2020-01-21 (Tue)

本日のキーワード : 原油
原油(げんゆ)は油田から採掘したままの状態で、精製されていない石油をいう。 埋蔵状態としては、油田(地下)、オイルシェール(地下の頁岩に含まれる。)、タールサンド、レークアスファルト等がある。 特に2000年代になってタイトオイル (一般にシェールオイルと呼ばれる) を水圧破砕法で取り出す技術がアメリカで開発され、「シェール革命」と言われるほどの産出量になっている。
本日の書物 : 『イスラム教の論理』 飯山 陽 新潮社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 【不信仰者に対してはまず宣教を行い、従わない場合には武力で制圧して殺害するか奴隷化する】というのは、コーランやハディースに立脚した【イスラム法】の【明確な規定】です。…こうした明文に由来する規定に【疑義を呈することは許されません】し、【イスラム法自体を否定すること】は【より一層許されません】。

イスラム法は神が人間に下した完全無欠の法であり、その完全性は神の完全性に由来しています。イスラム法に欠けたところや間違ったところがあると主張することは、それを下した神に欠けたところや間違ったところがあると主張することになるため、絶対に禁じられるのです。
【イスラム法】というのは【全イスラム教徒に適用されるルール】ですから、この【奴隷についての規定】も基本的には【全イスラム教徒】が【神からの命令】として【肯定的に認識】していることになります。

実際に、たとえば【エジプト・アズハル大学】の女性教授スアード・サーリフは2014年9月に放送されたテレビ講座において、
「 イスラム教徒が異教徒と戦争をして【敵側の女を獲得】したならば、その女は【イスラム教徒の所有する奴隷となり】、【その女奴隷を所有した人は彼女と性交をすることができる】。それは彼が自分の妻と性交できるのと同様である」
と述べています。

アル=アズハル大学
彼女の主張は特殊でも過激でもなく、【どのイスラム法規範の著作にも掲載されている極めてスタンダードで正統な規定そのもの】です。』

「イスラム教徒」は「イスラム人」ではありません
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、そのタイトルにあります通り、「イスラム教の論理」について書かれた書物になりますが、その「イスラム教の論理」とは、「イスラム教の教え」や、それに基づいた「イスラム法」を遵守しようとすればするほど、どうしてもイスラム教徒の方々にとっては避けることができない“巨大な障壁”が目の前に現れることになってしまうのですが、そんなイスラム教徒の方々にとっての「苦悩」や「覚悟」といったものが何であるのかを理解することができる良書となります。

さて、昨日のところでも書かせて頂きましたが、「イスラム教の論理」に基づき、それをそのままの形で、文字通り実行する(→これが、「イスラム原理主義」です)とすれば、イスラム教徒以外の人々との間に、トンデモナイ摩擦が生まれることになります。それと同じことは、ユダヤ教徒にも言えるのですが。。。
詳しくはこちらをご参照💗
↓
☆ヒレア・ベロック ユダヤ人 なぜ、摩擦が生まれるのか

イスラム教を信じているのが「イスラム教徒」であって、それは人種や民族と無関係で、「イスラム人」とは呼びません。
キリスト教を信じているのが「キリスト教徒」であって、それは人種や民族と無関係で、「キリスト人」とは呼びません。
仏教を信じているのが「仏教徒」であって、それは人種や民族と無関係で、「ブッダ(仏)人」とは呼びません。
でも、ユダヤ教の信者には、本来の民族的・部族的な意味でユダヤ教徒と、民族的・部族的にはまったく無関係のユダヤ教徒の大きく2つの系統が存在していますので、「ユダヤ人」と「ユダヤ教徒」とを区別しなければなりません。
何故ならば、もともと部族宗教で始まったのが「ユダヤ教」であって、やがて民族宗教となり、その後他民族・他人種へと拡がっていったから、です。
詳しくはこちらをご参照💗
↓
☆アーサー・ケストラー ユダヤ人とは誰か―第十三支族・カザール王国の謎

それでは、ここで問題ですが、我が国に存在する「アイヌ人」って、「アイヌ人」なのか「アイヌ教徒」なのか、どちらでしょうか?

そもそも、「アイヌ」というのは、「5つの部族」に分かれていて、しかも、それぞれが「異なる言語」を使用し、文字文化も無いわけです(下記の動画の12:15頃から)。
また、「アイヌ教」という宗教も存在していませんので、答えは、「アイヌ人」でも「アイヌ教徒」でもない、ということになります。
つまり、「チュチェ思想」を根本教義とする「チュチェ教」を信じている「チュチェ教徒」が“プロパガンダして創り出した妄想”こそが、「似非アイヌ人」なんです(笑)
忘れもしませんが、実際に、「アイヌ人」と呼ばれる範疇に含まれる部族に繋がる方から、御譲り頂いたのが、次のものになりますが、「アイヌ」を利用した“おカネ儲けのためだけ”の「でっち上げ」には、非常に激しい怒りを感じていらっしゃると吐露されていました。「インチキだ!」、と。


それでは、昨日の続きになりますが、19世紀末、1890年代に、「米国灯油」と「ロシア灯油」が、つまり、米ロックフェラーのスタンダード石油会社と英シェル運輸貿易会社(仏ロスチャイルドと独占販売契約)が、「東洋市場」において衝突するようになっていきます。

1890年頃の世界地図


ところが、そこに第3極として登場するのが、1890年代後半の「ロイヤル・ダッチ(Royal Dutch Petroleum)」(オランダ)でした。オランダ領東インド(インドネシア)で採掘される原油を精製し、日本・支那・東インド・オーストラリアへの「灯油」の輸出を急増させ、たったの4年でアメリカからの同地域への輸出額に匹敵するほどになります。
このように、「東洋市場」を巡って、3社は激しい販売競争をするようになります。
で、その頃、我が国は、一体何をしていたのでしょうか?

答えは、「日清戦争」(1894年7月~1895年4月)です。わずか9カ月で、満洲族が支配した支那の王朝・清との戦争に完全勝利します。

「威海衝陥落北洋艦隊提督丁汝昌降伏ノ図」 右田年英画 1895年(明治28年)
その結果、我が国は、台湾などの割譲を受けます。

1900年頃の世界地図


1901年、英シェル運輸貿易会社と蘭ロイヤル・ダッチが「英蘭協定」(British-Dutch Agreement)を締結、1903年に仏ロスチャイルドが加わって、三者合弁(出資比率は対等)の「アジアチック・ペトロリアム(Asiatic Petroleum Co.)」が設立されます。これは、「ロシア灯油+インドネシア灯油」の東洋市場向け販売グループが成立したことを意味します。このあと、1907年には両社は一本化(蘭ロイヤル・ダッチ60%、英シェル40%)され、事業が共同化されます。ここに、「ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell plc)」(蘭英)が誕生することになります。

ロイヤル・ダッチ・シェル ハーグ本社
で、その頃、我が国は、一体何をしていたのでしょうか?

答えは、「日露戦争」(1904年2月~1905年9月)です。これは満洲族の清朝との戦争とは違って、辛勝(しんしょう)でした。

ポーツマスにおける日露両政府代表団
詳しくはこちらをご参照💗
↓
☆桑原 嶽 乃木希典と日露戦争の真実

ですが、当面の敵がいなくなったことによって、我が国は徐々に「平和ボケ」になってしまいます。

それでは、本日はここまでとさせて頂きますが、現代に繋がる中東地域の歴史の流れを確認しておく上での、重要なポイントとなる「スエズ運河」の支配権について、引き続き次回以降へと持ち越しになってしまいました。

☆動画:米空母エーブラハム・リンカーン、スエズ運河を通過 ペルシャ湾へ

繰り返しになりますが、現代でこそ、「中東」と言えば「石油・原油」というイメージがあると思いますが、ここまでの歴史の流れの中では、中東の出番がありません。あくまでも、「灯油」が中心であって、「ロシア灯油+インドネシア灯油」と「アメリカ灯油」とがライバル関係になっています。
つまり、アメリカの石油資源に基盤をおく米ロックフェラーのスタンダードグループと、東南アジアとロシアの石油資源に基盤をおく蘭英シェルグループという、2大勢力という構図が出来上がったわけです。
そして、1908年、イラン南西部のマスジェデ・ソレイマーンで、中東で最初の近代的掘削により「石油」が発見されます。

続きは次回に♥
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