2017-09-30 (Sat)

『サン・ピエトロのピエタ』ミケランジェロ (1498–99年)
ミケランジェロ・ディ・ロドヴィーコ・ブオナローティ・シモーニ(伊: Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni、1475年3月6日 - 1564年2月18日)は、イタリア盛期ルネサンス期の彫刻家、画家、建築家、詩人。西洋美術史上のあらゆる分野に、大きな影響を与えた芸術家である。ミケランジェロ自身が本業と考えていた彫刻分野以外の作品は決して多くはないにもかかわらず、様々な分野で優れた芸術作品を残したその多才さから、レオナルド・ダ・ヴィンチと同じく、ルネサンス期の典型的な「万能(の)人」と呼ばれる。

ミケランジェロ・ブオナローティ
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 この本を構想した2017年初頭の時点で、私がアメリカのドナルド・トランプ政権誕生に抱いた感想は、その後、日を経るにつれて強くなり、半年をすぎた現在、動かしがたいものになっています。

【世の多くの識者たちの予想】を、【完膚なきまでみごとに裏切って、トランプ大統領が生まれ】、早くもその前途が危ぶまれるさまざまな政策を繰り出している--この現象の意味するものは一体、何なのでしょう。この異常とも見える【“トランプ現象”の本質】を、あえて一言で言うとしたら、どうなるでしょうか。

私はこの現象は、少し長期的な視野で見れば、冷戦後、世界で唯一の覇権国であった【アメリカの「断末魔の悲鳴」】、控え目に言っても、【“パクス・アメリカーナ(アメリカによる平和と繁栄、またはアメリカ全盛時代)”の歴史的な「終わりの始まり」】だと思いました。
アメリカの「断末魔」とは何でしょう。それはまず【アメリカ経済の面】から、そしてもっと広く【アメリカの文化・文明の面】からも指摘できます。

アメリカやイギリスの経済に関する思想は、【「新自由主義」が基本】でした。これは、いわゆるアングロ・サクソン型の自由な市場経済を【一切の制約なく】発展させれば、自ずから【公平な社会】が実現するであろうという大変に楽観的な思想です。

すなわち、【市場経済を全面的に信頼】すればすべてうまくいくという考えです。【グローバル化】が進んだ結果、とくに【アメリカは、伝統的な文化を持っていない国】であり、【国民全体が移民であるとも言える国家】であるがゆえに、【自由競争をよしとして発展してきた国】です。

しかし、【それによって、アメリカの中産階級の人々に大きな不満】が生じることになりました。自由競争の結果、当然ながら一部の大きな富を手に入れ、中産階級の多くが窮乏化して発展から取り残されてしまったからです。
トランプ現象は、こうしたアメリカの現状がさらに進むのではないかと考え、かつてなく多くの人々が転がり始めた坂道に悲鳴を上げ、【必死になってそれを食い止めようとして起こった現象】と言えそうです。極端な言い方をすれば、【古きよきアメリカが「断末魔の悲鳴」を上げている】のです。』

いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、現代アメリカを考える上で、非常に参考になる良書で、もちろん著者のお考えである、少し長期的な視点に立った、「アメリカ帝国の衰亡」の始まり、という予見に沿った展開でお話が進められるのですが、それ以上に参考になるのが、現代アメリカの「表面的な部分」ではなく、「深層に隠された部分」に関して、つまり、一般的には「タブー」とされて、あまり報道されないような部分について、詳しく解説がなされており、御一読頂きますと、現代アメリカに対する見方が、また違った形になるのではないか、と思います。

さて、本文中で著者が、アメリカの「断末魔」を2つの側面から指摘できる、と書かれていました。。その2つの側面が、「経済」と「文化・文明」とされています。
倉山満さんが、よく言われている、「鉄」・「金(カネ)」・「紙」のうちの、「金(カネ)」と「紙」になります。

また、著者は、「アメリカやイギリスの経済に関する思想は、新自由主義が基本」とも書かれていますが、これも、「金(カネ)」と「紙」に関して書かれている部分になります。
つまり、「経済」=「金(カネ)」、「新自由主義という思想」=「紙」、ということになります。

で、この2つ、「金(カネ)」と「紙」を結びつけているのが「宗教」、すなわち「キリスト教」になります。これが重要なポイントです。

先日、私たちの日本の国史を考える上で、日本の悠久の歴史を理解するために、マラソンに例えてみました。

詳しくはこちらをご参照❤
↓
☆(問題) 縄文時代から現代までをマラソンに例えると、「室町時代」はゴールまであと何キロ?

縄文時代の始まりとされる紀元前14,000年、そこをスタート地点として、私たちが生きている現代をゴールとしたとき、

鹿苑寺(金閣寺)が作られた時代は、ゴールまで、たったの2キロもありませんでした。

で、現代ヨーロッパ人、いわゆる「西洋文明」と呼ばれる人たちの祖先が、その現代ヨーロッパとされる地域にやって来たのが、4世紀以降になりますが、

御覧の通り、ゴールまで、たったの5キロもない、そんな時代です。

『ローマに迫るフン族』ウルピアノ・チェカ
「 パルティアが本当は大帝国で、ローマ帝国と長きにわたり幾度も戦っているのに、日本ではあまり研究されていないようです。また、パルティアそのものやパルティアとローマの戦いに関して一般に読めるものも限られています。そのあたりの事情も日本人の世界史観を反映しているかのようです。

ギリシャ・ローマが世界最強、世界最先端でずっと人類の中心を占めてきたなどという歴史観はまったく違います。オリエントと呼ばれた東のほうの人間はそんな歴史観を全然認めていません。しかし日本人はそうした歴史観を認めてしまっているのです。だから、中東の人と話がかみ合わないのです。
たしかに欧米は現代、ここ200年ぐらいは力があり、進んでいました。でもそれは人類の歴史3000年のなかの、せいぜい200年、300年のことではないかという歴史観をなぜもたないのか。日本人よ、もっと誇りをもてと言いたい。どうしてギリシャ・ローマだのチャイナだの、そんな野蛮な人たちを先進文明だと崇(あが)めるのか。
近代史以前に、世界の捉え方の時点で、日本人は自虐的だなと思います。」
詳しくはこちらをご参照❤
↓
☆ローマ帝国でさえも、震え上がった「遊牧騎馬民族」

で、その頃に、現代ヨーロッパとされる地域にやって来た人たちの子孫が、いわゆる「西洋人」となるわけですが、そこには明らかに「文化・文明」の断絶があります。
「 どの歴史(日本史)の教科書でもいいので、ページを開いてみてください。鎌倉時代と室町時代は「中世」となっています。どの教科書でもそうです。「中世」とは「近代」になる前の、封建的で粗野な遅れた文化の時代という意味で使われています。NHKの大河ドラマ『平清盛』に描かれた世界はいかにもそのような世界です。薄汚れた武士たちが映像化されていました。
しかし、…鎌倉時代も、…室町時代も、果たしてそういう時代なのでしょうか。
西洋の歴史で「中世」(Middle Age)とは、「古代」ギリシャ・ローマと「近代」に挟まれた「中の時代」のことです。この時代は、ゲルマン民族の大移動ののち、キリスト教化され、現代の西洋といわれる世界が形成されていった時期でした。
この時期を担ったのは古代ギリシャやローマの人々とは異なる民族で、宗教も言語も本質的に異なる人々です。だから、西洋の「中世」は古代ギリシャ・ローマが発展したものではなく、そこには明らかな断絶があります。
そして西洋史学の三分法をもとに、19世紀にはマルクス主義による歴史観がつくられました。「古代」は「奴隷制」の時代。「中世」は「封建制」で農奴の時代。「近代」は「資本主義」で労働者の時代。そしてそのいずれの時代においても人民は搾取されているという生産様式の矛盾した歴史を説きました。それが「進歩史観」と結びついて、「中世」の「暗黒」史観が生まれたのです。
こうした歴史の見方を、現在でも多くの歴史家たちが信じているようですが、そのような搾取の歴史の中からは、…偉大な「文化」は生まれません。強制からは、…大きなモニュメントも生まれようがないのです。「自由」があってこそ、こうした「文化」が生まれ、階級よりも「役割分担」の社会があったからこそ、長い間「社会」が安定してきたのです。統治者はいつの時代でも必要ですし、働く人民は決して圧迫されてきたわけではありません。
しかし、その「文化」においても、西洋の学者たちは自分たちが古代ギリシャ・ローマを受け継いでいると自負しているため、「古代」と「近代」の間に「中世」を挟んで、いかにも西洋「文化」が一貫して継続しているように考えているのです。「ルネッサンス」といわれる時代は、「古代」の「再生=ルネッサンス」であるとされていますが、実際には「再生」ではありません。
西洋の「中世」は「暗黒」の時代ともいわれます。西洋が古代ギリシャ・ローマの文化を受け継いでいるなら、「暗黒」であるはずがありません。西洋の歴史が「中世」といっている時代は、正確にいうなら、新たな「西洋文化初期時代」(Primitive Age)というべきなのです。いまにつながる西洋文化の世界が形成されたのは、実はこの時代からなのです。
一方では、この時期の文化の様式を「ロマネスク」といっています。これは「ローマ的な」「ローマのような」という意味です。自分たちが古代ギリシャ・ローマの文化を受け継いでいると考えているからですが、それをき継いでいないことは、まったく新しい、キリスト教の文化であることからも明らかです。その形は、まだ素朴であることが誰にでも見て取れます。西洋の「ロマネスク」といわれる時代(1000年 – 1200年)の文化は、日本では飛鳥時代(592年 – 710年)の「アルカイスム(胎動期)」の文化に匹敵するものなのです。古代ギリシャ・ローマの文化を受け継いだというか、影響を受けて保存したのは、西洋ではなく「イスラム世界」なのです。「イスラム世界」を介して西洋は「古代」ギリシャ・ローマの文化を知り、その影響が「ルネッサンス」につながっていくのです。」
詳しくはこちらをご参照❤
↓
☆日本に「中世」は、ありません

つまり、他の地域から、現代の西洋と呼ばれる地域にやって来た人たちが、全く異なる文化・文明である「古代」ギリシャ・ローマを受け継いでいると錯覚し、キリスト教化されていく、そんな「近代」を迎えるまでの時代を「中世」と呼んでいます。

以前は、「近代」の始まりは、ローマ帝国を受け継いでいた東ローマ帝国(ビザンチン帝国)が、オスマン帝国に滅ぼされた1453年と見なされていました。
ルネサンスと呼ばれる時代は、ちょうどこの頃(14世紀から16世紀)で、私たちの日本で言えば、室町時代の頃となります。
4世紀から、このルネサンス期まで、1000年以上の長い年月を経て、キリスト教を中心とした西洋世界が形成されて行きました。
そして、このルネサンス期は、まさにキリスト教化のピークとも言える時代で、キリスト教国家である東ローマ帝国が異教徒によって滅ぼされた、その反動であるキリスト教復権の時代とも言えます。
北方ルネサンスの巨匠であるアルブレヒト・デューラーも、『自画像』(1500年)で、自分自身をイエス・キリストとして描いていることからもわかるように、神に近付いていることを誇りとしているんです。

アルブレヒト・デューラー 『自画像』1500年
ルネサンスとは、そういう時代です。私たちの日本の室町時代の頃が、宗教的な側面で見ますと、そういう時代であったということを、まず押さえておきましょう❤

余談になりますが、そんな時代背景も知らず、見ているこちらが「赤面」するような、無知ぶりを露わにしているのが、こちらの御仁です(笑)


姜尚中(きょうしょうちゅう)
詳しくはこちらをご参照❤
↓
☆在日・姜尚中、「ルネサンス」を語る
☆メランコリーさえ理解ができずに、ルネサンスを語る姜尚中の愚

で、キリスト教化のピークであるルネサンスの時代、まさにこの頃から、キリスト教の西洋世界が、ぐらつき始めます。

続きは次回に♥
ランキング参加中で~す^^ ポチっとお願いします♥
↓↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村

人気ブログランキングへ

- 関連記事
-
- なぜか似ている。。。香山リカとBAMNのイヴェット・フェラルカ (2018/03/20)
- ダイバーシティ(Diversity)の意味を、勘違いしてしまう日本人 (2018/03/19)
- 日本のサイレント・マジョリティ 『安倍ちゃん、頑張れ! 朝日は嫌い! 関西生コン・連帯ユニオン、怖い、怖い(笑)』 (2018/03/18)
- 現代アメリカの「タブー」 (2017/10/04)
- モボ・モガは、アメリカの単なる模倣です (2017/10/03)
- 「ヒューマニズム」と戦国時代 (2017/10/02)
- 金正恩が「最も憎む」のは、誰でしょう? (2017/10/01)
- ルネサンスは、室町時代の出来事です (2017/09/30)
- 平和の実現に必要なもの (2017/09/12)
- 北朝鮮が怯えているもの、支那が怯えているもの (2017/09/11)
- 現代アメリカの「トロイアの木馬」 (2017/08/28)
- いまアメリカで起きている「宗教戦争」 (2017/08/27)
- トランプ大統領の「注文相撲」 (2017/08/26)
- 朝鮮半島で予定されている花火大会の「予行演習」 (2017/07/17)
- 蓮舫は、「馬の骨」 (2017/07/16)