリアの哲学者カール・ポパーが【「閉じた社会」】と呼んだような、【小さな部族社会】で暮らしてきた。【閉じた社会は、小さな共同体同士が資源をめぐって抗争を繰り返す暴力的な部族社会】であった。
こうした社会で【美徳とされたのは】、他のメンバーと協力して狩りをしたり他の部族を攻撃したりしながら、【集団の規則に忠実に服従する行動】であった。略奪した獲物は各人に各人にふさわしい分け前に従って【公平に分配】しなければならず、自分の取り分を多く主張するような勝手な行動は許されなかった。無私の精神で部族の【共通の目標に向かって努力する滅私奉公が最高の美徳】である。
【経済学】では、【全体のパイの大きさが決まっており、誰かの得が誰かの損であるかのような状況】を【ゼロサムゲーム】というが、【前近代の閉じた社会の道徳は、徹底的なゼロサムゲームの発想に基づいていた】と考えてよい。彼らにとって【競争や利益の追求】は、【他人の取り分を減らす道徳的に許されない悪しき行為】だった。

【閉じた社会】では、当然ながら自分の利益の追求だけでなく、【全体の計画を混乱させかねない個人の創意工夫も歓迎されない】。閉じた社会の思想家によれば、【全体の最悪の敵は、私的利益の追求】なのである。部族社会からより進歩した封建社会が形成されてからも、部族社会の倫理は強い影響力を保ち続け、【資本主義の大前提を否定する反個人主義的な倫理は前近代には強い支持を受けていた】。

長い間【ゼロ成長の社会】に生きている【人々】にとって、【誰かの得は誰かの損であると考える】ほど自然なことはない。実際、【前近代の王侯貴族の富】は臣下の【農民から収奪した税金に他ならなかった】ので、【当時の人々がそう考えたのも理解できる】ことである。哲学者や宗教家は、この世の富は空しいもので、人は自分の分け前に満足すべきだと説いていた。

アリストテレスの講義を受けるアレクサンドロス
古代ギリシャの哲学者【アリストテレス】は 『ニコマコス倫理学』 第 5 巻で、【取引は等価交換】であるはずだから、【商人が取引から利益を得たとすれば、それは、その分、取引相手に損害を与えたからだと考えた】。【現代のマルクス主義者】や反グローバル化論者は洗練されてはいるが、実は【古代や中世の哲学者と同じことを繰り返している】のである。

16 世紀のフランスの哲学者【モンテーニュ】は極めて率直に、【「一方の得が、他方の損になる」 ので、あらゆる利益は非難されるべきだと書いている】。貪欲に【豊かになろうとするのは他人の分け前を奪う悪しき行為と考えられていた】のである。【私有財産や利益追求】はやむを得ない【必要悪として】ほとんどの社会では【条件付きで容認されてはいたが、【常に全体の利益を損なう悪であるとされてきた】。金持ちは他人の分け前を不当に奪う悪者とされていた。新約聖書の言葉を借りれば、「金持ちが天国に入るのはラクダが針の穴を通るより難しい」 のである。』

二つの “アメリカニズム”
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、人類が近代以降に大変な苦労をして手に入れた 「自由主義」 ・ 「民主主義」 ・ 「資本主義」 を基盤とした 「経済成長」 こそが、世界中の人々の暮らしぶりをより良くするための大前提であることが理解できる良書で、その 「経済成長」 を軽んじたり否定しながら、“格差是正” や “分配” などといった “甘言” を口にする輩が、実は 「反資本主義者」 であり、「反民主主義者」 であり、「反自由主義者」 であり、その考え方の大本が前近代の人類社会にあり、それは 「全体主義」 に通じる類の考え方であるということもハッキリと認識できるようになるお薦めの良書となります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 745,643(743,757)÷45,944,401(45,843,427)=0.0162・・・(0.0162) 「1.62%(1.62%)」

イタリア : 132,074(132,037)÷4,767,440(4,762,563)=0.0277・・・(0.0277) 「2.77%(2.77%)」

日本 : 18,268(18,247)÷1,723,327(1,719,037)=0.0106・・・(0.0106) 「1.06%(1.06%)」


☆【日本語訳】 U.S. DEPARTMENT of STATE / Fact Sheet : Activity at the Wuhan Institute of Virology (米国務省 / ファクトシート : 武漢ウイルス研究所での活動)
さて、これまで、ドイツで生まれた「キリスト教神智学(Christian theosophy)」・「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想を経て、ソ連崩壊とともに死滅したかに思われたものの、現在に至るまで一貫して受け継がれていく “信仰” が存在していて、その根底にある、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の意識により、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することによって、「贖罪」の対象物として “罪” を創り出し、自らの罪に対する償(つぐな)い・贖(あがな)いを果たそうと躍起になっている、そんな 「極左おパヨク」 に繋がる一連の系譜について確認して参りました。
ここで御理解頂きたいのは、そんなおバカな 「極左おパヨク」 は、飽くまでも、ある連中が果たそうとしている、ある目的の達成のための道具でしかないということです。
その目的とは、さまざまな “アイデンティティ” を意図的に粗製濫造することで、社会分断を行い、到底達成不可能な目標である “平等 (equality)” を強要(←全人類の均一化・同質化などは不可能であることは自明です!)し、多くの人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し(←これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて権威主義的な統制社会の再構築を目指す、というものです。
では、なぜ、それを目指そうとするのでしょうか?
それは、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」のもとで、ある連中にとって非常にコントロールしやすい社会が構築できるからです。

その「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」については、これまたドイツ出身の社会学者・歴史学者であり、マルクス主義者で、エリート理論の信奉者で、ファシズム(全体主義者)でもあったロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy)について確認をしてきましたが、そこにもやはり「キリスト教神智学(Christian theosophy)」・「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」の影響を見ることができました。

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」と同根の言葉である「オリガルヒ(oligarch)」につきましても、ロシアやウクライナの事例を参照して、それがいまから数十年前に、マルクス主義が生み出した “社会主義・共産主義の幻想” が瓦解・崩壊する過程で作り出されたものでることを確認し、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 (=ユダヤ教徒)」 が存在していることも判明いたしました。さらには、ウクライナとユダヤ人 (=ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認することができました。
そこで、現在、そのユダヤ人 (=ユダヤ教徒) なるものに焦点をあてているところになります。参考にさせて頂いているのは次の論文になります。

☆『アメリカにおける日系人差別とユダヤ人 -1906年から1988年を中心に-』駒込 希
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 第 4 章 アメリカのユダヤ人と 1952 年移民国籍法
第 3 節 1952 年移民国籍法と アメリカユダヤ人委員会
・・・1953 年 5 月 2 日から 3 日に行われた実行委員会の議事録にも 1952 年移民国籍法に関する記録が残されている。 1952 年 12 月 24 日に 1952 年移民国籍法は施行され、1953 年 1 月には ドワイト・D・アイゼンハワー (Dwight D Eisenhower) が大統領に就任した。議事録には、アメリカユダヤ人委員会実行委員会の議長であるアーヴィング・M・エンゲル (Irving M Engel) によって、アメリカ議会における 1952 年移民国籍法への反応が描かれている。議事録では、1952 年の大統領選挙のキャンペーンにおいて、民主党から出馬したアドレー・E・スティーブンソン (Adlai E Stevenson) と共和党から出馬したアイゼンハワーがともに、 1952 年移民国籍法を非難したが、未だ、同法の支持者が議会において力をもっていること、同法の改正に関心のあった人びとが難民や国外追放者の有事立法に関心を抱きだしたことなどが報告されている (AJC Minutes Executive Committee 2 3 May 1953 13)。この有事立法とは、1953 年に制定された難民救済法 (Refugee Relief Act of l953) を指していると思われる。 1953 年難民救済法は、南・東欧からの第二次世界大戦および戦後の社会主義体制の中で生じた避難民を受け入れることを想定していたものである (南川 2015, 150)。また、アメリカユダヤ人委員会が 1952 年移民国籍法 に反対するカトリックや プロテスタントなどの団体と会合を開いたこと、そして、アイゼンハワー大統領が同法を非難していたにもかかわらず、それを改定もしくは調査するよう指示しないため、ジェイコブ・ブラウシュタイン (Jacob Blaustein) がアイゼンハワー大統領と同法に関する話し合いを行い、議会において同法を修正する機会はないが有事立法が上手くいきそうである旨を伝えられたことなど、ユダヤ人側の積極的な動きが描かれている (AJC Minutes Executive Committee 2 3 May 1953 13 14)。アイゼンハワー大統領と話し合いを行ったとされるジェイコブ・ブラウシュタインとは、当時、アメリカユダヤ人委員会の会長を務めていた人物である。大統領と会合の機会をもつことができることからも、アメリカユダヤ人委員会がアメリカの政治に大きな影響力を もっていたことは確かであろう。
さらに、この議事録の最後では、移民問題に関する決議事項が以下のようにまとめられている。
われわれは、以下の理由においてこの法律へのわれわれの反対を再確認する。
(1) この法律は、移民というよりむしろ排斥の法律であり、民主主義という伝統的なアメリカの概念に矛盾する特定の国の出身者を優先するものである。
(2) この法律は、アメリカ生まれと外国生まれの市民との間に不公平な差別を引き起こす。
(3) この法律は認められた法手続きの保護なしに国外追放に対して不必要に残忍なルールを 制定する 。
この法律の固有の欠点のために、そして、難民や過剰な人口の問題を抱える親しいヨーロッパの国を救うために、政府は、2 年の間、年間 120,000 人の非割当移民を認める有事立法を促すことを検討している。われわれは、これを移民政策の自由化における第一歩であるとみなす。われわれは、すべての信仰そして多くの無宗派の自発的な団体と協力して、われわれの移民法をアメリカの民主主義的そして人道的伝統や現在の外交政策の目的に一致させることを要求するために、そのような変化を強調し続ける (AJC Minutes Executive Committee 2 3 May 1953 30)。
このように、すでに 1952 年移民国籍法が施行されたにもかかわらず、アメリカユダヤ人委員会は、その改正を求めて、そして改正以外の手段でその差別的条項を無効にすべく積極的な活動を行っていた。 そして、ここでは 「民主主義という伝統的なアメリカの概念に矛盾」 という表現が使われている。反共主義が高まったこの時代、リベラル派は、アメリカニズムの概念を利用し、「非アメリカ的」 や 「アメリカの伝統に矛盾」 といった言葉を用いて反共主義に対抗しようとした。菅によれば、「1952 年法審議過程では、保守派とリベラル派の間にはアメ リカニズムを巡る解釈の相違が際立っており、そもそも正反対の 『アメリカニズム』 の定義に沿った平行線の 『非米 = Un American 』 という非難の応酬が行われた 」 という (菅 2001 , 69 )。 』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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