2020-01-28 (Tue)

本日のキーワード : 条件付き確率
条件付き確率(じょうけんつきかくりつ、英: conditional probability)は、ある事象 B が起こるという条件下での別の事象 A の確率のことをいう。
本日の書物 : 『文系のための理数センス養成講座』 竹内 薫 新潮社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 さて、気を取り直して【理系的発想法のその4】として紹介したいのは、【「コペルニクスの原理」】です。…

ニコラウス・コペルニクス
コペルニクスの名を冠した【コペルニクスの“原理”】ですが、これはコペルニクス自身が何かの原理を発見して名付けられたものではなく、コペルニクスが「地球が宇宙の中心だと思っていたら、じつは太陽の方が中心でした!」と発見したことにちなみ、【「自分中心の考え方を改める」ことを意味】します。…
言い換えると、【コペルニクスの原理】とは【「自分は特別ではない」という“気づき”のこと】なのです。

物理学の進歩の過程においては、地球中心説→太陽中心説→銀河中心説……という具合に、宇宙の中心が変わっていきました。そして今では、「我々がいるこの宇宙も特別なものではなく、他に無数の宇宙が存在しているのではないか?」という仮説が有力です。…
こうして、どんどん中心を改めていって、特別な地位をあらゆるものからなくしていくのが学問の発展の流れであり、それこそがコペルニクスの原理なのです。…

そして、特別な中心がないという気づきは、【「絶対性」から「相対性」へと思考が発展することを意味】します。

音楽における絶対音感と相対音感、成績の絶対評価と相対評価など、世の中には、【絶対と相対の両方の尺度が存在】しますが、この2つの考え方は必ずしも対立するとは限らず、【どちらの尺度の方が良いのか、無論ケースバイケースです】。「そんなこと知ってますよ!」という頼もしい声もありそうですが、実際には、いわゆる【文系】の人にこの【相対化が苦手な人が多いことは事実】でしょう。』

地震発生確率の計算方法
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、本来であれば、「学問」のルーツは一つである、という西洋的な考え方に立ち、その上で、日本の学校教育における「文系」と「理系」という区分が、如何に時代遅れであるのかが理解できる書物で、それぞれの思考の違いを比較することで、「文系」であろうと「理系」であろうと、そのどちらもが必須であるという「当たり前」のことが納得できるようになる良書となります。

さて、本書のご紹介は本日で最後となりますが、「理系の発想」として、ここまでに登場したのが、
① 要点にまとめる(抽象化)
② 前例の打破
③ 事後調整
④ 自分中心の考え方を改める
となります。たとえ「自分は文系だ」と思い込んでしまっている方々でも、これらの4つの発想を意識しながら、かつ、「論理的(数学的)」に思考することを心掛けることで、これまでとは全く異なった視界が目に前に拡がってくるはず、と当ブログでは考えていますので、是非とも、チャレンジしてみて下さい💗

そう言えば、昨日のところで、「地震」と「活断層」のお話について、少し書かせて頂きましたが、つい先日、政府によって「南海トラフ沿いで発生する大地震の確率論的津波評価」が公表されています。


☆南海トラフ沿いで発生する大地震の確率論的津波評価(令和2年1月24日公表)
ここで、その政府公表を報道する次の記事をご覧頂きたいのですが、


☆南海トラフ津波対策、進む西日本自治体 確率「6%未満」への油断懸念
そこには、次のような記述があります。
『・・・今回、県内の10を超える市町で、3メートル以上の津波が30年以内に到来する確率が「100年に1回」に相当する26%以上とされ、・・・』
つまり、
3メートル以上の津波が到来する確率
= 30年以内で26%
= 100年に1回
と言っているわけですが、これをそのまま読んで、その書かれている意味が御理解頂けますでしょうか? そもそもこの記事を書いている記者も、理解していないのではないかと思っているのですが(笑)

そこで、いま仮に、10人の人がいて、“同時に”くじを引くとします。くじは全部で10あり、そのうち、1つだけが当たりくじで、他の9つは外れくじになります。このとき、当たりくじを引く確率は、1/10で10%となり、10人ともすべて同じ確率になります。
そこで、今度は、ある条件を付け加えます。10人が“1人ずつ順番にくじを引く”とすると、1回目の当たりくじを引く確率は1/10で10%になります。もしも、1回目で当たりくじが出なかった場合に、2人目の人が2回目のくじ引きを行うことになるのですが、この時、残りのくじは9つであり、そのうち1つが当たりくじになりますから、2回目の当たりくじを引く確率は1/9で11.11%になります。
このように、「当たらなかった」場合といった条件を考慮して計算する確率を「条件付き確率」と呼びます。
さきほどの例を繰り返していくと、10人目の10回目のくじで当たりくじを引く確率は1/1で100%になります。当たり前のことですが、外れくじがどんどん無くなっていき、くじの数も少なくなっていくわけですから、後になればなるほど確率は上昇していくことになります。

今度は、人数を100人、くじの数を100、そのうち当たりくじは1つだけとし、同様に「条件付き確率」を求めた場合には、次のようになります。

たとえば、96回目までに当たりくじが出なかった場合、97回目のくじで当たりくじを引く確率は1/(100-96)で25%という高い確率になります。
実は、地震発生の確率も、同じ方法で計算されています(といっても、実際は、もう少し複雑になりますが)。

要するに、過去にあった地震の発生年を調べ、それを発生間隔ごとに頻度分布をまとめ(=ヒストグラム)、それを山型の曲線で近似させます(「BPT分布」を用いる)。


☆長期的な地震発生確率についての解説
そして、さきほどのくじ引きの例のように、「これまでに地震が発生していなかった」(=くじ引きで当たりくじが出なかった場合に相当)という条件を確率計算で考慮(つまり、除外する=くじ引きで外れくじが無くなっていき、くじの総数も減り、その中にはまだ当たりくじがある状態に相当)して算出することになります。


☆長期的な地震発生確率についての解説
ですので、だいたい何年か毎に地震が発生するという期間を設定しておいて、今後30年以内に発生する確率を求める際に、地震が発生しなかった期間を控除することで、計算の結果としての地震発生確率は当然高くなってしまうことになります。
でも、その想定した間隔内に、必ず地震が発生するとは限らないんです。

それでは、本日はここまでとさせて頂きますが、確率の考え方を理解するための参考となる記事(動画もあります)のリンクを貼っておきますので、ぜひ、ご参照くださいませ💗

☆「100年に1度」の大雨が増えている?
続きは次回に♥
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