2017-09-05 (Tue)

動機(どうき)
●人が心を決めたり、行動を起こしたりする直接の心的原因のこと。目的とは異なる。
●行動・意欲を規定する根拠となるもの。
●倫理学で、対象または目的の観念に導かれた衝動や欲望。
●心理学で、行動を引き起こす意識的・無意識的原因。⇒動機づけ
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 この『少年キム』は、【19世紀後半のインド】を舞台とした物語です。

イギリス領インド帝国の地方行政区画(1909年)
当時、【インドはイギリスの植民地】でした。17世紀に設立された貿易会社、【東インド会社による統治】を経て、この時代は「イギリス女王」であるヴィクトリアが、インドの女帝として、【直接インドを支配】していました。

4歳の頃のヴィクトリア(ステファン・ポインツ・デニング画、1823年)
その領土は広大なもので、【現在のインド、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー】などにおよんだのです。

イギリス領インド帝国には、【イギリスが直接支配した地域】のほかに、同じようにイギリスの支配を受けながらも、【ある程度独自の政策も認められていた藩王国と呼ばれる地域】がありました。物語に出てくるコーター国やラームプル国をはじめ、【大小合わせて600ほどもあった】といわれています。

イギリスによる直接統治下に置かれた地域はピンク、藩王国、保護国は黄色で示されている。
インド大反乱(1857~59年。イギリスの植民地支配に対し起こった大規模な抵抗運動)が失敗に終わり、その後初代副王(インド総督)となったチャールズ・キャニングは、藩王たちをただ抑えつけるのではなく、ある程度の権利を認め、権威と名誉を与えることで、インド統治をたしかなものにしようとしました。そのため、藩王国ではインド議会の法律は適用されず、藩王たちはそれぞれ自分たちの方法で自分の国を治めていたのです。

ヴェレシチャーギンが1884年に描いた絵画。反乱軍兵士を砲に括り付け、木の弾丸を発射する英軍による見せしめ。兵の軍装は反乱当時のものではなく描いた年代のものである。
ほかの国を自分たちの領土にしていたのは、イギリスだけではありません。大航海時代の海外進出を経て、いち早く産業革命を成し遂げた【多くのヨーロッパの国々が、アジアやアフリカで植民地を獲得】していました。

世界の植民地化の流れ
そのなかでも、【この物語に関係があるのは、ロシア】です。

北のロシア帝国は、【冬でも凍らない港】を手に入れるため、【インドに目をつけます】。

1866年のロシア帝国の最大版図
一方の【イギリスは、ロシアのこうした南下政策に対抗】し、このもっとも重要な植民地を死守しようとします。インドを失えば、「われわれは直ちに三流の勢力に転落するであろう」(インド総督カーゾン卿の言葉)というのが、当時のイギリスの考えでした。こうして、【イギリスとロシアはインドを巡って、はげしいスパイ合戦をくりひろげる】ことになります。

1921年のイギリス帝国の版図
この【イギリス・ロシアの情報戦のことを、「大いなる(グレート)ゲーム」と呼びます】。

具体的には【中央アジアの各地域にスパイ】を送り、測量して地図を作ったり、国の政治・経済・文化・動向を調べたりしました。白人が潜入しにくい地域には、【現地の民族のスパイ】を送りこむこともあったのです。

当時のアフガン情勢描いた風刺漫画(1878年)アフガンのシール・アリー王を、その「お友達」である熊(ロシア)とライオン(イギリス)が虎視眈々と狙っている
物語の主人公、キムが活躍するのは、まさにこの【「大いなる(グレート)ゲーム」の時代】でした。』

いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、今から100年ほど前の、19世紀末から20世紀初頭のイギリスで、最も人気のある作家の一人とされたラドヤード・キップリングの代表作の一つとなる児童文学です。

ラドヤード・キップリング (1914年)
また著者は、1907年にノーベル文学賞を、41歳の史上最年少で、イギリス人としては最初に受賞した人物としても知られています。
他にも、昨年映画公開された、有名な『ジャングル・ブック』という作品もあります。エドガー・ライス・バローズの『ターザン』や、A・A・ミルンの『クマのプーさん』に影響を与えたとされる作品です。

中学生ぐらいから、普通に無理なく読める書物だと思いますので、ぜひ、ご覧になってみてください。主人公の少年と、ある老僧との間に見られる、とても優しい想いが、とても感動的ですよ。

さて、そんな著者ですが、とある誤解を受け、迷惑を被ったことがありました。
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 キプリングの本の旧版の多くには、カバーに蓮の花を運ぶ象の絵と「卍」の記号が印刷されている。

このため1930年代以降、「ハーケンクロイツ」をシンボルとするナチズムの支持者と誤解された。しかしナチ党の前身であるドイツ労働者党が成立したのは1919年、「ハーケンクロイツ」を採用したのも1920年6月のことであり、キプリングが主たる著書を発刊したのはそれ以前であった。キプリングが卍を用いたのは、インドでは太陽のシンボルとして幸運と幸福をもたらすとされていたのと、卍の語 (swastika) がサンスクリットにおいて幸運を意味するsvastikaから派生したことによる。彼は卍のシンボルを左右両面に使い、それは当時は一般に使用されていた。ナチスが政権を取る前から、キプリングはそれを支援することになってはいけないと考え、製版業者に卍を削除するように要求していた。キプリングは死の1年前の1935年5月6日に、聖ジョージ王立協会でスピーチし (題は「無防備の島」)、ナチス・ドイツがイギリスに危険をもたらすという警告をしていた。」

ハーケンクロイツ
つまり、20世紀の、とある「プロパガンダ」によって、誤解を受けて非難されたわけです。

最近でも、「国語力」が低いと思われるパヨク連中が、自分たちの「勘違い」を理解できず、能力の無さをさらけ出していますね❤

☆麻生副総理が記者の質問に苦言「私がヒトラーについて極めて否定的に捉えていることは発言の全体から明らか。君はその席にいなかったんだろ?」(※動画あり)
この2つのお話は、ちゃんと繋がっています。

先程のとある「プロパガンダ」は、ある時から始まって、それが未だに現代にまで影響を与えています。
20世紀初頭までは、『少年キム』に描かれているように、地球上の覇権を争っていたのは、「イギリス」と「ロシア」でした。
「 20世紀の前半は、日本にとって、世界の戦乱に巻き込まれた戦争の時代でした。日本の歴史上、日本が世界史の中心に登場するのは、元寇で勝利して以来初めてのことです。この時代に、いかに日本が対処していったかは、日本人の性格、日本の歴史を知る上で重要だと思われるので、少しくわしく語りましょう。
世界では、20世紀に戦争で死んだ人々の数が実に1億人を超え、19世紀までに戦争で死んだ人々の数を超えたといいます。技術がいちばん進歩したはずのこの「近代」に、もっとも野蛮な戦争が行われたということは、結局、近代の「進歩主義」精神が、何もその歯止めにならず、軍事技術の発展だけを助長してしまったことを示しています。よく「中世は暗黒時代」といわれましたが、逆であったといってよいでしょう。しかしそれは日本にとって試練の時代でした。欧米列強の侵攻の影で、日本は唯一アジアの「近代国家」として対抗し、強い大きな位置を占めたことは、歴史の記すところとなります。

この戦争の時代の発端は、19世紀のイギリスとロシアの戦いでした。

このことを述べなければならないのは、日本が大陸を侵略したという罪悪感を、戦後の歴史がいつも植えつけようとして、それを日清戦争から語りはじめるからです。これ以後の、日本の大陸での戦争を日本の責任のようにいう傾向を否定しておかなければなりません。
この時代は、戦争の時代だったのです。イギリスが中国にアヘン戦争をしかけ、香港を植民地にしました。それ以後、イギリスは北へ向かってアジアでの侵攻を進めたのです。

一方、ロシアは南に不凍港を求めて侵略しようとしていたのです。1891年、シベリア鉄道建設に着手したのも、その一環であったといえます。接している国は中国ばかりではなく、朝鮮や日本だったのです。それに対抗するため、明治二十七(1894)年、日英通商条約を結んだといっていいでしょう。
中国の支配力が強かった朝鮮は、しばしば日本と対立し、場合によっては日本が危うい立場にならないとも限りませんでした。朝鮮にも親中国と親日本の勢力があり、お互いに争っていました。それが1881年と84年に朝鮮で起きた事変で、清が支配権を強め、日本を脅かす存在となりました。朝鮮王国は1894年に南部で農民が戦争(甲午農民戦争、東学党の乱)を起こしたときに、その鎮圧のために清に出兵を求めました。日本はそれを危険と判断して、朝鮮に出兵し、日清戦争がはじまったのです。
戦争は朝鮮だけではなく、満州まで広がり、日本は海戦でも陸戦でも清を圧倒しました。…アヘン戦争以後、軍隊をつくり、新兵器を装備していたからです。・・・

清の艦隊を攻撃する松島を描いた浮世絵(画:春斎年昌、出版:小森宗次郎)
フランスの新聞は、そのとき、日本の清兵に対する人道的な行動を絶賛しています。
『全世界に公表すべきことは、清兵は日本兵に対して残酷であったが、日本兵はこれに報復せず、大いに寛大で優遇の処置をもって清軍の捕虜を待遇し、病人にも負傷者としみな治療あたえた』
(「フィガロ」誌)
それまでの列強は、国際法を無視し、捕虜を虐殺するのが常だったからです。」
詳しくはこちらをご参照❤
↓
☆The Great Game

このように、20世紀の戦争の時代の発端が、19世紀のイギリスとロシアの戦いであったということをキチンと踏まえることができれば、20世紀の、とある「プロパガンダ」についても正しく理解することができるようになります。
卍を見て、条件反射的に「ナチス」を思い浮かべたり、或いは、「ナチス」と耳にした途端に批判しようとする態度が見られる方々は、完全に、その「プロパガンダ」から抜け出せていない、ということになります。

卍については、以前にも書かせて頂いておりますので、そちらをご参照ください。
↓
☆『マニフェスト・デスティニー』と、『ドナルド・トランプ』と、『「卍」・「卐」(まんじ)』

それでは、本日の最後に、こちらの動画を御紹介させて頂きます。みなさんは、どう感じられるでしょうか?
続きは次回に♥
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