2020-11-23 (Mon)

本日のキーワード : 移植、中国共産党、中共革命、根回し
移植(いしょく、英: transplant)は、植物を植え替えることである。転じて、生物種、生物体、組織や器官を異なった場所に移して生存させることをも指す。特に動物を対象とする場合は移殖とも綴る。
移植とは、元来は栽培している植物において、それまでに育てていた場所から異なった場所に植え込み、そこで育てるようにする行為を指す。そのためには元の場所から引き抜くにも事前に根回しなどの準備を行い、できるだけ傷を付けないようにし、植え込む際にもうまく根を広げられるように、その後もよく成長するように気をつけなければならない。特に移植直後は特別な管理が必要になる例が多い。
根回し(ねまわし)とは、樹木を移植するに先立ち準備する一連の作業のこと。転じて、物事を行う際に事前に関係者からの了承を得ておくこと(下打ち合わせや事前交渉などの段取り)を指す言葉ともなった。
成長した樹木を移植する場合、根系を傷めることから、活着できずに枯死したり生育不良に陥る場合が多い。これを避けるために、半年前から1年程度前に、根元近くの太い根を切断し、切断部周辺から活発な新しい根の生育を促す。新しい根は、水分や養分をより活発に吸収することから、移植先でも活着することが期待できる。根切りの部位は適切に判断しないと、移植する前に樹木が衰微することもあるので、慎重に行う必要がある。

本日の書物 : 『米中ソに翻弄されたアジア史 カンボジアで考えた日本の対アジア戦略』 江崎 道朗、福島 香織、宮脇 淳子 扶桑社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 ここまで、主に周特高という一人のカンボジア華人特務のオーラル・ヒストリーを通じて、【毛沢東・中共】が【カンボジアの運命】をいかに【翻弄した】かを簡単に紹介したが、【同じような物語】が【東南アジア諸国の数だけ】、【アフリカ諸国の数だけ】、【ラテンアメリカ諸国の数だけ】、あるいは【それらの国の華僑・華人特務員の数だけある】と考えてほしい。
こうした【中共革命】、特に【1960〜70年代の亜非拉(ヤフェイラ/アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)への「文革輸出」】については、前述した米デラウェア州立大学教授で歴史学者の程映虹が非常に多くの示唆に富む論攷(ろんこう)を発表している。
再び彼の論文を参照しつつ、【世界への中共革命輸出戦略の本質】をざっくりと考えたい。
1965年8月、国防部長の林彪(りんぴょう)名義で発表された【「人民戦争勝利万歳」と題された論文】こそが、【中共革命世界輸出戦略の号令】といえる。この文章を起草したのは、文革前期のブレーンの一人、王力(おうりき)だ。この文章は、原案起草から確定原稿まで、【毛沢東本人が細部まで指示を出し】ており、60年代初めの「九評ソ共」(人民日報上で発表された毛沢東によるソ連共産党批判の一連の文章)後の、【もっとも重要な世界革命指導のための文書として位置づけ】られた。その中身をひと言でいうと、反ファシズム世界戦争勝利を記念し、毛沢東の「武装闘争」「人民戦争」「農村が都市を包囲する」「統一戦線」「党の指導」などのいわゆる「中国革命が勝ち取った成果」に、「帝国主義と一切の反動派は“張り子のトラ”である」という論断を加えて、【「世界革命」を推進する】、【系統立った戦略を中共指導で発信する】、というものだった。
これは【共産主義の理想の実現】というよりは、「世界革命ムーブメントが最高潮に達している」という国際情勢と、世界の対立項を見極めた上で、【世界革命の指導的地位をソ連から中共政権が奪い、世界の中心となる】という、【「中華思想」をベースにした中共的プラグマティズムに基づく「国際戦略」】と解釈したほうがよいだろう。【中国】にとっては、世界各国との外交・経済貿易関係だけでなく、こうした【「革命輸出」】が、【「和平共処五項原則」】(1954年のインド・ネルー首相との会談で打ち出された国際関係原則、領土主権の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和共存)と【セット】で、【中共の対外政策の重要部分を構成】した。』

高橋洋一さんの先生 V.S. シラカワ・ア・ホウメイ
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、いわゆる東南アジアの大陸側の近現代史に焦点をあてた書物で、特にカンボジアを中心に、その周辺地域を含めた「インドシナ」における歴史の大まかな流れを理解することができ、また、今回のアメリカ大統領選挙の混乱からも分かるように、ソ連・コミンテルンと、その下部組織である中国共産党(CCP)が、この地域において如何に水面下で暗躍していたのかが理解できるお勧めの良書となります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 245,453(243,466)÷10,859,661(10,693,773)=0.0226・・・(0.0227) 「2.26%(2.27%)」

イタリア : 44,683(44,139)÷1,144,552(1,107,303)=0.0390・・・(0.0398) 「3.90%(3.98%)」

日本 : 1,865(1,864)÷117,103(115,360)=0.0159・・・(0.0161) 「1.59%(1.61%)」

内モンゴルの文化的ジェノサイドの実態。モンゴル人児童に配る賞状は中国語。モンゴル語を抹消する方法で、母国語よりも他者の言葉を学んだ者が褒められるという巧妙なやり方。中国人児童に日本語の賞状を渡したら、どうなるのかね。日本に侵略されたと抗議するか? pic.twitter.com/4GsiNveV3y
— 楊海英(Oghonos Chogtu, 大野旭) (@DcZ2sppUAxLS3nO) October 24, 2020

さて、ここからは一昨日の続きになりますが、カール・マルクスのユダヤ人に対する偏見・ヘイトから生じたイデオロギーである「マルクス主義」は、その後も表向きの形を変ながら、現代においても“辛うじて”生き残っていますが、
イギリス労働党は反ユダヤ主義を理由にコービン氏の党員資格停止。メディアの皆さんが昨年、次に英首相になるのはコービンだと言い続けてきたことを私は忘れない。なおコービンはハマスとヒズボラを「友達」と呼び、両者に篤く支援されてきた親イスラム過激派でもある。https://t.co/c6NUmm42Xe
— 飯山陽 Dr. Akari IIYAMA (@IiyamaAkari) October 30, 2020

デヴィッド・ハーヴェイ

例えば、デヴィッド・ハーヴェイはマルクス主義の地理学者で、いわゆる「新自由主義」を誤った解釈に基づいて批判した人物で、
☆官僚たちが、民間企業の活動をあれこれと指図する「規制」は、本当に必要ですか?
以前にも書かせて頂きましたが(→☆「新自由主義」の本質が理解できない人々の主張 → 「弱肉強食」「大きな政府から小さな政府への展開」「ハイエクガー」)、「全体主義の脅威」を目前にした、自由主義体制側の“自由主義再生の潮流”こそが、「新自由主義」と呼ばれるもので、それは「国家の法的介入」に関心を寄せた自由主義体制側の変革になります。このデヴィッド・ハーヴェイが定義するところの「デヴィッド・ハーヴェイの新自由主義」は「マルクス主義」から生じているものであり(→☆日本の官僚たちの理想は、「行政国家」です! ~ 「官僚の、官僚による、官僚のための政治の実現」)、より正確に言うと、レフ・トロツキーが批判していたものと同じであり(→☆“自由全体主義” ~ 新自由主義(ネオリベラリズム)のはじまり )、トロツキー以後の西欧の「トロツキー主義左翼(反スターリン主義的マルクス主義者)」がほぼ共有する考え方になります(→☆現代の“ハルマゲドン” ~ 「おパヨク」 V.S. 「自由」)。

そこで、「デヴィッド・ハーヴェイの新自由主義」ではない、本来の「新自由主義」を考える場合に、よく比較対象にされる「ケインズ主義」について、現在次の論文で、「ケインズ主義」の変遷を確認しているところになります。

☆『ケインズ主義政策戦略の変転』 野口 旭
また、参考書として、次の書物もお勧めさせて頂きます。


それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 5.世界大不況とケインズ主義Ⅱの新たな政策戦略
(2)伝統的金融政策から非伝統的金融政策へ
伝統的金融政策と非伝統的金融政策とは、政策金利を金融政策の操作目標として設定するのか否かで区別される。伝統的な金融政策は、政策金利の操作によって雇用や物価や所得などを安定化させようとする。それに対して、非伝統的金融政策では、同じ目的のために政策金利以外の手段を用いる。それが実践的な課題となったのは、上述のように、2008年秋に始まる世界金融危機とその後の世界大不況によって、主要中央銀行が金融市場の安定化と経済回復のための急激な金融的拡大を強いられ、結果として政策金利の下限という伝統的金融政策の停止状況、すなわち「流動性の罠」に直面するにいたったからである。

ベン・バーナンキ
この非伝統的金融政策の理論と実践の双方において重要な役割を果たしたのは、バーナンキであった。バーナンキは、米連銀入りする以前に、「自ら機能麻痺に陥った日本の金融政策」( Bernanke [2000] )という論文を公表していた。この時の日本経済は、デフレを伴う長期経済停滞によって、2008年以降の各国経済に先だって、既に流動性の罠に直面していた。しかし、当時の日本銀行は、政策金利の下限に到達してしまった以上は金融政策には何もできないと主張し、政策的無為主義を続けた。

シラカワ・ア・ホウメイこと白川方明(しらかわまさあき)
バーナンキはそれに対して、「明らかに流動性の罠に陥っていても、依然として金融政策立案者は名目総需要と物価水準を上昇させる力をもっている」( Bernanke [2000]p.158)ことを論じたのである。』


それでは本日の最後になりますが、一昨日に続きまして、アイザイア・バーリンが提唱した「消極的自由」(~からの自由)と「積極的自由」(~への自由)について語った、1958年10月31日にオックスフォード大学での就任講演の内容を御紹介させて頂きたいと思います。


アイザイア・バーリン


『 二つの自由概念
サラストロの神殿
・・・拘束を受けない自由に対するわたくしの要求は、一見したところ [ prima facie ] あなたの同じく絶対的な要求と調停しがたいと見えることが間々ある。けれども、ある問題の理性的な解決は、同様に真実なる他の問題の解決と衝突することはない。なぜなら、二つの真理が論理的に両立せぬということはありえないのだから。それゆえ、ひとつの正しい秩序は原理的に発見可能なものでなければならぬ ―― その秩序とはそこに生じうべき一切の問題への正しい解決を規則的に可能ならしめるような秩序である。こうした理想的な状態は時として人類の堕落以前のエデンの園 ―― われわれはそこから追放されたのだけれども、なお依然としてそこへの憧憬(しょうけい)にみたされている ―― として想像され、あるいはまた将来に横たわる黄金時代 ―― そこにおいては人間は理性的になって、もはや「外部によって支配される」ことなく、また相互に他を妨げ合うこともない ―― として想像された。

エラストゥス・ソールズベリー・フィールド 『エデンの園』
現実の社会においては、正義と平等は、なおある程度の強制によって獲得されねばならない理想である。というのは、もし社会的統制を時期尚早に除去したとすれば、弱い者・愚かな者はより強い、あるいは能力ある、あるいはより精力的な無法者によって抑圧されることになってしまうであろうからである。しかしながら、(この学説によれば)彼らに互いに抑圧し搾取し屈辱を与えることを欲せしめるものは、人間の側における非合理性のみである。理性的な人間は互いに理性の原則を尊重し、相互に戦ったり支配したりする欲求はまったくもたないであろう。支配欲はそれ自体、非合理性の一兆候であり、理性的な方法によって説明せられ、治癒せられうるものなのだ。

1875年のマルクス
スピノザは一つの説明と治療法を提出し、ヘーゲルがもうひとつの、マルクスがさらにもう一つの説明と治療法を提出している。これらの理論のうちにあるものは、ある程度まで、相互に捕捉し合うが、あるものは結びつけることはできない。けれども、そのいずれによっても、完全に理性的な存在者の社会においては人間に対する支配欲というものが欠如している、あるいは無効であると考えられている。抑圧の存在は、社会生活の諸問題への真の解決がまだ達成されていないことの第一の兆候となるであろう。』

ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
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