2017-03-10 (Fri)

タワーブリッジ
テムズ川(River Thames)は、南イングランドを流れる川であり、ロンドンを海とつないでいる。代表的なエスチュアリー(三角州)の入り江をつくる河川である。
ルネサンス期にギリシア語が語源であるという誤った認識が広まり、読み方を変えずにTemeseからThamesに綴りが変更されている。
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 北海道で小学校に入ってコールテンという黒い木綿の布地でつくった制服・制帽がうれしかったとき、世の中はデフレからようやく立ち直りかけていた。
1937年(昭和12年)7月7日に支那事変がはじまって旭川の第7師団が中国へ出兵するので北海道はにわかに活気づいたのである。年内に南京を占領すれば戦争は日本の勝ちで、息子は上等兵になって帰ってくる――と日本人の心は明るかった。
全道から集まった出征兵士は旭川市に分宿して4、5日するとホータイで白く巻いた三八式歩兵銃を肩に師団通りを駅まで行進し、歓呼の声に送られて列車に乗ったが、戦死して帰ってこない兵士が意外にたくさんいた。

そこではじめて北海道の人は戦争の前途を心配しはじめた。母はアメリカの介入を予想した悲観説で、父は上の人には何か対策があるはずだと反論したが、結局は8年つづいた挙句の敗戦だった。
壮大なドラマを見せてもらったことになるが、子供達の目でみた第二次世界大戦はすんでみれば、意外に簡単なものだった。したがって、【昭和ヒトケタ世代の戦争観や国家観は意外にアッサリしたもの】である。

歴史書はむつかしく書くが、【体験談はそんな面倒なものではない】。たいていは【「運が悪かった」ですんでしまう】。

【死者の声はあとに残らない】のである。グラフを書いてみれば分かるが、戦前の実線は戦時の破線を越えて戦後の実線にまたつづいている。女性の社会進出や、将校の大量採用や工場の大拡張が支えたのである。
アメリカもベトナム戦争に敗戦してからは死者の声が聞こえるような映画がでてくるようになった。
【トランプの登場はその一つ】かも知れない。【ヒラリーの退場にもそれを感ずる】。

この先をもう一歩進めば【アメリカの分解】が見えてくる。

【移民大国のアメリカが変われば世界は新しくなる】。
【グローバリズムよりローカリズム】。【国際標準より地域の自尊】。

人間がそう変わると信仰する宗教も変わった。
【一神教よりも多神教】。永遠の光明より刹那の救い。
それでどこが悪い、と変わる。
【行雲流水(こううんりゅうすい)に身をまかせる日本の良さが進歩の早道】だと大学ではまだ教えないが、【庶民はそれもアリだと思っている】。

【日本がもっている幅の広さ、追及する心の深さ】は【キリスト教にしばられている欧米人の限界を越えている】と、ようやく【日本人は考えるようになった】。

この道をゆこう。
【日本の道を】。
すでに【新しい日本の実力は多方面にその芽をみせている】。』

いかがでしょうか?
この書物の著者が書かれる文章が、とても大好きなんですが、いつも穏やかで、奥が深く、本当に感心させられます♥
本文中で著者が「アメリカの分解」と書かれていますが、これは、これまでのアメリカが壊れて、新しいアメリカが生まれるということです。
これまでのアメリカ、それは建国当初からのアメリカではなく、ここ100年ほどで変容してしまったアメリカのことで、それを破壊して再構築しようとしているのが、トランプ新大統領なのです♥
こちらもご参照♥
↓
☆アメリカが分裂している最も大切なポイント
そして、そのこととも繋がっているのですが、昨日までのところで、世界で通用する唯一の「おカネ」である「アメリカ・ドル」に関係したお話を書かせて頂いています。
「アメリカ・ドル」に対して強力な影響力を持っているのは、アメリカのニューヨークにある金融街ウォール・ストリートではなく、なぜか、イギリスの首都ロンドンにある「一区画」、すなわち「シティ・オブ・ロンドン」が持っています。

シティ・オブ・ロンドン
イギリスの首都であるロンドン、正確に言うと「グレーター・ロンドン」と呼ばれる行政区域、そのど真ん中に位置しているのが「シティ・オブ・ロンドン」(下図の1)で、その他32の特別区を含む範囲としてそう呼ばれますが、実は、ここでも「シティ・オブ・ロンドン」は例外的な存在となっているんです♥

ロンドン 特別区
昨日のところで、イングランドを構成する9つの地域の中で、「グレーター・ロンドン」だけが市長や市議会が存在していると書かせて頂きました。

イングランドの行政区画
そのグレーター・ロンドンの首長である「ロンドン市長」(英: Mayor of London)とは別に、「シティ・オブ・ロンドン」には、ロード・メイヤー (Lord Mayor) と呼ばれる任期1年の「ロンドン市長」(英: Lord Mayor of the City of London / Lord Mayor of London)が存在しているということも書かせて頂きました。つまり、「シティ」というのは、「ロンドン」とは全く違った存在なんです♥

以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 現代における「ロンドン」は、シティ・オブ・ロンドンと同様にシティ・オブ・ウェストミンスターなど32の区を抱える、おおよそグレーター・ロンドンの範囲に相当する広範囲のコナベーション地域を指す単語となっている。」
コナベーションというのは、「発生を異にする複数の隣接する都市が発展し、行政区分の境界を越えてつながって1つの都市域を形成している状態」のことで、私たち日本で例えるなら「首都圏」といった感じのものです。
「 シティの行政はシティ・オブ・ロンドン自治体 (City of London Corporation) が執行している。これは英国内でも独特の制度であり、シティの区画境界を越えて権限や所有権を有する事項もあるなど、イギリスの地方自治制度としては一般的でない部分も少なからず含まれる。この自治体の首班はロンドン市長 (Lord Mayor of London) であり、ロンドン市長(Mayor of London)よりもはるかに古い歴史があり、これとは別に存在し、役所も離れて置かれている。」

「 シティにはロンドン証券取引所やイングランド銀行、ロイズ本社等が置かれ、19世紀から今日まで続く主要な金融センターとして、ニューヨークのウォール街と共に世界経済を先導しているほか、世界有数の商業の中心地としてビジネス上の重要な会合の開催地としても機能している。また、シティは国際的な原料カルテルの化石である。銅や錫などの国際相場もここで決められる。他に、シティから東に4.0 km (2.5 mi)離れたカナリー・ワーフもロンドンの主要な金融地区である。」

「シティ」というのは、「ロンドン」とは全く違った存在だということを、もう少し見ていきますと、例えば、イギリス国王が「シティ」内に立ち入る場合には、市長であるロード・メイヤー (Lord Mayor) の許可が必要となっています♥

また、グレーター・ロンドンのその他の地域を管轄するロンドン警視庁とは別に、「シティ」には独自の警察組織であるロンドン市警察 (City of London Police) も存在しています♥

ロンドン市警の騎馬警官
「シティ」というのは、「ロンドン」とは全く違った存在だということが十分ご理解いただけたと思いますが、それでは、この「シティ」の歴史を遡って見てみましょう。
現在のヨーロッパと呼ばれる地域に、もともと住んでいたのはケルト人でしたが、やがてローマ帝国が勃興し、次々と領土を拡大していきます。

ケルト人の分布(ヨーロッパ中心部が紀元前1500年から紀元前1000年、それ以外の部分が紀元前400年)
そして、ケルト系ブリトン人が住む「ブリタニア」にも、ローマ人が侵略を始めます(紀元43年頃)。

ローマ帝国の領土(茶色がブリタニアの領域)
こちらもご参照♥
↓
☆イギリスにもある「万里の長城」 ~ イギリス王室とヴァイキング
☆ブリトン人と800年の歴史を誇るビスケット
で、このローマ人によるブリタニア侵略のときに、テムズ川に橋が架けられることになります。

テムズ川流路
余談ですが、今から1万年~1万1000年前、このテムズ川は、ヨーロッパのドイツとフランスの国境を流れるライン川とくっついていたんですよ♥

紀元前9千年紀頃、テムズ川がライン川と合流していた状況
お話を元に戻しますと、本来の「シティ」の始まりは、このローマ人による侵略の際に、テムズ川に橋を架けて、南北のローマ人居住地を行き来できるようにしたことによるものでした。
紀元50年頃に、テムズ川の北岸に新しく居住地をつくり、そこを「ロンディニウム」と名付けました。「ロンディニウム」とは、ケルト民族の言葉で「沼地の砦」を意味しています。

ロンディニウムの位置
この居留地が、非常に重要な交通の要所であり、商業地区として発展していくことになるのですが、この「ロンディニウム」こそが、その名が示す通り「ロンドン」の原型であり、「シティ・オブ・ロンドン」となっていくわけです♥

続きは次回に♥
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