2018-09-05 (Wed)

環世界(かんせかい、Umwelt)はヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱した生物学の概念。環境世界とも訳される。
すべての動物はそれぞれに種特有の知覚世界をもって生きており、その主体として行動しているという考え。ユクスキュルによれば、普遍的な時間や空間(Umgebung、「環境」)も、動物主体にとってはそれぞれ独自の時間・空間として知覚されている。動物の行動は各動物で異なる知覚と作用の結果であり、それぞれに動物に特有の意味をもってなされる。ユクスキュルは、動物主体と客体との意味を持った相互関係を自然の「生命計画」と名づけて、これらの研究の深化を呼びかけた。
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 【生物が体験】しているのは、その【生物から独立した客観的「環境(Umgebung)」】ではなく、【生物が行為と知覚の連関として自らつくりあげた「環世界(Umwelt)」】である。生物を機械的な客体とみなす行動主義が隆盛を極めた時代に、生物を一つの主体とみなしてこのように論じたのはドイツの生物学者【フォン・ユクスキュル】(1864~1944)だ。

ヤーコプ・フォン・ユクスキュル
ユクスキュルの発想は素朴である。どんなに美味しいケーキがあっても、獣の血液を追い求めている【蚊】はそれに目もくれない。【ある生物にとって強烈な「意味」をもつ刺激】も、【ほかの生物にとってはまったく無意味であり得る】。私たちはともすると、【あらゆる生物が与えられた客観的な環境の中で生きていると思いがち】だが、それぞれの生物を取り囲んでいるのは、あくまでも【その生物に固有の局所的な世界(=環世界)である】。ユクスキュルによれば、【蝶には蝶の環世界】があり、【蜂には蜂の環世界】がある。


その著書『生物から見た世界』の冒頭で、ユクスキュルは【マダニの環世界】を描写している。【マダニ】にとって【生物学的に意味を持つ】のは、周囲からやってくる膨大な情報のうち、【ごく一部だけ】である。交尾を終えた雌のマダニは灌木(かんぼく)よ枝先で動物を待つ。そこに、哺乳類の皮膚から分泌される【酪酸の匂い】が漂ってくると、【一か八かで身を投げる】。無事獲物の上に着地すると、今度は嗅覚の代わりに【熱をたよりに動き出す】。なるべく毛のない温かな場所を探し、そこで動物の皮膚の中へと潜り込むのだ。

シカのマダニ
酪酸の匂い、動物の皮膚の感触と温度、そしてこれらの刺激に駆動されてのいくつかの単純な行為。これが【マダニの環世界のすべて】である。【それ以外の環境の膨大な情報や行為の可能性】は、【マダニにとっては無意味】であるどころか、【そもそも存在しないも同然】だ。

【マダニの環世界】を論じるときに、マダニにとって【酪酸がどんな匂いや味がするかは問わない】。ただ、酪酸が生物学的に重要なものとして【マダニに作用するという事実だけ】に注目する。そうしてユクスキュルは慎重に、生物学の世界に「生物から見た」視点を導入したのである。』

いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、一見すると無関係のように思ってしまいがちな、「数学」と「身体」について、古代から現代に至るまでの、両者の関わり方やその関係性の変化について、数学の発展の歴史を解説するとともに、著者ご自身が偉大な数学者である岡潔とアラン・チューリングの影響を受け、数学への道を歩み始めることになった心情を綴った書物になります。

さて、本文中にヤーコプ・フォン・ユクスキュルのお話が出てきていましたが、そこにあったマダニのお話の意味をご理解頂けましたでしょうか?
なるほど、マダニという生物、あるいは蝶や蜂などの生物は、それぞれの固有な「環世界」を認識して生きているんだ、という理解で終わるのではなく、これは私たち人間も、まったく同じである、という非常に重要な点を理解しておく必要があります。

先日から書かせて頂いているのですが、「LGBT活動家」や「トランスジェンダー主義者」らが主張する荒唐無稽な次の論理、
A transgender boy is a boy, not merely a girl who identifies as a boy.
(トランスジェンダーの少年は、単に男の子であると認識する女の子というだけでなく、男の子なのである。)
つまり、「自分は男である」と認識する「女」は、「男」である、といった、「ヒト」の性別というものは、それぞれの個人的な感覚でしかない(よって性別は自由に選択できる)という主張を掲げて、あたかも新興宗教のように、他者に対して、その考え方を強制している様子がニュースによって簡単に目にすることができます。そして、その背後にあるのが、「社会主義者」・「共産主義者」と呼ばれる「ヒトラーと同類」の思想である「全体主義(ファシズム)」に他なりません。

で、そのような「LGBT活動家」や「トランスジェンダー主義者」らの主張は、無明(自我本能)から生じている「小我(自我)」による「迷い」であって、聖徳太子が受け入れた「仏教」を知ることで、「LGBT活動家」や「トランスジェンダー主義者」らの危険性をハッキリと認識することができるようになります。
詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆日本人の常識的な感覚とは違う「一群の方たち」

お話を元に戻しますと、ダニは目がありません。匂いもほとんど分かりません。ですが、本文中にもあったように、「酪酸の匂い、動物の皮膚の感触と温度」という「環世界」さえ整っていれば、ダニは子孫を残す可能性があります。つまり、私たち人間にとって必要な「環世界」とは異なっているわけです。
私たち人間が、とある部屋の中にいるとします。その様子が下図になります。

その同じ部屋に、犬が入ってきたとします。ここで、犬にとって意味があるのは、人間の匂いのついた椅子や、テーブルの上にある飲み物や食べ物になります。

今度は、そこにハエが入ってきたとします。ここで、ハエにとって意味があるのは、食べ物と光を発する電燈になります。

このように、人間にとって意味があるものと、犬にとって意味があるものと、ハエにとって意味があるものとでは、その範囲に違いが出てきます。これこそが、ユクスキュルが重要だと指摘した「環世界」です。

詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆本田財団レポート No.111「環境と環世界」
それが意味しているのは、著者が本文中に書かれているように、私たち人間は、勝手に「あらゆる生物が与えられた客観的な環境の中で生きていると思いがち」だが、実際にはそんなことはない、ということです。

同じことを、偉大な数学者である岡潔は、「私たちは自然はあると思っている。この肉体はその自然の一部であって、自分とはこの肉体とその機能とのことだ、だから自分もあると思っている。すでに自然もあり自分もある。だから物質によって、やがてはすべて説明がつくと思っている。これが物質観である。」と指摘しているんです。

「ギリシャ論理学」から発展していった西欧の科学は、「いまここにある」という「もの」が「存在する」という考え方、つまり「唯物論」で、実際に目の前に「もの」が「存在」しているから、その「もの」を見たり、掴んだり、といったことができる、という考え方です。「もの」が「存在」していることが先にあるんです。

ですが、ユクスキュルの発想は、「唯心論」であって、「もの」が「存在」していると「思う」からこそ、それが「存在」している、という考え方、つまり、主観の介入があることになります。

ちなみに、「唯物論」を大本とする西欧科学あるいは西欧論理学(数学)の発展が生み出した、究極の「新興宗教」が「マルクス主義」「社会主義」「共産主義」になりますが、これは「ユダヤ教」そして「キリスト教」が根源にあります。
詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆「唯物論的歴史観」という西欧独特の誤った歴史観

現代の最先端の科学において、ようやく、そのユクスキュルの発想が取り入れられつつありますが、そんなものを遥か昔に解決していたのが、私たち日本人であり、そのカギとなるのが聖徳太子が受け入れた「仏教」になります。

聖徳太子
それでは、本日のお話の参考になる動画を、最後にご覧ください。
「見えているものが全てではない」ということを、まず謙虚に知る必要があるのではないでしょうか?
☆スザンヌ・シマード: 森で交わされる木々の会話 TED Talk - TED.com
続きは次回に♥
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