2017-01-14 (Sat)

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 『無原罪の御宿り』
処女懐胎(しょじょかいたい)、または処女受胎とは、文字通りには処女のまま(つまり男女の交わり無しに)子を宿すことであるが、普通は、特に聖母マリアによるイエス・キリストの受胎というキリスト教における概念を指す。カトリックなどマリア崇敬をする教会において、処女懐胎の意義は、マリアがヨゼフとの交わりのないままイエスを身篭ったことにある。無原罪の御宿りとともに、マリアの無謬性(誤りのないこと)を強調する。

グイド・レーニ『受胎告知』
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 近代世界を見渡し、たとえばこの20年間を眺めれば、遠くかけ離れた場所や、非常に異なった利害関係の中で、多種多様な特徴を宿しながらも、【多くの人々にとって新しい政治感情といえるものが芽生えている】ことがわかる。

その感情は【苛立ちから激怒へ、小言から非難へとエスカレート】する。その【矛先は場所を選ばずユダヤ人に向けられる】。

ユダヤ人の活動が次から次へと続くと、その中には正しい場合もあれば、間違っている場合もあり、また無関心な場合などもあるが、【いろいろな段階の(しかも増加してきている)敵意が生み出されている】のである。すでに申し上げたように、大抵の場合、危険な地点はまだ分散されているものの、それらは合わされつつあり、【イスラエルに敵意を抱く広大な地域を形成しはじめている】。

【金融、産業、商業で(どの分野にもいて、その数に全く釣り合わないほどの勢力を誇る)ユダヤ人は支配を求め、すでに支配をほとんど手中に収めている】という理由で反発が起きている。所かまわず【ユダヤ人が受け入れ側の利害に反する行為をする】という理由で、反発が出ている。【受け入れ側の意に反して行われている】という理由で、反発が生じている。【私たちが愛するものに対して無頓着】であるか、あるいは【私たちが愛するものに対して敵対行動をとる】という理由で、反発が出ている。特に言われるのは、【ユダヤ人が私たちの国民感情、宗教的伝統、そして私たちがこれまで継承し、維持したいと望むキリスト教世界の一般的文化と習慣に無頓着であるか、あるいは攻撃的】だということだ。【その強国がイスラエル】なのである。
このようなもろもろの感情は、【ユダヤ人の強さや結束力】を示す事例が次から次へと出るにつれ、ますます高まり、煽(あお)られてもいる。その極端な形として【「反ユダヤ主義」】と呼ばれる特例を挙げれば、その感情がいかに激化しうるかがわかるかもしれない。その近代での現象を検証すれば、私たちの解決しようとしている問題が、いかに根深く重要かということの証(あかし)になるだけでなく、その問題の性格も、ある程度は説明されることになろう。
このような苛立ちに満ちている世界では、そしてその苛立ちが不条理な点にまで至っている大きな地域では(というのも反ユダヤ主義は不条理に満ちていたし、現在でも満ちている)、【ボルシェヴィキ革命の影響が、突如、二方向に及んだ】のである。

というのも、それは、【ユダヤ人の害悪など一度も耳にしたことのない好意的な人々】と、これまで【ユダヤ人と言えば巨大資本の利益と同じものだと見なし、ユダヤ人をかばい、従ってきた人々】の【双方に打撃を与えた革命】であるからだ。それは脇腹への一撃だった。その一撃を受け、【ユダヤ人の中立を支持する人々と、ユダヤ金融を頼りにする人々は、よろめいた】のだった。…

このような心を打ち砕く爆発が起こると、否が応でも注意が引きつけられるのだ。【ボルシェヴィキ主義によって、ユダヤ人問題とは、ひとつの暴力行為であり、ひとつの主張であることが明らかになった】。その主張とは、盲目的な狂信主義者であろうが、確信犯的な嘘つきであろうが、もはや【ユダヤ人問題を否認することはできない】という主張である。』

いかがでしょうか?
「ユダヤ人」に関して書かれている本書は、よくある劣悪な「ユダヤ陰謀説」の類の本ではなく、歴史の中でユダヤ人の置かれていた状況や、その時々の時代背景、ユダヤ人とキリスト教徒との摩擦が生じる原因など、キチンと論理的に解説がなされている非常に秀逸な書物です♥
初版は、今から100年ほど前に、イギリスで出版されています。当時のヨーロッパの世相が、非常にリアルに描写されています。
そして、本文中にも書かれているとおり、当時のヨーロッパの人々に衝撃を与えた「ボルシェヴィキ革命」、これは「ロシア革命」のことですが、この革命も「ユダヤ人」による革命でした♥
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆日本史の最大のタブーって何? ~ 100年前のソ連の人気ツアー 「イパチェフ館 地下2階」
この「ボルシェヴィキ革命」を当時徹底的に批判していたロシア人思想家がイワン・インリンです。

イワン・イリイン
そして、現大統領であるプーチンの思想も、このイワン・イリインと同じです♥ つまり、「反革命」です♥
そんなイワン・イリインやプーチンを批判しているのが、アメリカの外交問題評議会(CFR)です。つまり、アメリカの「左翼」が批判しているんです♥ そして、アメリカ左翼の拠点の一つであるアメリカの外交問題評議会(CFR)には、もちろんユダヤ人が関係しています♥
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆プーチンの思想的、宗教的源泉 「イワン・イリイン 」
「 プーチン大統領にはいくつかの名言があるが、そのうちのひとつ。
「ソ連を懐かしまない人はハートがないが、ソ連に戻りたい人は脳みそがない」
つまり、ロシアをソ連のような独裁的全体主義に戻すような政治目標をプーチンはもっていない。」
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆グレート・ゲームの大変化の兆し
全てのユダヤ人がそうではありませんが、イスラエルに見られる「キブツ」のように、ユダヤ人には「社会主義」的な思想があります。「キブツ」出身のホンモノのユダヤ人左翼も大統領選候補に名乗りを上げていましたね♥
「社会主義」「リベラル」「ネオコン」といった区別がありますが、これらは同じ範疇に入ります♥
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆イスラエルにある「キブツ」ってなに? ~ 日本人とは正反対な、あの民族
アメリカ共和党内にも「左翼」は存在していて、それらを含めたアメリカの「左翼」と対峙しているのが新大統領になるトランプです♥
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆メディアが報じない・・・アメリカの『サイ(犀)』と『サンクチュアリ・シティ(聖域の町)』
こういった基本軸を押さえておきますと、メディアに騙されずに、ニュースの本質を理解することができるようになります♥ とても、簡単ですよ♥

さて、ここからは前回の続きになります♥
「イエス・キリストはキリスト教の創始者ではない」
これを理解するためには、「ユダヤ教の分裂」の歴史を知っておく必要がります。そもそも、ユダヤ人であるイエスは、あくまでもユダヤ教徒でしかあり得ないんです♥
紀元前140年、シリアから独立したハスモン朝は、ユダ王国が滅ぼされ(紀元前586年)てから、400年以上を経て復活したユダヤ人国家でしたが、この王朝を開いたハスモン家は、イスラエル王であったダビデの血筋に属していないため、イスラエルの統治者としては相応しくないという考え方が生じてきます。
このハスモン家の正当性をめぐって、ユダヤ教の内部で、「サドカイ派」と「ファリサイ派」、この二派への「分離」が鮮明になってきます。
エルサレム神殿による祭司たちから構成されて権力側に密着したサドカイ派と、民衆の中にあって宗教者としての指導力を発揮しながらも政治的指導者とは距離をとったファリサイ派という構図です。ファリサイ派は、律法への忠実さを特色としています。
のちに、ファリサイ派から発生しながらも、ファリサイ派と一線を画しているエッセネ派が生まれ、このエッセネ派はキリスト教の発生に影響を与え、神殿崩壊後のユダヤ教を支える思想的な基礎となるものでもあったのですが、三つ巴の派閥抗争を制したのは、ファリサイ派でした。
もう一つ重要な点は、新約聖書には、ファリサイ派とサドカイ派は記述されているのですが、なぜか、当時の主要なグループであったエッセネ派が一切登場しない点です♥

グリゴリー ・ ガガーリン 『キリストの洗礼』
王位継承をめぐって内戦が起こり、ローマ帝国の介入を招き、事実上のローマ帝国の属領となったイスラエルで、新しく王朝を開いたのが、ヘロデ大王でした。

ヘロデ大王
イエスの父親である可能性があるのが、このヘロデ大王です♥

ヘロデ大王時代のヘロデ朝の支配地
「 マタイの福音書とルカの福音書だけが、イエスはナザレではなく、ベツレヘムで生まれたとしている。しかし、ベツレヘムの名は新約聖書の他のどこにも出てこない。

ユダヤ人が待望するメシアである為には、ダビデの子孫である必要があり、ダビデと同じ村のベツレヘム出身でなくてはならなかった。従って、イエスがベツレヘム出身だとの「嘘」を福音書に記したのだ…
真実は、イエスは貧しいナザレの村の出身であり、ダビデの子孫でもなかった…古代のナザレは、ガリラヤ南部の吹きさらしのでこぼこした丘の上にあった。この小さなユダヤ人の村の人口はせいぜい100世帯くらいで、道路も公共建造物もなく、会堂もなかった。…村人のほとんどは読み書きのできない無学者、農民、日雇労働者で、村の名前はどんな地図にも載っていなかった。
イエスはおそらくこの町で生まれ、育った…イエスが…閉鎖的な小村の出身であることは、彼の子供時代について…ある程度信頼できる唯一の事実であるかもしれない。」
「 1世紀のパレスチナの非識字率は97%と驚くほど高い。ヘブライ語の聖書はユダヤ人の日常生活に大きな役割を果たしていたが、イエス時代の圧倒的多数のユダヤ人は、ほとんど聖書を理解できない。イエスは無学者であり、ローマ人が「テクノトーン」と呼んだ職人・日雇い労働者だった。」
「 聖母マリアがカトリックの教義では永遠の処女とされているにもかかわらず、イエスに兄弟がいたことは、事実上、議論の余地はない。イエスには、少なくともヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダ、その他名前も数もわからない姉妹もいる大家族の一員だった。
また、異論の多い聖書における処女降誕という作り話は、イエスの親についての不都合な真実、例えば、イエスが婚外子として生まれたというようなことを隠すためにでっち上げたのではないかという憶測をかき立ててもいる」

グイド・レーニ『受胎告知』
「 イエスの死後、100年もたたないうちに、イエスは私生児であるという噂がパレスチナ全土にすでに広まっていた。イエスが初めて故郷の町ナザレで説教を始めた頃、隣人の一人がぶしつけに、
「この人はマリアの息子か?」
とつぶやくのを聞いている(「マルコの福音書」6章3節)。これは聞き捨てならない、驚くべき発言である。「ヨセフの息子か?」ではなく母方の「マリアの息子か?」と呼ぶことは、普通ではないどころか、とんでもないことなのだ。」

ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ 『祈りの聖母』
「 実在のイエスに近づく唯一の方法は、良かれ悪しかれ、彼の死後に語られるようになった物語からではなく、ナザレというガリラヤの小村でその日暮らしをしていた木工もしくは建設労働者のユダヤ人大家族の一員としての彼の生活から推測される事実の小片をかき集めるしかない。
ローマ帝国により「ユダヤ人の王」の地位に就いたヘロデの死後(紀元前4年死亡)、ガリラヤのユダと呼ばれる教師で革命家が率いるこれまでにない恐怖をかき立てる新たな反徒集団が台頭してきた。ユダは、ヘロデが逮捕・斬首した反徒のリーダーヒゼキアの息子だった。新たな反徒集団のガリラヤのユダらは、イスラエルを外国支配から解放するために断固とした決意を持ち、死に至るまで、唯一の神以外の主人には絶対に仕えないと熱烈に主張していた。
紀元前4年、ユダの率いる熱血漢の小集団がセッフォリスで大胆不敵な襲撃を行い、武器庫を襲って占拠し、武器や軍需物資を奪った。彼らに共感を持つメンバーもこれに合流して、ガリラヤ全域にゲリラ戦を展開し、ローマに忠誠を誓うユダヤ人貴族階級に対する神罰として、裕福な権力者の家を襲って略奪し村を焼き払った。…ユダヤ人の隷属に反対して戦い、…ユダは彼の父ヒゼキアのように、自分自身がメシアの権威を引き継ぎ、ダビデ王のような王位に即く資格ある人間だと宣言しようとしていた。
ガリラヤのユダはローマ軍に捕らえられて殺害された。ローマ人は懲罰として、セッフォリスに侵攻し、町を完全に焼き払った。男たちは虐殺され、女子供は奴隷として競りにかけられた。二千人以上の反徒とその同調者が十字架に架けられ、集団処刑された。
ナザレのイエスが生まれたのは、メシアになり損ねたヒゼキアの息子で、同じようにメシアになれなかったガリラヤのユダが…いきり立っていた年だった可能性が高い。ローマ軍がユダを捕らえ、信奉者と共に十字架に磔(はりつけ)にして、セッフォリスを破壊した時には、イエスは十歳ぐらいになっていたはずである。…イエスが「大工」の徒弟として働き始めてから、遍歴の説教師として伝導を始めるまで、ナザレの小村ではなく、セッフォリスというコスモポリタン的な首都で、大都市へ来た地方出身の若者として過ごした時間の方が多かったのではないだろうか。日の出から日の入りまで、週6日間、イエスは…昼間はユダヤ人貴族階級の豪壮な邸宅の建設に従事し、夜は泥と煉瓦の崩れかけた家に戻っていたのかもしれない。彼は桁違いに裕福な人々と、借金だらけの貧乏人の格差が急速に広がっているのを自分の目で見ていたに違いない。…そうした裕福で、気ままに暮らすユダヤ人(貴族)たちは、ローマ皇帝を造物主のように褒め称えることに多くの時間を費やしていた。」

アンドレア・マンテーニャ 『磔刑図』1459年
詳しくはこちらをご参照♥
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☆イエス・キリストは実在したのか? ♥ レザー アスラン
続きは次回に♥
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