2017-07-13 (Thu)

『男と女』(おとことおんな、Un homme et une femme)は、1966年制作のフランス映画。
カンヌ国際映画祭でグランプリ(当時)を受賞し、クロード・ルルーシュの名を世界に知らしめた。
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 「うつくしい」を漢字で書けば「美しい」となります。漢字の「美」の意味は日本語と同じ「うつくしい」です。しかし、【意味は同じでもその心は大きく違う】ようです。

一般の漢和辞典を引いてみますと、「美」という文字は「羊」と「大」を合わせた文字で、もともとは「肥えて大きな羊」を指し、そこから【「うまい」や「うるわしい」が、さらには「よい」とか「めでたい」とかの意味】に用いられたと述べられています。…

日本の白川静氏は、漢字の字源をさらに民俗生活・民間信仰にまで追い求め、【中国人が解明し得なかった、いっそう深い漢字の字源を明らかにしています】。そこで白川氏の漢字小辞典といえる『常用字解』(平凡社)を見てみますと、「羊」は「羊を正面から見て、その角と上半身を写した形」であり、「美」は「羊の角から後ろ足までの全体を上から見て写した形」だとされます。

ようするに、【神に供える犠牲】として、【どこにも欠如のない完全な羊の形が「美」】であり、そこから人間の徳行や自然風物の美しいことを意味するようになったというのです。…
漢字の「美」は完全であることを示し、美が人間の徳行をも意味するというのは、【私にはとてもよく理解できます】。【韓国では「完全さ=美しさ=道徳的な正しさ」となります】。道徳的に正しいことが美しいことであり、それは同時に完全であることを意味します。これが【中国・韓国に共通する儒教文化・社会にとっての「美の心」】なのです。

それでは、【日本文化・社会にとっての美の心】とはどんなものでしょうか。

国語辞典で【「うつくし」の古代の用例】を見てみますと、主として「親密な肉親・家族・小動物などへの【慈しみの情(愛情)】」を表す言葉だったことがわかります。

そして、それがしだいに【「可愛らしさ」といった意味】でも使われるようになり、【室町時代の頃から「美」一般を表す言葉】として使われるようになっていったことが知られます。

それでは、現代日本語では「うつくしい」はもはや「美」一般を表す言葉とだけ意識されていて、古くからの「可憐な愛すべきものへの情」を表す言葉としては意識されなくなっているでしょうか。

現代といっても昭和初期のことですが、【島崎藤村】の詩のなかには古くからの「うつくし」の使い方が見られます。それは、「美し」と書いて「うるわし」と読ませ、仮名で「うつくし」と書いて2つの言葉を区別して用いている次の一節です。
粧(よそほ)ひすれば美(うるは)しの
いや美(うるは)しくみゆるごと
げにあたらしき春衣(はるぎぬ)の
君のすがたぞうつくしき
(『藤村詩選』角川文庫所収「四つの袖」二十八/1931年より)
「うるはし」は「麗し」とも書かれるように、「整った美しさ」「あでやかな美しさ」をいう言葉です。最後の「君のすがたぞうつくしき」はそういった美しさではなく、明らかに「可憐な愛すべきものへの情」を示したものといえるでしょう。【「美し」で外見的な美を讃え、「うつくし」で作者の心情を表したもの】と理解できます。…

島崎藤村
現在では、藤村のように「うつくし」と「美」の違いをはっきりと意識して使うことは、ほとんど見ることができないかもしれません。それでも、たとえば【秋の紅葉を見て「うつくしい」と感じたときの日本人の心】は、「可憐な愛すべきものへの情」に深く満たされているのではないでしょうか。

何かを見て思わず「うつくしい」と言葉に出るのは、色彩がきれいだという感覚的な美をいいたいからではなく、【心に沸き起こった感動が自然と言葉になって口をついて出てくるから】でしょう。そのとき「うつくしい」は、【概念や理念ではなく、心の内を表現する言葉】となっています。強いて漢字にあてれば、「慈(うつく)しい」とか「愛(うつく)しい」がふさわしく、漢字語では「慈愛」にきわめて近い心といってよいでしょう。
「うつくしい」には、かつて慈や愛を表した【言葉の歴史がしっかりと保存されている】のです。これは「うつくしい」に限ったことではなく、【多くの日本語(和語)についていえること】です。』

いかがでしょうか?
今回ご紹介させて頂く書物の著者は、非常に尊敬できる、もと朝鮮人の呉善花さんで、以前ご紹介させて頂きました鼎談本も、とても勉強になりました。

こちらをご参照♥
↓
☆黄 文雄 石 平 呉 善花 最後の痛言 呉善花(韓国)が黄文雄(台湾)、石平(中国)に真意を問う

さて、著者は、私たち日本人のもともとの言葉である「和語(やまとことば)」に、古代からの言葉の歴史が残されていると書かれています。そして、私たち現代の日本人は、それをとくに意識することもなく、無意識に使っています。

たとえば、「おほ」という「和語(やまとことば)」があります。
天照大御神(あまてらすおほみかみ)の「おほ」です。

天岩戸神話の天照大御神(春斎年昌画、明治20年(1887年))
この「おほ(大)」は、数・量・質が大きく優れていることや、そのさまを意味する言葉です。「おほし(大し、多し)」や「おほかた(大方)」も同じ語源からきています。また、有力豪族の尊称を意味した「きみ(君、公)」に「おほ」が付いた「おほきみ(大君、大王、王)」も大和朝廷が諸豪族に超越する、「きみ(君、公)」の中の大きなものという意味で、天皇の尊称になっていきます。
その「おほ(大)」の対義語が、「を(小)」です。

「をがわ(小川)」、「をの(小野)」など、名詞に付いて小さい、細かいという意味を示します。
やがて、この「を(小)」に代わって、「こ(小)」が使われるようになりますが、「こ(小)」には未熟という意味が含まれるようになります。

折角ですので、もう一つの「を」も書かせて頂きますと、「め」の対義語としての「を」があります。

つまり、動植物の「オス」、神や人間の男性を意味する「を(雄、牡、男、夫)」です。
また、「をつ(復つ)」という言葉が活力が戻り若返るという意味を、「をと」が生命力を発動する様を意味するところから、若く活力に満ちた男性を「をとこ(男)」、同じく女性を「をとめ(少女、乙女、処女)」というようになります。
やがて、「をとこ」が男性一般を意味するようになると、既婚未婚を問わず若く美しい女性を示す言葉としての「をみな」が使われるようになり、それが「をんな(女)」となっていきます。

秋の七草の一つの「オミナエシ」の「オミナ」も同じ「をみな」から来ています。

若く美しい女性である「をみな」を「へす(圧す)」、つまり圧倒する、へこませるという意味から名付けられたのだとか。。。
万葉集には、「オミナエシ」を「姫押」という文字を充てて表記している例も見られます。
漢字で書かれたものからは伝わってこない、私たちの「和語(やまとことば)」の面白さが、こういったところにもありますね!

続きは次回に♥
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Re: われもこう・・ * by みっちゃん
ハシビロコウ・うな さん、こんばんは^^
日本語に守られていると感じる ⇒ 仰る通りだと思います。その「音」に、すでに「意味」が含まれているのだと思います。だから「言霊」として何らかの力があるのではないでしょうか?
「お食べ!」⇒ 良いお言葉ですね~❤ なんだか、安心できる「言葉」、優しい「言葉」、そんな風に感じます。
これからも、宜しくお願いいたしま~す☆彡
日本語に守られていると感じる ⇒ 仰る通りだと思います。その「音」に、すでに「意味」が含まれているのだと思います。だから「言霊」として何らかの力があるのではないでしょうか?
「お食べ!」⇒ 良いお言葉ですね~❤ なんだか、安心できる「言葉」、優しい「言葉」、そんな風に感じます。
これからも、宜しくお願いいたしま~す☆彡
なぜか日本語?(国語)に守られていると感じることがあります
言葉を噛み砕くときに
思考が張り巡らされる?
・
おいら
やはり好きな言葉は
梅婆ちゃんの
お食べ!かな
あはは。