2019-05-10 (Fri)

本日のキーワード : モンゴルの植民地
植民地(しょくみんち、殖民地とも)とは、国外に移住者が移り住み、当事国政府の支配下にある領土のことで統治領(とうちりょう)とも呼ばれる。また、植民地に対して従属させて、それらを所有している本国のことは「宗主国」と呼ばれる。
本日の書物 : 『満洲国から見た近現代史の真実』 宮脇淳子 徳間書店
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 現在、【中華人民共和国】は【「偉大なる中華民族の復興」をスローガン】に掲げ、…【モンゴル帝国の版図】、あるいはシナの王朝で最大といわれる18世紀の【清朝の版図】の復活を目指しています。

モンゴル帝国の最大領域

☆【講演会資料】「20世紀のモンゴル民族運動と日本」 講師 宮脇淳子
シナの歴史では、元朝は中国であり、その元朝はモンゴル帝国と同一だったということになるのです。また、中国はフビライが王朝の祖父であるチンギス・ハーンに太祖(たいそ)の廟号(びょうごう)を贈ったことを持ち出して、チンギス・ハーンを「元の太祖」と呼んでいます。
しかし、【これは中国人独特の歴史の勝手な解釈】でしかありません。【フビライ】が【「大元」という漢式の国号を採用】したのは、【1271年】です。【第五代ハーンに即位したとき元朝はまだない】し、もちろん【チンギス・ハーンの時代】にも【元朝はありません】。だいいち【チンギス・ハーン】は【中国人ではありません】。

どうしてそうなるのか、理解に苦しみますが、【中国人のメンタリティの特徴】として、【過去に一度、領土になったところはすべて潜在的に中国であると考える点】があります。2014年のアジア太平洋経済協力首脳会議で【中国が打ち出した経済圏構想「一帯一路」】にしても、【モンゴル帝国が支配した領土なら中国のものであるという発想が根底】にあります。
そこは【日本人とはまったく違います】。…

中国人のこうした思考回路は、日本人には理解しにくい部分です。

【遊牧民】は原則として【均分相続】をします。あんなに大きかったモンゴル帝国も、チンギス・ハーンの死後は4つに分裂し、それぞれの継承国家も相続争いで弱体化していきました。

【元朝】も例外ではなく、継承争いのせいで騎馬兵たちを主とする元軍の戦力が低下したのに乗じて、【宗教秘密結社】の【白蓮(びゃくれん)教徒】が組織する【紅巾の乱】が【シナ大陸の南方各地で勃発】しました。

紅巾の乱の各反乱勢力の版図
1368年、紅巾軍の親分の一人、【朱元璋(しゅげんしょう)】が【南京】で大明皇帝につき(太祖洪武帝)、大都に攻め入ると、当時の元朝皇帝、恵宗(明は順帝として諡(おくりな)しました)は都を捨て、【万里の長城の北に退却】します。

モンゴル帝国第15代皇帝(大ハーン)トゴン・テムル(恵宗)
シナ史では、ここで元朝が滅びたことになりますが、【元朝皇帝はいまの内モンゴルの草原に逃れ】、その死後は高麗貴族の奇(き)皇后が産んだ皇太子、【アーユシュリーダラ】が【帝位を継いでいます】。

モンゴル帝国第16代皇帝(大ハーン)アユルシリダラ

モンゴル帝国第17代皇帝(大ハーン)トグス・テムル
つまり、モンゴル人から見れば【植民地シナを失っただけ】で、実質は、シナ史で古くからあった【南北朝になった】のです。

よって、【北に戻ったこの王朝をモンゴル史家は「北元」と呼びます】。

北元の領域
【元朝の南半分しか支配できなかった】明の洪武帝は、1372年、すべての領域を支配するために【15万の大軍を率いてモンゴル高原へ進軍】しましたが、【数万人の死者を出して退却】しました。』

ロシアが満洲でやったこと
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、「非漢人」、「漢人とは別の異民族」である「満洲人」「モンゴル人」「ウイグル人」「チベット人」などの、延(ひ)いては「支那」の正しい歴史を知るために、「満洲国」というものをキチンと理解するために書かれた良書で、学校の歴史教科書に「書かれていない」、正しい歴史が自ずと理解できるようになり、そうして初めて、アジアの歴史を正しく理解できるようになるお薦めの書物になります。

さて、本文中に登場していた朱元璋(しゅげんしょう)ですが、

朱元璋
乞食(こじき)から宗教秘密結社を通じて伸(の)し上がって明を建国(1368年)したことについては、以前も書かせて頂いておりますので、ご参照くださいませ。
詳しくはこちらをご参照💗
↓
☆支那や朝鮮半島を支配した「満洲人」

また、この頃、「高麗人(こうらいじん)」の国(=高麗)を、異民族である「女真人(じょしんじん)」であった李成桂がクーデターによって最後の高麗王を殺害し、自分自身が「高麗王」になりますが、元朝に代わって明朝がご主人様となっていて、そのご主人様の朱元璋から、「あんた異民族なのに、何で国名を変えないの?」と言われ、「朝鮮」という国名を授けられたことから、李氏朝鮮(1392年~1897年)という国を建国します。

詳しくはこちらをご参照💗
↓
☆「Koreans(コリアンズ)」が生まれたのは、わずか700年ほど前のことです

そして、のちに満洲の地で女真人(のちの満洲人)が「アイシン国」を建て、明滅亡後に支那を支配します。それが清です。

昨日のところで、日清戦争後に、清の李鴻章(りこうしょう)がロシア側から賄賂をもらって、ロシアとの間に「露清密約」(1896年6月3日)を交わしたことで、満洲におけるロシアの権益が拡大し、その結果、東清鉄道の施設が始まると、土地の強制収奪に反対する「漢人農民」とロシア人との間で軋轢(あつれき)が生じ、ロシアに対するゲリラ戦が展開されるようになり、これが、のちに、「扶清滅洋」を叫ぶ宗教的秘密結社、義和拳教による排外主義の運動、すなわち、「反キリスト教」の運動でもある「義和団の乱」(1900年)へと発展していくことになります、と書かせて頂きました。
その義和団が1900年6月10日に北京に入る(その数20万人)と、世界情勢が見えていない清は、外国に宣戦布告(6月21日)します。義和団がやっつけてくれるとでも思っていたのでしょうか?
イギリス帝国、ロシア帝国、ドイツ帝国、オーストリア、イタリア、フランス、アメリカ、大日本帝国の八カ国の連合軍により、当然、叩き潰される(8月14日連合軍の北京攻略開始、翌日に陥落)のですが、

紫禁城内の連合軍
この時、満洲においても、義和団は無謀な行動を行い、なんと、ロシアの町ブラゴヴェシチェンスクを占領します。

それで口実を得たロシア軍は、一気に満洲へと攻め込みます(1900年7月13日)。7月16日のブラゴヴェシチェンスク事件で、コサック兵が混住する清国人約3000名を同地から排除するために虐殺して奪還します。さらに8月2日から3日にかけての黒龍江・璦琿事件で、義和団に対する報復として派兵されたロシア兵約2000名が黒河鎮に渡河上陸し、清国人を虐殺します。この戦闘で、清国人約25000人がロシア兵に虐殺され、その死体がアムール川に投げ捨てられたと言われています。
「アムール川の流血や」という旧制第一高等学校(一高)の寮歌にも歌われる事件です。
支那や朝鮮半島が如何にどうしようもなかったのかが、よく分かりますね💗 それとも、支那や朝鮮半島に「憲法9条」があったのならば、避けられたのでしょうか(笑)


で、さきほどの地図で、ブラゴヴェシチェンスクの右下にある「黄色の〇」部分には、江東六十四屯(こうとうろくじゅうしとん)と呼ばれる、広さ3600平方キロメートルに及ぶ漢人居留区があったのですが、この事件によって、居留民は一掃され、清の支配が失われます。
そして、さらにロシアは東三省を占領し、私たちの日本との緊張が最高潮に達することになります。さて、侵略者は一体誰でしょうか?

で、さらにその右下の「黄色の☆」の部分があるのですが、これが何かご存じでございますでしょうか?

現在のロシア連邦内に存在している「ユダヤ自治州」です。もっとも、実際の人口比ではユダヤ人は少ないのですが。
1928年に、ソ連のヨシフ・スターリンが、アムール川沿岸の危険で過酷な中ソ国境地帯に、わざわざユダヤ民族区を設置したことに始まりますが、ただし、レーニンやトロツキーはユダヤ系であるのに対して、ユダヤ系ではないスターリンは、1930年代後半になると、その本性をあらわし、大粛清によるユダヤ人指導者の逮捕・投獄やユダヤ文化の迫害を始めます。まるで、ヒトラーと同じですね💗



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