2021-04-21 (Wed)

本日のキーワード : アイデンティティ、国家、民族、人種
アイデンティティとは自己と同一化している要素の事である。国語等で扱われるアイデンティティの喪失とは、その要素が無くなることである。 また、さまざまな立場における自分自身の在り方について、「これがほかならぬ自分なのだ」というまとまりをもった確信のことである。
本日の書物 : 『この厄介な国、中国』 岡田 英弘 ワック
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 さて、こうした皇帝のシステムの中で生きていた中国の民衆たちが、【国家の概念を持たず】、また、【民族という概念も持たなかった】のは、実に当然のことであった。
そもそも一般の民衆にとって、【皇帝の存在】は【一種の利害関係に基づく繋がりでしかない】。つまり、都市において交易をしたい者は、一定の租なり税を払ってその権利を得るだけの話で、それはきわめて政治的な関係といってもいいであろう。
中国の政治体制において【「民」】、つまり【皇帝の臣民】というのは、【都市の戸籍に載っている人間という意味にすぎない】。だから、同じ人間であっても、【都市の戸籍から外れれば、蛮族、つまり非中国人と見なされた】のである。
このような政治体制において、【国家に対する忠誠】というのは【まず存在しえない】。あるとしても、それは皇帝に対する忠誠心であって、商業ネットワークに忠誠を誓う人はいないのである。
それでは【民族的なアイデンティティー】はどうだろうか。自分が中国民族の一員であるという誇りは彼らの間に生まれたのだろうか ―― 【これも答えはノーである】。
実は【「漢族」というものは、厳密な意味では存在しない】のである。

そもそも、古代中国の都市国家の発生を見ても分かるように、商業都市の住民はさまざまな地方から交易を目的として集まったのであり、そこには雑多な民衆がいた。当初は言語も違う人々の集まりであったのが、長い時間を経るうちに、やがて交じりあい、その都市独自の言語が誕生していった ―― そうやって生まれたのが「漢族」である。だから、【漢族の起源がどこなのかというのは、最初から分からない】。
しかし、それでも徐々に「漢族」という観念が都市住民の中で生まれつつあったのは事実である。だが、そうやって誕生した【「漢族」】もまた、紀元一八四年に起こった【「黄巾の乱」によって消滅してしまった】のである。』

人種差別的な排日移民制限法に“賛成”した“黒人たち”
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、およそ20年前に出版されたものですが、そこから現在に至るまで相も変わらず、「中国」というものを正確に理解できない(=トンチンカンな幻想を抱く)日本人が数多く存在していて、開いた口が塞がらない状況にあるのですが、そのような方々に、まさに“打って付け”の内容となっており、是非とも正しい「中国」理解を広く一般国民に知らしめるべく、当ブログが自信を持ってお勧めする良書になります。学校教育で教え込まれる「中国」のイメージが、如何に実態とかけ離れているのかが、非常によく理解できると思います(笑)

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 564,098(563,027)÷31,400,193(31,311,046)=0.0179・・・(0.0179) 「1.79%(1.79%)」

イタリア : 115,557(115,088)÷3,809,193(3,793,033)=0.0303・・・(0.0303) 「3.03%(3.03%)」

日本 : 9,471(9,422)÷516,111(511,799)=0.0183・・・(0.0184) 「1.83%(1.84%)」

↓↓↓【YouTubeによる“検閲”の実例】↓↓↓

☆【日本語訳】 U.S. DEPARTMENT of STATE / Fact Sheet : Activity at the Wuhan Institute of Virology (米国務省 / ファクトシート : 武漢ウイルス研究所での活動)
さて、これまで、「キリスト教神智学(Christian theosophy)」または「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」として知られる、ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)から始めて、それを受け継いできた人々についてその流れを追ってまいりました。彼らが言っていたことを、簡単に表現したものを列挙致しますと、次のようになります。

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである。

ウラジミール・レーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう

W・E・B・デュボイス(1918年)
世界のことは忘れて。 私はどうなるの? 私は二つ意識の一部です。 助けて!

御覧のように、その根底に存在しているのは、ユダヤ・キリスト教的な「贖罪(しょくざい)」の意識になります。キリスト教ならば、イエス・キリストが磔刑に処せられたことを以て、人類の罪に対する償(つぐな)い・贖(あがな)いであるとし、人類に救いをもたらす(もたらした)とする、そんな意識です。ですから、これは明確に宗教的な思考・思想であり、これら一連の流れ・系譜は、なんらかの“ひとつの宗教”であると考えることで、より一層理解し易くなります。
マルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想も、“とあるひとつの宗教”から生み出された「贖罪」の意識であり、それは“物質的”なものでしかありませんでした。だからこそ、大失敗に終わったとも考えられるわけですが。。。

しかし、その“とある宗教”の信者らは、大失敗のあと、さまざまな“アイデンティティ”を次から次へと粗製濫造することによって、「贖罪」の対象物としての“罪”を創り出し、自らの罪に対する償(つぐな)い・贖(あがな)いを果たそうと躍起になることとなります。
それでは昨日の続きになりますが、ヨーロッパのウラジミール・レーニンとは別の、もう一つの流れでもあるアメリカのウィリアム・エドワード・バーグハード・デュボイスについて、次の論文で確認しながら、いま一度、“アイデンティティ”について考えてみたいと思います。

☆『黒人と20世紀初期におけるアメリカの移民問題 ― W・E・B・デュボイスの移民観 ―』 竹本 友子
それでは早速、昨日の続きを見て参りましょう。
『 2. 第一次世界大戦以降の移民制限と黒人
・・・大戦中は一時途絶えていた移民の流入が戦後になると再び始まり、その数は急増した。戦争への協力の見返りとして、参戦のスローガンとなった民主主義が黒人にももたらされ、彼らの境遇の改善が見られることを期待していた黒人は、むしろ戦後黒人への抑圧が強まったことに失望した。彼らはそのフラストレーションの幾分かを移民への敵意という形で表し、また黒人新聞には当時の不安な世相の責任を移民に負わせる論調も見られた。さらに大戦中から戦後にかけて、移民の減少に伴う工業労働力需要を背景に、南部の黒人の北部への移住が大規模に行われた結果、労働市場における移民と黒人との競争は格段に激しいものとなった。こうして移民制限を求める黒人の声はますます高まっていく。
1921 年には合衆国の移民政策を大きく転換させた移民制限法が成立する。この法では初めて移民の国別割り当て制度が導入され、 1910 年の国勢調査の結果に基づいて、当時アメリカに居住していた外国生まれの人口を出生国別に分類し、その数の 3 % を年間移民許可数として各国に割り当てた。この法は増加の一途をたどっていた南欧・東欧系の 「望ましくない」 とされた移民を抑制し、北欧・西欧系の移民を優遇することを目指した 2 年間の時限立法であったが、移民制限を主張する勢力はさらに強力な立法を求め、黒人もこれに同調した。

1924 年に成立した移民制限法は 21 年のそれの延長線上に位置し、新移民の抑制のためのより強力な内容を含んでいた。各国別に移民許可数を割り当てる仕組みは 21 年法と同じであるが、算定の基盤となる年を 1910 年から 1890 年に遡らせるとともに、割り当てを 3 % から 2 % に削減した。さらに 1927 年以降は年間の移民総数を 15 万人に削減し、 1920 年に合衆国に居住する人口のそれぞれの国別起源を確定し、その比率に従って各国に移民数を割り当てることとされた。また、この 1924 年移民制限法は 「帰化不能外国人」 の入国を禁止する条項が付加されていたため、 1906 年の帰化法で帰化が認められていた 「白人およびアフリカ人とその子孫」 に含まれないアジア人には最小限の移民枠も与えられないこととなった。
すでに移民制限に大きく傾いていた黒人は全体としてこの 1924 年移民制限法に賛成した。 「帰化不能外国人」 の入国禁止条項は明らかに日本人の締め出しを意図した人種差別的な措置であったが、移民制限自体が黒人に有利に働くと判断した黒人指導者は、排日条項に目をつぶり、反対を表明しないという形で暗黙のうちにこの法を支持した。』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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