2019-08-12 (Mon)

本日のキーワード : 景気ウォッチャー調査
景気ウォッチャー調査(けいきウォッチャーちょうさ)は、2000年(平成12年)から毎月、内閣府が調査し発表している景気に関する指標のことである。
本日の書物 : 『日本史に学ぶマネーの論理』 飯田泰之 PHP研究所
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 古代、なかでも天武朝から奈良時代に至る日本政府・朝廷は、なぜかくまでに手を変え品を変え、【政府による名目貨幣の発行】にこだわり続けたのだろう。一方で、平安期の貨幣政策は成功したとは言えない前例を踏襲し続けるなど、なぜ乱暴なものに感じられてしまうのだろう。
その【ヒント】は【貨幣発行益の特殊性】にあるのではないだろうか。土着人にかける税、古代律令制における祖(そ/土地に対する課税)、庸(よう)・調(人に対する課税)は基本的には【定住する農民への課税】である。商業や流通、貴族や寺社から税を取り立てることはむつかしい。さらに農業を中心とした課税ベースは天候不順などにより容易に不安定化する。
一方で、【貨幣発行益】は【貨幣を持つ者全てから徴収でき、天候などにも左右されない財源】でもある。貨幣発行益は、【政権が貨幣を発行し、その金属としての価値を上回る財・サービスを購入することによって生まれる利益】である。

このように書くと、貨幣発行益は打出の小槌であるかのように感じてしまうかもしれないが、それは誤りだ。

貨幣発行益を得るためには【貨幣の発行量を増やす】必要がある。貨幣の発行量が増加すると、基本的には【物価が上昇する(インフレーション、インフレ)】。

【インフレ】とは、【「同じ額の貨幣で買えるものが減る」】ことに他ならない。これは、 改鋳や貨幣発行量の増大以前に【貨幣を貯蓄している者にとっては負担となる】ため、【インフレ税】と呼ばれる。権力による直接的な徴税が不可能な者であっても、【貨幣を使っている限り、この税からは逃れられない】。
【一部(の土地や人)からしか徴税できない権力が、より広く財政収入を得ようとした場合、貨幣発行益はそれを可能とする数少ない手段である】。…

ここで【重要な論点】は、【政府の貨幣発行益を負担するのは「多くの貨幣を保有している者」であるという点】だ。

すると、会計や税務署の制度のない前近代社会において【富者により多くの負担を求めることができる】――【累進課税のような役割を果たしうる】という点でも意義深いのではないだろうか。』

景気変動に対して“異常”に鈍感な政府や官僚
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、我が国の歴史である国史の流れの中の「おカネ(貨幣)」に注目し、そこから現代経済学の知見に基づいて検証し、「経済」と「金融」というものを改めて考えていくというテーマで書かれた書物であり、「おカネ(貨幣)」というものが、そもそも何であるのか、ということを理解できるようになる良書になります。

さて、昨日も書かせて頂きましたが、我が国の足元の景況感は急速に悪化していて、「景気後退リスク」が顕在化している状況にあります。これは、昨年の秋ごろから警戒され始めたことです。


☆第106回トラック運送業界の景況感(速報)~平成31年4-6月期の景況感は、前回から12.2ポイント悪化... (全日本トラック協会)
また、「おカネ」の動きを見ましても、御覧の通り(↓)です。しかも、日本銀行が「おカネ」の供給を絞り始めたのも、昨年秋ごろからのことになります。つまり、景気後退する方向に密かに誘導している状況にあったわけで、その影響が見事に現実化し始めているということになります。




☆貸出・マネタリー統計(19年7月)~地銀貸出の伸び率が7年ぶりの低水準に|ニッセイ基礎研究所,
その異変に対して、非常に鈍感な政府や官僚とは違って、民間はいち早く気付いていました。それも、昨年秋ごろからになりますが。。。


☆景気ウォッチャー調査(2019年7月) ~天候要因や10月に控える消費増税により、現状判断DI、先行き判断DIは共に悪化 (第一生命経済研究所)
しかも、このことは、内閣府も把握しています。


☆令和元年7月調査(令和元年8月8日公表):景気ウォッチャー調査
私たち民間が、とっくに把握できていることに対して、そのことが理解できないのか鈍感ななのか、政府や官僚どもは「リスク管理」がまったく出来ていません。

☆令和元年7月調査(令和元年8月8日公表):景気ウォッチャー調査
馬鹿みたいに同じ過ちを何度も何度も繰り返しています。まるで、社会主義国家としてかつて存在していた、今は亡き「ソビエト連邦」のように(笑)

それを主導している確信犯の一人が、東京大学(あ)法学部という世界で誰も相手にされないガラパゴス学部卒の民間企業に就職できる実力さえなかった「超凡人・岡本薫明(おかもと しげあき)」です(笑)

岡本薫明(おかもと しげあき)



☆「消費税は社会保障財源」「国民に理解求める」岡本薫明財務次官インタビュー

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