2021-03-24 (Wed)

本日のキーワード : デジタル化、新興国、発展途上国
新興工業国(しんこうこうぎょうこく)、または、新興工業経済地域(しんこうこうぎょうけいざいちいき)は、政治学者及び経済学者により世界の複数の国に適用される分類である。新興国と同義になる場合もある。略称はNIES。英語の複数形略称の NICs(ニックス、ニクス)および NIEs(ニーズ)を使用する例も多い。
本日の書物 : 『デジタル化する新興国-先進国を超えるか、監視社会の到来か』 伊藤 亜聖 中公新書
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 本書の課題は二つある。第一に、今日の【新興国】で広がる【デジタル化の進展】を、新興国・途上国論の系譜に位置づけながら、【その可能性と脆弱性の両面から検討】することである。第二に、【新興国デジタル化の潮流】の中で【日本に求められる取り組み】を考えることである。
かつて【工業化の波】が発展途上国を覆ったとき、【新興工業国(Newly Industrializing Countries, NICs)なる概念】が作り出された。1985年のプラザ合意以後の円高、中国の1992年の対外開放路線の確定と2001年の世界貿易機関(WTO)への加盟といった段階を踏み、日本から東南アジアや中国へ生産拠点が拡張移転していった。冷戦構造の終結により「経済の時代」を謳歌し始めたアジア諸国もまた、積極的にこのテイクオフ(離陸)の機会をつかもうとした。
中国が2010年に日本を抜いて世界第2位の経済大国となり、さらに近年先鋭化する米中対立を目撃すると、時代の舞台がまわり、世界規模での「政治と安全保障の時代」の到来を感じさせる。しかしながら米中対立の今後を見通すことは容易ではない。加えて2020年1月以来、新型コロナウイルスの流行が全世界を揺さぶっている。そのなかで、本書は【もう一つの潮流】に注目したい。【それがデジタル技術による新興国経済・社会・政治の地殻変動である】。』

ヘーゲルが表現した「非同時代的なものの同時存在」
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、中華人民共和国を筆頭とした、いわゆる“発展途上国”に幻想を抱き、その経済的成長やデジタル技術を活用したイノベーションを過大に評価する日本のメディアや自称・知識人が垂れ流すフェイク・ニュースに惑わされている方々には特にお勧めの書物で、その可能性にばかり目を奪われることなく、そこに存在する非常に重大な危険性を認識し、すでに予見されている来るべきリスクに備えるという視点が得られる良書となります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 540,533(538,799)÷29,708,451(29,651,206)=0.0181・・・(0.0181) 「1.81%(1.81%)」

イタリア : 104,241(103,855)÷3,332,418(3,306,711)=0.0312・・・(0.0314) 「3.12%(3.14%)」

日本 : 8,783(8,750)÷453,611(452,147)=0.0193・・・(0.0193) 「1.93%(1.93%)」


☆【日本語訳】 U.S. DEPARTMENT of STATE / Fact Sheet : Activity at the Wuhan Institute of Virology (米国務省 / ファクトシート : 武漢ウイルス研究所での活動)

さて、これまでのところで、マルクスに至るまでの「ドイツ思想」に決定的な影響を与えた、「キリスト教神智学(Christian theosophy)」または「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」として知られる、ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)から始めて、その“悪”についてのベーメの思想の影響を受けたイマヌエル・カントとゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルについて確認して参りましたが、彼らが言っていたことを簡単に表現すると、次のようになります。

ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである

イマヌエル・カント
たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる
そして、この流れを受け継ぐカール・マルクスが言っていたことを簡単に表現すると、次のようになります。

カール・マルクス
私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである。
そして、ここから、さらに一歩踏み込んで積極的な態度へと転換させたのがウラジミール・レーニンで、彼が言っていたことを簡単に表現すると、次のようになります。

1895年のレーニン
われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう

そこで現在は、次の論文を参考にさせて頂きながら、カール・マルクスからウラジミール・レーニンへと受け継がれた流れを確認しているところとなります。

☆『マルクス社会理論の形成とその問題性 : 社会主義崩壊とマルクスの責任をめぐって』 神田順司
それでは早速、昨日の続きを見て参りましょう。
『 4. 近代市民社会の矛盾と国家的統合
―― 福祉国家モデルとしてのヘーゲル 『法哲学』 ――
・・・ヘーゲルの国家像は西ヨーロッパ近代の矛盾を見据えた近代社会克服のための構想であった。 それは確かに封建的カテゴリーによって構成されている。 「職業団体 (同業者組合)」 や 「管理行政 [Polizei]」、「身分制議会」 や 「長子相続権」 など、彼の国家像を構成する分肢のいずれもが封建制の代名詞でしかない。 しかし、少なくとも上述のような彼の問題意識から見るかぎり、これらの分肢が近代市民社会の矛盾を調停し揚棄するための媒介装置として構想されていることは明らかである。 欲求充足をめざす私人の世界にあって 「職業団体」 こそが私的利害と集団的利害の一致し得る唯一の場であった。 それは 「仮象の段階」 としての市民社会を真の 「一般性」 としての国家の内に揚棄し包摂するための通路であり、大家族制の崩壊とともに市場に放り出された個人を家族に代って保護し育てる 「市民社会に根を張った国家の習俗規範的な基礎」 であった。 富の蓄積とともに市民社会が必然的に生み出す貧困層に市民社会存立の危機を看て取った彼は、「植民」 という選択肢を示しながらも、その救済の可能性を 「管理行政」 に求めようとした。 もちろん彼の国家像に封建的要素がないわけではない。 彼は一方で公的利益を追求する官僚層や、君主の任命に従って 「身分制議会」 に派遣される市民層の代表には十分な知見と適応性といった近代的能力主義の原則を適用しておきながら、他方で君主や貴族層に対しては、公的事柄に関与する者への身分的保障などと称して、「長子相続権」 や世襲制を認めようとする。 このような矛盾し偏向した構想は、下からの変革を忌避し、現体制を維持しようと望む彼の保守的側面を表現するものであった。 だが、それにもかかわらず、ヘーゲルの描く国家像は、19 世紀になってもなお領邦分立状態が続き、多くの領邦に憲法はおろか議会さえ存在しないドイツの現状においては明らかに前に進みすぎていた。 マルクスがヘーゲル 「行政権」 の悪しきモデルとして指摘したプロイセン 「一般ラント法」 でさえ、法制度の改革と統一とを掲げながらも、実際には属州の伝統的法制度に阻まれて実効性を持ち得なかった。 農奴制・世襲隷民制等の廃止令や都市条例などの一連の改革を実行したシュタインですら、貴族層に対しては、一定の特権を残そうとした。 これらの諸改革が、不徹底ながらもめざしたものは、国家や社会の近代化であり、それを支える公共心ある市民の創出と近代的自治組織の形成であった。 だが、ヘーゲルにとって問題はむしろ近代市民社会の矛盾を揚棄することにあった。 それはドイツにとっては歴史の遥か彼方の課題であった。 だからヘーゲルの構想はその保守的要素にもかかわらず前に進みすぎていた。 というよりドイツの現状が遅れすぎていた。 こうした歴史的文脈の中では一切の制度的規定を欠いたマルクスの漠々たる 「民主政」 などは現実から乖離した夢想にすぎない。 ヘーゲルはフランス革命や近代国民経済学といった西ヨーロッパの歴史的成果の上に立って思考した。 彼はそのことを通して近代社会の矛盾を理論的に先取りし、流血のフランス革命に象徴されるような革命的断絶によってではなく、既存の制度の改革によって、それでも不可避な近代化をいかにドイツの現実の中に軟着陸させるかに腐心した。 そのために、彼の構想には来るべき社会の矛盾を揚棄する戦略とならんでドイツの後進性が影を落としていた。 そのような 「非同時代的なものの同時存在」 を彼の思想は表現していたのである。』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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