2018-07-09 (Mon)

サン・バルテルミの虐殺 フランソワ・デュボワ(1529-1584), ローザンヌ美術館
サン・バルテルミの虐殺(サン・バルテルミのぎゃくさつ フランス語:Massacre de la Saint-Barthélemy)は、1572年8月24日にフランスのカトリックがプロテスタントを大量虐殺した事件である。

虐殺跡を視察する母后カトリーヌ・ド・メディシス
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 本書を最後までお読みいただいた方はおわかりだと思うが、【私の政治的立場は「リベラル」】だ。「普遍的人権」という近代の【虚構】を最大限【尊重】し、いわれなき差別のない自由な社会が理想だと思っている。

【「リバタニア」】のなかでは日本では数少ない【「リバタリアン部族」】に属し、日本は重層的な身分制社会だとして、その根幹にある【日本的雇用を批判】してきた。【「差別」に反対するのはリベラルとして当然】で、奴隷制やアパルトヘイトの廃止を求めるのと同じだ。

社会政策はゲーム理論やビックデータを駆使して「証拠に基づいて」決定し、功利主義的に社会を最適設計すればいいと考えており、シリコンバレーの【「サイバーリバタリアン(右派)」】に近い。「国家は国民が幸福になるための道具だ」と思っているから、【右翼・保守派(ナショナリスト)とはまったく話が合わない】だろう。

だがそれ以上に、【日本で「リベラル」を自称するひととはそりが合わない】。

それは【彼らの主張】が【間違っている】からであり、【そのきれいごとがうさん臭い】からでもある。--少なくとも私は、【自分のうさん臭さを自覚している】。

【安倍政権を批判するひと】は「アベノミクスの失敗で格差が拡大した」というが、内閣府の国民生活に関する世論調査では【「現在の生活に満足」】との回答が73・9%(18~29歳は79・5%)と【過去最高】になった(2017年)。

☆上念司氏「アベのせいだ!!」⇒5月の求人倍率1.倍6 完全失業率2.2%に改善 完全失業者数は前年同月比52万人減~ネットの反応「これは完全にアベのせいですねw」
そのうえ【完全失業率】は2・5%と【過去最低水準】で、【有効求人倍率】は1・58倍と80年代の【バブル最盛期を越え】た(2018年2月)。さらに2018年春に卒業した【大学生の就職率】が【過去最高】の98・0%になり、大卒のほぼ全員が就職できる【「全就職」時代】になった。…

☆【twitterで話題】『10秒でわかる党首討論!』
安倍一強の状況がつづくなか、【政権批判の論理】はおうおうにして【「国民(有権者)はだまされている」というもの】になる。

☆青木理「支持率は徐々に戻ってきてる。どういうことかと言うとたぶん、何をやっても変わらないという諦めというかニヒリズムの陰」
【だまされるのはバカ】だからで、そのことを【指摘するのは自分たちエリートの責務】だ--。いうまでもなく【この度し難い傲慢(ごうまん)さが、リベラルが嫌われる(正当な)理由になっている】。

☆金平茂紀「ワールドカップの戦いぶりを巡って論議が起きている。それを言うなら国会の質疑の在り方はフェアプレイとは程遠い」
本文でも述べたが、「リベラル化」する世界では、保守派は「リベラルのくせにリベラルではない」という【ダブルスタンダード】を攻撃するようになる。それに対抗するには、【自らが徹底的にリベラルになるほかはない】。…

政府の進める「働き方改革」を批判する【リベラルなメディア】は【裁量労働制の拡大に反対】しているが、【そういう自分たちは裁量労働制で働いている】。

裁量労働制で残業が無制限になり過労死やうつ病が増えるというのなら、【まずは自分たちの仕事を時間給に変えるべき】だろう。そうでなければ、【労働者】が【働き方】を【自分で管理でき、生産性も仕事の満足度も高まる理想の裁量労働制とはどのようなものかを積極的に示すべき】だ。…

【「朝日」】はかつては憧れだったが、いまでは【毛嫌いされる対象】になってしまった。そこに社会の「右傾化(アイデンティティ化)」という要因はあるものの、「憧れ」を失った理由はそれだけではないだろう。
重層的な差別である日本的雇用を容認しながら、【口先だけで「リベラル」を唱え】ても、【誰も信用しなくなる】のは【当たり前】だ。【リベラリズムを蝕(むしば)む】のは「右(ネトウヨ)」からの攻撃ではなく、【自らのダブルスタンダードだ】。
日本のリベラルにいま必要なのは、【保守化した「リベラル高齢者」】の【既得権】を【破壊する】勇気だ。…

だが残念なことに、【「朝日的」なるもの】はいまや【「リベラル高齢者」「シニア左翼」の牙城になりつつある】ようだ。自分たちの主張が若者に届かないのは、安倍政権の「陰謀」ではない。

とはいえ私は、希望を捨てたわけではない。「日本的リベラル」を批判する本書が朝日新聞出版から出ることが、朝日新聞の勇気と良識を示したものと考えたい。』

いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、これまでにも何冊か、当ブログで取り上げさせて頂いたことがある、いわゆる「左派」である著者の書物になりますが、非常に独特な切り口で、著者自身のお考えを、論理的に展開なさっている書物になります。但し、当ブログの考え方とは異なっています。私たち、一人ひとりの考え方は皆それぞれ、で色々と異なっていて当然というのが、当ブログのスタンスとなりますので、たとえ考え方が異なっていたとしましても、参考にすべき部分があり、論理展開もキチンとなされている書物であれば、ご紹介させていただくつもりですので、そういったスタンスの下で、今回は本書を取り上げさせて頂きます。

さて、昨日も書かせて頂きましたが、著者が本書で定義している「リベラル」というものは、以下の3条件を満たしている思想・主義で、
① 道徳の黄金律(己の欲せざるところ、他に施すことなかれ)
② 普遍性(ダブルスタンダードの禁止)
③ 進歩主義(理想社会を目指す運動)
そして、この3条件を日本の「リベラリズム(戦後民主主義)」が満たさなくなってきていることで、「朝日ぎらい」という現象が顕著になっているのだ、という論理展開をされています。

ところが、その3条件というものは、いずれも「あやふやなもの」でしかなく、これでは「リベラル」の定義そのものが確定しません。従って、自ずと、論理展開に矛盾を生じさせることになってしまいます。

で、そういった矛盾を指摘することができれば、それはすなわち論破できるものということになります。そういった訓練をするためにも、ぜひ、本書をご覧いただきたいと思っているのが当ブログの考えです。

先ほどの3条件の内にあった、
② 普遍性(ダブルスタンダードの禁止)
につきまして、昨日のところで書かせて頂きました通り、「数学」の用語である「普遍性」は、「ある特定の状況下」において、他のことにも「当てはまる」という、非常に抽象的な概念になります。
つまり、「ある特定の状況下」に限定した場合に、使い物になるという代物に過ぎません。
本文の冒頭で、いみじくも著者が書かれている、「普遍的人権という近代の虚構」という言葉にすべて言い表されているのではないでしょうか?

また、著者が定義される「リベラル」の対立概念として「保守」または「極右」が登場するわけですが、ここでも定義が「曖昧」であり、その論理展開には無理があって、かつ甚だしい「矛盾」を生じることとなります。

そもそも、ヨーロッパのリベラルとアメリカのリベラルは、まったく異なったところから生じていますので、それらを同じと考えることが奇妙なんです。
そのことを知るためには、先日書かせて頂きました「女王陛下の大蔵省」の歴史を確認すれば分かるのですが、
詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆イギリスの「大蔵省」と「財務省」

ヨーロッパだけに存在していた「中世」と呼ばれる時代(500年頃~1500年頃)に、支配する側である王様、王族は、傍若無人で横暴なことをやっていきますが、それに対して、貴族たちが王権、君主権を制限していくことになるのが、「マグナ・カルタ(大憲章)」(1215年)で、これがヨーロッパの「保守派」の思想の根っこになります。もちろん、貴族たちも支配する側にいますので、王様が自分たちの既得権益を脅かさないようにルールを定めて、自分たちの権益を守ったわけです。
そして、王様や貴族、そしてカトリック教会が支配者側として君臨し、その他大勢の民衆を農奴として支配していました。
やがて、市場経済の発達とともに、商工業を担う中間層が台頭をし始めます。しかし、彼らもまた支配される側のままでした。
また、一方で、宗教に対する人々の見方が変化を示し始めます。ここで言う宗教とは、もちろん支配する側であったキリスト教(カトリック)教会のことですが、「いくら信じてみても、貧しく苦しい奴隷の状態から脱出できないじゃないか」といった当然の疑問が生まれるわけです。当時のヨーロッパにおいて大多数の人々は「文字」を読めませんので、当然のことながら、「聖書」も読むことができませんでした。「聖書」が各国語に翻訳され、それを読むことができる一部の聖職者が、既得権益を有するカトリック教会に対して、「いま教会がやっていることは、聖書のどこにも書かれていない」、「イエスの教えは、聖書に書かれていることのみ」、「教会は聖書に書かれた教えに忠実であるべき」といった批判を展開するようになるのですが、その一連の流れが「宗教改革」であり、のちに「プロテスタント」を生むことになります。

「聖書」に忠実であれば、この世で唯一絶対なのは「神さま」だけです。すなわち、「王様」も絶対ではない、ということになります。だからこそ、それを取り繕うために、「宮廷道化師」が生まれたんです。トランプのカードの「ジョーカー」がそれで、最強のカードになっていますね💛
詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆トランプの「ジョーカー(Joker)」は、どうして強いの?

「神の下の平等」を説きつつも、大多数の民衆から搾取し続けるカトリック教会の欺瞞に気が付いた人々は、雪崩を打って、「プロテスタント」へと「改修」します。そして、遂には「暴動」を起こし、殺戮や強奪といった暴力によって、自分たちに都合がよい世の中を生み出そうとします。
それが、「市民革命」です。

『民衆を導く自由の女神』(1830年、ウジェーヌ・ドラクロワ画)
詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆ヨーロッパで個人が自由を獲得したのは、たったの230年前なんです ~ リベラルの原点「フランス革命」

つまり、ヨーロッパにおける「リベラル」は、王様や貴族やカトリック教会といった既得権者である支配する側に対する、商工業を担う中間層らの権益を確保するための「暴力革命」だったわけです。ですから、他者の介入を許さないといった「個人主義」の考え方になります。

ここまでが、ヨーロッパにおける「保守」と「リベラル」のお話です。
続いて、アメリカのお話になりますが、アメリカへと渡った「ピューリタン(清教徒)」というのは、イギリスにおける反カトリックであるプロテスタント、つまり「キリスト教原理主義者」たちのことになりますが、イギリスにはカトリック教会から分離・独立した形の「国家教団」である「イギリス国教会」「英国国教会」「イングランド国教会」「英国聖公会」などと呼ばれている「宗教団体」が存在しています。当然、イギリスの上流階級も、かつてイギリスの植民地であったアメリカの上流階級もこの宗教団体に属しています。
詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆日本聖公会って何?

アメリカへと渡った「ピューリタン(清教徒)」は、反カトリックのプロテスタントであって、「教会ではなく聖書を重視」する人たちでしたが、一方のイギリスの国家教団は、カトリックから離脱したものの、宗教的な教義はカトリックの流れを引き継いでいるため、両者は宗教的な考え方が異なっています。
迫害を受け棄民視されていた「ピューリタン(清教徒)」というのが彼らの正しい認識で、だからこそ未開の地であるアメリカへと渡ったんです。
そして、そこで彼らは何をやったのか。。。先住民を虐殺したり、黒人を奴隷として、まるで家畜のように取り扱っていたわけです。つまり、イギリスを含むヨーロッパで、支配される側にあった者たちが、今度はアメリカで支配する側になったということです。
ところが、当初アメリカは本国イギリスの植民地のままでしたので、その支配から脱するために起こしたのが「アメリカ独立戦争」で、ヨーロッパにおける「リベラル」と同じで、暴力によって、自らの自由、つまりアメリカの自由を獲得しました。そして、これが「アメリカの保守」の原点になります。
つまり、ヨーロッパにおける「リベラル」とアメリカにおける「保守」は、その起源が同根になります。

「宗教改革」をきっかけとして、「プロテスタント」が生まれたことで、やがて資本主義が活発化していくようになります。
詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆暗黒の時代「中世ヨーロッパ」 ~ 私たちの日本には、そんな時代はありません

ところで、「いくら信じてみても、貧しく苦しい奴隷の状態から脱出できないじゃないか」といったキリスト教(カトリック)教会に対する疑問が生まれたことで、「プロテスタント」を生み出しますが、資本主義が活発化したことからも分かるように、確かに、「プロテスタント」で経済的に成功を収める人々が新たに出現した一方で、やはり貧困で不遇のままな人々が数多く存在していたのも事実でした。
そこに登場してくるのが、第二の宗教改革ともいえる、「共産主義」という宗教の出現です。

簡略化してみますと、
「宗教改革」は、カトリックの支配に対する抵抗者(=プロテスタント)の暴力であり、
「市民革命」は、王様・貴族の支配に対する中間層(=市民、ブルジョワジー)の暴力であり、
「共産主義革命」は、資本家(=ブルジョワジー)に対する労働者(=プロレタリアート)の暴力、
という構図になります。

そして現代において、いわゆる「左翼」、「パヨク」、「リベラル」、「ネオコン」、「プログレッシブ」などと様々に呼ばれる思想の持ち主は、すべて「共産主義」から派生した流れにあるもので、「暴力」を正当化するような危険な連中になります。

詳しくはこちらをご参照💛
↓
☆反対だガー!!! ~ アメリカの「リベラル」 VS ヨーロッパの「リベラル」

以上、長くなりましたので、ここまでとさせて頂きますが、ここまでに書かせて頂いたぐらいの予備知識があれば、おそらく本書をご覧になって、その論理展開の中に矛盾を発見することができると思います。
続きは次回に♥
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