2017-02-16 (Thu)

ロイヤルスチュアートタータン
タータン(英: tartan、スコットランド・ゲール語: breacan)とは多色の糸で綾織りにした格子柄の織物である。また格子柄そのものもタータンと呼ばれ、特に日本ではタータン・チェックと呼称される。元来は毛織物であったが近年では様々な素材で作成されている。スコットランド、特にハイランド地方の民族文化と強く結びついており、民族衣装であるキルトは通常、タータンによって仕立てられる。北米ではプラッド (plaid) と呼ばれることも多い。日本では「家紋のようなもの」と例えられ、世界的にもクランとタータンの関係性について言及されることが多いが、家柄とは直接的な関係性のない、特定の地域や企業と結びついたタータンも存在する。さらには単にファッションとして利用されるファッション・タータンといったものも存在する。

ロイヤルスチュアートタータンのキルトとプラッドを身に着けて行進するスコッツガーズパイプ隊
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 英国のEU離脱のことをBrexit(ブレグジット)という。

Britain(英国)とExit(離脱)を合成した新語である。ブレグジットをもっとも雄弁に主張していたのが、英国独立党(UKIP)のファラージュ党首であった。

彼の主張するところは一言で言えば、【イギリス人が自己決定権を取り戻すべきだということ】である。今回の【離脱決定を英国の愚かなポピュリズムのオウン・ゴールだと論評する向きが日本には多い】ようだが、【これは全く間違っている】。

そもそも、【ポピュリズムというのは「大衆主義」のことであり「大衆迎合主義」を意味しない】。

【レーガンもサッチャーもポピュリストと呼ばれた】のである。

【ポピュリズムには右派も左派もある】し、善いポピュリズムもあれば、悪いポピュリズムもあるというだけの話である。

極左である急進左派連合のアレクシス・ツィプラス
【それはエリート主義においても全く同様】である。今回、ファラージュ党首などが率いた【ポピュリズムの運動は、長年、蓄積してきたグローバリズムとエリーティズムへの国民大衆の不満が爆発したもの】であり、【これを非理性的ないし、反理性的判断と論評するのは全くの誤り】であろう。

ファラージュ党首などが鋭く批判したのは、【市場原理主義】であり、そして【EU官僚主義】であった。

市場原理主義についてはそれが市場グローバリズムであることから国家の否定につながることは言うまでもない。もう一つ我々が注意しなければならないのは、反EU官僚主義の主張である。【ベルギーのブリュッセルに本部を置くEUは、巨大な官僚組織】である。【選挙で選ばれたわけでもない官僚が、次々に国民生活をがんじがらめにする規制を各国の国民に押しつけてくる】。【イギリス人は、これに強く反発した】のである。

市場原理主義だけなら、単なるレッセフェール(自由放任主義)の規制緩和である。ところが、【国家の国民に対する保護は取り払われる一方、EU官僚の規制も押しつけられたのだから、国民は我慢の限界を超えてしまった】。

たとえば、女性の生理用品の規格から、ゴム手袋の質、掃除機の吸引力などに至るまで、細々とした規制をEU官僚は各国民に押しつけてくる。スーパーで売られているバナナと胡瓜(きゅうり)は曲がっていてはいけないという規制まであるそうだ。

掃除機に関しては、吸引力が一定以上に「強くてはいけない」という規制がある。そのため、ヨーロッパの掃除機の吸引力は弱く、掃除が捗(はかど)らないというのがヨーロッパ在住の日本人主婦の声でもある。
☆EUが強力な掃除機の販売を禁止、規制前に駆け込み需要
こういう意味不明な規制が山ほど押しつけられてくるところに、元々官僚嫌いのイギリス人は我慢ができなくなっていた。』

いかがでしょうか?
この書物は、昨年(2016年)8月に出版されたものですが、いま、お読み頂いても十分に世相を理解できる、当ブログお勧めの書物です♥
著者も書かれていますが、「イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ現象、パナマ文書スキャンダル、難民流入に伴うEU共同体幻想の崩壊」などといった、一見バラバラに生じている現象は、すべて、ある方向に向かって、一直線に進んでいます。


この件につきましては、当ブログで、以前より一貫して書かせて頂いておりますので、御関心がございますようであれば、下記のリンク先をご参照ください♥
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆トランプ大統領が「孤立主義」だと、何がダメなの?
☆御破算で願いましては・・・
さて、ここからは昨日の続きになります。
時代は14世紀、ヨーロッパで中世と呼ばれ、私たち日本が室町時代にあった頃、イングランド王国は、大陸側のフランス王国との戦争を繰り返しつつ、次第に現在のイギリスの形を整えていくようになります。

エドワード1世
昨日は、イングランド王エドワード1世が、スコットランドに侵攻し、スコットランド王ロバート1世との戦争中に病死、後継のエドワード2世が撤収するところまでのお話でした。

スコットランド

ロバート1世
このイングランドとスコットランドを巡る争いは、現代のイギリスにも、スコットランドの独立問題に絡むニュースを目にすることができるように、700年を経た今も尾を引いているわけです。

☆スコットランド、独立問う2度目の住民投票に近づく-英最高裁判断で
昨日書かせて頂きましたロバート1世の伝説にもあったアイルランド北部のラスリン島。

ラスリン島の位置
少し脱線してしまいますが、東西に7km、南北に4kmの、この小さな島で、1575年、私たちの日本では戦国時代ですが、悪名高い虐殺事件が発生します。

この頃、すでにスペインやポルトガルといったカトリック・キリスト教国家による世界植民地化時代が始まっていて、1570年には現在のフィリピンが植民地化されています。
このことを、当時の戦国武将であった織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などは、もちろん知っていたんです♥ だから、「朝鮮出兵」とか「鎖国」へと繋がっていくわけです。当時の海外情勢に対して、彼らはキチンと情勢を分析、そしてその対処を行っていたんです♥ これが「国史」を学ぶ上で、重要なポイントになります。
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆ゆとり教育と奴隷 ~ 黒人奴隷から武士になった「弥助」
で、そういう時代にラスリン島で起きた事件ですが・・・
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 1575年、悪名高い虐殺事件が起きた。初代エセックス伯ウォルター・デヴルーはアイルランド攻略を命じ、命を受けたフランシス・ドレークとジョン・ノリーズが島へ上陸した。イングランド軍は、マクドナルド氏族が避難していた島を襲い、数百人の女性と子供を殺害した。」

フランシス・ドレーク
このフランシス・ドレークは、イギリスの有名な海賊で、あのスペインの無敵艦隊をアルマダの海戦で破った人物です。

アルマダの海戦
「 「ドレーク等の海賊上りの諸将の率ゐる海軍は、イスパニヤの無敵艦隊を大西洋上に全滅せしめ、又フランスに勝ち、世界海上権を一手に握ることになつたのである。かくして全世界に対抗するものがなくなつた無競争の中で、英国は悠々と印度侵略を完了し、シンガポール其の他の要地を奪取、又阿片戦争を起して支那侵略の牙城を築いたのである。」
イギリスの艦隊は1588年、英仏海峡でスペインの「無敵艦隊」を破ります(アルマダの海戦)が、そのときドレークも参戦し、重要な役割を果たしました。これは歴史上の分水嶺をなす大きな出来事で、スペインの時代からイギリスの時代への移行を象徴しています。…
これをきっかけにして、イギリスは7つの海に躍り出て、インドを侵略したり、シナにアヘン戦争を仕かけたりするようになり、着々とアジアに地歩を築いていきます。」
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆ヨーロッパ諸国のアジア侵出にあたってポイント
「 次は…『大南方地政論』の著者・小牧實繁という京都帝大教授の別の本『世界新秩序建設と地政学』を読んでみます。当時の評判の高かった知識人が書いた本は読むに値します。…
「スペイン、ポルトガル両国がその植民政策の失敗と相互の呑噬(どんぜい、※潰し合い)の結果相次いで衰亡したのにつけ込んで、やがて太平洋に立現れたのはイギリスであつた。十六世紀後半スペイン船を掠奪する為に太平洋に派遣せられたフランシス・ドレーク(※イギリスの海賊です)は、イギリス人として太平洋に登場した最初の人間で、海賊国家の完全な代表者であつた。その後、…ジェームス・クックの…」
ジェームス・クックはわかりますよね。…
オーストラリアやニュージーランドを旅行したことのある人はあちこちにクックの名をかぶせた島や湾や山があったのをご覧になったことと思います。それぐらい南半球では有名な人物です。
クックは探検家のように思われておりますが、実質はそうではありません。じつはイギリス政府に頼まれた侵略の手引き者だったんです。」
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆西太平洋は、「世界の中枢」なんです ~ キャプテン・クックと白豪主義
このように、以降、イギリスが世界で覇権を築き上げていくわけですが、その最初のきっかけを作った人物が海賊のフランシス・ドレークです。
それでは、お話をラスリン島に戻しまして・・・
さきほど、「マクドナルド氏族」とありましたが、もちろん、あのハンバーガーチェーンのマクドナルドの創業者兄弟も、この「マクドナルド氏族」で、彼等はスコットランドからアメリカへと渡った移民の子孫です。

マクドナルド(McDonald's)の「Mc(マク)」というのは、古ケルト語で「息子」という意味になります。
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 マック、マク (mac) は、ゲール語(アイルランド語、スコットランド・ゲール語など)で、本来は「息子」を意味した言葉(父称)。ただし、現代のアイルランド語やスコットランド・ゲール語ではその意味では使われず、姓の一部としてのみ使われる。」
こちらもご参照♥
↓
☆イギリスにもある「万里の長城」 ~ イギリス王室とヴァイキング
マッカーサー(MacArthur)という名前は、アーサーの息子、あるいはアーサー王の子孫という意味になります。
マッカートニー、マカートニー (Macartney, MacArtney)、マッカラン (McCarran)などなど、どれも同じです。

アップル社のPCマッキントッシュは、 カナダの農夫ジョン・マッキントッシュ (John McIntosh) によって発見されたリンゴの品種に由来しています。
で、「マクドナルド氏族」というのは、実は、スコットランドの氏族の中でももっとも大きい氏族のひとつになります。この「氏族」というのがスコットランドにおける独特の社会制度になっていて、現在も続く社会的・文化的な伝統でもあります。

スコットランドの地形(黄色の矢印がラスリン島)
スコットランドの地域は、北部の山岳地帯であるハイランド、石炭と鉄鉱石が豊富な中部のローランド、なだらかな丘陵地帯である南部のアップランドに分けられます。
そしてスコットランドの氏族制度は、北部山岳地帯のハイランドで拡がりました。

スコットランドの氏族分布地図。緑の地域がハイランド、薄緑色がローランド
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 氏族制度が広汎にゆきわたったハイランド地方は、寒冷な気候と急峻な崖や山岳地帯に阻まれ、ブリテン島の他地域に比べて著しく不便な交通状態にある。島の外に視点を移せば、東はスカンジナビア、西は島嶼部とアイルランドに挟まれた地域になっている。陸続きであるブリテン島南部からの往来はむずかしかったが、海からハイランドに渡ることは難しいことではなかった。
ハイランドとローランドで大きく分かれる地理的条件から、西からゲール人、南からブリトン人・アングル人、北からノース人といった多種にわたる民族が流れ込んできた。混じりあった諸民族は各々の文化を融合させ、独自の自治制度すなわち氏族制度を作り上げた。各氏族は10世紀から12世紀ごろにかけて成立したが、特に氏族制度が行き渡ったのは隔絶した地理条件を持つハイランド地方であった。
ゲール語の "clann" は、子供たち (children) を意味する。各々の一族は共通の祖先の子孫で、近所に住む者同士のグループから始まった。当初は核となる大きな氏族に小さな氏族が従属する形をとっていたが、これらの氏族は次第にまとまり、相互扶助のために強固な一氏族となった。」

ロバート・ロイ・マグレガーのタータン
18世紀以降、そのクラン(clann/氏族)ごとに固有のパターンを持つ、クラン・タータンの概念が確立し、現在では、その伝統文化であるタータンを保護、保存するために、2008年にスコットランド・タータン登録法 (Scottish Register of Tartans Act 2008) が制定され、スコットランド・タータン登記所にそのパターンが登録されるようになっていて、スコットランド国内のみならず、世界中のものが登録されており、ここに登録されていないものはタータンを名乗ることができない事態にまでなっちゃっています♥

マクラウドのクランタータン
続きは次回に♥
ランキング参加中で~す^^ ポチっとお願いします♥
↓↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村

人気ブログランキングへ

- 関連記事
-
- 『過去を記憶できない者は、過去を繰り返すよう運命づけられている』 (2017/03/01)
- Toward an Alliance of Hope (希望の同盟へ) (2017/02/28)
- 私たちは中国製品を買うたびに、中国の軍事力増強に手を貸している (2017/02/27)
- マサオくんが殺された理由 (2017/02/26)
- 世界平和の合言葉 「支那からモノを買うな!」 (2017/02/25)
- 疾風怒濤の現在の世界 ~ いよいよ四面楚歌の国ってどこ? (2017/02/24)
- 今、世界で起きていることは、「これから起こること」の始まりにすぎない (2017/02/23)
- タータン・チェックとマクドナルド (2017/02/16)
- こひつじダニーとスコットランド王ロバート1世 ~ ところで、ポピュリズムの反対語ってナニ? (2017/02/15)
- スコットランドの愛国者(パトリオット) ~ ウィリアム・ウォレス (2017/02/14)
- 「アルプスの少女ハイジ」と、「ピンク・レディー」と、「奴隷」 (2017/02/13)
- 暗黒の時代「中世ヨーロッパ」 ~ 私たちの日本には、そんな時代はありません (2017/02/12)
- たったの3歳で女王様になった「ノルウェーの乙女」 (2017/02/11)
- スイスには、「スイス語」はありません (2017/02/10)
- ユダヤ教の「金貸し」とキリスト教の「金貸し」と『阿呆船』 (2016/12/26)