2019-07-04 (Thu)

本日のキーワード : 日銀、経常損失、債務超過
経常損失は、損益計算書(P/L)において、「営業利益(または営業損失)」に「営業外収益」を加え、そこから「営業外費用」を差し引いた後の金額がマイナスとなったものをいいます。 これは、企業の事業活動全体から得られる損益状況を示しており、通常の事業活動で赤字(損失)が出ていることを示します。
本日の書物 : 『なぜデフレを放置してはいけないか 人手不足経済で甦るアベノミクス』 岩田規久男 PHP研究所
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 私は日銀副総裁時代に、【金融政策の知識のまったくない人たち】から「そんなに日銀が国債を買って大丈夫なのか」とよく聞かれたものです。そのたびに私は「大丈夫、大丈夫」と笑って答えていました。…

☆国債保有、日銀43%:日本経済新聞
たとえば、以下で説明する【「出口」】の過程で、【日銀の経常利益がマイナスになる】、すなわち「経常損失が発生する可能性が高い」ことを【「大変なことだ」と主張する人(民間金融機関の債権部門のエコノミストや著名な日本の経済学者など)がいます】。

日銀は【2%の物価安定】が持続的になったと判断すれば、【金利を引き上げていく】でしょう。その際、…金融機関が日銀に預けている当座預金のうちの準備預金を超える部分、すなわち、【超過準備預金に日銀が利子をつける】方式が採用されると思います。このように、金融緩和政策から徐々に引き締めに転ずることを、【非伝統的金融政策からの「出口」】といいます。…
日銀が保有している国債の金利の加重平均は0%台と極めて低い状況で…日銀が「出口」に向かって進む過程で、【日銀が保有国債から得る金利】が、【日銀が超過準備預金に支払う金利】よりも【低くなるという逆ざやが発生する可能性】があります。その結果、【日銀は経常損失を計上することになる】でしょう。

【「日銀が経常損失を計上する状況は、大変な事態だ」という人がいます】。

たとえば、日銀の財務の健全性が疑われて【円に対する信頼が失われ、猛烈なインフレになる、という】のです。

つまり、日銀の経常損益がマイナスになると、人びとはこぞって日銀券で物を買いあさるようになるため、【物価が急激に上がり始め(これをハイパーインフレになるといいます)】、【日銀はこの物価上昇を止められない、という】のです。

いま、【日銀は物価が上がらないので困っています】。ところが、もうすぐ日銀の経常損益がマイナスになるから、【物価は日銀の物価安定目標である2%をはるかに超えて上昇するという】のです。

つまり、日本は他の多くの国とは違って、【ゼロ%台の低インフレ】または【ゼロ%未満のデフレ】か、【年に何万%にも達するハイパーインフレ】かの【どちらかしか選択できない(無能な?)国だという】のです。…

仮定の置き方によって、日銀の経常損失が巨額になり、数十年も続く、というシナリオを作り上げ、すごいインフレが来るぞとか、国債が暴落するぞとか、猛烈な円安になるぞとかいって、よくわかっていない人を驚かせることはできます。
しかし、そういうシナリオを作る人に聞きたいことがあります。「そういう事態が来ることがわかっておられるのなら、いますぐ持ち金を全部はたいてモノや外貨などをお買いになってはいかがですか」と。そういう行動を取っていただければ、【日銀は苦もなく2%の物価安定目標を達成できます】。

しかし【「大変な事態になる」と騒ぎ立てている人】で、持ち金を全部はたいて自動車や住宅やマンションや別荘やドルなどの外貨を買いまくっている人を、私は寡聞のせいか、聞いたことがありません。「大変だ」とおっしゃるご当人は、【日銀の経常損益なぞ気にもせず、普通にお金を使っておられる】ようです。』

「銀行(Bank)」が普通の会社と決定的に異なる特殊性
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、我が国が長期間に渡ってデフレから抜け出せない根本原因が、①日本銀行の金融政策の失敗、と、②財務省が主導する緊縮財政&増税、と、③世界の主流である経済・金融政策の理論とは異質の主張をする日本の経済学者、と、④民意を問うことなく勝手に増税を決めてしまう日本政府、にあるということが、非常に分かりやすく丁寧に解説されていて、今、このタイミングで消費税率引き上げを実施することが、「自滅の特攻攻撃」に等しい愚策であるということを、嫌というほど分からせてくださる良書になります。

さて、本文中に書かれていた「日銀の経常損失」の問題に関しては、以下の記事が非常に分かりやすいと思いますので、是非ご参考になさっていただき、正しい知識を身に付けて頂きたいのですが、まず問題となる「日銀の経常損失」を2つのシナリオの下にシミュレーションを行い、ケース(1)として、累計10兆5560億円の赤字、ケース(2)として、累計16兆3570億円の赤字を想定されています。

しかしながら、その損失は一時的なものであって(ココが理解できていない方が多いと思われます)、いずれ黒字化し累積損失は解消することになります。これは、至極当然に予測される結論になります。ですので、「日銀の経常損失」の一体何が問題になると言っているのか、まともなアタマを持っているのであれば、不思議で仕方がないお話になります。

☆「出口のリスク」は存在しない=吉松崇〔出口の迷路〕金融政策を問う(5)
そして、もう一点、重要なポイントも指摘されているのですが、それが、「日銀の債務超過」の問題で、その際、日本政府が日銀の自己資本を補填することになるのですが、しかしながら、その補填コストはゼロであって(ココが理解できていない方が多いと思われます)、そもそも日銀の自己資本は経済的に無意味なものになります。

起業されたご経験があれば、簡単に理解できることですが、まず、一般的な民間の株式会社を設立する場合を考えてみましょう。
いま、あなたは株券を発行(実際に紙で発行する必要はありません)して、会社の元手となる「おカネ」を調達する必要があります。仮に、それが1000万円であったとすれば、その会社の設立時のバランスシートは、次のようになります。

これは、民間の銀行も同じで、仮にあなたの設立した会社が銀行業を営むと致しますと、本業に必要な「おカネ」、つまり日本銀行だけが発行できる「日本銀行券(日銀券)」を仕入れる必要があるために、日本銀行の当座預金に「おカネ」を預けることになります。そこに預けている分だけ、日本銀行はいつでも「おカネ(日銀券)」を用意してくれるからです。

こうして設立したあなたの銀行に、住宅ローンを借りに来られたお客様が現れます。そのお客様は、3000万円の価値のあるマンションを購入するのに、頭金を1000万円支払い、残りの不足額の2000万円の借金を申し込まれています。あなたの銀行は、3000万円の価値のあるマンションを担保にとって、それよりも少ない金額である2000万円を住宅ローンとして貸し出します(しかも、金利を取って)。このとき、あなたの銀行は、実際に「おカネ」を現金として差し出すのではなく、単に、帳簿上のやり取りだけで、つまり、住宅ローンを借りに来られたお客様の口座に数字を書き込むだけで完結します。

「銀行」というものの本質が、ここにあります。

であれば、「日本銀行」という我が国唯一の正式な「おカネ(日銀券)」を、独占的に発行できる権限を持つ「銀行」も同じで、「日銀は人件費にせよ、他の経費にせよ、日銀当座預金にその支払金額を記帳するだけで、取引を完結することができる」んです(詳しくは本書を御覧下さいませ)。
それが理解できていない方が、一般人にはもちろんのこと、エコノミストや経済学者にも多く見受けられるという事実が、非常に重大な問題になります。

それでは、昨日同様に参考となるある書物をご紹介させて頂きます。もちろん、この(↓)要注意人物のお話に繋がってゆくことになります。

都留重人
『 梅津美治郎(うめづよしじろう)が昭和十二年の段階で、内閣書記官長としてマルクス主義者、風見章(かざみあきら)を送り込む操作をした件については述べたとおりだが、梅津にはさらなる疑惑が残る。

梅津美治郎

風見章
近衛上奏の二年ほど前の昭和十八年十二月二十八日、近衛は痔疾手術のために東大病院に入院していた。その病床を見舞った側近の細川護貞(ほそかわもりさだ)は、思いもよらぬ情報を近衛から聞かされた。…ついでながら、細川の最初の妻は近衛の二女・温子(よしこ)で、間に生まれたのが護煕(もりひろ)元首相と護輝(もりてる)だが、護輝は後年、近衛正子(故・文隆の妻)の養子となって近衛忠輝と改名、現在は国際赤十字会長を務めている。

近衞忠煇

細川護熙
詳しくはこちらをご参照💗
↓
☆日中友好を謳う「霞山会」は、ネトウヨ(笑)

岳父(がくふ、妻の父)・近衛から細川護貞が聞いた話とは、次のようなものだった。
「 小畑中将の知人にて、某処より、梅津の児分(こぶん)の池田純久(いけだすみひさ)少将が、かつて企画院に在りて作成せる文書を手に入れたる人あるも、夫(そ)れには、計画的に支那事変を起し、日米戦争まで持つて来て、我国の社会制度を一新し、ソビエットの夫れの如くせんとの意図を看取するを得るものなりと。夫れより逆に考えて、支那事変当時の梅津の態度等は、実に首肯(しゅこう)しかねるものありたるも、或はかゝる陰謀ありたるならん」(『細川日記』上)

池田純久
詳しくはこちらをご参照💗
↓
☆左翼の全体主義者と戦争 ~ ナチズム=ボリシェビズム

梅津大将は支那事変勃発当時に陸軍次官、その後、関東軍司令官として新京で指揮を執っていた。事変不拡大方針を表明していた近衛内閣が実行できなかった陰には梅津がいたからだと、近衛が十八年暮れに至って腑に落ちた様子が窺える。近衛の上奏意図には、コミンテルンのゾルゲ・尾崎グループの謀略が、陸軍内部にいる特殊な人物と地下水脈で通じているという可能性を明確に示唆していた。』

朝日新聞記者だった尾崎秀実(おざきほつみ)
『 近衛上奏から一カ月半ほど経った昭和二十年四月五日、ソ連は日ソ中立条約延長破棄を通告してきた。その二カ月前にはヤルタ会談が行われ、重大な「密約」が交わされている。チャーチルとルーズベルトはソ連の対日参戦を強力に促し、ドイツ降伏三カ月後にソ連が対日参戦すれば見返りに南樺太、千島などをソ連に割譲する、としたものだ。二十年五月七日(日本時間八日)、ドイツは降伏文書に調印し、きっちり三カ月後の八月八日、ソ連は対日参戦を布告したのである。小野寺信(おのでらまこと、少将、ストックホルム駐在武官)から送られた情報は何者かによって握り潰され、日本は終戦をめぐる国家の舵取りを大きく誤った。

小野寺信
このインテリジェンス問題の闇については、すでに岡部伸(おかべのぶる)氏の『消えたヤルタ密約緊急電』(新潮選書)によって克明に明かされているので、ここでは触れない。小野寺「密電」が握り潰されるさなか、ソ連軍が欧州から東部へシベリア鉄道で大移動するとの情報も伝えられていた。それでも、なおわが国政府はソ連を和平の仲介役とする案にこだわったのだ。この真相はいまだに謎に包まれた部分も多いが、戦後体制を共産主義国家に委ねようとした陸軍統制派や学者たちがかかわっていた事実だけは明白である。

大本営には参謀次長直轄の戦争指導班長(課長と同格)という席があり、昭和二十年四月、同班長から鈴木貫太郎首相の首相秘書官となった松谷誠(まつたにせい)大佐は、「終戦後日本国家再建方策」という「親ソ論文」を提出している。その論文で松谷は、
「 スターリンは独ソ戦後、左翼小児病的態度を改め、人情の機微に即した左翼運動の正道に立っており、ソ連の民族政策は寛容なものとなった。――よってソ連はわが国体と赤とは絶対に相容れざるものとは考えざらん」
とスターリンを高く評価したうえで、続けてこうまで言う。
「 戦後わが経済状態は、米の企図する日本政治の民主主義化よりも、ソ連流の人民政府主義の方が将来日本的政治への復帰の萌芽を残し得るならん」
と。改めて言うまでもなく、参謀本部中枢から首相秘書官に就いた指導者が、ここまであからさまにソ連への期待感を抱いていた裏には、ある謀略があったとしか考えられない。
鈴木貫太郎といえば、天皇からもっとも信頼を受けていたとされる人物である。松谷たちは、日本が共産化しても皇室と国体は安泰であると錯誤した論法で、日本を共産化しようと画策していたのだろう。ヤルタ会談後に小野寺からの電報を直接受信したのは、参謀本部次長の秦彦三郎(はたひこさぶろう)で、その実務官は松谷から戦争指導班長を引き継いだ種村佐孝(たねむらさこう)大佐だった。その種村も「対ソ外交交渉要綱」を起案(昭和二十年四月二十九日)し、ソ連を味方に戦略を組むべし、と提案している(『大本営機密日誌』)。 同要綱は、「帝国はあくまでも対米英戦を完遂する為」に「ソ連を我が方に誘引すべし」としている点で、松谷案と同類である。種村は「日支ソ三国善隣友好相互提携不可侵」条約を結んで、「相互の親善を図る」と説く。そのために、ソ連への交渉役として特使を派遣するよう進言し、あろうことか、その案は実現する。特使にはソ連への「手土産」として満州と外蒙古の割譲、南方占領地域の権益譲渡案などが託されたと考られる。そこで、「手土産」を提げてソ連へと派遣された特使こそ、戦後体制に影響を与えた極めて重大な人物であった可能性が浮上するのだ。』
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