2016-12-26 (Mon)

ヒエロニムス・ボス 『愚者の船』
『阿呆船』(あほうせん、Das Narrenschiff) は、15世紀のドイツ作家セバスティアン・ブラントによって書かれた諷刺文学である。1494年にバーゼルで刊行された。1497年にはラテン語訳も刊行され、その後英語、フランス語、オランダ語など各言語に翻訳されて16世紀ヨーロッパにおけるベストセラーになった。
ありとあらゆる種類・階層の偏執狂、愚者、白痴、うすのろ、道化といった阿呆の群がともに一隻の船に乗り合わせて、阿呆国ナラゴニアめざして出航するという内容である。全112章にわたって112種類の阿呆どもの姿を謝肉祭の行列のごとく配列して、滑稽な木版画の挿絵とともに描写しており、各章にはそれぞれに教訓詩や諷刺詩が付されている。巻頭第一章を飾るのは、万巻の書を集めながらそれを一切読むことなく本を崇めている愛書狂(ビブロマニア)であり、ここでは当時勃興した出版文化の恩恵に与りながら、有効活用もせず書物蒐集のみに勤しむ人々を皮肉っている。その他にも、欲張りや無作法、権力に固執する者などが諷刺されている。本書は同時代ドイツにおける世相やカトリック教会の退廃・腐敗を諷刺したものとされる。



ヒエロニムス・ボス 『快楽の園』
ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch、1450年頃 - 1516年8月9日)は、ルネサンス期のネーデルラント(フランドル)の画家。初期フランドル派に分類される。本名はイェルーン・ファン・アーケン(Jeroen van Aken)。オランダ語でイェロニムス・ボス(Jheronimus Bosch)、ドイツ語でヒエローニュムス・ボシュと発音するが、日本では「ヒエロニムス・ボッシュ」と表記されることもある。
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 あるフィンランド人の言葉を思い出す。
「【ドイツ人は夢見る人】。それに対して、フィンランド人は実際的な国民です」

原発の町のハッリ・ヒーティオ町長(52)は、簡素な町長室で真剣な表情を変えず答えた。

ハッリ・ヒーティオ
フィンランドの首都ヘルシンキから電車とパスを乗り継いで4時間。フィンランドとスウェーデンに挟まれたボスニア湾に面したエウラヨキ町を訪れたのは、すでに晩夏の気配が濃い2011年8月22日のことだった。

エウラヨキ町の位置
町の西部、湾に突き出るように位置するオルキルオト島の先端部に、オルキルオト原発がある。原子炉が2基稼働し、1基が建設中で、4基目の建設も計画されていた。原発敷地にほぼ隣接して、核廃棄物のオンカロ最終処分場の建設も進行中だった。

オルキルオト原子力発電所全景
ヒーティオの言葉は、私の
「ドイツは脱原発を決めた。フィンランドはなぜ原発を推進するのか」
の質問に対する答えだ。ヒーティオは、【ドイツ人を夢見る人(dreamer)】、自国民を実際的な(practical)国民、と定義するわけを、次の様に言った。
「 もし我々が生活水準を保ちたいならば、エネルギーが必要だ。そのためには二つの可能性がある。我々自身がエネルギーを作り出すか、隣国ロシアから買うかだ。大半のフィンランド人は、(ロシアにエネルギーを依存することで)ロシアに我々の生活水準を決められたくない。ドイツは大国だ。ロシアと対等に話せる。しかし、フィンランドはできない。我々はロシアとの多くの戦争から、ロシアについて学んだのだ」


☆『THE TRUE SIZE OF ...』
ロシアに隣接している地政学的条件など、フィンランドについての考察はひとまず置く。私の耳にすっと飛び込んできたのが【「夢見る人」という言葉】だった。この言葉で、それまで私の頭の中でもやもやとわだかまっていた霧が、あっという間に晴れたような気がした。【フィンランド人の現実感覚に対比された「夢見る人」という定義は、ドイツとドイツ人の本質を見事に言い当てた言葉】に思えたからである。

夢見るメルケル
こちらもご参照♥
↓
☆自然エネルギーが導く灰色の未来 ~ 「電気はあまっている」という単純思考
☆実は使えない、再生可能エネルギー ~ 発電施設を3千倍にしても、賄える電気が半減する摩訶不思議
☆電気の「しわ取り」 ~ ドイツの電力会社が、計画的な発電ができない理由
当時、【ドイツの急激な脱原発の動き】や、【ユーロ崩壊】の可能性すら喧伝されたユーロ危機を取材する中で、私は【ドイツ人の振る舞いや考え方に、強い懸念】を感じていた。

こちらもご参照♥
↓
☆フクシマの「うちでのこづち」 ~ 日本共産党と民進党(もと民主党)がやったこと
☆【福島第一】 警戒区域を発動する前に、やっていたこと!
なぜ福島第一原子力発電所事故に関するドイツメディアの報道はかくもセンセーショナルなのか、なぜ遠く離れた日本での出来事がドイツでの脱原発という決定を促したのか、なぜ【欠陥がつとに指摘されていたユーロ】が【ドイツ主導で導入】されたのか、といった疑問が頭の中に渦巻いていた。それらを解決するヒントがヒーティオの言葉から得られたように思ったのである。
「夢見る人」を定義するならば、現実を醒めた謙虚な目で見ようとするよりも、【自分の抱いている先入観や尺度】を対象に読み込み、

【目的や夢を先行】させ、

さらには【自然や非合理的なものに過度の憧憬(しょうけい)を抱くドイツ的思惟(しい)】の一つのあり方、である。

本書はこの「夢見る人」の概念を手がかりに、ドイツの「危うさ」を解き明かす試みである。』

いかがでしょうか?
この書物は、現代ドイツ人の考え方を見る上で、とても参考になります。
その「夢見るドイツ人」が、またまた危機のトリガーになる可能性があるのですが。。。
詳しくはこちらをご参照♥
↓
☆世界の流れは、ABCDEFG ~ ターゲットは、もちろん「C」
早速ですが、ここからは、前回からの続きになります。
連日にわたって、書かせて頂いておりますが、私たち日本の戦国時代の頃、ヨーロッパでは「宗教改革」を切っ掛けとしたキリスト教の分裂が始まっていました。

この時代は、西洋史でいうところの「近世」になります。
で、当時の状況を簡単に表しますと、こんな関係で御理解いただければ良いかと思います。

1547年時点でのハプスブルク家の領土
ここで、イングランド王国とフランス王国の関係を見ていく必要があるのですが、ポイントになる地域が「ノルマンディー」です。

ノルマンディー
詳しくはすでに書かせて頂いておりますので省略いたしますが、北方ゲルマン系のヴァイキングであるノルマン人が、侵入して支配したのが、このノルマンディーでした。

12世紀にノルマン人が征服した地を赤で示す
この地を治めたノルマンディー公は、フランス王の臣下でもあったのですが、後のウィリアム1世の時代にイングランドに攻め込み、征服し、ノルマン人の王朝であるノルマン朝を開き、現在に至るまで、その血筋が続くことになります。

ウィリアム1世

ノルマンディー公国の紋章
ノルマンディー公ギヨーム2世がイングランド王ウィリアム1世として開いたノルマン朝は、その紋章からも分かるとおり、ヴァイキングのノルマン人の王国です。

ノルマン朝の紋章
この時代、国王、貴族、教皇という、いわゆる支配階層が、政略結婚で複雑な婚姻関係を築き、権力の増大、領地の拡大、権威の強化を図っていた時代でした。
フランス国王の臣下であるノルマンディー公が、イングランド王を兼務するノルマン朝の後に続く王朝が、同じくフランス国王の臣下であるアンジュー伯及びノルマンディー公、そしてイングランド王を兼務するヘンリー2世(在位:1154年 - 1189年)のプランタジネット朝でした。

ヘンリー2世

プランタジネット朝の紋章
この流れは、現在のイギリスの国章からも分かる通り、いまも受け継がれています♥

現在のイギリスの国章
フランス王国の臣下でありながら、イングランド王も兼務する巨大なアンジュー帝国の誕生でした♥

1172年頃のアンジュー帝国の版図
これが、後に、イングランド王国とフランス王国の王位継承をめぐる戦争である「百年戦争」(1337年~1453年)へと繋がり、この戦争が、現在のイギリスとフランスの国境を決定しました。
つまり、「戦争によって領土を確定させた」わけです♥

現代の私たち日本人の立場で考えますと、「北方領土問題を戦争によって解決する」のか、「北方領土問題を戦争によらず解決する」のか、考えさせられるポイントではないでしょうか?
日本共産党や民進党といった輩は、まるで「戦争しろ!」とでも言わんばかりに、安倍総理を批判していますが、皆さんは、いかがでしょうか?
力ずくで「戦争によって解決する」のであれば、自衛隊を軍隊に、憲法を変え、軍事費を引き上げなければならないのですが、そのいずれについても、日本共産党や民進党といった輩は、強烈に反対しています♥ 完全に矛盾しているんです♥
これは、私たちの日本を「封じ込めるため」にやっている、すなわち「国益」に反することをやっているわけです♥

先日の日露首脳会談での合意事項である「日本側」の「投融資額」が「3000億円」なので、「何故か、そこばかりが強調」されていますね♥
では、「ロシア側」は「負担ゼロ」「拠出ゼロ」なんでしょうか?

「3000億円」という金額は、日本側から見た場合だけの、「投資」の金額であり、「融資」の金額です。
その合意の中身は、たとえば、「ハバロフスク空港新ターミナル建設・運営共同事業の覚書」であったり、「ウラジオストクの外来リハビリテーション事業の覚書」であったり、もするわけですが、「日本側」から一方的に「おカネを寄贈」する類ではないことは、キチンと合意の中身を確認すれば、すぐに理解できます♥
こちらをご参照♥
↓
☆プーチン訪日後の日露関係の行方
しかも、それらの総額は、NHK職員の、NHK職員による、NHK職員のための「NHKの新社屋」の建設費用よりも「低い」んです♥

☆新国立も顔負け…NHKは受信料で「3400億円」豪華社屋計画
さて、先日の日露首脳会談での合意事項である「日本側」の「投資」と「融資」の総額が、NHK新社屋の建設費用よりも低い、たったの「3000億円」なのですが、「投資」とか「融資」って、なんでしょうか?

以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 投資(とうし、英: investment)とは、主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す(現代において、生産能力の増加しない商業活動はこれに含まない)。広義では、自己研鑽や人間関係においても使われる。
どのような形態の投資も、不確実性(リスク)が伴う。一般に、投資による期待収益率が高い場合、不確実性(リスク)も高まる。この一般則に反する取引が可能な場合、裁定取引が行われ、収益率の低下またはリスクの増大が起こる。」
「 融資(ゆうし、英語: loan)とは、資金を融通すること。つまりお金を必要とする者に貸すこと。特に消費者金融などを中心として片仮名で「ローン」とも呼ばれる。」
つまり、「融資」は「金貸し」です♥

「そんなことは誰でも知っている」と言われると思われますが、「おカネの本質」を理解されていないと、その「金貸し」の本質を知らないことになるんです♥

連日に渡って書かせて頂いていますが、それが何故、大切なのかと申しますと、私たち日本人の大多数が「知らない」「教えられていない」、でも、「決定的に重要なこと」があるからです♥
現代のアメリカに存在している左翼ユダヤ人の「革命思想」。そして、アメリカによって戦後の日本に持ち込まれた、「日本独特の左翼・リベラル」が、そもそもどのような思想、どのような経緯から生まれてきたのか、を考えますと、「左翼ユダヤ人の思想」に繋がります。

私たち日本人とは相容れない、そしてそれが「ユダヤ人の思想」であるにも関わらず、「日本独特の左翼・リベラル」の連中がそのことに気が付いていないため、世界中の左翼・リベラルとは全然違う、「何か得体のしれないモノ」になっているんです♥

で、そんなユダヤ人の思考パターンに繋がる歴史を理解するためには、権威の象徴である「教皇」、権力の象徴である「国王」、そしてそれらを巡る「金融」に注目して、考えていかなければなりません。
中世(500年~1500年)と呼ばれる時代のイギリスにおいて、その初期からプランタジネット朝(1154年~1399年)の途中まで、当時のイングランド王国のユダヤ人は、一般的に裕福であり、しばしば大金持ちでもありました。

詳しくは、別の機会に書かせて頂きますが、プランタジネット朝(1154年~1399年)の途中のある時期、大体13世紀の半ば以降、イングランド王国内でのユダヤ人の影響力は衰え始めます。
では、それまでのユダヤ人が、なぜ影響力を持っていたのでょうか?

それが、ユダヤ人と「金融」の関係にあります♥

金貸しを神殿から追い出すキリスト
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 金貸し(かねかし)とは、通貨(流通貨幣)を必要としている個人または事業者へ、その返済において貸付金以上(利息や手数料など)の返済を約束させ、通貨を貸す行為(英: moneylending)、およびその行為をする個人または事業者(英: moneylender)のことである。法外な金利を取る金貸し業(英: usury, usurious lending)やその業者(英: usurer)を高利貸という。
金貸しは、古代に貨幣の使用が始まると、それに遅れることなく始まった職業であると思われる。社会的動物としての人間の社会が高度に専業化した結果、様々な生産活動の産物の交換が行なわれるようになった。この多岐に亘る現物交換の不便を補うものとして約束手形のような代用貨幣の利用が始まった。この代用貨幣の使用によって社会の経済活動はいっそう活発になり、結果として貨幣を蓄えた者や貨幣を必要とする者が出てきた。そこで貨幣に対する需要と供給が発生し、金貸しが始まった。」

高利貸し(『阿呆船』の挿絵で、アルブレヒト・デューラーによる木版画)
こちらもご参照♥
↓
☆アルブレヒト・デューラーと「在日」姜尚中
「金貸し」の歴史は古く、紀元前5000年ごろの近東で、すでに存在していて、メソポタミア人、ヒッタイト人、フェニキア人、エジプト人、シュメール人などの記録が残っています。金利は高く、銀では10~25%だったり、穀物では20~35%だったりと、「ぼったくり」でした♥
古代オリエントにおける、バビロニア国家の、第六代ハンムラビ王の時代(在位前1724~前1682年)に、有名な『ハンムラビ法典』がありますが、その第49条には、次のようなことが書かれています。
「 利子を生む債務者であっても、天候不順のため畑が荒廃し、収穫が絶滅した者、あるいは水不足のため、畑に穀物を成長させることができなかった者は、なんびとであれ、その年は債務者にいささかも穀物を提供しなくてもよい。その者の債務は軽減され、この年の利息は支払われない」
こちらもご参照♥
↓
☆ハンムラビ法典 「目には目を…」の正しい意味 ~ 旧約聖書に書かれていること
で、この「利子」をめぐって、のちに宗教上の考え方が現れてきます。
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 古代ギリシアの海上交易においても利子を伴う貸付は広く行われていたが、当時から利子は問題視されていた。アリストテレスはその著書『政治学』の中で、「貨幣が貨幣を生むことは自然に反している」(『政治学』1巻10章)と述べている。
古代ヘブライ人は徴利を禁じ、ヘブライ聖書に遺されたその掟は、同じく旧約聖書を聖典とするキリスト教徒にも影響を与えた。例えば旧約聖書には「あなたのところにいる貧しい者に金を貸すなら(中略)利息を取ってはならない」 (出エジプト記22:25)、「金銭の利息であれ、食物の利息であれ、すべて利息をつけて貸すことのできるものの利息を、あなたの同胞から取ってはならない」(申命記23:19)、「あなたの兄弟(中略)から利子も利息も取ってはならない」(レビ記25:35-37)と記されており、詩篇15は、利子を取らずに貸す者を「主の幕屋に宿るべき人」と称えている。」
このように、ユダヤの聖書であるヘブライ語聖書では、ユダヤ人は同じユダヤ人への金貸しを禁止していて、無利子と定められていますが、ユダヤ人以外、イスラエルの民以外には「有利子」による金貸しが認められています。

「 また、新約聖書の「あなたがたは、敵を愛し、人によくしてやり、また何も当てにしないで貸してやれ」(ルカ6:34-35)、すなわち利得を期待せずに無償で貸すべきであるという教えは中世キリスト教において重んじられた。キリスト教の初期の宗教会議、例えば325年のニカイア公会議では聖職者による徴利が禁じられ、中世前期にはクリシー公会議(626年)やカール大帝の「一般訓令」(789年)によってこの禁止は一般信徒にも適用された。徴利禁止は12世紀以来の教会法に組み込まれた。13世紀にはこの禁を犯した者は破門に処すべきとされた。「高利貸は神の所有物である時間を売っているのであって、他人の財産を売りさばく盗みに等しい行為だ」といった理屈は当時の人々の常套句であった。」
で、そのユダヤ教から後になって生まれるキリスト教やイスラム教は、ユダヤ人が同胞に貸してはならないという掟の部分を、拡大解釈し、「金貸し」そのもの、「利子」そのものを「悪」と見做すようになります♥
ここに、ユダヤ人と「金融」の関係が成立するんです♥

「 トマス・アクィナスはアリストテレスにならって「金は金を生まず」と述べ、金銭消費貸借において、貨幣本来の用途から逸脱して金銭そのものから代価を得ることは不正であるとみなした。一部の修道院はさまざまな形態の貸付を行い、中でも譲渡抵当、すなわち土地を担保としてそこから得られる収益を地代として貸付者に支払うという仕組みの貸借が多かったが、12世紀末には譲渡抵当を禁じる教令が発布された。他方、ローマ法や中世初期のゲルマン法では年利12%の利子取得が認められており、13世紀には33.5%が上限とされていた。

トマス・アクィナス
旧約聖書は「貧者」と「同胞」への利子を禁じているが、申命記23章20節では異邦人からは利息を取ってもよいと明言しており、中世のユダヤ人にとっては異邦人たるキリスト教徒から利子を徴収してもトーラーの教えに違反しなかった。中世ヨーロッパでは12世紀まで、ユダヤ人(および、前述のようにキリスト教の修道院)が消費のための利子付貸付の大部分を担っており、ユダヤ人は高利貸のイメージに結びつけられた。当時のユダヤ人は、農業や職工といった生産活動に従事することを徐々に制限されつつあり、狭い地域の人々を相手に利子付の消費貸借契約を行う金貸しや質屋へと転じた(後には近世の商品経済の発展につれて、広域商取引に乗り出すユダヤ人も現れ、諸侯に資金を提供する宮廷ユダヤ人は銀行家へと成長していった)。キリスト教徒の高利貸は教会法廷の管轄とされたため、世俗の裁判所に引き渡される場合を除き、過酷な刑罰が科せられたわけではなかったが、ユダヤ人と外国人の高利貸は世俗裁判所の管轄とされた。13世紀のフランス王はユダヤ人高利貸に対して過酷な法令を発布してこれを抑圧した。」
念のために書かせて頂きますが、ユダヤ人がすべて「金貸し」であり「裕福」だったわけではなく、今でもそうですが、貧乏なユダヤ人の方が圧倒的に多いことは、ユダヤ人の歴史を通じて言えることです♥
また、キリスト教徒であるから「金貸し」をやらなかったわけでもなく、「高利貸し」が「悪」とされていただけで、当時のヨーロッパでも、そして今でもそうですが、歴史のある「大富豪」はキリスト教徒に圧倒的に多く存在しています。
現在に見られるユダヤ人の「大富豪」の歴史は、極めて浅い歴史でしかありません♥

何故かと言いますと、異教徒であるユダヤ人の金貸しはキリスト教によって保護されず、一方でキリスト教徒の金貸しは、「抜け道」が存在していて、事実上、保護されているようなものだったからです♥
以下は、Wikipediaからの抜粋です。
↓
「 中世ヨーロッパのカトリック教会においても、旧約聖書申命記23:19-20の「兄弟に利息を取って貸してはならない」、4世紀のアンブロジウスの「資本を超えたものを受け取ってはならない」という教えから、信徒間で利息を取ることは教義上禁じられ、この教義はグラティアヌスの教会法(グラティアヌス教令集)に入れられた。これに違反した者は破門と定められ、世俗法廷に引き渡される者もいた。第3ラテラン公会議(1179年)では、多くの人がまるで許されているかのように金貸しを営んでいるとしてこれを非難し、高利貸を破門にして秘跡やキリスト教徒としての埋葬を受けられないようにすべきであるとの教令が発布された(カノン25条)。第4ラテラン公会議(1215年)では、高利貸が規制されているキリスト教徒をユダヤ人高利貸から保護するためとして(カノン67条)、ユダヤ人隔離の方針を定めた。すでに11世紀末頃からユダヤ人は高利貸として非難の的となっていたが、これ以降、ユダヤ人の職業選択の余地がなくなり、金融業を営むユダヤ人が増えた。11世紀から13世紀の神学者は、それまで良くないことだと見なされていた金貸しがなぜ悪いのかを論理的に証明しようとした。このように、金貸しは表向き禁止されていたが、一方で投資は許容されていた。金貸しと投資の違いは、投資は投資先の事業に参加するわけで資金の回収はその事業の結果によるが、金貸しはその意味でのリスクは負わない、ということである。また、慈善事業として行なわれる金貸しでは、手数料などの徴収は認められるようになった。13-14世紀のイタリア商人は教会や世俗君主に貸付を行い、謝礼という形で事実上の利息を取った。このように、盛期中世に次第に活発化する交易などの経済活動において、利子を取るためのさまざまな便宜上の方策が取られるようになり、中世末期には高利貸が公然と行われるようになっていた。教会は建前上は金利を取ることを禁じていたものの、商人との取引において実質的にはこれを容認する形となった。フランチェスコ会が15世紀に開設した、高利貸に代わって庶民に金を貸す公益質屋も年利10%程度の利子を取った。メディチ家などのイタリア商人は銀行家(両替商)として台頭し、大々的に金融を担うようになった(一方、かつては国際的交易を担ったがその活動を制限されるようになったユダヤ人は、近隣のさまざまな階層の人々に貸付を行う質屋などの消費者金融的業態を取る者が多かった)。両替商は貨幣の交換率の差から生じる事実上の利子を徴収したが、神学者たちはこれは禁止されている利子 (usuria) ではないと解釈した。ただし、商人は時間を売って儲けを得ているとされ、時間は神のものであるというキリスト教的観点から問題視された。」
続きは次回に♥
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