本日のキーワード : 陰謀論、カルト的環境、啓蒙思想
啓蒙思想(けいもうしそう、(英: Enlightenment、仏: Lumières、独: Aufklärung)とは、理性による思考の普遍性と不変性を主張する思想。その主義性を強調して啓蒙主義(けいもうしゅぎ)ともいう。ヨーロッパ各国語の「啓蒙」にあたる単語を見て分かるように、原義は「光で照らされること」である。自然の光(ラテン語: lumen naturale)を自ら用いて超自然的な偏見を取り払い、人間本来の理性の自立を促すという意味である。
本日の書物 : 『賢い人ほど騙される 心と脳に仕掛けられた「落とし穴」のすべて』 ロブ・ブラザートン ダイヤモンド社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 【自分が陰謀論者とは違う】と安心する前に、【カルト的環境】が実際に【啓蒙思想の理想からどれだけ離れているか】を見てみよう。
フランス人の哲学者【ルネ・デカルト】は1641年の『省察』で啓蒙運動を始めた。その著書の中で、彼は【一般に認められている見識をすべて否定し、できるだけすべてをうたがい、世界に対する理解を一から再構築し、自分自身の鑑識眼だけを信じる】ことに決めた。
ルネ・デカルト
半世紀後、イギリスの哲学者【ジョン・ロック】が
「もし…それを見つけるために【他人の考えでなく、自分自身の考え】を十分利用すれば、【合理的で熟考された知識の発見において、大きな進歩があるはず】だ。というのも、私たちは他人の目で見たいと思うのと同時に、他人の理解によって知りたいと合理的に望むだろう、と私は思っているからだ」。
ジョン・ロック
ドイツ人の哲学者、【イマヌエル・カント】はその1世紀後に「【啓蒙主義】とは何か」という問いの答えを導いたとき、彼はモットーとして、「Sapere aude! ― 知る勇気を持て!」と示した。
イマヌエル・カント
コリン・キャンベル
【啓蒙主義】の思想家の高い知的願望が、キャンベルが「【正説を攻撃】すること」と「【個人の信念】と実践の自由を守ること」と表現した、【カルト的環境】の決定的な特徴からそれほどずれていないことに、あなたは気づいたかもしれない。ときには、【その類似性はまったく異常】だ。…啓蒙主義的考えで、「合理主義との決裂を表明するには程遠い。【陰謀論的思考】は実際、【あきれるほど啓蒙主義の理想に一致している】」とジェーンとフレミングは書いている。』
コミュニタリアン V.S. リベラリスト
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、「この世界は噓八百」、「世界は嘘塗(まみ)れ」、「真実(過去・現在・未来)を追求する」などと言って、「おバカ」丸出しの妄想をSNS上で繰り広げるような陰謀論者らについて、そんな陰謀論にハマってしまう仕組みとその手口を、最新の科学的知見に基づいて明らかにしている書物で、
過去が分かれば、自動的に現在が分かり、さらには未来まで分かる、などという短絡的な思考(縄文時代が分かれば昭和や令和の時代が分かるし、さらに数千年後の未来も分かるのだそうでw)しか持ちえない「おバカ」な陰謀論者らが、必死になって主にネットでかき集めた情報(?)に基づき、無い知恵を絞りに絞って考え出した“陰謀の真相”とやらが、実は本人の意識とは無関係に、その脳ミソが勝手に作用することで生み出される“幻想”に過ぎないものであるということが理解できる良書になります。
それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値
☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 191,567(189,972)÷6,390,840(6,334,158)=0.0299・・・(0.0299) 「2.99%(2.99%)」
イタリア : 35,587(35,577)÷283,180(281,583)=0.1256・・・(0.1263) 「12.56%(12.63%)」
日本 : 1,416(1,412)÷73,955(73,266)=0.0191・・・(0.0192) 「1.91%(1.92%)」
ポンペオ国務長官「中国共産党は長年にわたり、中国にいる米外交官の行動を大幅に制限してきた。本日、国務省は米国に滞在する中国人高官への承認制度を設置し、大学訪問と自治体役人との面会が対象となる。」 pic.twitter.com/x0XQUbPB2R
— アメリカ大使館 (@usembassytokyo) September 4, 2020
クラッチ国務次官は、「中国は世界最大の遠洋漁業船団に資金援助をしている。多くの中国船籍の漁船は、違法、無報告、無規制漁業に従事しているか、または世界中で合意されている限度を超えて魚を乱獲している。中国は他国と同じルールを守るべき時が来ている」とツイートしました。 https://t.co/eXnStx1PNd
— アメリカ大使館 (@usembassytokyo) September 4, 2020
アメリカ政府の英断に心からの敬意を表する。独裁国家との片務的な関係を見直すのは本来当然のことだが、多くの自由主義国が中国への過度な配慮のため、できずにいる。とりわけ日本はまったく手放しの状態だ。日本政府も米国に倣って、日本における中国高官、在日中国公館の活動に適切な監視と制限を。 https://t.co/ukzDF1g5vn
— 有本 香 Kaori Arimoto (@arimoto_kaori) September 4, 2020
日本政府はサプライチェーンの中国依存を低減する為に豪印との相互協力関係強化を目指し、過度の中国依存が招く脆弱性克服を目指す豪州は前向きに検討中との報道。Supply Chain Resilience Initiative (SCRI)と呼ばれる動きはアセアンも視野に入れる。日本では報道されない。 https://t.co/EQKdtAHU0I
— 山岡鉄秀 (@jcn92977110) September 6, 2020
「尖閣諸島における日本の施政権の弱体化を狙った企てなど、この地域を不安定にする中国政府の活動に対しては、断固として反対であることに変わりはない」――エスパー国防長官 @EsperDoD pic.twitter.com/5Q9HOwPVyG
— アメリカ大使館 (@usembassytokyo) August 31, 2020
さて、ここからは昨日の続きになりますが、今回の「武漢肺炎(COVID-19)禍」の騒動の最中に、“ワクチン陰謀論”、“ワクチン有害説”などの類の「疑似科学(pseudoscience)」、
あるいは、「マルクス主義の背後にいるのはユダヤ人」などという珍説を、恥ずかしげもなく主張あるいは妄信する「おバカ(=“デュープス(Dupes)”)」について書かせて頂いているところになります。
☆「おバカ」な「おパヨク」という“塵芥”と、ヒトラーの「青写真」
キリスト教世界である西洋社会の根底には、1000年以上の歴史を誇る「反ユダヤ主義」の伝統があるわけですが、あのマルクスも正真正銘の「反ユダヤ主義者」で、その意味で、ヒトラーと同類でした。
そんなマルクスは、ヘーゲルの目指していたものを全く理解できず、誤解・曲解した挙句、それまでに培われてきた西欧民主主義を否定・断絶する形で、
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
「プロレタリアート」なる架空の階層による「暴力的革命」を正当化する理論的根拠(←もちろん、デタラメな理論でしかないのですがw)を与えることになるわけですが、それにも関わらず、
『 マルクス主義の背後にいるのはユダヤ人 』 by ewkefc
などと戯(たわ)けた珍説を唱える「おバカ」が実在していたり、今どきマルクス主義を強調するような「おバカ」な国家主席が居ちゃったりします(笑)
で、マルクスと同じく「反ユダヤ主義」で著名なドイツの哲学者のマルティン・ハイデッガーは、ナチスとの関わりが深かった(ハイデッガー自身がナチス党員でしたw)ことで知られますが、
マルティン・ハイデッガー
そのハイデッガーと、その弟子たちの「危険な哲学」について、それが現代にまで脈々と受け継がれている、ある種の病気(伝染病みたいなモノ)である、ということを御理解頂くために、次の論文をご紹介させて頂いているところになります。
『 共同は善である、分離は悪である、と考える。これは多くの哲学者がかかる病気の徴候である。とりわけ左派系の哲学者はこういう病気にかかりやすい。マルクス主義者とはいえないアーレントやハーパーマスにしてもそうした傾向と無縁ではない。そのあたりの心理の一端をのぞいてみよう。』
☆『連帯の甘き幻想 ~ マルクーゼからコミュニタリアンへ』 堀川 哲
それでは昨日の続きを見て参りましょう。
『 近年ではコミュニタリアンがこのリベラリズムを攻撃する。テイラー、マッキンタイアー、ウォルツアーそしてサンデルといった人々がコミュニタリアンと呼ばれるが、
チャールズ・テイラー
アラスデア・マッキンタイア
マイケル・ウォルツァー
マイケル・サンデル
とりわけテイラー、マッキンタイアーといった元トロツキスト系のマルクス主義者たち(両名とも『ニュー・レフト・レビュー』の中心メンバーであった)はもろ「共同体主義」と呼んでよいようなリベラリズム批判を展開する(だからサンデルのような若い世代はこれに若干警戒感を示している)。』
ここで、論文中に付された注記部分にも目を通して見ましょう(※は当ブログが付け加えたものです)。
『 スターリン主義を克服しようとする者はリベラル・デモクラシー(※自由民主主義)に頼ってはならない、これがマッキンタイアーの基本的な立場である(『美徳なき時代』 「序文」篠崎栄訳、みすず書房、1993年)。スターリン主義にかわって「礼節と知的・道徳的生活を内部で支えられる地域的形態の共同体を建設することである」(321ページ)と彼は書いている。
テイラーの主著は『自我の源泉』(下川・桜井・田中訳、名古屋大学出版会、2010年)であるが、『<ほんもの>という倫理』(田中智彦訳、産業図書、2004年)をみれば、テイラーの哲学の性質がよくみえてくる。すなわちそれはヘーゲル主義、初期マルクスの甘美な疎外論、ホルクハイマー・アドルノ風のペシミズム(※悲観主義・厭世主義)と道具的理性批判のごった煮である。なおマッキンタイアーもテイラーも現在では(あるいは「でも」)熱心なカトリック教徒であるという。』
コリン・キャンベル
それでは本日の最後に、本文中に登場していたコリン・キャンベルが主張した「カルト的環境」という概念について、少々補足させて頂きます。
エルンスト・トレルチ
コリン・キャンベルによる「カルト的環境」という概念は、エルンスト・トレルチによる宗教現象の三分割(教会宗教、セクト宗教、神秘宗教)を発展させ、「カルト」と「セクト」の区分に応用させたもので、大まかに次のように対照されます(赤字がカルト、青字がセクト)。
個人主義的 集団的
緩い構造 緊密な構造
所属者に対する要求はまれ 所属者に対する要求は多大
寛容 不寛容
包括主義者 排除主義者
一時的な 安定した
漠然とした境界 明確に境界づけられた
変動する信条体系 堅固な信条体系
未発達の組織 安定した組織
きわめて短命 長年にわたって持続
このように「カルト」(赤字)と「セクト」(青字)を対照した場合、「カルト」に属するグループを「カルト的環境」と表現しています。
その上で、キャンベルは、「カルト的環境」について、次のように述べています。
『 カルトグループが、短命で、不安定であることを考慮するならば、実際、古いカルトが死ぬ一方で、新しいカルトが次々に誕生することも事実である。個人的レヴェルではメンバーの高い交替率に並行して、カルトの形成と消失の持続的な過程が存在する。したがって、あきらかにカルトは、個々のカルトの持続には向かないものの、カルト一般の大量生産には好都合な環境のうちに存在しているに相違ないのである。こうした一般的に有効なカルト的環境は、新しいカルトを生み出し、死んだカルトの残骸を吸収し、そしてメンバーの高い交替率を維持すべく、カルトを好む個人からなる新しい世代を創造する。こうしてカルトは、定義上、大部分短命であるが、カルト的環境の方は、それに対して社会の恒常的な特徴となる。』
『 統一性をもった諸傾向の基礎にあるのは、こうした世界が、支配的な正統的文化に対する異端的、逸脱的な立場を共有しているという事実である。この事実が逸脱という共通した意識を生み出し、より大きな社会のあからさまな軽蔑や敵意に対し自らの立場を正当化する必要性を感じさせるのである。さまざまなカルト運動の代弁者は、正統を攻撃し、信条と実践の個人的自由を擁護することにおいて共同戦線を張る。ここから生まれるのは相互の共感と支援の必要性であり、さまざまなカルト的運動が互いに批判し合うことはほとんど見られないのである。反対にそれらはお互いの信条に対して著しい寛容さと受容性を示す。こうした態度は、ある程度、信条の自由とあらゆる教条主義に対する抵抗に由来するとはいえ、神秘主義的伝統の存在から大きな刺激をうけているのである。この伝統は神的なものとの統一という唯一の理想が多様な道によって到達しうると強調するが故に、それは、世界教会的で、超教会的、折衷主義的、寛容な傾向をもつ。こうした傾向は、カルト的環境の特徴ともなる。その信条の内容が忘我的経験の追求という意味での神秘主義的なものであるか否かにかかわらずである。』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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