2021-09-15 (Wed)

本日のキーワード : タブロイド思考、メディア、単純化本能
タブロイド思考(タブロイドしこう)とは、複雑なものごとを皮相的 (上っ面だけ) に単純化・類型化して把握する思考の有り様である。何が原因であるのかについて、深く考え分析すると単純に断言することができず判断が難しいような事象や出来事をステレオタイプな枠で捉える思考である。周辺ルート思考とも呼ばれる。ある状況に遭遇した本人に取って、状況の複雑度が認知閾を超えている状態に陥りやすい思考である。
タブロイド思考は、ものごとを単純化して考えるが、こういう 「単純化」 そのものが、一種の社会的な流行の上に乗っていることがある。政治や経済の問題から社会問題、あるいは個人の消費生活や、趣味、遊びの流行に至るまで、社会的な 「標準的規範」 というものが設定されるケースが多々ある。
このような規範が果たして妥当なのか否か、個人が自主的な判断や吟味を試みようとすると、資料収集や思考に大きな努力が必要となることがある。しかも、こうして主体的に考察し思考してみても、明確な答えが得られないのが普通である。このような場合、もっと楽な方法として、社会で流布し、流行しているものを、そのまま受け入れ模倣し、なぜそれを肯定するのかの理由は、「社会の常識である」というように考えると、これは思考停止の一種である。
タブロイド思考という言葉は、通常の新聞よりもサイズの小さな「タブロイド型新聞」から来ている。都市の駅売店などで販売され退勤時間帯の通勤列車の中で読むのに適したサイズであるが、即売故に興味本位の記事を売り物にする新聞が多く、何かの社会的事象や事件を伝えてもその詳細や立ち入った分析は行わず、地下鉄などの一駅(数分)で読み切れる短文記事で読者が理解しやすいように類型的な決めつけを行うような新聞が多かった。
タブロイド新聞の記事を読んでいると世のなかの複雑な事象が全て単純な原理で解明できるような錯覚にも陥る。タブロイド新聞が行うのと同じような論理の省略、分析の省略によって、ものごとを皮相的な外見から決めつけて答えを出すような思考を「タブロイド思考」というのである。なお、日本における代表的なタブロイド新聞に、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞などがある。
本日の書物 : 『 FACTFULNESS (ファクトフルネス) 10 の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』 ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド 日経BP
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 メディアの言うことを信じて世界の姿を決めつけるなんて、わたしの足の写真を見ただけで、わたしのすべてを理解した気になるようなものだ。…
【シンプルなものの見方に、わたしたちは惹かれる】。賢い考えがパッとひらめくと興奮するし、わかった!理解できた!と感じられるとうれしい。パッとひらめいたシンプルな解が、ほかのたくさんのことにもピタリと当てはまると思い込んでしまうのは、よくあることだ。すると、世界がシンプルに見えてくる。【すべての問題はひとつの原因から生まれているに違いない。だから、なにがなんでもその元凶を取り除かなければならないならないと思ってしまう】。【すべての問題がひとつのやり方で解決できると思い込む】こともある。【すると、異論は許されない】。そう考えれば、なにもかもシンプルになる。
でも【ここに、ひとつちょっとした問題がある】。【それでは世界をとんでもなく誤解してしまうということだ】。そんなふうに、【世の中のさまざまな問題】に【ひとつの原因】と【ひとつの解答】を【当てはめてしまう傾向】を、わたしは【「単純化本能」】と呼んでいる。…
【「平等」】というシンプルで美しい概念もまた、【「格差」があらゆる問題の元凶だという、単純すぎる考え方につながる】。すると、【どんな場合にも格差はよくないし、資源の再配分によってなんでも解決できると思い込んでしまう】。だからなにがなんでも再配分に賛成したくなる。
そんなふうに【世界をただひとつの切り口で見れば】、あれこれ【悩まずにすむ】し、時間の節約になる。【問題の本質をいちから学ばなくてもはなから答えは出ている】し、その分ほかのことに頭を使える。でも、世界を本当に理解しようと思ったら、【このやり方は役に立たない】。ただひとつの解にやみくもに賛成したり、どんなときでもかならず反対したりしていると、【自分の見方に合わない情報から目を背けることになる】。【それでは現実を理解できない】。』

邪悪で呪われた聖地ウマン (ウーマニ)
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、医師であり、公衆衛生学者でもある著者が、「データを基に世界を正しく見る習慣」 (= ファクトフルネス)の重要性について、さまざまな事例を挙げて解説をしている良書で、マスコミが繰り返す誤報・捏造報道を見抜くためのエッセンスが得られるお薦めの書物になります。ただし、1 点だけご注意して頂きたいのは、「ファクトフルネス」を掲げながら、異分野である地球科学や物理学の知識がないためか、ほとんどの科学者が否定している 「地球温暖化問題」 という “物語 (フィクション)” について、何らデータも示さずに、さも真実であるかの如く書かれていて、せっかくの「お題目」が台無しになってしまっている点です。環境活動家で有名な米民主党のアル・ゴア元副大統領とのお話も出てきますが、同じく環境活動家であるグレタ・トゥーンベリと同郷のスウェーデン出身であるせいか、最後の最後で、思わず眉を顰 (ひそ) めたくなるかもしれません。


それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 639,490(638,326)÷39,134,705(38,956,889)=0.0163・・・(0.0163) 「1.63%(1.63%)」

イタリア : 129,221(129,146)÷4,539,991(4,534,499)=0.0284・・・(0.0284) 「2.84%(2.84%)」

日本 : 16,080(16,015)÷1,491,471(1,473,761)=0.0107・・・(0.0108) 「1.07%(1.08%)」


☆【日本語訳】 U.S. DEPARTMENT of STATE / Fact Sheet : Activity at the Wuhan Institute of Virology (米国務省 / ファクトシート : 武漢ウイルス研究所での活動)
さて、これまで、ドイツで生まれた「キリスト教神智学(Christian theosophy)」・「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想を経て、ソ連崩壊とともに死滅したかに思われたものの、現在に至るまで一貫して受け継がれていく “信仰” が存在していて、その根底にある、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の意識により、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することによって、「贖罪」の対象物として “罪” を創り出し、自らの罪に対する償(つぐな)い・贖(あがな)いを果たそうと躍起になっている、そんな 「極左おパヨク」 に繋がる一連の系譜について確認して参りました。
ここで御理解頂きたいのは、そんなおバカな 「極左おパヨク」 は、飽くまでも、ある連中が果たそうとしている、ある目的の達成のための道具でしかないということです。
その目的とは、さまざまな “アイデンティティ” を意図的に粗製濫造することで、社会分断を行い、到底達成不可能な目標である “平等 (equality)” を強要(←全人類の均一化・同質化などは不可能であることは自明です!)し、多くの人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し(←これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて権威主義的な統制社会の再構築を目指す、というものです。
では、なぜ、それを目指そうとするのでしょうか?
それは、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」のもとで、ある連中にとって非常にコントロールしやすい社会が構築できるからです。

その「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」については、これまたドイツ出身の社会学者・歴史学者であり、マルクス主義者で、エリート理論の信奉者で、ファシズム(全体主義者)でもあったロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy)について確認をしてきましたが、そこにもやはり「キリスト教神智学(Christian theosophy)」・「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」の影響を見ることができました。

ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
この「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」と同根の言葉に 「オリガルヒ(oligarch)」 というものがあります。現代のロシアに見られるもの(ロシアに限ったものではありませんがw)ですが、いまから数十年前に、マルクス主義が生み出した “社会主義・共産主義の幻想” が瓦解・崩壊する過程で作り出されたもので、その理解を一層深めるために、少し視点を変えて、ウクライナにおけるユダヤ人に焦点をあてて、次の論文を参照しながら考えているところとなります。

☆『ウマン巡礼の歴史 : ウクライナにおけるユダヤ人の聖地とその変遷』 赤尾 光春
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 おわりに
・・・皮肉なことに、ウマン巡礼が劇的に復活し、新たな発展の礎が築かれようという時期になって、巡礼地がもつ本質的に不安定で曖昧な性格が露呈されることになった。ラビ・ナフマンは、義人がイスラエルの地と等価性をもつ、というハシディズムの考え方を極限にまで押し進めた結果、ウマン (ウーマニ) における自らの崇拝の継続化に成功したといえるが、ナフマンの空間認識、とりわけイスラエル観に内在する両義的性格は常に議論の余地があった。
一方で、歴史的な流れはシオニズム運動に有利に働き、多くのユダヤ人は父祖の地への劇的な 「帰還」 を果たした。たしかにシオニズムの企ては常に問題を孕み、イスラエル国家の合法性が未だ脅かされていることは言を待たない。しかし建国から 50 年を経た今、イスラエル生まれ、イスラエル育ちの世代が増加するにつれて、パレスチナ・イスラエルの土地とそこに住むユダヤ人 (イスラエル人) との土着的なつながりはゆるぎないものになりつつある。言い換えると、現代国家イスラエルという空間において、文化的景観における 「イスラエル化」 の過程が絶え間なく進行中なのである (170)。
ウマン現象をこのポスト・シオニズム的な文脈で捉え直すとき、離散の地の 「再聖地化」 というこの現象自体、特異な位置を占めていることが、自ずと明らかとなるだろう。ウマン (ウーマニ) は聖地であるとはいえ、時代を超越し、紛うかたなき聖地であり続けるイスラエル (エルサレム) に比べれば、常に不浄でもあり神聖でもあるような土地であった。ラビ・ナフマンの教えそのものに内在する、この土地の両義性は、すでに引用したラビ・ドルフマンの言葉にも鮮やかに表現されていたといえる。筆者は、新年を挟んで数ヶ月間、親元を離れてウーマニの別荘で過ごしていた 10 代の少年たちの口からも、以下のような象徴的な言葉を聞いた。
筆者 : 「君たちここ (ウマン) は好き?」
少年 1 : 「好きさもちろん、なんたってここは我らがラビ [Rabenu] の聖性があるから。」
少年 2 : 「だけどここは 『呪われた土地』 [’erets ’arura] だよ。ウクライナほど呪われた土地これまでにみたことあるか?」
筆者 : 「呪われた土地?」
少年 2 : 「邪悪な土地だよ、イスラエルの子ら [bney yisra’el] をたくさん殺した。奴等はナチよりもひどい。」
少年 1 : 「早くイスラエルに帰りたいなあ。イスラエルは聖なる土地だ。」
筆者 : 「じゃあ、イスラエルにいるときはウマンのことが恋しくなるの?」
少年 1 : 「ラビ・ナフマンだ、ラビ・ナフマンだよ、ウマンじゃない。ラビ・ナフマンのことが恋しくなるんだ。イスラエルはとても高い、高くて神聖な場所だ。」
こうした言葉は神学的なレベルで表明された見解と捉えることができる。このように、ラビ・ナフマンの贖いという神学・神話のもつ圧倒的な力が生きている限り、ウマン (ウーマニ) という土地は極めて意義深い場所であり続けるだろう。しかしながら、実際にはイスラエル生まれの巡礼者の多くが、このウクライナの 「辺境」 に対して非常にアンビヴァレントな感情を抱いていることも、また事実である。筆者はウーマニにてこうした感情を露わにした巡礼者の言葉を何度も耳にした。
注 (170)
現代イスラエルにおける空間の聖化に関する諸現象については次の論文集が参考になる。E. Ben-Ari and Y. Bilu, ed., Grasping Land: Space and Place in Contemporary Israeli Discourse and Experience (New York, 1997). 』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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