2020-02-08 (Sat)

本日のキーワード : アブラハム、サラ
兄弟姉妹婚(きょうだいしまいこん、けいていしまいこん)は、兄弟姉妹同士の結婚である。現在許可している国としては、異母もしくは異父の場合に限っては可能としているスウェーデンが知られているが、多くの国において近親婚の制限として全血半血を問わず禁止されている。

異母兄妹で結婚した異母兄アブラムと異母妹サライ。後にアブラハムとサラと名乗る。(1896年頃-1902年頃の絵画、James Tissotによる)
本日の書物 : 『陰謀と虐殺』 柏原 竜一 ビジネス社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 イラクとの戦争、国内での政治的主導権を握るための戦い、前国王支持派や左翼のパージを遂行しながら、【革命防衛隊】は、さらに【もう一つの戦線】を切り開こうとしていた。

イスラム革命防衛隊の記章
それは【イランの影響力を対外的に拡大すること】、一言でいえば、【イスラム革命の輸出】であった。そして、【輸出された先がレバノン】であり、成立した組織が【レバノン・ヒズボラ】だったのである。…


ヒズボラのロゴ
世界中のいかなる場所でも【テロを遂行】できるという【革命防衛隊の能力】は、【イランの国防政策の大きな支柱】となっている。【革命防衛隊のテロの対象】は、【過去30年の間アメリカであった】。しかし、アメリカはヒズボラの脅威に十分に対抗できていないのが実態だ。

まず、レバノン・ヒズボラの形成過程を振り返っておこう。1982年から1983年にかけて、【革命防衛隊と聖職者たち】は、当時レバノンに存在していた【二つのシーア派組織】、アマルとレバノン・ダアワ党の一部を【統合】し、それが【レバノン・ヒズボラとなる】。後に【ヒズボラの指導者】となる【ハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)】は、ダアワ党の出身である。

サイイド・ハサン・ナスルッラーフ(2019年)
そしてアマルのNo.2であった【フセイン・アル・ムサウィ(Hussein al-Musawi)】が、イランとの協力に否定的だったアマルの指導者ナビ・ベリーと袂を分かち、イスラミック・アマルと呼ばれる分派を結成した。この分派がヒズボラの母体となったのである。

それにしても、【なぜこの時期にレバノンが革命の輸出先になったのだろうか】。時期に関しては82年の【イスラエルによるレバノン侵攻】をあげることができる。イランとしては影響力を拡大するのに絶好のタイミングであったのだ。

そして、【レバノン】には【ホメイニの支持者が多い】という理由もあった。【レバノン出身のシーア派聖職者の多くは、70年代当時イラクのナジャフにあったシーア派の神学校で学んでいた】。1960年代から1970年代にかけて、【ホメイニとその取り巻き】は【ナジャフのシーア派の神学校で教鞭を執っていた】。その結果、レバノンのシーア派聖職者のなかには、ホメイニを支持するものが多かったのである。【現在までつづくイランとシリアとの関係はこのときから始まっていた】。

当時、シリアは、レバノンにイランの勢力が拡大することに懐疑的であった。しかし、当時のシリア駐在のイラン大使がシリアを説得し、【イランからの原油と引き替えに、シリアはイランに協力】する側にまわった。
その後【ヒズボラは大きく勢力を拡大】した。その理由は、第一に、【レバノンの聖職者もヒズボラに参加】したこと、第二に、【参加者への利益供与】があった。ヒズボラに加われば、月給150ドルから200ドルの収入が得られ、自分と家族の医療も無料になったのだ。
ヒズボラは、【イランの資金】を用いて、学校、医療施設、モスク、テレビ局やラジオ局、農業組織を作り上げた。社会サービスには、【ホメイニ、イラン、イスラム革命をたたえる膨大なプロパガンダが付随】していた。【イランの代表団】は、【殉教には価値があり】、【アメリカと他のイランの反対勢力は悪魔】であるという【メッセージを拡散】した。』

旧オスマン帝国領内に作り出された、「アラブの国」と「ユダヤの国」
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、複雑なうえに、まともな報道がなされない中東の情勢について、理解していくために必要となる「手掛かり」が数多く、整理された上で書かれている書物であり、現代の中東世界を見る際に、お手元に置いて参考にされるべき良書となります。

さて、一昨日のところで、第一次世界大戦(欧州大戦、1914年~1918年)の敗戦国側である中央同盟国の一つであったオスマン帝国が「トルコ革命」(1922年~1923年)によって滅亡(→トルコ共和国樹立)し、それまでの領土を次々と好き勝手に奪われてゆく流れの中で、

オスマン帝国下の中近東地域 (1849年)
その後、旧オスマン帝国領内に建国されることになる国々について確認し始めたところなのですが、上の地図にあるオスマン帝国の支配地域を、現代の地図上に示しますと、

イラク、シリア、ヨルダン、クウェート、レバノン、イスラエルといった国家が存在しているところは、オスマン帝国の勢力下に位置している地域であったことが御理解頂けると思います。
そして、イスラエル以外のイラク、シリア、ヨルダン、クウェート、レバノンは「アラブ」と称される人々の国になります。

アラブ諸国とされる主な国々
その「アラブ=アラビア人の意」、いわゆる日本語で表現される「アラブ人」という人種や民族は、これまでの歴史の中で存在したことが一度もないのですが、セム語(アラビア語)という言語的なグループとしてひとまとめにできる人々のことを言い表したり、あるいは、自分たちの祖先は誰であったのかというアイデンティティーを共有している人々のことを言い表しているだけです(→☆ナセルのアラブ民族、習近平の中華民族、金正恩のアイヌ民族and琉球民族(笑))。

その「アラブ=アラビア人の意」の人々が、自分たちの祖先を誰だと考えているのかと申しますと、まず、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教を信仰する「啓典の民」の始祖である「アブラハム」が、ノアの洪水のあと、神が人間を救済する出発点として選ばれた最初の預言者になります。

その「アブラハム」の“一人息子”の「イサク(Isaac/「彼は笑う」の意)」を自身が信じて疑わない神さまの命ずるままに、生贄(いけにえ)に捧げるために「殺す」という行為に走ってしまいます(「イサクの燔祭(はんさい)」)💗

『アブラハムとイサク』 レンブラント 1634年
しかし、これは非常に疑い深い神さまが、その信仰心を試すために“唆(そそのか)したもの”だったために、既(すん)でのところで回避されます。

『イサクを捧げるアブラハム』 ローラン・ド・ラ・イール 1650年
その結果、「アブラハム」の孫(=イサクの子)である「ヤコブ」は、神さまから、土地を与えられることを約束されます。それが、「カナンの地(Promised Land/約束の地)」です。

約束の地(境界線を示す赤線の間の地域)
そして、「ヤコブ」は「イスラエル」と改名し、その子孫はイスラエル人と呼ばれるようになり、12人いた「ヤコブ」の息子らが12氏族の長となり、「ヤコブ」はイスラエル人・ユダヤ人の始祖になると考えている人々が、本来の意味での「ユダヤ人」になります(→1月1日は、イエス・キリストの「包茎手術の日」です、☆現代ユダヤ人 = ヤコブの子孫 + 「赤の他人」 → この「赤の他人」って誰のことでしょうか?)。

で、ここが非常に由々しき問題となるのですが、実は、「アブラハム」には本妻以外に、“妾(めかけ)”がいたんです(笑)

北朝鮮の金正恩が“妾の子”であることと同じ(→☆「活断層」って、いつ頃からのものを呼ぶの?)になるのですが、


その妾(めかけ)が、本妻であるサラの単なる“女中”でしかなかった「ハガル」になります。

『天使とハガル』 Gheorghe Tattarescu 1870年
さて、このあと、どうなるのでしょうか?

続きは次回に♥
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