2018-07-28 (Sat)
王権神授説(おうけんしんじゅせつ、英: divine right of kings, divine right, God's mandate)とは、「王権は神から付与されたものであり、王は神に対してのみ責任を負い、また王権は人民はもとよりローマ教皇や神聖ローマ皇帝も含めた神以外の何人によっても拘束されることがなく、国王のなすことに対しては人民はなんら反抗できない」とする政治思想のことである。
ヨーロッパの絶対王政期において、長らく「神の代理人」とされてきたローマ教会の権威・権力からの王権の独立と、国民に対する絶対的支配の理論的根拠となった。代表的な論者に、フランスのボダンやボシュエ、イングランドのフィルマーなどがいる。
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 では、政治的な側面での【「リベラリズム(自由主義)」】について見た場合は、どのような背景があるのでしょうか。
最初に押さえておくべきは、【「王権神授説」】でしょう。
ヨーロッパでは、中世から近代初期にかけて、【国王の権力】は【(キリスト教の)神から】、特別な恩寵(おんちょう)に基づいて【授けられたもの】とする考え方が唱えられていました。
フランク王クローヴィスのロイヤル・タッチ
神のご意志で国王に与えられた権力なのだから、絶対的であり、誰も侵せない(神聖不可侵)という考え方です。
「太陽王」ことルイ14世のロイヤル・タッチ
この考え方は、臣下や臣民といった配下の者からの異議申し立てに対抗する理論であるのと同時に、ローマ教皇など外部の宗教勢力からの介入を排除するための理論でもありました。
この「王権神授説」は、イギリスでは、ヘンリー八世がローマ・カトリック教会と絶縁したころ(1534年)、フランスでは、アンリ四世が新教徒(ユグノー)の反抗を抑えてブルボン王朝を創始したころ(1589年)に確立したといわれています。
フランソワ1世のロイヤル・タッチ
しかし、このような【絶対君主による専制政治】に対して、【市民による反抗や革命】が行われていくというヨーロッパの歴史は、おそらく読者の皆さんも学校で学んだことでしょう。
イギリスではヘンリー八世が、離婚の問題で教皇パウルス三世と対立し、破門されてローマ・カトリック教会と絶縁。イギリス独自の【「イギリス国教会」】が創設されます。ただし、これも当然、【国王権力と結びついた教会】ですので、王権神授説に基づいて、【キリスト教の改革派を厳しく弾圧】しました。
そこで、イギリス国教会の改革を唱えていた【清教徒(キリスト教のプロテスタントの一派)】たちの一部が、信仰の自由を求めて北アメリカ大陸に渡り、植民地を建設します。…
詳しくはこちらをご参照💛
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☆メディアが報じない・・・アメリカの『サイ(犀)』と『サンクチュアリ・シティ(聖域の町)』
やがて、イギリスの統治下にあったアメリカの13植民地が、イギリス政府の圧政に対して立ち上がり、1775年に【アメリカ独立戦争】が勃発します。…
「アメリカ独立の父」と呼ばれる先人たちは、【王権神授説に基づくイギリス国王の圧政】を、【「自由」の名の下に否定した】のです。【この場合の「自由」が、本来の「リベラリズム」の一大源流】なのです。
ただし、【ここで注意】しておくべきは、【アメリカ独立の場合】、王権神授説に立脚したイギリス国王の専制支配に対しての「自由」を訴えてはいるものの、【キリスト教的な価値観自体は、一切否定していない】ということです。
【これと少し異なる】のが、【フランスの場合】です。フランスでも王権神授説を唱えていたブルボン王朝に対する抗議が高まり、アメリカ独立と同様の「自由と平等」の旗印の下、【フランス革命】が起きて、国王のルイ16世や、王妃マリー・アントワネットなどが処刑されます。
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☆反対だガー!!! ~ アメリカの「リベラル」 VS ヨーロッパの「リベラル」
【フランスの過激な革命派】は、【キリスト教そのものの否定】にも走りました。【聖書は焼かれ、十字架を飾ることも禁止】され、【聖職者たちも迫害】されました。このとき【犠牲になった人たちは数万人に及ぶ】といわれています。
ピエール・アントワーヌドゥマシー『最高存在の祭典』1794年
【キリスト教を否定する流れ】に乗って、【「理性の祭典」(1793年)】や【「最高存在の祭典」(1794年)】なども挙行されました。「理性の祭典」では、ヴォルテールやルソー、モンテスキューなど、啓蒙思想家の胸像が設置されたギリシャ風の神殿が建てられ、「自由と理性の女神」が讃えられました。一方、「最高存在の祭典」は、恐怖政治で他の革命派を粛清したロベスピエールが、自由の理念を「最高存在」として祭り上げたものでした。【フランスの改革派】は、【キリスト教の神に代わる新しい神を作り出そうとした】のです。
詳しくはこちらをご参照💛
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☆キリスト教の分裂、その後のフランス革命
このような状況は、決して長期間にわたるものではありませんでした。しかし、【フランスの場合】、【「リベラリズム」がキリスト教そのものの否定にまで至った】ことは銘記しておくべきでしょう。
政治的に「リベラリズム」といった場合、第一義的には、個人の自由や平等を重んじ、専制的な政治権力に対抗する意味を持ちますが、【宗教や道徳に関する観念の違い】が、【その後の「リベラリズム」にも、温度差や陰影の違いを与えていく】のです。』
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、昨今、自称「リベラル」の「パヨク」が、自分たちがこれまで「盲信」してきたアイデンティティに疑問を持ち始め、思想混乱に陥り始めている状況にあり、終には「嫌われ恐怖症」の症状が顕著に現れ始めているわけですが、ここまでに至った理由は、「歴史と宗教の流れ」を理解することでハッキリと分かるようになるのですが、本書は、その理解を手助けしてくださる良書になります。
さて、本文中に書かれていた、押さえておかなければならない重要なポイントがありますが、まず、アメリカの建国精神は、著者が書かれていたように、王権神授説に基づくイギリス国王の圧政を「自由」の名の下に否定したというところにあり、これが本来のアメリカの「リベラリズム」であって、その精神を大切にしているのは、現在のアメリカで「保守派」と呼ばれている人たちになります。ここのところを、しっかりと認識しておく必要があります。
それでは、ヨーロッパの「リベラリズム」とは何か、ということになりますが、フランス革命こそが、その原点であり、著者が書かれているように、「キリスト教そのものの否定」するものになります。つまり、ヨーロッパの「リベラリズム」とは、キリスト教からの自由が含まれている点が非常に重要になります。
以前にも書かせて頂いておりますが、ヨーロッパの歴史の流れは、
「宗教改革」が、カトリックの支配に対する抵抗者(=プロテスタント)の暴力であり、
「市民革命」は、王様・貴族の支配に対する中間層(=市民、ブルジョワジー)の暴力であり、
「共産主義革命」は、資本家(=ブルジョワジー)に対する労働者(=プロレタリアート)の暴力、
という構図になっていて、これを言い換えますと、
「宗教改革」は、キリスト教の分裂であり、
「市民革命」は、キリスト教の否定であり、
「共産主義革命」は、宗教そのものを否定する「新興宗教」、
という流れになります。
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☆唯物論的歴史観」という西欧独特の誤った歴史観
フランス革命(1789年~1799年)のあと、100年も経たないうちに、史上初の「プロレタリアート独裁」による自治政府を宣言した「パリ・コミューン」が歴史上に登場(1871年)します。私たちの日本が明治時代に突入したころの出来事です。
コミューンによってパリ市内に築かれたバリケード
そこで打ち出された政策は、教育改革、行政の民主化、集会の自由、労働組合の設立、女性参政権、言論の自由、信教の自由、政教分離、常備軍の廃止、失業や破産などによる社会保障など、当時としては非常に急進的な政策でした。
このとき、あのマルクスが、コミューンを労働者階級のための国家と規定し、共産主義革命におけるプロレタリア独裁の歴史的必然性を説いた、すなわち、労働者による暴力革命による国家転覆の肯定を行ったわけです。
1875年のマルクス
キリスト教を否定したフランス革命のあと、ユダヤ人の人口が急速に膨張していきます。
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☆人口爆発とユダヤ人爆発
そして、その後、共産主義や社会主義を盲信する暴力的な左翼ユダヤ人たちが、ロシア革命を起こし、史上初の社会主義国家「ソ連」を建国します。
この「ソ連」に連なる系譜が、何を隠そう、現在の「リベラリズム」であり、アメリカにおいては「左翼リベラル」であり、「ネオコン」になるわけです。本来のアメリカにおける「リベラリズム」とは「保守派」のことであるにも関わらず、そこを誤認される方が非常に多くいらっしゃるのではないでしょうか?
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☆アメリカの「リベラル」、という新興宗教
☆1871年のパリで暴れた「落ちこぼれ」
で、その典型的な例が、こちらの書物になります。
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☆橘 玲 朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論
続きは次回に♥
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