2017-05-29 (Mon)

青木繁『わだつみのいろこの宮』
山幸彦と海幸彦(やまさちひことうみさちひこ)は、『記紀』に記された日本神話。主に「海幸山幸(うみさちやまさち)」と呼ばれ、神話に多い神婚説話、理想郷に留まる内容であり、民話「浦島太郎」のもととなっている。誕生地、生活などの伝説は宮崎県の宮崎市を中心とした宮崎平野に集中している。

歌川国芳画 『浦島太郎』
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 潮が渦巻く難所、【速吸門(はやすいのと)】を乗り越えた【佐野命(さののみこと)】の一行は、【浪速渡(なみはやのわたり、大阪湾)】を経て白肩津というところに船を寄せました。当時は大阪湾を過ぎると生駒山麓に巨大な河内湖が広がっており、白肩津というのはその沿岸にあったと考えられています。

大阪平野の変遷

詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆「いくたまさん」が伝える真実 ~ 神武東征の証明
ところが【その一帯は那賀須泥毘古(ながすねびこ)という豪族が支配している場所】でした。

五瀬命(いつせのみこと)・佐野命一行は那賀須泥毘古の軍に攻撃され、窮地に陥ってしまいます。…
一行は防戦に努めましたが、【敵は強力】でした。戦っているうちに、【大変なことが起きてしまいます】。

なんと、【総大将である五瀬命】は、那賀須泥毘古から受けた矢の傷が元で、【亡くなってしまった】のです。

この五瀬命というのも象徴的な名前です。【太陽に「背を向けた」から「イツセ」です】。「セ」は「背」です。本名は別で、口伝にはちゃんと伝わっています。

神社の多くが南や東を向いているのは、【太陽に背を向けてはいけないから】です。自宅の神棚も同じですよね。
こちらもご参照♥
↓
☆教会で「内陣」が東端に配置される理由 ~ 西洋人の憧れの国 「日本」
まだ発掘されてはいないのですが、【那賀須泥毘古たちはおそらく、強力な〈弩(ど)〉という兵器を使った】と思われます。普通の弓は訓練に時間がかかりますが、弩というのは機械仕掛けの弓で、誰でも簡単に狙いを定めることができ、射程距離も弓より長いのです。だから強かったのです。…

西安市から出土した秦代の弩
【中国地方はすでに五瀬命・佐野命たちの勢力圏】といってもよい土地でしたから、佐野命たち一行が【東へ向かったのは、大和(近畿地方)が狙い】でした。

神武東征ルート
といっても、最初から戦争をするつもりだったのではありません。政略結婚で平和的に何とか入り込むつもりでした。
【佐野命は熊襲(くまそ)の王女と結婚していた】のですが、大和を統合するためにその王女と別れて旅立ってきたのです。
鵜草葺不合尊(うがやふきあへずのみこと)はすでに亡くなっていますから、【兄の五瀬命が父親代わりとして佐野命を大和に連れていこうとしていた】わけです。
しかし、【那賀須泥毘古らは五瀬命たちを受け入れず、軍を率いて激しく抵抗した】のでした。』

いかがでしょうか?
今回ご紹介させて頂く書物は、前作に続く第2弾で、記紀に伝わる古代日本の人物で、第12代から第16代の天皇に仕えたという忠臣、武内宿禰(たけうちのすくね)を受け継ぐ、第73世武内宿禰となる著者によって書かれた「古事記」に関する書物です。
ポイントは、「口伝」の部分にあります。
それでは、少し詳しく見て参りましょう。

さきほどの本文に描かれているのは、「神武東征」のお話になりますが、『古事記』で描かれているお話とは、若干ニュアンスが違っています。
昨日のお話の続きとともに、見て参りましょう。
昨日までのところで、天照大御神(アマテラスオオミカミ)に連なる系図を確認しているのですが、古事記に記載されている神々の系図は、このようになっています。

☆ひむか神話街道 神々の系図
ところが、口伝に伝わるところによりますと、系図は、このようになります。

☆ひむか神話街道 神々の系図
正勝吾勝勝速日天忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)が、天照大御神(アマテラスオオミカミ)の夫であり、

「天孫降臨」で有名な瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)はその息子になっています。
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の正式な名前は、天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)ですが、良く見てみますと、天照大御神(アマテラスオオミカミ)と建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)が行った誓約(うけい、占い)により生まれた男神のなかの、

アマテラスとスサノヲの誓約(古事記より)
天津日子根命(あまつひこねのみこと)の名前の中にも、天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)と同様に「天津日子(あまつひこ)」が含まれています。
つまり、天津日子根命(あまつひこねのみこと)と瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は同一の神様を指しているということになります。
「天孫降臨」により、邇邇芸命(ににぎのみこと)が地上世界に下られると、お住みになられる地を探すことになります。
『 邇邇芸命(ににぎのみこと)は
「ここは韓国(からくに)に向かい、笠沙之岬(かささのみさき)に道が通じていて、朝日がまっすぐに射す国、夕日が照る国である。だから、この地はとても良い地だ」
と仰せになって、地の底にある岩盤に届くほど深く穴を掘って、太い宮の柱を立て、高天原に届くほど高く千木(ちぎ)を立てて、そこにお住みになりました。 』
笠沙之岬(かささのみさき)も、韓国(からくに)も、現在の九州南部に残る地名です。
『古事記』では、このあと、邇邇芸命(ににぎのみこと)と木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)のお話に繋がっていきます

詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆世界が崩壊し、日本の時代が始まった ~ 天孫降臨の地は、九州なんです。
邇邇芸命(ににぎのみこと)と木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)の間には、火照命(ほでりのみこと)、火須勢理命(ほすせりのみこと)、火遠理命(ほおりのみこと)の三柱の神が生まれたとされていますが、

☆ひむか神話街道 神々の系図
口伝に伝わるところによりますと、火遠理命(ほおりのみこと)は、正勝吾勝勝速日天忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)と天照大御神(アマテラスオオミカミ)の息子となっていて、邇邇芸命(ににぎのみこと)の兄弟ということになっています。

☆ひむか神話街道 神々の系図
ここで、確認をしておきますと、邇邇芸命(ににぎのみこと)が「天孫降臨」により、この地上世界に降り立った地は、現在の宮崎県・鹿児島県になります。
木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)は、大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘で、建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)が八俣遠呂智(やまたのおろち)を退治し結ばれた櫛名田比売(くしなだのひめ)もまた、大山津見神(おおやまつみのかみ)の系譜になります。

イザナキ・イザナミが生んだ神々(古事記による)
その大山津見神(おおやまつみのかみ)は、山の神でもあり、海の神でもあります。
大山津見神(おおやまつみのかみ)は、別名「三島大明神」とも呼ばれ、それを主祭神としてお祀りしている全国にある山祇神社(大山祇神社)の総本社が、愛媛県今治市大三島町宮浦にある大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)です。

大山祇神社


同様に、静岡県三島市大宮町にある三嶋大社(みしまたいしゃ)も有名ですね♥

三嶋大社

要するに、邇邇芸命(ににぎのみこと)も、建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)も、大山津見神(おおやまつみのかみ)の系統と血縁関係を結ぶことによって、海の支配を固めていったわけです。

そして、邇邇芸命(ににぎのみこと)の兄弟である火遠理命(ほおりのみこと)は、

☆ひむか神話街道 神々の系図
正勝吾勝勝速日天忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)と、天照大御神(アマテラスオオミカミ)との間に生まれた息子である活津日子命(いくつひこねのみこと)であり、「山幸彦」でもあるわけですが、

アマテラスとスサノヲの誓約(古事記より)
海神・大綿津見神(おほわたつみのかみ)の娘の豊玉姫神(トヨタマヒメ)と結ばれ、さらに弟の鵜草葺不合尊(うがやふきあへずのみこと)が玉依姫命(たまよりびめのみこと)と結ばれています。

詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆琉求とは、台湾のこと ~ 琉球神道と日本神道
☆鵜戸神宮のお乳岩 ~ 「閉じる外国人」と、「閉じない日本人」
出雲を中心に国譲りによって九州北部や日本海側を抑え、また婚姻によって太平洋側を抑え、そして熊襲(くまそ)とも婚姻関係を結んだ上で、ようやく本文中にあった大和(近畿地方)へと、鵜草葺不合尊(うがやふきあへずのみこと)の子供たち、つまり正勝吾勝勝速日天忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)と天照大御神(アマテラスオオミカミ)の孫たちである、五瀬命(いつせのみこと)・佐野命一行が向かったのです。

続きは次回に♥
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