2017-09-15 (Fri)

「宗教とは何か」という問いに対して、宗教者、哲学者、宗教学者などによって非常に多数の宗教の定義が試みられてきたとされ、「宗教の定義は宗教学者の数ほどもある」といわれるとされる。

戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 【「人種間の平等」がリベラルの“宗教”】であるという考えを、私は直接的には【ハーバード・ロースクール】の憲法の授業で、ノア・フェルドマン教授に習った。

ノア・フェルドマン
その日、教授は、「我々は、信心深い国民である」というダグラス判事の有名な一節を取り上げて、【アメリカの宗教とは何か】を問うた。

ウィリアム・O・ダグラス (1939年)
「プロテスタント」と答えた男子学生に、教授は、【キリスト教の「原罪」とは何か】を説明させた。…

『楽園追放』(1426年 - 1427年) サンタ・マリア・デル・カルミネ大聖堂ブランカッチ礼拝堂(フィレンツェ) 左が修復前、右が1980年代に行われた修復後の画像で、後年になって付け加えられた股間の葉が除去されている
次はクラス全体に問いかけた。
「…では、歴史上、【アメリカが負っている『原罪』とは何だろうか?】」
一番前に座った白人の男子学生がおずおずと「【奴隷性】では……」と答えると、奥の方に座った大柄の黒人学生が大きく首を縦に振って同意を示した。…

教授は、再びクラス全体に問いかける。
「そう。【黒人を奴隷としてきた歴史が、我々が抱える『原罪』だ】。…」…

「さて、…『原罪』はすべて消えてなくなってしまったのだろうか」
フェルドマン教授は再び声を張り上げた。…教授はさらに続ける。
「そう。【原罪はなくなってはいない】ね。アダムの罪を人類全体が共有したように、【我々祖先の原罪を、アメリカ国民は共有している】」

アンドレア・マンテーニャ 『磔刑図』1459年
確かに、奴隷性に対する償いはまだ十分ではない、という考えのほうが一般的だろう。…
「そう、【我々はいまだ消えぬ『原罪』を抱えている】。道半ばに倒れた【『キリスト』の意思を継いで『白人と黒人の平等』という教義を世に広めようと努力】し続けている。【信仰に似た熱心さと従順さで】。この【『人種間の平等』が、我々リベラルの心の拠り所だ】。【この教えをリベラルの『信仰』】としないで、他の何が信仰の名に値するだろう」

フェルドマン教授はこう述べて講義を締めくくった。
確かに、【リベラルが信じているのは「人種間の平等」】だ。この教義は【後に「すべての人間の平等」へと拡大】した。【フェミニストはそこに「男女の平等」を入れ込み、LGBTは「セクシャリティの平等」を含めることを主張】したからだ。

【すべての人間は平等、という信仰】を、仮に【「リベラル信仰」】とでも名付けておこう。

信仰から自由だと思われた【リベラルは、実は相当に信心深い】。【人々の平等を掲げる「リベラル信仰」を熱心に信仰し続けている】。

この【リベラル信仰】が、人々の善意から始まったことは疑いようもない。だが、その後の歴史において、【結果として欺瞞と偽善を含むようになった】のではないか。』

いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、以前にもご紹介させて頂いた書物の中で、あのハーバード大学で、どんなことが授業として行われているのか、そんな貴重な留学体験を元に、私たちに現代アメリカ社会を蝕んでいる病巣を明らかにしていた著者が書かれた良書になります。
詳しくはこちらをご参照❤
↓
☆山口 真由 ハーバードで喝采された日本の「強み」

その病巣こそが、「リベラル」なんですが、それを著者は「宗教」として的確に捉えられています。また、アメリカでの「リベラル」と、私たち日本での「リベラル」とは、まったく別物だということも、この書物をご覧いただくと明らかになります。

さて、今回ご紹介させて頂いている本文は、ところどころで、大幅に省略をさせて頂いているのですが、重要なポイントが数多く含まれている部分になります。
まず、ノア・フェルドマンが、「人種間の平等」がリベラルの“宗教”である、という考え方を教えた張本人だということが書かれています。

ノア・フェルドマン
それでは、このノア・フェルドマンについて、少し見てみましょう。
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 Noah R. Feldman (born May 22, 1970) is an American author and the Felix Frankfurter Professor of Law at Harvard Law School. Much of his work is devoted to analysis of law and religion.」
ノア・フェルドマンは、アメリカの作家で、ハーバード・ロースクールの教授で、法立と宗教の分析をやっている、と書かれています。
「 Feldman grew up in Boston, Massachusetts, where he attended the Maimonides School.」
フェルドマンは、マサチューセッツ州ボストンで育ち、そこで、マイモニデス学校に通ったって書かれています。

さて、「マイモニデス学校」って、何なのでしょう?

以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 Maimonides School (Hebrew: ישיבת רמב"ם Yeshivat Rambam) is a coeducational, Modern Orthodox, Jewish day school located in Brookline, Massachusetts. The school was founded in 1937 by Rabbi Joseph Soloveitchik and his wife Tonya Soloveitchik. It is named after Rabbi Moses Maimonides.」
マイモニデス学校は、マサチューセッツ州のブルックラインにある現代正統派ユダヤ教のユダヤ学校で、1937年にラビ(ユダヤ教に於いての宗教的指導者であり、学者でもあるような存在)のジョゼフ・B・ソロヴェイチックとその妻が設立し、ラビであるマイモーンの名にちなんで命名された、と書かれています。

ジョゼフ・B・ソロヴェイチック
つまり、世界的に有名なユダヤ教の「トーラー」(律法)を教えているユダヤ学校になります。
ついでに、マイモーンについても見ておきましょう。
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 ラビ・モーシェ・ベン=マイモーン(ヘブライ語: רבי משה בן מיימון Mōšéh ben Mayimōn, アラビア語: ابو عمران موسى ابن عبيد اللّه ميمون القرطبي الإسرائيلي Abū ‘Imrān Mūsa ibn ‘Ubayd Allāh Maymūn al-Qurṭubī al-Isrā'īlī, スペイン語:Moises Maimonides, ラテン語(本来はギリシア語):Moses Maimonides, 1135年3月30日 - 1204年12月13日)は、スペインのユダヤ教徒のラビであり、哲学者。医学・天文学・神学にも精通していた。カバリスト、アリストテレス主義者、新プラトン主義者。
その業績は「モーシェの前にモーシェなく、モーシェの後にモーシェなし」と称賛され、ルネサンスのヒューマニズムの先駆者と評価される。
アイユーブ朝前後のアラビア語資料ではイブン・マイムーンの名前で表れるが、ラテン語でのマイモニデスという名前でも知られている。ラムバム RaMBaM (הרמב"ם) という、「ラビ・モーシェ・ベン=マイモーン」の頭文字をとったヘブライ語的な略称でも知られる。
モーシェ・ベン=マイモーンが残した最大の成果は、従来の膨大なユダヤ法に関する諸資料を体系的に分類し、かつ法典化した『ミシュネー・トーラー』である。同書はタルムード・アラム語ではなく、ミシュナの形式のヘブライ語で書かれている。『ミシュネー・トーラー』は『ミシュナー註解』と合わせて、ユダヤ人社会で高い評価を受けた。」

モーシェ・ベン=マイモーン
また、現代正統派ユダヤ教とありましたが、こちらについても確認しておきましょう。
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 現代正統派ユダヤ教(Modern Orthodox Judaism, Modern Orthodox, Modern Orthodoxy, "MO")とは、正統派を大別したうち、超正統派でないものを言う。 「近代的正統派」ともいう。
シュルハーン・アールーフを聖典とし、なおかつ近代・現代的価値観と、世俗教育を重視し進める(超正統派がそういったものを無視している、というわけではない)。」
何だか分かったような、分からないような、不十分な解説ですが、要するに「シュルハーン・アールーフ」という聖典、つまり、そこに書かれていることが彼らの「法律」となるわけですが、それを頑なに守って生活をする、というユダヤ教徒です。
「シュルハーン・アールーフ」というのはヘブライ語で、日本語に訳すと「備えられた食卓」となるそうなんですが、16世紀に書かれたもので、その中身は、こちらの書物(↓)にも書かれているのですが・・・、

「…考えられるすべての行為について、具体的な指示を与えている・・・食事、睡眠、祈り、入浴、セックス。・・・まったくそのとおりとなると、ほとんど不可能に近い。きまりは何千、何万もある。外で用を足すときは、東か西ではなく、北か南を向かなくてはならない、なんてのも。」
・・・と、こんな感じなんです。まあ、本人が好きでやっていることについて、「世間様に迷惑がかからない」のであれば、どうぞ、お好きなように。。。なので、、当ブログでは否定も肯定も致しません。
で、この現代正統派ユダヤ教の起源は、ドイツのラビであるザムゾン・ラァーファエル・ヒルシュになります。

ザムゾン・ラァーファエル・ヒルシュ
で、このザムゾン・ラァーファエル・ヒルシュを、少し確認しておきましょう。
ちなみに、彼の生涯は、1808年6月20日~1888年12月31日までの期間となりますが、当時はどのような時代だったのでしょうか?
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 Hirsch lived in the post-Napoleonic era, an epoch when Jews had been granted civil rights in a large number of European countries, leading to a call for reform. A large segment of his work focuses on the possibilities for Orthodox Judaism in such an era, when freedom of religion also meant the freedom to practice Torah precepts without persecution and ridicule.」
そう、彼は、ポスト・ナポレオン時代に生きていたと書かれていますね?
そして、その時代は、ユダヤ人が多数のヨーロッパ諸国で市民権を与えられた時代だとも。。。

ヨーロッパの「リベラル」の原点は「フランス革命」(1789~99年)で、
そのフランス革命後に、「キリスト教」が弾圧を受け、また、同時に、ユダヤ人の権利が全面的に認められたという見逃せない史実について、昨日も書かせて頂きました。
そして、ナポレオン(1769年8月15日~1821年5月5日)がヨーロッパを荒らしまわった後、さきほどの記述にあるように、ユダヤ人が多数のヨーロッパ諸国で市民権を与えられたわけです。

そして、その後、またしてもフランスのパリで、今から約150年ほど前、1871年、史上初の「プロレタリアート独裁」による自治政府を宣言した「パリ・コミューン」が歴史上に登場するわけです。

コミューンによってパリ市内に築かれたバリケード
このとき、あのマルクスが、コミューンを労働者階級のための国家と規定し、共産主義革命におけるプロレタリア独裁の歴史的必然性を説いた、すなわち、労働者による暴力革命による国家転覆の肯定を行ったわけです。

1875年のマルクス
それでは、お話を元に戻しましょう。
ゴリゴリのユダヤ教徒であるノア・フェルドマン。

彼が、「キリスト教」を敵視していることは、さきほどの本文からも明らかです。
では、「キリスト教」あるいは「キリスト教徒」だけが原罪を背負っているのでしょうか?
「ユダヤ教徒」って、「原罪」を背負ってないの????
もう、こういった「プロパガンダ」は止めません?
地球上で、問題を起こしているのは、「ユダヤ教徒」なんですから❤

続きは次回に♥
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