2020-05-30 (Sat)

本日のキーワード : 倫理
倫理(りんり) : 人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの。道徳。モラル。
本日の書物 : 『政治無知が日本を滅ぼす』 小室 直樹 ビジネス社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 孔子曰(のたまわ)く。
斉(せい)の桓公(かんこう)は正(せい)にして譎(きつ)ならず(『論語』憲問第一四。十六) = 斉の桓公は正しく行って、偽(いつわ)ることをしなかった。
【孔子】は其(そ)の他の所でも、屡々(しばしば)【桓公を絶賛している】が、では桓公とはどういう人物か。

【彼は政権を取る為に兄弟の公子糾(きゅう)し殺した】。戦争を別にして、【彼に殺された人間、どれ程いるか分からない】。内寵(ないちょう/妾)の数も多く、家庭は乱れに乱れ、死んでも六十七日も葬って貰えず一尺もある虫が外に出て来た程であった。
また【彼は人喰人種(カニバリズム)であった】。彼の料理人易牙(えきが)は自分の子を殺して料理にして桓公に勧めてゴマを擂(す)って大臣に任ぜられた(桓公が「今まで色々食べたが、子供の肉だけは未だに食した事がない」と言った事に依る)。
史上最大の学者たる【孔子】、【桓公の個人的なスキャンダルを知らない訳はない】。
しかも、【其れに付いては一言も言及していない】。
何故か。

【孔子が「政治」を理解していたから】である。
当時の中国は戦乱で荒れ果て、【今にも野蛮人に滅ぼされそう】であった。
【其れを救ったのが、覇者ナンバー・ワンの桓公】だ。

此の【九合一匡】(きゅうごういっきょう/天下の諸侯を九回も集めて同盟を結ばせ、世直しをして秩序を取り戻した)の功に比べたら、人を殺すぐらいなんだ、妾の数なんか問題にもならん、人を喰うぐらい、いいじゃないかと。

春秋時代の諸国
と、此処まで人を喰った事を言ったら「聖人」として売り出し中の孔子、当代なら番組から降ろされ兼ない。しかし、彼の主旨ははっきり言わなくっても同じ事だ。
此処に【「正にして」】とは、【「正しい政治をして」】と言う事である。

【儒教】は優れて【政治的な宗教】であるのに、【此処の所がどうにも分からないのが日本人】だ。
【「政治倫理」とは、良い政治をする事】。
【結果良ければ全て良し】。ザッツ・オール。是(こ)れだけだ。

唯、【此の「良い政治」と言う事の意味】だが、【昔なら既に述べた「経世済民(けいせいさいみん)」だけで良かった】。【いまなら其の上、「デモクラシー」を機能させ、国民の基本的人権を守る事、是れが加わる】。…
【「デモクラシー」】が、兎(と)も角(かく)も(決して「理想的に」等と言わない)【機能する事】は、…【困難】なのである。…
【我々日本人は、嘗(かて)て政治に無知であった故に「誰一人欲した者のいない」大戦争に突入した】。【此の事を綺麗に忘れ、政治白痴で付和雷同すること野良犬の如きマスコミ】に依って、【今また致命的な政治無知が拡大再生産されようとしている】。』

一般普通人の倫理、看護師の倫理、政治家の倫理
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、普段から政治に無関心でいるために『政治音痴』な日本国民の方々と、その職務として政治に関心を持っているにもかかわらず、何故か『政治音痴』な「朝日新聞グループ」に代表される日本のメディア関係者と、さらには、それを生業(なりわい)としているにもかかわらず、どうしようもなく『政治音痴』な政治家におすすめの良書で、『政治』というものが何か、がキチンと基本的なところから理解できる書物になります。

一昨日のところで確認いたしましたように、本書を読み進める上で、非常に重要な「公理」について書かれていましたが、それは、次のようなものになります。
〇 政治学の第一の公理
『政治』は、性悪説(人間の本性=“悪”)で考えなければならない
〇 政治学の第二の公理
『政治家』は、特に凶悪でなければ務まらない

まずは、それをキチンと覚えて置いて頂いた上で、本文中に登場した「斉の桓公」について確認しておきましょう。
「儒教」という宗教(儒教が宗教だと思ってもいない方々が多いのですが、そんな方々は、少し古い記事で見にくいかもしれませんが、こちらをご参照くださいませ💗→孔子って誰? ~ 孔子の教えが、中国人には何の意味もなさない理由)の始祖である孔子が、「斉の桓公は正にして譎ならず」などとして絶賛している桓公には、襄公(斉の第14代君主)と公子糾という2人の兄がいました。
その襄公は実妹の文姜と恋愛関係にあり、文姜が魯の君主に嫁ぎ、世継ぎを生んだ後も関係が続いていました。それを知って怒った魯の君主が文姜を叱ると、文姜は襄公に密告し、襄公は一族の彭生に命じ魯の君主を殺させます。そして、今度はそのことを魯から問詰されると彭生を殺して言い訳し、この他にも、気に入らない人間を次々と殺したため斉国内は混乱します。
その混乱の最中、小白(のちの桓公)は莒国に、また、兄の公子糾は魯へ亡命します。襄公はその後、従兄弟の公孫無知に暗殺され、公孫無知が斉公に即位したと称して国政を取り仕切ろうとしますが、公孫無知もまたすぐに暗殺されます。このあと、亡命していた小白(のちの桓公)と、同じく亡命し魯の後ろ盾を得ていた兄の公子糾との間に後継者争いが生じるようになります。ある時、公子糾の腹心であった管仲が小白(のちの桓公)を待ち伏せして暗殺を目論みます。結局、この暗殺は計画は失敗し、公子糾は待ち構えていた桓公(すでに斉に入り斉公になっていた)に打ちのめされ、魯へ逃げ込みます。
斉公の位に就いた桓公は、魯に公子糾は殺すように、管仲は引き渡すよう命じます(当初は管仲も殺そうとしていた)。しかし腹心で、管仲の親友でもある鮑叔に
「公が斉の君主であるだけでよいならば、この私でも宰相が務まりましょう。しかし、公が天下の覇者になりたいと思われるならば宰相は管仲でなければなりません」
と言われ、管仲を魯から引き取り宰相に任じます。
宰相になった管仲は、諸改革を推進・断行し、国力・軍事力・文化面の向上に成功します。その結果、管仲の改革を受け入れた斉の桓公は、周辺諸国にその名声が伝わり、周辺諸侯は周王朝に代わって諸侯間の問題を桓公に審議してもらうようになります。そして、長江流域の現在の湖北省を中心とした地帯を地盤にし、南方から勢力を伸ばし、周王室や諸侯を脅かし始めていた楚を、桓公は諸侯を率いてこれを破り、紀元前651年、桓公は諸侯と葵丘の会盟を執り行い、ここに覇者となりました。
その後、紀元前645年に、国政の要であった管仲が亡くなると、国政を顧みなくなり放蕩に明け暮れるようになります。また、管仲が亡くなる時に引き立ててはいけないと言った易牙・豎刁・公子開方の、まとめて「三貴」と呼ばれた佞臣らを起用し、国政が乱れます。桓公が病床に就くと、桓公は三貴によって病室に閉じ込められ、そのまま食料すら与えられず餓死したといわれています。その後の公子達の後継者争いの中でその遺体は放置され、67日の間、納棺・埋葬される事もなく、そのため遂には扉からウジが這い出してきたと言われています。斉はこの後もたびたび後継者争いが起こり、覇権は晋、楚へ移っってゆくことになります。

桓公と管仲
と、Wikipediaから抜粋すると、以上のような感じになりますが、「儒教」という宗教の始祖である孔子が、桓公を絶賛するのは、「正しい政治をした」からこそであり、正しい政治をしていなければ、決して評価しなかったはずです。
ここで、本書を読み進める上で、さらにキチンと理解しておいて頂きたい点が、「政治倫理」です。

ここで、次のサイトを参考にしながら、「政治倫理」というものを考えてみたいのですが、

☆『倫理とはなにか』 公益社団法人日本看護協会HP

公益社団法人日本看護協会HPの『倫理とはなにか』をご確認頂きますと、次のように記載されています。
『倫理と聞くと、哲学的でとても難しいもの、というイメージを持っている人も多いことでしょう。
しかし、「倫理」の意味を正確に知れば、そのイメージは払拭されるのではないでしょうか。「倫理」とは、簡単に言うと、次のような意味を持っています。

つまり、社会生活を送る上での一般的な決まりごと、と捉えることができます。』
「倫(人の輪、仲間)」+「理(模様、ことわり)」=「倫理(仲間の間での決まりごと、守るべき秩序)」
と分かりやすい表現で示した上で、「社会生活を送る上での“一般的な”決まりごと」として「倫理」を定義しています。
そして、次のような問いが出されます。

Q.
あなたが道を歩いていると、血を流した人が倒れていました。辺りを見渡しましたが、その人の近くにはあなたしかいません。あなたならどうしますか。
A.
①すぐに駆けつけて救護する
②ひとまず119番に通報する
③一人ではどうしたら良いのか分からないので、誰かが通りがかるのを待つ
④怖いので、見なかったことにして通り過ぎる

さきほどの“一般的な”決まりごととしての「倫理」であれば、言い換えますと、「一般普通人の倫理」であれば、どれを選択しても間違いであるとは言えません。それが、たとえ④であったとしても、です。
しかし、もし看護師であったとすれば、如何でしょうか? 少なくとも④を選択するということは、許されないでしょう。なぜなら、「一般普通人の倫理」とは異なった、「看護師の倫理」が存在しているから、です。
「倫(看護師の輪、仲間)」+「理(模様、ことわり)」=「倫理(看護師の間での決まりごと、守るべき秩序)」

で、本書で著者は、「政治倫理」とは、良い政治をする事、結果良ければ全て良し、と説明されています。この「政治倫理」は政治家に求められる「倫理」であり、「一般普通人の倫理」とは異なっています。
「倫(政治家の輪、仲間)」+「理(模様、ことわり)」=「倫理(政治家の間での決まりごと、守るべき秩序)」
ここのところが理解できないのが「おパヨク」さんと呼ばれる連中で、本来は「政治倫理」と「一般普通人の倫理」は別々の存在であるにもかかわらず、「政治倫理」の中に「一般普通人の倫理」を持ち込もうとし(それも無制限にw)、ごちゃ混ぜにして、知ったかぶりで「講釈を垂れる」わけです。だからこそ、「パヨク」なんですが(笑)

☆無知は主権を捨てなさい(笑) ⑨ ~ 自分は頭がいいと勘違いしている「おバカさん」から籠絡するのが定石です!

で、さらに、著者は、「良い政治」と言う事の意味について、
① 「経世済民(けいせいさいみん)」の実現
② 「デモクラシー」と「国民の権利」の護持
を行うことである、と説明されています。①の「経世済民」については、先日書かせて頂いておりますので、そちらをご参照頂きたいのですが(→☆“もっと、ガンガンやりましょう!” ~ 安倍総理に日本国民が託しているのは、『經世濟民』です。)、②の「デモクラシー」と「国民の権利」の護持を邪魔しているのが、「政治白痴で付和雷同すること野良犬の如きマスコミ」になります。そして、それらマスコミの手によって、現在においても、「致命的な政治無知が拡大再生産されようとしている」と著者は警鐘を鳴らしているわけです。

それでは最後に、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値

☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 100,411(98,929)÷1,699,073(1,681,418)=0.0590・・・(0.0588) 「5.90%(5.88%)」

イタリア : 33,072(32,955)÷231,139(230,555)=0.1430・・・(0.1429) 「14.30%(14.29%)」

日本 : 858(846)÷16,651(16,623)=0.0515・・・(0.0508) 「5.15%(5.08%)」

ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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