2019-12-20 (Fri)

本日のキーワード : 固定相場制
固定相場制(こていそうばせい)とは、各国政府間で為替レートを固定・維持する制度。
1944年に国際復興開発銀行(IBRD)と国際通貨基金(IMF)が設立され、自由貿易や資本移動の促進を目的に金1オンス=35ドルと定め、常にドルと金は交換可能とされた(ブレトン・ウッズ体制)。ここにドルを国際通貨(基軸)とするIMF体制が確立された。
1973年に先進各国は変動相場制へと移行した(ニクソン・ショック)。
本日の書物 : 『ミルトン・フリードマンの日本経済論』 柿埜 真吾 PHP研究所
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 フリードマンが1963年に日本を訪問した目的は、【日本の金融政策の調査】だった。【当時の多くの研究】がオーバーローンなど【日本の金融制度】の【特殊性に注目】したのに対して、【フリードマン】は、…【日本でも他の国々と同じ、所得・物価と貨幣との関係が見られることを指摘】した。【日本の貨幣の増加と景気変動】には、時間的なラグを考慮すれば、【密接な関係】があり、このラグの長さは、文化的・制度的な相違にもかかわらず、米国とほとんど同じだった。
フリードマンは日本滞在中、朝倉孝吉・西山千明[1974]やKeran[1968]らのマネタリストと協力し、日本の貨幣統計を精力的に研究したが、図7、8は、その成果の一つである。朝倉・西山[1974]が整備した日本の明治以降の貨幣統計を現在まで延長したものである。米国同様、【日本でも、貨幣と名目GDP、物価の間に強い関係が存在】していることが明らかである。


1970年代初めまで、フリードマンは、日本のインフレの経験を米国の反面教師と見なしていたように思われる。【当時の日本の貨幣量の成長率】は、たんに【高かっただけでなく、きわめて不安定】であった。年平均15%から20%増加し、時には30%以上も増加する等、【「上昇率の極端な変化」】が見られた。フリードマンは他国で観察できないような貨幣量の急激な変化の影響を調べる上で、日本に注目していたのである。
1971年以前、【固定相場制】の下にあった日本の【「典型的な景気循環」】は、「【国際収支が悪化】すると、[日本銀行が]【通貨の増加率を抑える】ので、その結果【景気後退に見舞われる】。…【国際収支が改善】すると、直ちに日本銀行は【通貨の量を増加させる】ので、【景気が拡大】歩調をたどる」というものであった。

【国際収支】の天井に【景気が振り回される】のは、金融政策を為替レートの維持に割り当てている【固定相場制の国々では一般的】だったが、日本の場合、貨幣量の成長率の変動が激しいため、景気の振幅が極端なものになっていた。フリードマンは、1963年の論説で国際収支問題の解決策として固定相場制廃止を提言している。』

経常収支の赤字は、悪いこと?
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、我が国の一部の経済学者を除いて、例えば、「御用学者」と嘲笑されている、多くの無能な、しかし、その“肩書だけ”は何故か持っている、そんなガラパゴス経済学者(→特に、前世紀の遺物というか汚物である「マルクス経済学者」)らが、どうしても評価したくない(→だから、レッテルを張って貶めようとしているわけですがw)、偉大な経済学者であるミルトン・フリードマンについて、その正しい姿を明らかにし、右も左も無関係に、本当に正しい経済・金融・財政政策とは何か、あるいは、本当の日本国民の敵は一体誰なのか、そういった日本国民として、優先的に考えなければならない「ツボ」が何であるのかが理解できる良書となります。

さて、本文中に「固定相場制」の下では、「国際収支の天井」に景気が振り回される、といった内容が書かれていましたが、
「固定相場制」とは、「米ドルを基軸に考える(1ドルに対していくら)」もの
で、一方、
「変動相場制」とは「需要と供給で相場が変動する」もの
になります。また、「国際収支」というのは、現在は、「経常収支」・「資本移転等収支」・「金融収支」の3つに大きく分けられ、次の恒等式で表されます。
経常収支 + 資本移転等収支 - 金融収支 + 誤差脱漏 = 0
ここで、非常によく誤解されている点を確認しておきますと、「経常収支の赤字は、悪いこと」、「経常収支の黒字は、良いこと」という間違った考え方をされている方々が、非常に多く見受けられることです。

『 一般に、ある国の経常収支が赤字であるのは、財・サービスの輸出より輸入が多い場合だが、これは国内の景気がよく、総需要が強いことが原因である場合が多い。』
詳しくはこちらをご参照💗
↓
国の経常収支が「赤字」だと「悪い」と思い込んでしまっている「おバカ」

そのことが御理解頂けていると、本文中に書かれていた、次の文章がより理解できると思います。
『 1971年以前、固定相場制の下にあった日本の「典型的な景気循環」は、「国際収支が悪化すると、[日本銀行が]通貨の増加率を抑えるので、その結果景気後退に見舞われる。…国際収支が改善すると、直ちに日本銀行は通貨の量を増加させるので、景気が拡大歩調をたどる」というものであった。』
かつて、固定相場制であった我が国は、為替レートを「1ドル=360円±上下1%」に設定していて、これを維持するために「貨幣量」を変動させていました。
「国際収支の悪化」、つまり、「経常収支が赤字で内需が好調(好景気)」であれば、例えば輸入業者は、輸入代金の支払いのために米ドルが必要となり、その需要が高まります。もちろん、輸出が好調な場合も、加工貿易で成り立っていた当時の我が国の状況では、その輸出製品の原材料の輸入にも米ドルが必要で米ドルの需要が高まります。そのままで放っておくと、ドル高円安になるということです。
経常収支 + 資本移転等収支 - 金融収支 + 誤差脱漏 = 0
このとき、海外から米ドルの流入が適度にあれば良い(資本移転等収支の増加)のですが、それが期待できない場合、日本銀行が採れる政策は、「円という貨幣の供給量を減らす」ことで、円と米ドルとの需給バランスを調整するしか手立てがないわけです。
『 国際収支が悪化すると、[日本銀行が]通貨の増加率を抑える』
ということは、好景気にもかかわらず、「固定相場制」の維持のためだけに、「貨幣量」を減少させる愚策(=金融引き締め)を行うことになります。そして、その結果、「景気後退」が生じることになります。これって、バカげていますよね?
だから、ミルトン・フリードマンは、その国際収支問題を解決するために、「固定相場制」の廃止を提言したわけです。

で、そんな「固定相場制」と「変動相場制」の下では、次のような特性があることが良く知られています。
〇 固定相場制 : 財政政策は有効。金融政策は無効。
〇 変動相場制 : 財政政策は無効(※)。金融政策は有効。
但し、変動相場制の下で、金融政策との併用であれば、財政政策は有効と考えられています。ここでは以下に参考動画を載せさせて頂き、詳しい説明は省略させて頂きますが、ロバート・アレクサンダー・マンデルとジョン・マーカス・フレミングによって1963年に発表され、1999年にノーベル経済学賞を受賞した、「マンデル・フレミングの法則」がそれです。フリードマンが、我が国に対して、国際収支問題の解決策として固定相場制廃止を提言した頃に発表された理論になります。
ちなみに、動画の中では、先日書かせて頂いた(→「悪夢の民主党政権」の生みの親は、財務省の部下・麻生太郎です(笑))、あの「地底人」と揶揄されたリチャード・クーのお話も出てきます💗

辜朝明(リチャード・クー)

それでは、本日はここまでとさせて頂きますが、ミルトン・フリードマンにレッテル張りをする全体主義者のマルキストらが、そのレッテル張りに利用するのが南米のチリとの関係になるのですが、

ご参考となる動画をご紹介させて頂きますので、どうぞ御覧下さいませ。

続きは次回に♥
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