2020-01-05 (Sun)

本日のキーワード : 地方分権、ブロックチェーン
地方分権(ちほうぶんけん)は、特に政治・行政において統治権を中央政府から地方政府に部分的、或いは全面的に移管する事を指す。対義語は中央集権。

本日の書物 : 『バカヤロー経済学』 竹内 薫 晋遊舎
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『竹内 : 二年後に増税するって話は、やっぱり避けて通れない道なんでしょうか。
先生 : それはそうかもしれない。だから、なるべく増税を避けようとしてる上げ潮派の人たちも、すごく長い目で見れば、増税がないとは言わないの。でも、「増税をするんだったら、【まず官のほうがスリム化しないと】国民が納得しないでしょ」と言ってるだけ。【このままの状態で増税するってのは、それはちょっと虫がいいんじゃないんですか】っていうことなんですよ。

竹内 : 増税する場合は、やはり【消費税を上げる】?
先生 : たぶん、そうなっちゃうでしょうね。でも、たとえば【年金の財政を良くするために消費税を上げるっているのは、実はまずい】のね。って言うと、みんな【年金のために消費税を上げるというプロパガンダ】に慣れ親しんでいるから、「えっ?」って言うんだけど…竹内さんはわかります?


岡本薫明(おかもと しげあき)


☆「消費税は社会保障財源」「国民に理解求める」岡本薫明財務次官インタビュー

竹内 : 【地方の財源にならなくなるから】?
先生 : そう。実はこれ、【地方分権と関係がある】んですよ。【理想の政治の形】が【地方分権】で、世の中の動きが徐々にそうなってきているということは、さっき説明した通りです。

で、【もし地方分権をしようとしたら、今、国が吸い上げて差配してる税金を地方に移し替えなきゃいけなくなる】わけ。「税金をすぐ近くで払うことによって監視する」というのが地方分権だからね。

日本の場合は、昔「三割自治」って言われていたんだけど、【地方税による税収】っていうのは、【地方の歳入の三割から四割くらい】なわけ。それくらいじゃあ、【住民のほうもお金を出している感覚がない】から、【地方の自治体に関心が向かない】ですよね。地方の財源の話はさっきしましたけど、具体的に言うと、【国から地方にだいたい20兆円くらいのお金が流れている】んです。だから【地方分権を実現】しようとすると、【国が吸い上げている税金のうち20兆円くらい】は、【税源移譲】で【地方にあげないと分権化は進まない】んだよね。そうすると、地方に20兆円あげるためには、【実は消費税を地方に移さないと無理】なんです。

でも、その一方で、【年金の財政を良くしたいっていう話】を持ち出されてしまうと、【地方に税金を移せなくなっちゃう】んですよ。じゃあ、年金も地方で運営すればいいじゃないかって思うかもしれませんが、これだけは無理。なぜかと言うと、【年金って保険なの】。保険というのは大数(たいすう)の法則を効かせないといけないから、大きな母集団が必要になるんです。だから、【どこの国でも年金だけは国の業務になる】んですよ。つまり【地方分権を進めようと思ったら、年金の財源として消費税は上げられない】。こういうロジックなんです。』

「官僚」の「官僚」による「官僚」のための政治
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、約10年ほど前に初版が出版された書物になるのですが、そこに書かれている文章は、至って平易な文体なのですが、恐らくは、さらに申しますと現在においても、多くの方々が「実はそういうことだったんだ!」と改めて驚かされるような数々のテーマがその内容となっていて、それぞれについて、対話形式で分かりやすく解説がなされた良書になります。

さて、一昨日のところで、「小さな政府(Small government)」は、中央集権的な政府への信頼が薄れ、次第に分権化されていくことで生まれてくるもので、理論的にも、「分権的にやったほうが、中央集権で独裁的にやるより、間違いは確実に少ない」ということが明らかになっているというお話が書かれていましたが、これはウォーレス・E・オーツの「地方分権定理」やチャールズ・チボーの「足による投票」などの古典的理論によって知られているところです。
また、「地方分権」を英語で「Decentralization」と言いますが、他の意味として、「分散」、「集中排除」という意味もあり、これもよく知られるところでは、分散型ネットワークである「ブロックチェーン(Blockchain)」の本質でもあります。

具体的には、「ふるさと納税」を思い出して頂ければ良いかと思いますが、財務省や総務省の官僚が配分を決める“のではなく”、税金を納める日本国民がその使い方を選択できる制度が「ふるさと納税」で、要するに官僚たちの思い通りにはならないわけです。

☆ふるさと納税が時代に逆行する「規制強化」された理由 | 高橋洋一の俗論を撃つ! | ダイヤモンド・オンライン
中央集権で独裁的な統治形態で典型的なものとして、マルクス・レーニン主義を掲げ、わずか100年も経ずに滅亡してしまった旧ソ連の「ソビエト型計画経済(Soviet-type economic planning :STP)」が挙げられますが、これは「指令経済(command economy)」と呼ばれ、経済の資源配分を国家そのもの(つまり、実質的には官僚。より具体的には共産党員。)が行い、必ず生産手段・産業そのものを“国有化”する(=私的所有権の否定)体制になります。ここで、腐敗を産み出す大本となるのが、“配分”を差配する特権を持つのが「官僚(共産党員)」に限られるという点です(→全体主義のマルクス主義者が最も恐れた思想)。
それと同様に、中央集権的に日本国民から搾取した税金を、どのように“配分”するのかという特権(うまみ)を手放そうとしないのが、財務省や総務省の官僚どもになります。資本主義の日本において、まるで社会主義政策を推進しているかのように。

社会主義を掲げて滅びたソ連のように、「中央集権(Centralisation)」の“官僚による支配体制”を維持したいがために、「地方分権(Decentralization)」に繋がる税源の移譲を頑(かたく)なに拒んでいるわけで、その目的のために、「ふるさと納税」にいちゃもんを付けたり、消費税を社会保障財源に充てるという悪手を繰り広げるんです。すべては、「官僚」の「官僚」による「官僚」のための政治、ということです。

で、本文中に「三割自治」という言葉が登場していましたが、地方の財源には、次の3つがあって、
① 地方税
② 地方交付税
③ 国庫補助負担金
①は地方で徴収されそのまま地方の歳入となりますが、②については、何故か国税として徴収した後、それを財務省が総務省に配分し、総務省が地方に配分することになっていて、その使途には制限がありません。また、③はその使途が指定されているので、財務省が各省庁に配分し、各省庁から地方へ配分されることになっています。
2001年(平成13年)に成立した小泉政権で、「地方に出来る事は地方に、民間に出来る事は民間に」という「小さな政府」を掲げる政策として、2003年度より「三位一体の改革」が行われましたが、これは②と③を減額し、それと同額の税源譲渡をすることで①を増額させるというものであったのですが、結局は②と③の減額分の8割程度しか①の増額がなされなかったため、財務省はほくそ笑み、総務省は煮え湯を飲まされた格好となりました。
一体何故か、お分かりでございますでしょうか?

①の税源移譲には財務省が反対で、②の交付税改革には総務省が反対で、③の補助金削減には各省庁が反対という構図だったわけで、②と③が減らされ、①は十分に移譲されなかった、つまり、財務省にとっては税源移譲が少なくて済んだ、その分儲かったことになるからです。
このように、すべては、「官僚」の「官僚」による「官僚」のための政治、が行われているのが、現在の我が国の状況になります。そして、日本のメディアも野党も、こういった“官僚の弊害”には目をつぶり、なぜか官僚に好きなようにされている、民意によって選ばれた「内閣」だけを攻撃しています。

☆朝日新聞「安倍政権は民主主義の基盤を掘り崩している」「有権者がみくびられてる」
その理由は、日本のメディアも野党も官僚との癒着があるから、なのですが(笑)

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