2019-12-09 (Mon)

本日のキーワード : 所有権
所有権(しょゆうけん)とは、物の全面的支配すなわち自由に使用・収益・処分する権利。
占有を正当化し物の支配の基礎となる権利(占有権以外の物権)を本権というが、所有権は物の使用・収益・処分という全面的支配を内容とするものでその典型である。
近代の所有権は、土地に対する複雑な封建的制約の廃止を目指して生成した。1789年のフランス人権宣言は、所有権を「神聖不可侵」として所有権の絶対性(所有権絶対の原則)を標榜し、私有財産制の基礎を確立した。
本日の書物 : 『ウェルス・マネジャー 富裕層の金庫番――世界トップ1%の資産防衛』 ブルック・ハリントン みすず書房
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 ウェルス・マネジメントは、「まとまりつつある、体系化の途上にある専門職の世界」である。職業として認識されるようになったのは、18世紀半ばの『荒涼館』の時代になってからだった。

この職業の中心的代表団体である、【ソサエティ・オブ・トラスト・アンド・エステイト・プラクティショナーズ(略称STEP)】が、【ロンドンを拠点】に創立されたのは、1991年だった。ウェルス・マネジメントに関する学位や資格取得制度は、最近まで存在しなかった。そのため、労働力のプールを別の分野に頼っているのが現状だ。現在プラクティショナーとして仕事をしている者は、タルキングホーンのような弁護士が多く、会計士も大勢いる。ほかにも、アカデミックな世界や環境活動など、多様な背景を持つ者がいる。組織の観点から言えば、ウェルス・マネジャーはプライベート・バンクや信託会社などで、またファミリー・ビジネスや個人事業主からも、幅広く雇用される可能性がある。
ウェルス・マネジメントが職業として確立されたのはごく最近なので、職域の境界線をいかに定めるか、プラクティショナーにどのような名称を用いるかなど、まだ基本的な問題をクリアしていない。「ウェルス・マネジメントに関して一般に受け入れられた標準的な定義は存在しない」とみなす研究もわずかながらある。だが学者やプラクティショナーの間では、「その基本的定義は、裕福な顧客、なかでも主に個人顧客とその家族に提供する金融サービス」であるということで、広く意見が一致している。

名称に関しては、受託者の任務という【封建時代の慣行との歴史的結びつき】を強調するため、職能団体の創設者は、【「トラスト・アンド・エステイト・プラクティショナー」(信託と財産のプラクティショナー)】と呼ぶことにした。

だがこの呼称では、【複雑な活動内容に次第に釣り合わなくなっている】ように思われる。【STEPは今や、95か国に2万人を超える会員を有する】。現在の業務には受託者の任務だけではなく、ファミリー・ビジネスの監視、世界各地における多種多様な資産の調整、かつてないほど重要になった【所有と商取引に関する税効果の検討】まで含まれる場合が多い。』

中世の所有権と近代の所有権
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、世界中の超富裕層と呼ばれる人々の「富」を、国家による収奪から保護する役割を担っているウェルス・マネジャーについて、学者である著者自身がウェルス・マネジメント研修プログラムに参加し、資格を取得したのちに、その実態を調査・研究したまとめとして書かれた良書で、あまり一般には知られることのない、世界の「おカネ」を巡る攻防が、どのように展開されているのかを理解することができるお薦めの書物になります。

さて、我が国は資本主義経済ですが、これまでも繰り返し書かせて頂いているように、近代資本主義の根本は「私的所有権」にあります(→(問) 近代資本主義の根本は、「私的所有権」と「利子」のどちらでしょうか? ~ とあるマルキストの勘違いw)。
つまり、「所有権」の存在や内容が観念的・論理的に決定される「抽象的」なものとなった、そのことこそが、近代資本主義を産み出し、そして急速に発展することとなった原動力でもあります。
では、それ以前の中世では、「所有権」はどのように考えられていたのでしょうか?

あるモノに対して、その「所有権」があるのかないのか、また、その「所有権」の内容がどういうものであるのか、といったことは、所有者が現実に「占有(支配)」しているかどうかによって決定されていました。
分かりやすい例を挙げますと、韓国による「竹島」の占有とか、ロシアによる「北方領土」の占有とか、中華人民共和国が「尖閣諸島」の占有を狙っていることとかをイメージして頂ければ良いと思います。これらの国々は、野蛮な中世的思考回路で行動しているのだ、ということがここからも理解できるのではないでしょうか?


☆中国の静かな侵略 「島を丸ごと買い取りたい」と言われた人口1200人の奄美・加計呂麻島〜ネットの反応「中国人や共産党のフロント企業が買った土地に港や滑走路ができ、中国軍の前線基地になる」
特に、動産(=不動産以外の財産。現金・商品など。)がそうで、所有者がそれを他人に貸したり預けたりする場合に、その現実的な支配が消滅し、所有者であるとの主張が出来なくなってしまう、そういう状況にあったわけです。
中世ヨーロッパの時代の十字軍は良く知られていますが、遠征に参加した騎士たちは、教会や国、あるいは敵対する貴族などに対して、自分が所有する土地を無防備なままにせざるを得なくなります。
「占有」=「所有」という関係が中世の考え方ですので、自分の土地を収奪される可能性が十分あった(→現実に問題となっていました)わけです。その一方で、「税金」と「相続」の問題もありました。領主は、その相続に際して、莫大な税金を課せられ、また土地の譲渡に関して遺言が認められてはいませんでした。なぜならば、「占有」=「所有」という関係で考えられていたからです。
そこで登場してきたのが「信託(trust)」でした。

先日も書かせて頂きましたが(→日本国憲法と「フィデューシャリー・デューティー」 ~ 立憲民主党・石垣のりこは「〇〇主義者」です!)、現在の仮の憲法である日本国憲法には、『立憲主義(Constitutionalism)』、すなわち、「憲法に立脚する」ということが前文に書かれていますが、これが意味していることは、政府と国民との間にある、“契約関係”のルールこそが憲法である、と述べているだけのことで、まさにそれが、『立憲主義(Constitutionalism)』の本質になります。
そして、政府と国民との間にある、“契約関係”というのが、「信託(trust)」になります。

東京大学(あ)法学部を筆頭に、日本国憲法には、基本的人権の尊重・国民主権(民主主義)・平和主義の三つの基本原理(日本国憲法の三大原理)があるとする“珍説”を唱える「おバカ」が未だに数多くいるのですが、残念ながら、それらについて、日本国憲法には、「三大原理である」などとは一切書かれてはいないんです💗

それでは、実際に日本国憲法が「一大原理」として、高らかに掲げているものがあるのですが、それは何でしょうか?

これもすでに前回書かせて頂いておりますが、「政府と国民との信託関係」です。「政府と国民との信託関係」こそが「人類普遍の原理」であり(もっとも、これは英米法の考え方になり日本人の考え方とは言えません)、受託者に負わされている『フィデューシャリー・デューティー(Fiduciary duty)』を規定しているものが、現在の日本国憲法であるということになります。

では、その「政府と国民との信託関係」を資本主義経済における「株式会社」と比較してみましょう。
日本国民が政府に信託しているものは、その生命であり、その財産です。
株主は、株式会社に「おカネ」を出資し、その経営を役員会に委(ゆだ)ねます。
受託者である政府は、委託者である日本国民のためだけに行動し、その生命と財産の安全を確保し、受益者である日本国民に対して福利をもたらせなければなりません。
株式会社の経営陣は、株主のためだけに行動し、会社の経営安定を確保し、株主に対して配当金を支払わなければなりません。
ところが、このような、ごく当然のことがなされていない場合は、どうなるでしょうか?

経営陣が会社を私物化していたり、従業員が真面目に働いていなかったり、真面目に働いていたとしても利益を上げていなかったり。。。こういった場合は、株主に対する責務を果たしていないことになります。

それと全く同様に、国会議員が遊び惚けていたり、

☆産経新聞記者「桜を見る会の影響で解散風がささやかれてる」→松井大阪市長「もうやったらいいんじゃないの?憲法審査会も進まないし特区も進まない。何も進まないのが国民にとって一番マイナス」
官僚が増税のことしか考えなかったり、

☆【内閣府】10月の景気動向指数、5.6ポイントの大幅下落 東日本大震災並みの下げ幅〜ネットの反応「こうなることが分かってて消費税上げたんだろ? 分かってなかったとしたら、ほんまもんのアホだが」「国民へのセルフ経済制裁なんだから当然の数値」
あるいは、官僚とメディアが癒着して茶番を煽ってみたり。。。こういった場合は、日本国民に対する責務を果たしていないことになります。


☆イチロー氏「日本の野党やメディアは酷い。海外から見てると本当にバカらしい」
続きは次回に♥
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