2020-11-20 (Fri)

本日のキーワード : 夜の女王、サラストロ、『魔笛』
夜の女王(ドイツ語: Königin der Nacht)はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの歌劇「魔笛」の登場人物。ソプラノ歌手によって歌われる。
夜の女王は、3人の侍女を派遣し、大蛇に襲われていた王子タミーノを救出した。タミーノはこれに感謝し、女王の娘パミーナの肖像に一目惚れし、女王の味方になった。パミーナは祭司ザラストロ(昼の世界の支配者)の神殿に囚われていて、これを救出すれば、娘を嫁にやると、女王は約束した。
タミーノは女王の鳥刺しパパゲーノを伴ってパミーナ救出の旅に出発するが、ザラストロの神殿に着くと、真実は逆であると気づき、パミーナが囚われている神殿に留まって女王の元には戻らないことを決意した。
智者の神殿に受け入れられるには、入会の試練を通過しなければならない。タミーノは愛するパミーナとともにこれをくぐりぬけ、ついには2人は永遠に結ばれ、母たる夜の女王は没落する運命をたどった。
本日の書物 : 『税金下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋』 渡瀬 裕哉 光文社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 「すべての増税に反対して、政府が成り立つのか。【財源はどうするんだ】」と言う【御用学者のフレーズ】に説得力を感じている人たちも安心してください。【政治家と役人】は原則として全員、【増税に賛成】です。だから、これから「税金を下げろ連合」が減税派議員を議会に送り込んで、「増税反対」と言ったところで、すぐに敵う相手ではない。そして、味方が仮に半分の勢力に成長したとしても、勢力が拮抗するだけです。さらに勢力を増し、減税が実現する段になると、どうなるか。
そのときはじめて、役所や政治家が「利権をよこせ連合」の連中の何の役にも立たないゴミのような事業に補助金をバラ撒くことをやめるのです。
繰り返しになりますが、強調しておきます。
【増税派の理屈】は、【使う人の主張】です。【お金を使いたいから「くれ」と要求しているだけ】。【「オレ、車が欲しいんだ」「私、家が欲しいの」】
ドラ息子、ドラ娘の際限のない支出リストに合わせて、お父さん、お母さんだってポンポン買い与えません。まして赤の他人の利権屋に誰が貢ぎますか!
「これからますます増えていく社会保障費に備えて…」には、【もう騙されない】。第二章で言った通り、【穴の開いたバケツに水は溜らない】のです。
【お金を浪費する側に立って増税する議論】を【まずやめましょう】。言うべきは【「お小遣いは渡しません!」】です。【すべての増税に反対することが大事】です。
最近、政府は治水対策のためにさまざまな種類のダムの水量管理を省庁横断的に行うことを決めました。すると、50年で5000億円かけて作った八ッ場ダムの50個分の貯水量を、既存のダムを活用することで確保できることがわかったのです。この見直し自体はよかったのですが、「ダムが欲しい」と言って作ってきた成れの果てがこれでした。
増税を許している間は「どうせ後で増税できるから」と、彼らはバンバン、バラ撒き続けます。【すべての増税に反対すること】によって、【はじめて政府の効率化を促すこと】ができます。【「財源」の心配はいりません】。むしろ、【まったく増税できなくなったとき、減税したとき、ようやくまともな政府になる】のです。
ここに僕たちが【すべての増税に反対し、政治家にそれを約束させることの意味があります】。』

サラストロの砦と「積極的自由」(~への自由)
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、我が国で現在行われている「官僚の、官僚による、官僚のための政治」の実態を具体的に知るための入門書として最適な書物で、そのような弊害を無くすために、一人ひとりが何をどのようにすればよいのかという解決方法も提示されており、ぜひ、ご覧頂きたい良書となります。

それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 242,423(240,857)÷10,552,821(10,384,543)=0.0229・・・(0.0231) 「2.29%(2.31%)」

イタリア : 43,589(42,953)÷1,066,401(1,028,424)=0.0408・・・(0.0417) 「4.08%(4.17%)」

日本 : 1,854(1,847)÷113,655(112,005)=0.0163・・・(0.0164) 「1.63%(1.64%)」


さて、ここからは昨日の続きになりますが、カール・マルクスのユダヤ人に対する偏見・ヘイトから生じたイデオロギーである「マルクス主義」は、その後も表向きの形を変ながら、現代においても“辛うじて”生き残っていますが、
イギリス労働党は反ユダヤ主義を理由にコービン氏の党員資格停止。メディアの皆さんが昨年、次に英首相になるのはコービンだと言い続けてきたことを私は忘れない。なおコービンはハマスとヒズボラを「友達」と呼び、両者に篤く支援されてきた親イスラム過激派でもある。https://t.co/c6NUmm42Xe
— 飯山陽 Dr. Akari IIYAMA (@IiyamaAkari) October 30, 2020

デヴィッド・ハーヴェイ

例えば、デヴィッド・ハーヴェイはマルクス主義の地理学者で、いわゆる「新自由主義」を誤った解釈に基づいて批判した人物で、
☆官僚たちが、民間企業の活動をあれこれと指図する「規制」は、本当に必要ですか?
以前にも書かせて頂きましたが(→☆「新自由主義」の本質が理解できない人々の主張 → 「弱肉強食」「大きな政府から小さな政府への展開」「ハイエクガー」)、「全体主義の脅威」を目前にした、自由主義体制側の“自由主義再生の潮流”こそが、「新自由主義」と呼ばれるもので、それは「国家の法的介入」に関心を寄せた自由主義体制側の変革になります。このデヴィッド・ハーヴェイが定義するところの「デヴィッド・ハーヴェイの新自由主義」は「マルクス主義」から生じているものであり(→☆日本の官僚たちの理想は、「行政国家」です! ~ 「官僚の、官僚による、官僚のための政治の実現」)、より正確に言うと、レフ・トロツキーが批判していたものと同じであり(→☆“自由全体主義” ~ 新自由主義(ネオリベラリズム)のはじまり )、トロツキー以後の西欧の「トロツキー主義左翼(反スターリン主義的マルクス主義者)」がほぼ共有する考え方になります(→☆現代の“ハルマゲドン” ~ 「おパヨク」 V.S. 「自由」)。

そこで、「デヴィッド・ハーヴェイの新自由主義」ではない、本来の「新自由主義」を考える場合に、よく比較対象にされる「ケインズ主義」について、現在次の論文で、「ケインズ主義」の変遷を確認しているところになります。

☆『ケインズ主義政策戦略の変転』 野口 旭
また、参考書として、次の書物もお勧めさせて頂きます。


それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 4.マネタリズム反革命からケインズ主義Ⅱへ
(4)新しい古典派を媒介としたケインズ主義の転成
・・・ケインズ主義における金融政策ルールは、マネタリズムにおけるk%ルールのような機械的なものではあり得ない。マネタリズムにおいては、マクロ経済を不安定化させる最大の源泉は中央銀行の恣意的な金融政策であるから、それさえルールで縛れば十分である。しかし、ケインジアンは、経済全体の総需要とりわけ企業の投資需要は美人投票に例えられるような企業家の付和雷同的な意志決定に基づいているため、市場経済は本質的に不安定ものであると考える。したがって、中央銀行はマクロ経済の安定化のためには、単純なルールに基づく保守的な政策ではなく、民間需要の変動を相殺する能動的な政策を実行しなければならない。つまり中央銀行は、民間需要が減少する不況期には金融をより積極的に緩和し、民間需要の拡大によって景気が過熱する状況ではその逆を行わなければならない。その場合のルールは、k%ルールのような経済状況には依存しない機械的ルールではなく、必ず「経済状況に依存して調整される」という形の状況依存型のルールとなる。
そうした意味でのケインズ主義的な金融政策ルールを定式化したのは、ニュー・ケインジアン経済学の担い手の一人であるジョン・テイラーである(Taylor[1993])。彼のいわゆるテイラー・ルールとは、中央銀行が、「産出ギャップの大きさ」と「インフレ率の目標水準からの乖離」という、マクロ経済状況を示す二つの変数に依存して政策金利を決めていくというものである。産出ギャップとインフレ率は、マクロ経済が停滞しているのか過熱しているのかを示す、最も基本的な経済指標である。そして政策金利は、中央銀行が金融の緩和や引き締めのために用いる最も基本的な政策手段である。つまり、テイラー・ルールとはまさに、中央銀行がマクロ経済状況に依存して金融緩和の程度を調整していくという、ケインズ主義的な政策ルールなのである。

ジョン・ブライアン・テイラー
ケインズ主義の政策戦略はその後、ニュー・ケインジアン経済学の展開を背景として、「インフレ目標という枠組みに基づく金融政策」に収斂していった。ケインズ主義におけるマクロ経済の安定とは、産出ギャップを限りなくゼロに近付けることで、潜在的に達成可能な所得と雇用を実現しながら、同時にインフレ率の安定化という意味での物価安定を実現することである。これは、インフレを加速させない最小の失業率すなわちNAIRU を達成することと同義であり、それはさらに失業を拡大させない最小のインフレ率を達成することと同義である。そうしたことから、主要中央銀行の多くは、目標とするインフレ率を2%程度に定めている。
そのインフレ目標政策の基本思想は、限定された裁量(constrained discretion)にある。これは、上述の「状況に依存した柔軟なルール」の別の表現である。インフレ目標政策は、中央銀行に最終的な目標インフレ率の達成と維持を求めるものではあるが、政策運営それ自体に機械的ルールを課すものではない。中央銀行は目標インフレ率の達成と維持のためには、テイラー・ルールが示すように、産出ギャップや物価動向に応じて金融政策を適宜調整していく必要がある。しかしながら、その判断はあくまでも中央銀行の側の裁量に委ねられている。それが、この「限定された裁量」の意味である。
インフレ目標政策は、マネタリスト反革命と合理的期待革命の洗礼を受けて生み出されたケインズ主義の新たな防備帯であり、ケインズ主義Ⅱにおける政策戦略の一つの完成型と考えることができる。』

それでは本日の最後になりますが、昨日に続きまして、アイザイア・バーリンが提唱した「消極的自由」(~からの自由)と「積極的自由」(~への自由)について語った、1958年10月31日にオックスフォード大学での就任講演の内容を御紹介させて頂きたいと思います。


アイザイア・バーリン


『 二つの自由概念
サラストロの神殿
理性的な自己支配としての自由を信奉するひとびとは、おそかれはやかれ、これがたんに人間の内面生活のみならず、その社会の他の成員たちとの関係に対してどのようなかたちで適用されねばならないかということを考慮せざるをえなかった。かれらのうちでもっとも個人主義的なひとたちでさえ ―― それにルソーやカントやフィヒテもたしかに個人主義者として出立したのだ ―― 、あるところまでくれば、理性的な生活がたんに個人にとってのみならず、社会にとっても可能なものであるのかどうか、また可能であるとしたら、いかにして達成されうるものかという問題を自問してみることになったのである。』

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
「サラストロの神殿」というのは、オーストリアの作曲家であるモーツァルトが生涯の最後に完成させたオペラ『魔笛(まてき)』に登場する神官サラストロ(ザラストロとも。独語:Sarastro)の世界のことで、「夜の女王」の世界と対立していて、お話の途中で善と悪が入れ替わってしまう流れになっています。あらすじは、Wikipedia にも書かれていますので、ここでは省略をさせて頂きますが、最終的に善となる神官サラストロ的世界を理想としているのが、理性による人間の解放という「積極的自由」(~への自由)を重視する連中であり、「ナショナリズム、マルクス主義、権威主義、全体主義等々の信条の多くのものの核心をなしている」ものであるとバーリンは指摘しているわけです。
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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