2021-03-29 (Mon)

本日のキーワード : 民意、国家、国民
民意(みんい) : 国民の意思。
本日の書物 : 『デジタル化する新興国-先進国を超えるか、監視社会の到来か』 伊藤 亜聖 中公新書
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 18世紀後半から蒸気機関の発展と普及、19世紀以降の電気通信の発達、20世紀におけるコンピューターの開発に続く、新たな技術革新の重要性を強調する立場がある。いわゆる【「第四次産業革命」論】である。
情報通信技術(ICT)の発展にとどまらず、人工知能技術、ナノテクノロジー、ゲノムテクノロジー、ロボティクス(ロボット工学)を含む複数の技術分野で、同時並行的かつ急速に革新が起き、それらが経済と社会、さらには国際秩序すら大きく変える、という見立てである。【世界経済フォーラム(通称「ダボス会議」)】の創設者である【クラウス・シュワブ】は、目下、急速かつ多分野で同時に発生する技術革新が万事を変革すると述べて、「「今回は違う」という言葉は、今回にこそ当てはまる」と述べる。人工知能技術の発達とその導入スピードの地域差によって、産業革命期に見られたような、富と生産性の大きな格差、すなわち大分岐(Great Divergence)が再来する、そしてその再分岐の機会を中国がつかむだろうと主張する論者もいる。

クラウス・シュワブ
古くは18世紀以来生じた一連の技術革新、いわゆる「産業革命」をめぐって、楽観論と悲観論、そして断絶的な変化を強調する立場と連続性を重視する立場が見られてきた。比較的初期の経済史研究では、産業革命とは蒸気機関の普及、機械式綿紡績工業の発達、そして工場制度の発展が、不可逆的で断絶的、なおかつ失業と低賃金に代表される負の変化を経済社会にもたらしたと考えた。「断絶的で悲観的」な立場である。それに対して、産業革命期(18世紀末)のイギリス経済成長率の推移を検討したニコラス・クラフツは、従来よりも成長率を下方修正し、より連続的な変化を強調した。
目下、注目を集める人工知能、ゲノム、ロボティクスといった領域での技術進歩をめぐり、楽観論と悲観論の両者が登場する状況を見ると、産業革命に関する論争によく似ている。目下の変化が「革命」と呼びうるのかをめぐってはまだ論議はある。1960年代にもアメリカでは「大自動化問題」と呼ばれた技術革新が失業をもたらすかという論争があったが、結局のところ失業問題は深刻化しなかった。それでも【変化の兆候には目を向けるべき】だ。』

カール・マルクスの理解不足から生まれた“我流の二元論”
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、中華人民共和国を筆頭とした、いわゆる“発展途上国”に幻想を抱き、その経済的成長やデジタル技術を活用したイノベーションを過大に評価する日本のメディアや自称・知識人が垂れ流すフェイク・ニュースに惑わされている方々には特にお勧めの書物で、その可能性にばかり目を奪われることなく、そこに存在する非常に重大な危険性を認識し、すでに予見されている来るべきリスクに備えるという視点が得られる良書となります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 543,477(542,605)÷29,890,000(29,839,376)=0.0181・・・(0.0181) 「1.81%(1.81%)」

イタリア : 105,875(105,328)÷3,408,772(3,390,181)=0.0310・・・(0.0310) 「3.10%(3.10%)」

日本 : 8,907(8,855)÷458,572(457,069)=0.0194・・・(0.0193) 「1.94%(1.93%)」


☆【日本語訳】 U.S. DEPARTMENT of STATE / Fact Sheet : Activity at the Wuhan Institute of Virology (米国務省 / ファクトシート : 武漢ウイルス研究所での活動)

さて、これまでのところで、マルクスに至るまでの「ドイツ思想」に決定的な影響を与えた、「キリスト教神智学(Christian theosophy)」または「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」として知られる、ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)から始めて、その“悪”についてのベーメの思想の影響を受けたイマヌエル・カントとゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルについて確認して参りましたが、彼らが言っていたことを簡単に表現すると、次のようになります。

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる
そして、この流れを受け継ぐカール・マルクスが言っていたことを簡単に表現すると、次のようになります。

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである。
そして、ここから、さらに一歩踏み込んで積極的な態度へと転換させたのがウラジミール・レーニンで、彼が言っていたことを簡単に表現すると、次のようになります。

1895年のレーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう

そこで現在は、次の論文を参考にさせて頂きながら、カール・マルクスからウラジミール・レーニンへと受け継がれた流れを確認しているところとなります。

☆『マルクス社会理論の形成とその問題性 : 社会主義崩壊とマルクスの責任をめぐって』 神田順司
それでは早速、昨日の続きを見て参りましょう。
『 6. 法的・政治的カテゴリーの排除と剥き出しにされた 「欲求の体系」 の帰結
―― 強権的社会主義とマルクスの責任 ――
マルクスの 「ヘーゲル法哲学批判」 は、のちに彼がそれを自分史の中でどう位置づけようとも、ヘーゲル 『法哲学』 の批判的把握という意味では、けっして特筆に値するものではなかった。 彼はフォイエルバッハの一面的ヘーゲル批判の理論や宗教批判の構図をもとに、無謀にも予備知識も持たずにヘーゲル 「国家論」 に立ち向かい、その中から宗教批判の現世版としての 「政治的国家」 と 「物質的国家」 の 「二元論」 を捏造した。その 「二元論」 を携えて彼は再びヘーゲルに挑み、理論的破綻をきたし、我流の 「二元論」 を 「国家と市民社会の対立」 に替え、再度ヘーゲルに挑戦し、再度理論破綻に至った末にようやく 「市民社会」 の重要性に気づいた。 しかし彼はそのような 「発見」 からあらためてヘーゲル 『法哲学』 の全体像に向かうのではなく、彼自身が捏造した 「二元論」 の中でますます現世に、「物質的国家」 に、そして 「市民社会」 に向かっていった。

そうして彼はヘーゲルに対するこの誤解と一面化の行程を通して、むしろヘーゲルが体系化した西欧近代の法的・政治的カテゴリーを 「幻想」 として、あるいは 「妥協」 として排除していった。 したがってそこには剥き出しになった 「欲求の体系」 だけが残されることになる。 それは他でもなく 「政治的国家」 を、そして 「国家」 そのものを社会理論から排除する行程であった。

かつてヘーゲル 「法哲学」 研究に多大な功績を残したイルティンクはマルクスの 「ヘーゲル法哲学批判」 を評して、マルクスは 「ヘーゲルの叙述の政治的意味をほとんど掴むことができなかった」 と述べた。 「ヘーゲル法哲学批判」 についての唯一正当なこの評価は、しかしながら、マルクスのこの草稿の一面を特徴づけているに過ぎない。 たしかにマルクスはヘーゲルの 『法哲学』 を理解できなかった。 いや、それどころか彼の 「ヘーゲル法哲学批判」 のほとんどがヘーゲル 『法哲学』 の曲解にもとづいているといってよい。 しかし問題は 「理解できなかった」 ことにあるのではなく、マルクスがヘーゲルに対する無理解あるいは曲解を通して、ヘーゲルが体系化した西欧近代の法的・政治的カテゴリーを 「幻想」 として、あるいは 「妥協」 として排除したことにある。

すでに見たように、マルクスにとって 「憲法」 は 「妥協」 の産物であった。 また 「官僚制」 は 「空想上の同一性」 でしかなかった。 そして 「議会」 は 「市民社会の政治的幻想」 にすぎなかった。 こうした法的・政治的カテゴリーは、彼の思想発展の中でさらに貶められ、物質的諸関係のイデオロギーと相対化されることになる。』

ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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